mission 11:you're arguing youself ~再戦~
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「調べるのはこの中だ」
さて戻ってきましたグリーンガーデン。
ダンテが下に向かって指を刺すそこは。
「い、井戸………!」
石碑の前にあった井戸である。
最初に来たときにディーヴァは気づかなかったのかだって?
きっと気がついていたろう。
しかし人間は、恐ろしすぎる物を存在ごと無視して抹消したくなる。そういう生き物だ。
井戸などという、ジャパニーズホラーの金字塔を、ディーヴァが得意なはずがない。
失神しそうになるほどの恐怖を受けつけられ、洋画版邦画版ともにディーヴァの大嫌いな映画の一つになった作品……井戸はそのとある映画のメインアイテムだ。
ある意味悪魔より苦手かもしれない。
なら観るな?観せるな?
しかたないだろ、観せちゃったんだから。
井戸という存在を認識し、ディーヴァが蒼ざめた顔でダンテのコートの中に逃げ込む。
嬉しいけど頼むから今はもう少し離れてくれ。動けない。
「うわぁ……うわぁ……。女の幽霊出てきたりしないよね?ぬう〜って、おめめぎょろりしないよね??」
「ここ日本じゃないから悪魔しか出ないだろ」
「ならよか……よくない!悪魔もかんべん!井戸もかんべん!
あたしぜーーーったい入らないからね!?」
だと思った。
オレの目にはかろうじて深い深い井戸の底が見えているが、ディーヴァからは底無しの暗闇がただただ眼下に見えるであろう井戸。
とはいえ、中を覗き込む事すらしないが。
オレが一緒とはいえ、そんな場所にディーヴァがくるわけがない。
「はあ……中には水も溜まってないけど、ちょっくら行ってくるよ」
あまり綺麗とは言い難い石碑にかじりついてホーリーウォーターを握りしめるディーヴァ。……ほんとに嫌いなんだな。
そんな彼女の必死な姿にため息をこぼし、ダンテは単身井戸の中に身を躍らせた。
そうは見えないがかなり深い井戸だったようだ。
頭上にぽっかりと空いた丸い白、井戸の入り口があんなに高く、遠く見える。
とはいえ、壁を駆け上がり、エアハイクを使えば一瞬だろう。これは一般人には無理ゲーだ。
そして井戸の底は案の定、水は枯れきっており、雑草が生い茂っていた。
「グルルルル……」
草木の間から唸り声がする。まるで恐竜映画に出てくるラプトルの声だ。
わかっている。これはトカゲ型悪魔のブレイドのものだ。
ダンテはその存在が飛び出してくるその前に、雑草ごとぶっ飛ばした。
「グレネェェドガンFireァーー!!」
ズドガァーーーン!!
鼓膜を破る勢いの爆裂音。爆発霧散するブレイドの体。
そしてダンテの体にも燃え移る火……。
『普通こんな狭いとこでグレネード使う!?
弾丸爆発してこんな枯れ草火の海だよ!!燃えてるやん!』
「お前みたいな剣よりましだろ。剣振り回したら壁に引っかかってこっちがお陀仏だ」
コートに燃え移った火をバサバサと叩いて消す。
肌を少し火傷したが、これくらいならすぐ治るだろう。
思いっきり銃をぶっ放してスッキリしたダンテには、些細な怪我などお構いなしだった。
雑草が一本もなくなった井戸の中、奥へ進むと先へ進む道が何もなかった。
暗い井戸の壁がそこにあるのみ。
「行き止まり……なわけないんだがなぁ。ふぅむ」
『マスター、ここ。横の壁から光漏れてるよ』
アラストルの言葉に真横を向く。
なるほど、壁からは柔い光がこちら側に届き、ついでに風も漏れていた。
「オルァァ!!」
注意されたので今度はイフリートだ。また炎かよとは言ってはいけない。
燃え盛る魔具を手足にはめたダンテの、凄まじいまでの回し蹴りが壁を直撃する。
炎の軌跡を描いたキックは、まるでクッキーか何かのように壁を粉砕し、その奥にいたらしいブレイドまでもを吹っ飛ばした。
『わおまーたブレイド』
「なんでこんなとこに出待ちしてやがる。オレはアイドルかよ」
『ある意味アイドルじゃん?』
「その解答はあまり嬉しくない。
地中に住んでる個体も多そうだし、ここに住んでたって事にしとくか」
『こんな枯れ井戸に!?』
うむ。奴らの生息地のひとつという事にしておこう。
吹っ飛ばしたブレイドに強烈なかかと落としを喰らわせ、ダンテはその頭上に開いた穴から飛び出した。
「なるほど。やっぱりここに繋がるわけか」
中央からは行くことの出来なかった場所。そこに見えた穴が、位置的にも今ダンテが出てきた穴だ。
なんとなくそんな気はしていたが、あの深い深い井戸がここに通じているとはびっくりである。
