mission 11:you're arguing youself ~再戦~
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ディーヴァを救った事には感謝する。
だが、この戦いはもう終わらせなくてはならない。他でもない、ディーヴァをこれ以上巻き込まないために。
ディーヴァの介入でそれを悟った。
「悪いな。今回は飛び道具を使わずいる予定だったが、そうも言っていられなくなった」
ディーヴァを安全な場所へおろしオレに向き直った魔剣士に、めいっぱいまで魔力を注ぎ込んだグレネードガンを向ける。
今回のこの勝負に飛び道具は邪道だった。だから銃は使わなかった。
しかし、負けてからでは意味がない。
魔剣士が動くよりも速く、ダンテはその引き金を引いた。
避ける暇なんてなかったろう。
相手に当たり、魔力ごと大きく爆発する。
バチバチバチッ!
感電したかのように、魔剣士の体に青い電流が走り抜け、そしてその場に倒れ込んだ。
苦しみもがく彼は、強烈な魔力にその身を燃やしたかと思うと飛び上がり光となって虚空へと去った。
ディーヴァがどこか寂しげな顔を空に向けていた事は、誰も知らない。
今回はダンテの勝利だった。
『ギリギリだったけどマスターの勝ちー』
「一応だよ。
だが、アイツとはまた戦う気がするぜ」
銃を使った事もあるが、
ディーヴァが攻撃に巻き込まれそうになった事が勝てた要因としてかなり大きい。
あの直後、彼は明らかに心を乱していた。
つまりこれで1勝1敗。
次も勝たなくてはいけない。負ければ次こそディーヴァが攫われてしまうのは明白。
とはいえ、純粋に奴との戦いが楽しかった。
そこは紛れもない事実。
次は楽しむ暇なんてないかもしれない。そんなことで、ディーヴァを失うことになれば………おそろしい。
優先すべきものは何か、心に刻まなくては。
「そうだ!ディーヴァは無事か!」
ハッとしてディーヴァに詰め寄る。
「お前怪我はないか!どこかおかしいところは!?」
鬼気迫る表情で問いただしてしまった。
つい強めに掴んだ両肩は痛かったかも知れないが、心配ゆえだ。
危険な中飛び出してきて心配かけたディーヴァも悪い。
とはいえ、ディーヴァもオレが心配ゆえの行動だ。叱る事はできない。
「ひぃえっ!な、ないよ……?」
「はーーーー………ならいい」
脱力とともに、掴む力も抜ける。
両肩をさすり下ろし、そのまま抱きしめた。
「ねえ、戦いの前に言ってた事……あの悪魔さんの事聞かないの?」
おずおずと聞いてきたディーヴァから体を離し、目をパチパチする。
いかん、すっかり忘れていた。
「あー、まあ、刃を2度も交えたからわかる。
ディーヴァを攫おうとしつつも、ディーヴァを守ろうとしたあの行動。
相手を慈しむ人間じみた感情が垣間見えていた。
悪魔なはずのに、まったくもって悪魔らしくない。
ディーヴァが心底悪い悪魔ではないと思った意味が、今ならわかった気がするな」
「うん……。それだけわかっていれば、伝えられる事は少ないかも。
一概に悪い悪魔と言い切れない悪魔さん。
あたしが捕まってた時、優しくしてくれた悪魔の1人なの。他の悪魔さんにいじめられた時も庇ってくれた……」
「いじめって、おいおい。お前が受けたのは拷問なんだろ?」
「拷問受けてから他の悪魔さんに意地悪される事もあったの!それで少し助けてくれたっていうか……。
他の悪魔さんも優しい時は優しかったし、拷問というよりいじめで合ってると思うよ」
恐怖ばかり与えられた中で唯一救いだったのが、そういった優しい悪魔とのやり取りなのだろう。
最悪な状況下では、些細な優しさが身に染みてしまう。
ネロアンジェロが消えていった方角を見つめ、ディーヴァは目を伏せて頬をさすった。
「とにかく、ネロアンジェロさんはそういうちょっと優しい悪魔!
