mission 12:pirates of the D-M-C ~船長はダンテ~
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松明で先を照らしながら進むことしばらく。
床から無数の石筍、天井からは大量の鍾乳石が垂れ下がる。
湿気ぽい空気にも慣れた。たまにポタポタと垂れる水が落ちてくることがあり鬱陶しいが、それを除けばここは芸術品にあふれる自然に出来上がった美術館だ。いや、宝石店といってもおかしくないかもしれない。
松明の火が反射した氷に似た乳白色のそれらは、人の手も入らぬ状況で美しく煌めいていた。
「すごく綺麗……」
「ああ、綺麗だな。まるでディーヴァだ」
鍾乳石を共に眺めていたダンテがふとそんな言葉を漏らす。綺麗だけれども石と同じ?不思議に思い、頭上のダンテの顔を見つめる。
「どこがあたしなの??」
「神秘的なトコ」
神秘的って、天使の血が入ってるってだけな気がする。
が、その気持ちは有り難く頂戴しておこう。
返事がわりにダンテの胸元に擦り寄るように顔を強く押し付けた。
自分の事はともかく、ここが綺麗なばしょには違いない。
これまで、幸せな瞬間を懐かしむためと、季節のイベントごと、大切な記念日、何気ない日常……幾度となくカメラに収めてきた。
ダンテと出会ってから増えたアルバムはこれで何冊目だろうか。
今ここにカメラがあれば、この空間をも切り取って永遠にできたのに。
「ん?奥に分かれ道があるな」
ザリ……。
しばし魅入っていたダンテが、ふと奥へと足を向けた。
この鍾乳洞内から先は非常に狭くなってきているように見えるが、暗いその奥の方が二又に分かれているのだ。
普通の視力しか持たないディーヴァには見えなかったが、視力の良すぎるダンテにはくっきりと見えたのだろう。
羨ましい目だ。ちょっとその視力をわけてほしいところだなと、ダンテの目線の先を見つめた。
「ディーヴァならどっちの道を選ぶ?」
「んー………。人間迷ったら左だよってお兄ちゃんが昔言ってたから左かな。
左回りの法則ってやつだよね」
ほとんど無意識で左を選ぶようだが、その実、右脳の方が空間把握に長けているから人は左側に注意を向けるのだ、というものらしい。
また、左側にある大事な臓器である心臓を守るためだとも聞く。
思い返せば、兄には色々と教わった。
「●ラピカ理論じゃなくてか?」
「伏せてあっても名前は出さないで」
ぺちぺちとダンテの頬を叩いて諭す。
「ふぅん……右のがあったかそうなんだけどな」
ダンテはディーヴァの手が頬を叩くのも気にせず、かわりに不服そうな顔で左の道を睨んだ。
その目線の先を辿る。
ああ、なるほど。
左は右よりも、通り道沿いに天井からの鍾乳石が多い。それに比例して、頭に落ちてくる水滴の量も多くなる。
ダメージがあるわけではないが、頭が濡れるからダンテの不快度数は高い。
ディーヴァの頭も濡れるかもしれないが、横抱きにしている状態でダンテがそれを許すわけもなく。
つまりはダンテの頭ばかりが濡れるのだ。
右にしようか、と言おうとした時にはダンテはすでに左の道へと入っていた。
まあどうせ、どちらの道も探索する羽目になりそうな場所だ。どちらから行ったとしても、結局頭は濡れる。
少し進めば、体感温度が急激に下がってきた。
我慢できる寒さだったが少し足を擦り合わせたからバレてしまったようで、ダンテがディーヴァを抱きしめる力はより強くなった。
「ディーヴァ、寒くないか?」
「ちょっぴり」
息も少し白んできたあたりで、流れる水が澄み切っている場所についた。
底のほうから小さく波打つそれは、清らかな水が湧いてくる動き。
ダンテに言って降ろしてもらい、指をちょろっとだけ水につける。
凍るほどではない、気持ちのいい冷たさ。
「綺麗な湧水。長い年月をかけてろ過されたのが、ここに湧いて出てきてるんだね」
