mission 9.5:電刃魔神アラストルとの会話
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ダンテがグリフォンとの戦闘を繰り広げる中、ディーヴァとアラストルはひとりと一振で回廊の中でじっとしていた。
「…………」
「…………』
ダンテが刃を振るう音、掛け声、そして雷が落ちる轟音が響き渡り、雷が嫌いなディーヴァはいかに恐怖を和らげるか、内心穏やかではなかった。
『……そういえばディーヴァとこうしてちゃんと話すの初めてじゃない?』
顔には出なくとも、抱えている剣にはその震えが伝わっていたらしい。
気遣ったアラストルがディーヴァに声をかける。
「うん。あたしのじゃなくてダンテの魔具だから当たり前だけどね」
『そもそも出会ってからまだそんなに経ってないし?』
「そうそう」
こうしてアラストルと会話していると、少し前までダンテの事務所兼自宅で様々な魔具と暮らしていた事を懐かしく思う。
かの魔具達が戻ってくることがあれば、今度はアラストルやイフリートも加わってのさらなる大家族にでもなるのだろうか。
寂しくないならそれでいい。
孤独は嫌いだ。
「ひゃっ!」
ピシャァン!!
その時、赤いいかずちがダンテを狙い、広場いっぱいに落ちた。
まったく…戦いに熱中するのは構わないが、こっちは雷が大の苦手な女の子(実年齢はともかく)なんだからね。
もう少し加減を覚えて欲しい。
『……本当に雷が怖いんだね』
「雷属性のアラストルには悪いけど、雷は苦手。ほんっとにダメ。
アラストルがいれば、あの雷からも安全ってほんとなの?」
『安全かどうかはともかく。
マスターの言いつけだし、あの悪魔の雷がディーヴァに落ちないようにする事は出来ると思う。
雑魚が来たらビリっとさせて追い払うくらいわけないのはホントの事。その時は俺の雷が目の前に落ちても驚かないでね』
「イレギュラーで悪魔が湧いてこない事を祈ります」
安全だけど安心できなさそうだ。
悪魔に襲われるのも困るがアラストルに任せると言うことは、悪魔を追い払う際には雷を使用される。
超至近距離で。
そうはならないようにと、ディーヴァは、ろくに張れもしない天使の結界発動へと、人知れず力を込めた。
……また外が光った。
今度はダンテに向かって悪魔が滑空してきていた。その後方から、数多の赤い球を地に落としながらだ。
「なにあれ。レッドオーブ落としてるのかな?」
『違うね。強いて言えば落ちると爆発する電気玉だと思うよ』
「それなんてエレキボー『それ以上禁止』はぁい」
ディーヴァの目からはそれがレッドオーブにしか見えず、アラストルに聞いてからも少し違うものに例えるほどだった。
原理は雷と同じ技だが、遠くから見ている分には赤い輝きがキラキラ光って綺麗だ。
帯のようにダンテを狙う電気の攻撃も、全てが赤く、安全な場所からならば美しいという感想が持てる。
紫電の悪魔を思い出すその攻撃。
妖艶な美女の姿の、ギター型鎌という変わった魔具に身をやつした、ネヴァンという悪魔。
魔具で思い出した。
彼女たちは、元の悪魔の姿をとることができる。
基本的にはダンテの許可が必要だが、面倒くさがりのダンテはそのあたり、制限や契約をきちんとしていなかった。おかげで魔具たちは好き放題。悪魔の姿をとることができる。
ならば、この剣は?
「あたしが今まで会った魔具は、みんな悪魔の姿持ってたけど、アラストルはどんな悪魔なの?」
『俺の姿?超かっこいいけど、悪魔の姿とはまたちょっと違うんだよね……』
自分でかっこいいって言っちゃうんだ。
「ヒト型とれないの?見てみたいなー」
『今は難しいよ。ディーヴァの状態とはちょっと違って、透明な精神体がウロチョロしてるのと同じようなものだから、何にもさわれないし他からも見えない』
「うわー幽霊みたい」
ディーヴァの状態とは違う。
その意味を知るのは先のことだったが、この時のディーヴァはまだその言葉を気に留めてもいなかった。
『見た目としては黒っぽい神父のような服に、白いストラのイケメンお兄さんだよ。
黒髪をこう、かっこよくオールバックにしてるんだー』
黒のオールバック……神父服に白のストラ………。あれ?どこかで見たことある。
「ひとつ思ったんだけどさ、それって同じ会社から出てる作品の「電刃魔神アラストル」のヒト型の姿と同じだよね」
『ファ!?!!なんでわかった!?ディーヴァああいうの見るの??