井戸方面へ目を向けると、ガラス越しに愛しのディーヴァの姿が見えた。
うむ。遠目で見ても、ガラス越しでもオレのディーヴァはかわいい。
石碑に腰掛けて縮こまり、ホーリーウォーターをぷるぷる震えて握りしめるその姿。
小さな子猫、いや、子ウサギのようで思わず食べた……こほん、守ってあげたくなる。
「おいディーヴァ」
「ビャッ!」
ガラスをコツンと叩き、ディーヴァを呼ぶと、思った通り面白いくらい驚いて飛び上がっていた。
かわいい。
「ビャッってなんだよ。驚きすぎだぞ?」
「ダンテかぁ……。もー!いきなり声かけられたらびっくりするでしょ!」
「悪い悪い。驚いてホーリーウォーター落とすなよ?一個しかないし、オレがいるときに中身が飛び散ったらオレまで浄化されちまう」
オレが扱うぶんには割れてもダメージが入らないホーリーウォーターだが、ディーヴァが割るとオレにもダメージが入る。
まさか所有者登録でもあるのだろうか。
よくあるご都合主義なのだろうが、不思議でならない。
「そんな事分かってるからはやく井戸から戻ってきて!」
「はいはい」
相当ひとりが嫌なのか、急かすディーヴァ。
愛しの彼女に「はやくぅ…」なんて急かされたんじゃ、さっさと戻るしかないな。
ベッドの上でもそうやって急かすセリフをいつも言ってくれればいいのに。ディーヴァには難しいか。
通路の奥には草木に紛れて小さな台座があり、その上にガラスのような膜で覆われた脳の形をした何かが置かれていた。
「青黒い脳味噌みたいでグロい。きたねぇな」
たぶんこれが聖杯が求める証なのだろう。それ以外考えられない。
それを端っこを摘んで持ち上げると、置かれていた台座にはやはり、純潔の証であると彫られていた。
純潔の意思が込められた小さな剥製で、表面の膜は、水晶でできているらしい。
……なんの剥製なのだろう。それを考えると余計に気持ちが悪い。
端っこを摘んで持つ選択肢以外考えられない。
『気持ちはわかるけど周り水晶だよ?落としたら割れちゃうがらちゃんと持って!?』
持ち方がどうであれ回収はできた。
割れようが割れなかろうが、聖杯に捧げて仕舞えばこちらのものだ。
さて戻ってきましたグリーンガーデン。
ダンテが下に向かって指を刺すそこは。
「い、井戸………!」
石碑の前にあった井戸である。
最初に来たときにディーヴァは気づかなかったのかだって?
きっと気がついていたろう。
しかし人間は、恐ろしすぎる物を存在ごと無視して抹消したくなる。そういう生き物だ。
井戸などという、ジャパニーズホラーの金字塔を、ディーヴァが得意なはずがない。
失神しそうになるほどの恐怖を受けつけられ、洋画版邦画版ともにディーヴァの大嫌いな映画の一つになった作品……井戸はそのとある映画のメインアイテムだ。
ある意味悪魔より苦手かもしれない。
なら観るな?観せるな?
しかたないだろ、観せちゃったんだから。
井戸という存在を認識し、ディーヴァが蒼ざめた顔でダンテのコートの中に逃げ込む。
嬉しいけど頼むから今はもう少し離れてくれ。動けない。
「うわぁ……うわぁ……。女の幽霊出てきたりしないよね?ぬう〜って、おめめぎょろりしないよね??」
「ここ日本じゃないから悪魔しか出ないだろ」
「ならよか……よくない!悪魔もかんべん!井戸もかんべん!
あたしぜーーーったい入らないからね!?」
だと思った。
オレの目にはかろうじて深い深い井戸の底が見えているが、ディーヴァからは底無しの暗闇がただただ眼下に見えるであろう井戸。
とはいえ、中を覗き込む事すらしないが。
オレが一緒とはいえ、そんな場所にディーヴァがくるわけがない。
「はあ……中には水も溜まってないけど、ちょっくら行ってくるよ」
あまり綺麗とは言い難い石碑にかじりついてホーリーウォーターを握りしめるディーヴァ。……ほんとに嫌いなんだな。
そんな彼女の必死な姿にため息をこぼし、ダンテは単身井戸の中に身を躍らせた。
そうは見えないがかなり深い井戸だったようだ。
頭上にぽっかりと空いた丸い白、井戸の入り口があんなに高く、遠く見える。
とはいえ、壁を駆け上がり、エアハイクを使えば一瞬だろう。これは一般人には無理ゲーだ。
そして井戸の底は案の定、水は枯れきっており、雑草が生い茂っていた。
「グルルルル……」
草木の間から唸り声がする。まるで恐竜映画に出てくるラプトルの声だ。
わかっている。これはトカゲ型悪魔のブレイドのものだ。
ダンテはその存在が飛び出してくるその前に、雑草ごとぶっ飛ばした。
「グレネェェドガンFireァーー!!」
ズドガァーーーン!!