「だろうな。魔力の反応もないから、悪魔に汚染されてるわけでもなさそうだ。
岩清水みたいなもんか」
ひと掬いすれば、微生物もおらずどこまでも澄んでいた。
「下まで透き通って見えるね。この光はどこから射してるんだろう?」
ダンテが頭上を指差す。上を見上げればダンテでもとどかぬ場所に小さく穴が開き、そこから日が入ってきてていた。
丸い穴から見る夕暮れ空は、ほの赤いりんごでも浮かんでいるかのよう。食べたい。
「これだけ澄んでるなら飲んで平気かな……」
りんごも食べたいが水も飲みたい。
今までは綺麗な水だったとしてもダンテからの許しは出ず、飲ませてもらえなかった。
喉が乾き始めていた矢先にこれだけの綺麗な水だ。口をつけたくなる。
『おなかは壊さないと思う』
「おいアラストル、適当なこと言ってるんじゃないだろうな」
『悪魔汚染ないなら平気だろ。
水あたりを危険視するなら沸かして飲めばー?』
「残念。それだと水を入れるものが必要そうだね」
「ディーヴァのわかめ酒という入れ物だったらオレは飲める。ディーヴァにはわかめがないけどな」
「え何それ」
「いや?なんでもないぞ」
『マスター最低』
またダンテが変なことを言ったようだが、どうせ最低な変態ワードだ。忘れよう。
せっかくイケメンなのに、たまに下世話な事言うから残念なイケメンなのだ。これから先もこのままだろうけど諦めているし、そもそもそこが良かったりする。
変態なところもいいなんて、とことんダンテに染まりきったものだ。
「水を汲めそうなものはぼちぼち探すとしてだ。水中から行けばどこか違う空間に繋がっているかもしれない。どうする?」
「うーん。それって必ず繋がってるかどうかわからないよね」
「まぁな。酸素不足を解消する空気だまりがあるかどうかもわからない」
潜っている途中で酸素が足りなくなったらアウトだ。結局繋がる場所がなくてもアウト。
『そこまですることもないんじゃない。もう一本の道いけば?』
分かれ道になっていたところか。今回は左にきたが右の道がまだ未攻略。
ディーヴァは再びダンテに抱き上げてもらい、分かれ道を右へ進んだ。
床から無数の石筍、天井からは大量の鍾乳石が垂れ下がる。
湿気ぽい空気にも慣れた。たまにポタポタと垂れる水が落ちてくることがあり鬱陶しいが、それを除けばここは芸術品にあふれる自然に出来上がった美術館だ。いや、宝石店といってもおかしくないかもしれない。
松明の火が反射した氷に似た乳白色のそれらは、人の手も入らぬ状況で美しく煌めいていた。
「すごく綺麗……」
「ああ、綺麗だな。まるでディーヴァだ」
鍾乳石を共に眺めていたダンテがふとそんな言葉を漏らす。綺麗だけれども石と同じ?不思議に思い、頭上のダンテの顔を見つめる。
「どこがあたしなの??」
「神秘的なトコ」
神秘的って、天使の血が入ってるってだけな気がする。
が、その気持ちは有り難く頂戴しておこう。
返事がわりにダンテの胸元に擦り寄るように顔を強く押し付けた。
自分の事はともかく、ここが綺麗なばしょには違いない。
これまで、幸せな瞬間を懐かしむためと、季節のイベントごと、大切な記念日、何気ない日常……幾度となくカメラに収めてきた。
ダンテと出会ってから増えたアルバムはこれで何冊目だろうか。
今ここにカメラがあれば、この空間をも切り取って永遠にできたのに。
「ん?奥に分かれ道があるな」
ザリ……。
しばし魅入っていたダンテが、ふと奥へと足を向けた。
この鍾乳洞内から先は非常に狭くなってきているように見えるが、暗いその奥の方が二又に分かれているのだ。
普通の視力しか持たないディーヴァには見えなかったが、視力の良すぎるダンテにはくっきりと見えたのだろう。
羨ましい目だ。ちょっとその視力をわけてほしいところだなと、ダンテの目線の先を見つめた。
「ディーヴァならどっちの道を選ぶ?」
「んー………。人間迷ったら左だよってお兄ちゃんが昔言ってたから左かな。
左回りの法則ってやつだよね」