アラストルびっくり!』
「身近に節操なしにいろんなアニメをたべちゃうのがいるから知ってるだけよ」
『あー、まあ、そうだよ。
あの神父みたいな格好そのままだよ……。
なんかこっぱずかしい〜〜〜。
中身は違う俺だけどね!』
剣の中の人が顔を隠して悶え転がる姿が浮かんだ。
想像の中のアラストルの行動は、ひどくかわいいものにディーヴァの脳内スクリーンに映った。
「でも、口調や性格は若干、ダンテ寄りだね。なんていうか、フランクな感じ?」
アニメ版のアラストルは、どちらかというとダンテの双子の兄・バージルに似ている気がする。
とはいえ、双子だから結局どちらにも似ている部分はあるだろうけれど。
『それ、褒めてる?』
「褒めてる褒めてる。とっつきにくいよりはいいよ。
でもヒーローオタクで天体オタクだったよね。ものすごいナルシストぽくて、どこか憎めないライバルキャラだった」
腱にダメージが入ったのが、抱えているディーヴァに伝わった。
え?そんな破壊力あること言った??
『あれは!別物!別の俺なの!
それ以上はやめて!黒歴史!!』
「中身は違う俺って事はパラレルワールドなのに、なんで焦ってるの?」
『お、同じ顔した奴がナルシストぽいって指摘されたらなんか恥ずかしいじゃん!』
「ほんとにそれだけ?」
『別の世界の俺だから気にしないで忘れて……』
その時はノリノリでも後になって思い返すと恥ずかしいことなんて、生きていれば誰しも経験する事。
別世界ではなく、実際のアラストルの所業だったとしても別に驚かない。
そもそも、最終決戦時にアラストルはこの古城と思わしきステージで主人公と戦っていたではないか。
それもたった今思い出した事だが。
とりあえずアラストルの言う通り、パラレルワールドということにしておこう。
一人称も、今は「私」ではなく「俺」無事だし。
これ以上へそを曲げられては、ダンテがアラストルを振るう時の弱点になりかねない。
いまだぶつぶつと呟いているアラストルの機嫌を治すべく声をかける。
「ね。ここに辿り着くまでにたくさん謎解きあったんじゃない?
よくダンテが1人で謎解きできたよね」
『あの人頭固いね!
もちろんマスターだけじゃ解けられなかった事もあったよ。ここに来れたのは俺のおかげかな!』
「うーん……1人じゃ解けられない謎があるのはこういう場所には普通な事だと思う。
あとダンテは石頭だよ。変なこと言うと頭でかち割られちゃうから気をつけてね」
『こっわ』
自分もテメンニグルで協力する事が大事だと学んだ。
ディーヴァ1人じゃ悪魔から逃げながらなんて無理だったし、ダンテ1人じゃ悪魔は倒せても解けないままだった。
「でも、ダンテを助けてくれてありがとう」
そこにアラストルのヒト型が浮かんで見えているのか、そう思うくらい剣に、そして宙に目を合わせ、ふんわり笑う。
「……よせやい」
聞こえないはずの剣の心音が、ドキンと高鳴るような振動を伝えてくる。
照れたアラストルからぼそりとつぶやかれた直後、轟音と凄まじい雷音がその場を支配した。
ダンテの戦闘が終わった音のようだが、あまりの衝撃からか、初めて悪魔に襲われたあの日の雷がフラッシュバックする。
声も出せず、ぽろぽろと涙をこぼしたディーヴァは、ダンテが戻ってくる数秒後まで、胸にアラストルを押しつけてじっと耐えていた。
感情の読めぬ剣の表面が、ほんのりピンクに染まった気がした。
●あとがき
短い会話文。
気になったらアニメ見てください( ´∀`)
「…………」
「…………』
ダンテが刃を振るう音、掛け声、そして雷が落ちる轟音が響き渡り、雷が嫌いなディーヴァはいかに恐怖を和らげるか、内心穏やかではなかった。
『……そういえばディーヴァとこうしてちゃんと話すの初めてじゃない?』
顔には出なくとも、抱えている剣にはその震えが伝わっていたらしい。
気遣ったアラストルがディーヴァに声をかける。
「うん。あたしのじゃなくてダンテの魔具だから当たり前だけどね」
『そもそも出会ってからまだそんなに経ってないし?』
「そうそう」
こうしてアラストルと会話していると、少し前までダンテの事務所兼自宅で様々な魔具と暮らしていた事を懐かしく思う。
かの魔具達が戻ってくることがあれば、今度はアラストルやイフリートも加わってのさらなる大家族にでもなるのだろうか。
寂しくないならそれでいい。
孤独は嫌いだ。
「ひゃっ!」
ピシャァン!!
