mission 11:you're arguing youself ~再戦~
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
その戦いに水を差すような悲痛な声が、ダンテと魔剣士の間に届く。
『お願いだからあんまり俺で攻撃受け止めないで!?俺は盾じゃないからね!折れちゃうよ!!』
「はっ、お前魔剣のくせに柔だな」
『使ってもらうの嬉しいけど、適材適所っていうでしょ!
イフリート!イフリート使ってよ!!』
アラストルからのイフリートコールに、物言わぬ寡黙なイフリートも、やる気じゅうぶん。
自らダンテに装着されにゆき、存在をこれでもかと主張し始めた。
「ふっ。そろそろ使おうと思っていたさ」
アラストルを背に戻し、腕にはまったイフリートをそっと撫ぜる。
拳と拳を激しく打ち鳴らし、ダンテは身構えた。
「なあ、効いたぜ?アンタの拳。
だがな、こっちも体術に特化した新しい魔具が増えてる。
同じ技をくらいやがれ!!」
両足に力を入れ、モーション大きく飛翔する。
ジャンプキック。重力で加速した蹴りが、魔剣士目掛けて繰り出された。
「なにぃっ!?」
魔剣士の胴にクリーンヒット!
そう思われた攻撃は相手に届かず、直前で足を掴まれ逆に投げ飛ばされてしまった。
体制を立て直すべく、そのまま距離をとる。
次にお互い跳び上がり降り立ったバトルフィールドは、この場を円形に取り囲む湾曲した狭い足場。
2人は何も言わず、肉弾戦に移行した。
上にあがったからか、向こうの騎士像の部屋が視界の端に映った。
そこは愛しのディーヴァが避難している場所。
こちらに不安そうな目を向けるディーヴァの姿が確認できた。
だが、声をかけている暇はない。
激しい拳と足の打ち合いが続く。
ぶつかり合う度に、サイレンサー抜きの銃でも発砲しているかのような音が響き渡る。
ボディをガードし、マグマドライブをキック13で弾く。キック13のときは逆にマグマドライブで防ぎ切る。
相手も同じ戦法だが、力の差は歴然。
どう考えても、剛力さは魔剣士の方が上。
それは纏う鎧。魔力値。体の大きさ。見ればわかる。
だが、1度目のように負ける気はひとつもしなかった。
いつのまに攻撃を受けていたのだろうか。額から口元まで流れてきた血をぺろりと舐めると、笑みが浮かんだ。
ーーこの戦いは楽しい。
体の底から湧いてくるのは高揚感。
ディーヴァを守るために勝つのは大事な事だ。
だがディーヴァには悪いが、勝つか負けるかのギリギリのこの戦いにひどく興奮を覚える。ましてや相手は強敵であり、体術に関しても似た戦法をとってくるのだ。
こんな楽しみ、滅多に味わえない。
ふと思い出すディーヴァの不安げな顔。
こんな思いを抱いているのが知れれば、ディーヴァは悲しむだろう。憤りすら覚えるかもしれない。
それでも、ダンテは自分の中の悪魔としての、好戦的で暴力的な部分が喜ぶのを止められなかった。
高揚感が限界突破した。
それは魔力値と連動し、ダンテの全身を包みこみ、悪魔としての本来の姿を晒す。
自分の感情の動きだけで、ダンテは本能のまま勝手に魔人化した。
自身の変化に驚きつつも、ディーヴァの視線が気になる。彼女は魔人化したダンテの姿をあまり良しとしない。
まるごと愛して受け入れてくれているのはわかるが、それでもその瞳の奥に宿る恐れは隠しきれない。
こうなったら短期決戦だ。
もとより、そろそろ決着をつけようと思っていた所だ。
ダンテは素早く魔剣士の懐へ踏み込み、力の増した拳を叩き込んだ。
キィン……!
「な、固い……!?
魔人化したオレの攻撃すら弾くなんてな」
巨剣を低く身構えている魔剣士へ叩き込んだ攻撃が、全て弾かれてしまった。
弾かれた?いや、攻撃が見えない魔力の壁に阻まれたといってもいい。
その瞬間、一歩踏み込んできた魔剣士の振るう巨剣がダンテの中心を捉えた。
まるで居合斬り。
それも、双子の兄バージルが使っていた、疾走居合かのように、ダンテの背後へと移動していた。
「ガハッ!!