ダンテみたいなものだよ」
「……やっぱり悪いやつじゃないな。
まるで雨の日に捨てられてる子犬に傘を差し出す不良じゃないか。あいつの悪魔像崩れてくぜ……もちろん、良い意味の方でな。
って、ネロアンジェロ?」
「あの悪魔さんの名前」
とうとう悪魔の名前が判明した。
「ネロアンジェロ……漆黒の天使の名をもつ悪魔か」
『あのナリで堕天使って事?似合わねー。
もしかして鎧の下から天使みたいなの出てくるって事だったりして。
……やっぱり似合わないなー』
背中でゲラゲラと勝手に笑っているアラストルは無視して、しばし考え込む。
元天使であるという意味には捉えづらい。
テメンニグルにも元天使という意味合いの名を持つ悪魔がいたが、それとはまた別でネロアンジェロが元は天使の悪魔とは思えない。
彼は悪魔に近く感じる。
それも、どちらかというと自分に近い悪魔に。
根拠はないが、2度刃を交えてふとそんな気がしたのだ。
「あの……ダンテ……?」
「ん、どした?」
難しく考えていたから怖い顔をしていたようだ。
どういうメカニズムなのかわからないが、今のディーヴァは不安や恐怖を感じる度に、体が冷える。
柔らかい表情に戻してから、ディーヴァを引き寄せコートに閉じ込める。
「きゃっ」
「ははは。なんにせよ、お前がアイツと浮気してるわけじゃなくてよかったよ」
「う、浮気!?
変な勘違いやめてよ〜!」
よかった。
抱きしめて温める事も、赤面させる事もどちらも効果あったか、肌の温かさは少し戻ってきているようだ。
「さーて、さっさと次に進まないとな」
「ん」
抱きしめたディーヴァの頭のてっぺんに軽くキスしてから、聖杯を手に収め騎士像の部屋へと飛び上がった。
騎士像の前にその聖杯を置くと、扉という扉が封鎖された時と同じような地響きが鳴る。
地下水脈道への扉が開いたようだ。
ひんやりとした空気が流れ込んでくるそこへ、ダンテはディーヴァを伴って踏み出した。
●あとがき
タイトルの英語は矛盾を指摘してます。
ネロアンジェロは敵であり悪魔。ディーヴァを再び攫おうとしつつも、そのディーヴァを守った。その行動などいくつかの行動にダンテは違和感を覚えたぽいね。
だが、この戦いはもう終わらせなくてはならない。他でもない、ディーヴァをこれ以上巻き込まないために。
ディーヴァの介入でそれを悟った。
「悪いな。今回は飛び道具を使わずいる予定だったが、そうも言っていられなくなった」
ディーヴァを安全な場所へおろしオレに向き直った魔剣士に、めいっぱいまで魔力を注ぎ込んだグレネードガンを向ける。
今回のこの勝負に飛び道具は邪道だった。だから銃は使わなかった。
しかし、負けてからでは意味がない。
魔剣士が動くよりも速く、ダンテはその引き金を引いた。
避ける暇なんてなかったろう。
相手に当たり、魔力ごと大きく爆発する。
バチバチバチッ!
感電したかのように、魔剣士の体に青い電流が走り抜け、そしてその場に倒れ込んだ。
苦しみもがく彼は、強烈な魔力にその身を燃やしたかと思うと飛び上がり光となって虚空へと去った。
ディーヴァがどこか寂しげな顔を空に向けていた事は、誰も知らない。
今回はダンテの勝利だった。
『ギリギリだったけどマスターの勝ちー』
「一応だよ。
だが、アイツとはまた戦う気がするぜ」
銃を使った事もあるが、
ディーヴァが攻撃に巻き込まれそうになった事が勝てた要因としてかなり大きい。
あの直後、彼は明らかに心を乱していた。
つまりこれで1勝1敗。
次も勝たなくてはいけない。負ければ次こそディーヴァが攫われてしまうのは明白。
とはいえ、純粋に奴との戦いが楽しかった。
そこは紛れもない事実。
次は楽しむ暇なんてないかもしれない。そんなことで、ディーヴァを失うことになれば………おそろしい。
優先すべきものは何か、心に刻まなくては。
「そうだ!ディーヴァは無事か!」
ハッとしてディーヴァに詰め寄る。
「お前怪我はないか!どこかおかしいところは!?」