その時、赤いいかずちがダンテを狙い、広場いっぱいに落ちた。
まったく…戦いに熱中するのは構わないが、こっちは雷が大の苦手な女の子(実年齢はともかく)なんだからね。
もう少し加減を覚えて欲しい。
『……本当に雷が怖いんだね』
「雷属性のアラストルには悪いけど、雷は苦手。ほんっとにダメ。
アラストルがいれば、あの雷からも安全ってほんとなの?」
『安全かどうかはともかく。
マスターの言いつけだし、あの悪魔の雷がディーヴァに落ちないようにする事は出来ると思う。
雑魚が来たらビリっとさせて追い払うくらいわけないのはホントの事。その時は俺の雷が目の前に落ちても驚かないでね』
「イレギュラーで悪魔が湧いてこない事を祈ります」
安全だけど安心できなさそうだ。
悪魔に襲われるのも困るがアラストルに任せると言うことは、悪魔を追い払う際には雷を使用される。
超至近距離で。
そうはならないようにと、ディーヴァは、ろくに張れもしない天使の結界発動へと、人知れず力を込めた。
……また外が光った。
今度はダンテに向かって悪魔が滑空してきていた。その後方から、数多の赤い球を地に落としながらだ。
「なにあれ。レッドオーブ落としてるのかな?」
『違うね。強いて言えば落ちると爆発する電気玉だと思うよ』
「それなんてエレキボー『それ以上禁止』はぁい」
ディーヴァの目からはそれがレッドオーブにしか見えず、アラストルに聞いてからも少し違うものに例えるほどだった。
原理は雷と同じ技だが、遠くから見ている分には赤い輝きがキラキラ光って綺麗だ。
帯のようにダンテを狙う電気の攻撃も、全てが赤く、安全な場所からならば美しいという感想が持てる。
紫電の悪魔を思い出すその攻撃。
妖艶な美女の姿の、ギター型鎌という変わった魔具に身をやつした、ネヴァンという悪魔。
魔具で思い出した。
彼女たちは、元の悪魔の姿をとることができる。
基本的にはダンテの許可が必要だが、面倒くさがりのダンテはそのあたり、制限や契約をきちんとしていなかった。おかげで魔具たちは好き放題。悪魔の姿をとることができる。
ならば、この剣は?
「あたしが今まで会った魔具は、みんな悪魔の姿持ってたけど、アラストルはどんな悪魔なの?」
『俺の姿?超かっこいいけど、悪魔の姿とはまたちょっと違うんだよね……』
自分でかっこいいって言っちゃうんだ。
「ヒト型とれないの?見てみたいなー」
『今は難しいよ。ディーヴァの状態とはちょっと違って、透明な精神体がウロチョロしてるのと同じようなものだから、何にもさわれないし他からも見えない』
「うわー幽霊みたい」
ディーヴァの状態とは違う。
その意味を知るのは先のことだったが、この時のディーヴァはまだその言葉を気に留めてもいなかった。
『見た目としては黒っぽい神父のような服に、白いストラのイケメンお兄さんだよ。
黒髪をこう、かっこよくオールバックにしてるんだー』
黒のオールバック……神父服に白のストラ………。あれ?どこかで見たことある。
「ひとつ思ったんだけどさ、それって同じ会社から出てる作品の「電刃魔神アラストル」のヒト型の姿と同じだよね」
『ファ!?!!なんでわかった!?ディーヴァああいうの見るの??