くっ、……やるな。
居合斬りには向いてなさそうな剣だってのに、ほんっと上手く振りおる。実はそれ刀か?」
魔人化も解けた。
冗談まじりで笑い飛ばしてみせたが、ダメージは大きかった。
裂かれた胸から鮮血の華が咲き、血が滴り落ちる。
またも挑発してきた相手も、独特の声をあげて笑っていた。
挑発にのったダンテが挑みかかると、魔剣士の手からは青い火球が放たれた。
「なっ………!」
無数のそれからは逃げられない。
次々に直撃する青い火球ーーメテオ。
血混じる煙に包まれた場所からはダンテの苦悶の声も響き、とうとうディーヴァは待っていられなくなった。
ダンテが心配なあまり、危険も顧みずに安全なそこから飛び出すディーヴァ。
もはや魔剣士が放つメテオは見境なし。
視界の端に動くものは、すべて攻撃対象とみなされていた。
そしてそれはディーヴァにも該当する。
「ディーヴァ!!?
バカ!出るな!!」
「え?ーーーーっ!」
ディーヴァに向かう一発のメテオ。
普通の人間があんなもの食らったらどうなるかなんてわかりきった事。
骨も残さずに燃え尽きてしまうのが想像に難くない。
なけなしの魔力でダンテは再び魔人化した。
「うおお、間に合ええええ!!」
メテオにはメテオ。
魔剣士が放ったメテオを、自ら放ったメテオをぶつけ、間一髪相殺することに成功した。
「わ、きゃ!?」
しかし、相殺した事で水蒸気のような激しい煙が立ち込めた。
そして、明らかに足を滑らせたような声。
ディーヴァがいた場所はどこだった?そう、不安定な形に湾曲した足場だ。
煙の切れ間から、ぐらりと倒れるディーヴァが見えた。
「ディーヴァーーーー!!」
ダンテが助けに向かう視界の片隅、魔剣士が素早く駆け抜けるのが見えた。
戦いの最中に見せたあの素早い動きではない。もっともっと速かった。
地面に叩きつけられる前に、ディーヴァは駆けつけた魔剣士の腕の中にいた。
悪魔であり、ディーヴァを害する存在の相手が、ディーヴァを救った……。
これにはオレも、背中のアラストルさえも、息をのんだ。
助けられたディーヴァもだ。
魔剣士自身もその行動に驚いていたのか、腕の中のディーヴァを見て、世界を一瞬切り取ったかのように止まっていた。
まるで、自分のしたことが信じられない。理解できていないようだった。
『お願いだからあんまり俺で攻撃受け止めないで!?俺は盾じゃないからね!折れちゃうよ!!』
「はっ、お前魔剣のくせに柔だな」
『使ってもらうの嬉しいけど、適材適所っていうでしょ!
イフリート!イフリート使ってよ!!』
アラストルからのイフリートコールに、物言わぬ寡黙なイフリートも、やる気じゅうぶん。
自らダンテに装着されにゆき、存在をこれでもかと主張し始めた。
「ふっ。そろそろ使おうと思っていたさ」
アラストルを背に戻し、腕にはまったイフリートをそっと撫ぜる。
拳と拳を激しく打ち鳴らし、ダンテは身構えた。
「なあ、効いたぜ?アンタの拳。
だがな、こっちも体術に特化した新しい魔具が増えてる。
同じ技をくらいやがれ!!」
両足に力を入れ、モーション大きく飛翔する。
ジャンプキック。重力で加速した蹴りが、魔剣士目掛けて繰り出された。
「なにぃっ!?」
魔剣士の胴にクリーンヒット!