鬼気迫る表情で問いただしてしまった。
つい強めに掴んだ両肩は痛かったかも知れないが、心配ゆえだ。
危険な中飛び出してきて心配かけたディーヴァも悪い。
とはいえ、ディーヴァもオレが心配ゆえの行動だ。叱る事はできない。
「ひぃえっ!な、ないよ……?」
「はーーーー………ならいい」
脱力とともに、掴む力も抜ける。
両肩をさすり下ろし、そのまま抱きしめた。
「ねえ、戦いの前に言ってた事……あの悪魔さんの事聞かないの?」
おずおずと聞いてきたディーヴァから体を離し、目をパチパチする。
いかん、すっかり忘れていた。
「あー、まあ、刃を2度も交えたからわかる。
ディーヴァを攫おうとしつつも、ディーヴァを守ろうとしたあの行動。
相手を慈しむ人間じみた感情が垣間見えていた。
悪魔なはずのに、まったくもって悪魔らしくない。
ディーヴァが心底悪い悪魔ではないと思った意味が、今ならわかった気がするな」
「うん……。それだけわかっていれば、伝えられる事は少ないかも。
一概に悪い悪魔と言い切れない悪魔さん。
あたしが捕まってた時、優しくしてくれた悪魔の1人なの。他の悪魔さんにいじめられた時も庇ってくれた……」
「いじめって、おいおい。お前が受けたのは拷問なんだろ?」
「拷問受けてから他の悪魔さんに意地悪される事もあったの!それで少し助けてくれたっていうか……。
他の悪魔さんも優しい時は優しかったし、拷問というよりいじめで合ってると思うよ」
恐怖ばかり与えられた中で唯一救いだったのが、そういった優しい悪魔とのやり取りなのだろう。
最悪な状況下では、些細な優しさが身に染みてしまう。
ネロアンジェロが消えていった方角を見つめ、ディーヴァは目を伏せて頬をさすった。
「とにかく、ネロアンジェロさんはそういうちょっと優しい悪魔!
ダンテみたいなものだよ」
「……やっぱり悪いやつじゃないな。
まるで雨の日に捨てられてる子犬に傘を差し出す不良じゃないか。あいつの悪魔像崩れてくぜ……もちろん、良い意味の方でな。
って、ネロアンジェロ?」
「あの悪魔さんの名前」
とうとう悪魔の名前が判明した。
「ネロアンジェロ……漆黒の天使の名をもつ悪魔か」
『あのナリで堕天使って事?似合わねー。
もしかして鎧の下から天使みたいなの出てくるって事だったりして。
……やっぱり似合わないなー』
背中でゲラゲラと勝手に笑っているアラストルは無視して、しばし考え込む。
元天使であるという意味には捉えづらい。
テメンニグルにも元天使という意味合いの名を持つ悪魔がいたが、それとはまた別でネロアンジェロが元は天使の悪魔とは思えない。
彼は悪魔に近く感じる。
それも、どちらかというと自分に近い悪魔に。
根拠はないが、2度刃を交えてふとそんな気がしたのだ。
「あの……ダンテ……?」
「ん、どした?」
難しく考えていたから怖い顔をしていたようだ。
どういうメカニズムなのかわからないが、今のディーヴァは不安や恐怖を感じる度に、体が冷える。
柔らかい表情に戻してから、ディーヴァを引き寄せコートに閉じ込める。
「きゃっ」
「ははは。なんにせよ、お前がアイツと浮気してるわけじゃなくてよかったよ」
「う、浮気!?
変な勘違いやめてよ〜!」
よかった。
抱きしめて温める事も、赤面させる事もどちらも効果あったか、肌の温かさは少し戻ってきているようだ。
「さーて、さっさと次に進まないとな」
「ん」
抱きしめたディーヴァの頭のてっぺんに軽くキスしてから、聖杯を手に収め騎士像の部屋へと飛び上がった。
騎士像の前にその聖杯を置くと、扉という扉が封鎖された時と同じような地響きが鳴る。
地下水脈道への扉が開いたようだ。
ひんやりとした空気が流れ込んでくるそこへ、ダンテはディーヴァを伴って踏み出した。
●あとがき
タイトルの英語は矛盾を指摘してます。
ネロアンジェロは敵であり悪魔。ディーヴァを再び攫おうとしつつも、そのディーヴァを守った。その行動などいくつかの行動にダンテは違和感を覚えたぽいね。