アラストルびっくり!』
「身近に節操なしにいろんなアニメをたべちゃうのがいるから知ってるだけよ」
『あー、まあ、そうだよ。
あの神父みたいな格好そのままだよ……。
なんかこっぱずかしい〜〜〜。
中身は違う俺だけどね!』
剣の中の人が顔を隠して悶え転がる姿が浮かんだ。
想像の中のアラストルの行動は、ひどくかわいいものにディーヴァの脳内スクリーンに映った。
「でも、口調や性格は若干、ダンテ寄りだね。なんていうか、フランクな感じ?」
アニメ版のアラストルは、どちらかというとダンテの双子の兄・バージルに似ている気がする。
とはいえ、双子だから結局どちらにも似ている部分はあるだろうけれど。
『それ、褒めてる?』
「褒めてる褒めてる。とっつきにくいよりはいいよ。
でもヒーローオタクで天体オタクだったよね。ものすごいナルシストぽくて、どこか憎めないライバルキャラだった」
腱にダメージが入ったのが、抱えているディーヴァに伝わった。
え?そんな破壊力あること言った??
『あれは!別物!別の俺なの!
それ以上はやめて!黒歴史!!』
「中身は違う俺って事はパラレルワールドなのに、なんで焦ってるの?」
『お、同じ顔した奴がナルシストぽいって指摘されたらなんか恥ずかしいじゃん!』
「ほんとにそれだけ?」
『別の世界の俺だから気にしないで忘れて……』
その時はノリノリでも後になって思い返すと恥ずかしいことなんて、生きていれば誰しも経験する事。
別世界ではなく、実際のアラストルの所業だったとしても別に驚かない。
そもそも、最終決戦時にアラストルはこの古城と思わしきステージで主人公と戦っていたではないか。
それもたった今思い出した事だが。
とりあえずアラストルの言う通り、パラレルワールドということにしておこう。
一人称も、今は「私」ではなく「俺」無事だし。
これ以上へそを曲げられては、ダンテがアラストルを振るう時の弱点になりかねない。
いまだぶつぶつと呟いているアラストルの機嫌を治すべく声をかける。
「ね。ここに辿り着くまでにたくさん謎解きあったんじゃない?
よくダンテが1人で謎解きできたよね」
『あの人頭固いね!
もちろんマスターだけじゃ解けられなかった事もあったよ。ここに来れたのは俺のおかげかな!』
「うーん……1人じゃ解けられない謎があるのはこういう場所には普通な事だと思う。
あとダンテは石頭だよ。変なこと言うと頭でかち割られちゃうから気をつけてね」
『こっわ』
自分もテメンニグルで協力する事が大事だと学んだ。
ディーヴァ1人じゃ悪魔から逃げながらなんて無理だったし、ダンテ1人じゃ悪魔は倒せても解けないままだった。
「でも、ダンテを助けてくれてありがとう」
そこにアラストルのヒト型が浮かんで見えているのか、そう思うくらい剣に、そして宙に目を合わせ、ふんわり笑う。
「……よせやい」
聞こえないはずの剣の心音が、ドキンと高鳴るような振動を伝えてくる。
照れたアラストルからぼそりとつぶやかれた直後、轟音と凄まじい雷音がその場を支配した。
ダンテの戦闘が終わった音のようだが、あまりの衝撃からか、初めて悪魔に襲われたあの日の雷がフラッシュバックする。
声も出せず、ぽろぽろと涙をこぼしたディーヴァは、ダンテが戻ってくる数秒後まで、胸にアラストルを押しつけてじっと耐えていた。
感情の読めぬ剣の表面が、ほんのりピンクに染まった気がした。
●あとがき
短い会話文。
気になったらアニメ見てください( ´∀`)