そう思われた攻撃は相手に届かず、直前で足を掴まれ逆に投げ飛ばされてしまった。
体制を立て直すべく、そのまま距離をとる。
次にお互い跳び上がり降り立ったバトルフィールドは、この場を円形に取り囲む湾曲した狭い足場。
2人は何も言わず、肉弾戦に移行した。
上にあがったからか、向こうの騎士像の部屋が視界の端に映った。
そこは愛しのディーヴァが避難している場所。
こちらに不安そうな目を向けるディーヴァの姿が確認できた。
だが、声をかけている暇はない。
激しい拳と足の打ち合いが続く。
ぶつかり合う度に、サイレンサー抜きの銃でも発砲しているかのような音が響き渡る。
ボディをガードし、マグマドライブをキック13で弾く。キック13のときは逆にマグマドライブで防ぎ切る。
相手も同じ戦法だが、力の差は歴然。
どう考えても、剛力さは魔剣士の方が上。
それは纏う鎧。魔力値。体の大きさ。見ればわかる。
だが、1度目のように負ける気はひとつもしなかった。
いつのまに攻撃を受けていたのだろうか。額から口元まで流れてきた血をぺろりと舐めると、笑みが浮かんだ。
ーーこの戦いは楽しい。
体の底から湧いてくるのは高揚感。
ディーヴァを守るために勝つのは大事な事だ。
だがディーヴァには悪いが、勝つか負けるかのギリギリのこの戦いにひどく興奮を覚える。ましてや相手は強敵であり、体術に関しても似た戦法をとってくるのだ。
こんな楽しみ、滅多に味わえない。
ふと思い出すディーヴァの不安げな顔。
こんな思いを抱いているのが知れれば、ディーヴァは悲しむだろう。憤りすら覚えるかもしれない。
それでも、ダンテは自分の中の悪魔としての、好戦的で暴力的な部分が喜ぶのを止められなかった。
高揚感が限界突破した。
それは魔力値と連動し、ダンテの全身を包みこみ、悪魔としての本来の姿を晒す。
自分の感情の動きだけで、ダンテは本能のまま勝手に魔人化した。
自身の変化に驚きつつも、ディーヴァの視線が気になる。彼女は魔人化したダンテの姿をあまり良しとしない。
まるごと愛して受け入れてくれているのはわかるが、それでもその瞳の奥に宿る恐れは隠しきれない。
こうなったら短期決戦だ。
もとより、そろそろ決着をつけようと思っていた所だ。
ダンテは素早く魔剣士の懐へ踏み込み、力の増した拳を叩き込んだ。
キィン……!
「な、固い……!?
魔人化したオレの攻撃すら弾くなんてな」
巨剣を低く身構えている魔剣士へ叩き込んだ攻撃が、全て弾かれてしまった。
弾かれた?いや、攻撃が見えない魔力の壁に阻まれたといってもいい。
その瞬間、一歩踏み込んできた魔剣士の振るう巨剣がダンテの中心を捉えた。
まるで居合斬り。
それも、双子の兄バージルが使っていた、疾走居合かのように、ダンテの背後へと移動していた。
「ガハッ!!
くっ、……やるな。
居合斬りには向いてなさそうな剣だってのに、ほんっと上手く振りおる。実はそれ刀か?」
魔人化も解けた。
冗談まじりで笑い飛ばしてみせたが、ダメージは大きかった。
裂かれた胸から鮮血の華が咲き、血が滴り落ちる。
またも挑発してきた相手も、独特の声をあげて笑っていた。
挑発にのったダンテが挑みかかると、魔剣士の手からは青い火球が放たれた。
「なっ………!」
無数のそれからは逃げられない。
次々に直撃する青い火球ーーメテオ。
血混じる煙に包まれた場所からはダンテの苦悶の声も響き、とうとうディーヴァは待っていられなくなった。
ダンテが心配なあまり、危険も顧みずに安全なそこから飛び出すディーヴァ。
もはや魔剣士が放つメテオは見境なし。
視界の端に動くものは、すべて攻撃対象とみなされていた。
そしてそれはディーヴァにも該当する。
「ディーヴァ!!?
バカ!出るな!!」
「え?ーーーーっ!」
ディーヴァに向かう一発のメテオ。
普通の人間があんなもの食らったらどうなるかなんてわかりきった事。
骨も残さずに燃え尽きてしまうのが想像に難くない。
なけなしの魔力でダンテは再び魔人化した。
「うおお、間に合ええええ!!」
メテオにはメテオ。
魔剣士が放ったメテオを、自ら放ったメテオをぶつけ、間一髪相殺することに成功した。
「わ、きゃ!?」
しかし、相殺した事で水蒸気のような激しい煙が立ち込めた。
そして、明らかに足を滑らせたような声。
ディーヴァがいた場所はどこだった?そう、不安定な形に湾曲した足場だ。
煙の切れ間から、ぐらりと倒れるディーヴァが見えた。
「ディーヴァーーーー!!」
ダンテが助けに向かう視界の片隅、魔剣士が素早く駆け抜けるのが見えた。
戦いの最中に見せたあの素早い動きではない。もっともっと速かった。
地面に叩きつけられる前に、ディーヴァは駆けつけた魔剣士の腕の中にいた。
悪魔であり、ディーヴァを害する存在の相手が、ディーヴァを救った……。
これにはオレも、背中のアラストルさえも、息をのんだ。
助けられたディーヴァもだ。
魔剣士自身もその行動に驚いていたのか、腕の中のディーヴァを見て、世界を一瞬切り取ったかのように止まっていた。
まるで、自分のしたことが信じられない。理解できていないようだった。