ほとんど無意識で左を選ぶようだが、その実、右脳の方が空間把握に長けているから人は左側に注意を向けるのだ、というものらしい。
また、左側にある大事な臓器である心臓を守るためだとも聞く。
思い返せば、兄には色々と教わった。
「●ラピカ理論じゃなくてか?」
「伏せてあっても名前は出さないで」
ぺちぺちとダンテの頬を叩いて諭す。
「ふぅん……右のがあったかそうなんだけどな」
ダンテはディーヴァの手が頬を叩くのも気にせず、かわりに不服そうな顔で左の道を睨んだ。
その目線の先を辿る。
ああ、なるほど。
左は右よりも、通り道沿いに天井からの鍾乳石が多い。それに比例して、頭に落ちてくる水滴の量も多くなる。
ダメージがあるわけではないが、頭が濡れるからダンテの不快度数は高い。
ディーヴァの頭も濡れるかもしれないが、横抱きにしている状態でダンテがそれを許すわけもなく。
つまりはダンテの頭ばかりが濡れるのだ。
右にしようか、と言おうとした時にはダンテはすでに左の道へと入っていた。
まあどうせ、どちらの道も探索する羽目になりそうな場所だ。どちらから行ったとしても、結局頭は濡れる。
少し進めば、体感温度が急激に下がってきた。
我慢できる寒さだったが少し足を擦り合わせたからバレてしまったようで、ダンテがディーヴァを抱きしめる力はより強くなった。
「ディーヴァ、寒くないか?」
「ちょっぴり」
息も少し白んできたあたりで、流れる水が澄み切っている場所についた。
底のほうから小さく波打つそれは、清らかな水が湧いてくる動き。
ダンテに言って降ろしてもらい、指をちょろっとだけ水につける。
凍るほどではない、気持ちのいい冷たさ。
「綺麗な湧水。長い年月をかけてろ過されたのが、ここに湧いて出てきてるんだね」
「だろうな。魔力の反応もないから、悪魔に汚染されてるわけでもなさそうだ。
岩清水みたいなもんか」
ひと掬いすれば、微生物もおらずどこまでも澄んでいた。
「下まで透き通って見えるね。この光はどこから射してるんだろう?」
ダンテが頭上を指差す。上を見上げればダンテでもとどかぬ場所に小さく穴が開き、そこから日が入ってきてていた。
丸い穴から見る夕暮れ空は、ほの赤いりんごでも浮かんでいるかのよう。食べたい。
「これだけ澄んでるなら飲んで平気かな……」
りんごも食べたいが水も飲みたい。
今までは綺麗な水だったとしてもダンテからの許しは出ず、飲ませてもらえなかった。
喉が乾き始めていた矢先にこれだけの綺麗な水だ。口をつけたくなる。
『おなかは壊さないと思う』
「おいアラストル、適当なこと言ってるんじゃないだろうな」
『悪魔汚染ないなら平気だろ。
水あたりを危険視するなら沸かして飲めばー?』
「残念。それだと水を入れるものが必要そうだね」
「ディーヴァのわかめ酒という入れ物だったらオレは飲める。ディーヴァにはわかめがないけどな」
「え何それ」
「いや?なんでもないぞ」
『マスター最低』
またダンテが変なことを言ったようだが、どうせ最低な変態ワードだ。忘れよう。
せっかくイケメンなのに、たまに下世話な事言うから残念なイケメンなのだ。これから先もこのままだろうけど諦めているし、そもそもそこが良かったりする。
変態なところもいいなんて、とことんダンテに染まりきったものだ。
「水を汲めそうなものはぼちぼち探すとしてだ。水中から行けばどこか違う空間に繋がっているかもしれない。どうする?」
「うーん。それって必ず繋がってるかどうかわからないよね」
「まぁな。酸素不足を解消する空気だまりがあるかどうかもわからない」
潜っている途中で酸素が足りなくなったらアウトだ。結局繋がる場所がなくてもアウト。
『そこまですることもないんじゃない。もう一本の道いけば?』
分かれ道になっていたところか。今回は左にきたが右の道がまだ未攻略。
ディーヴァは再びダンテに抱き上げてもらい、分かれ道を右へ進んだ。