鼓膜を破る勢いの爆裂音。爆発霧散するブレイドの体。
そしてダンテの体にも燃え移る火……。
『普通こんな狭いとこでグレネード使う!?
弾丸爆発してこんな枯れ草火の海だよ!!燃えてるやん!』
「お前みたいな剣よりましだろ。剣振り回したら壁に引っかかってこっちがお陀仏だ」
コートに燃え移った火をバサバサと叩いて消す。
肌を少し火傷したが、これくらいならすぐ治るだろう。
思いっきり銃をぶっ放してスッキリしたダンテには、些細な怪我などお構いなしだった。
雑草が一本もなくなった井戸の中、奥へ進むと先へ進む道が何もなかった。
暗い井戸の壁がそこにあるのみ。
「行き止まり……なわけないんだがなぁ。ふぅむ」
『マスター、ここ。横の壁から光漏れてるよ』
アラストルの言葉に真横を向く。
なるほど、壁からは柔い光がこちら側に届き、ついでに風も漏れていた。
「オルァァ!!」
注意されたので今度はイフリートだ。また炎かよとは言ってはいけない。
燃え盛る魔具を手足にはめたダンテの、凄まじいまでの回し蹴りが壁を直撃する。
炎の軌跡を描いたキックは、まるでクッキーか何かのように壁を粉砕し、その奥にいたらしいブレイドまでもを吹っ飛ばした。
『わおまーたブレイド』
「なんでこんなとこに出待ちしてやがる。オレはアイドルかよ」
『ある意味アイドルじゃん?』
「その解答はあまり嬉しくない。
地中に住んでる個体も多そうだし、ここに住んでたって事にしとくか」
『こんな枯れ井戸に!?』
うむ。奴らの生息地のひとつという事にしておこう。
吹っ飛ばしたブレイドに強烈なかかと落としを喰らわせ、ダンテはその頭上に開いた穴から飛び出した。
「なるほど。やっぱりここに繋がるわけか」
中央からは行くことの出来なかった場所。そこに見えた穴が、位置的にも今ダンテが出てきた穴だ。
なんとなくそんな気はしていたが、あの深い深い井戸がここに通じているとはびっくりである。
井戸方面へ目を向けると、ガラス越しに愛しのディーヴァの姿が見えた。
うむ。遠目で見ても、ガラス越しでもオレのディーヴァはかわいい。
石碑に腰掛けて縮こまり、ホーリーウォーターをぷるぷる震えて握りしめるその姿。
小さな子猫、いや、子ウサギのようで思わず食べた……こほん、守ってあげたくなる。
「おいディーヴァ」
「ビャッ!」
ガラスをコツンと叩き、ディーヴァを呼ぶと、思った通り面白いくらい驚いて飛び上がっていた。
かわいい。
「ビャッってなんだよ。驚きすぎだぞ?」
「ダンテかぁ……。もー!いきなり声かけられたらびっくりするでしょ!」
「悪い悪い。驚いてホーリーウォーター落とすなよ?一個しかないし、オレがいるときに中身が飛び散ったらオレまで浄化されちまう」
オレが扱うぶんには割れてもダメージが入らないホーリーウォーターだが、ディーヴァが割るとオレにもダメージが入る。
まさか所有者登録でもあるのだろうか。
よくあるご都合主義なのだろうが、不思議でならない。
「そんな事分かってるからはやく井戸から戻ってきて!」
「はいはい」
相当ひとりが嫌なのか、急かすディーヴァ。
愛しの彼女に「はやくぅ…」なんて急かされたんじゃ、さっさと戻るしかないな。
ベッドの上でもそうやって急かすセリフをいつも言ってくれればいいのに。ディーヴァには難しいか。
通路の奥には草木に紛れて小さな台座があり、その上にガラスのような膜で覆われた脳の形をした何かが置かれていた。
「青黒い脳味噌みたいでグロい。きたねぇな」
たぶんこれが聖杯が求める証なのだろう。それ以外考えられない。
それを端っこを摘んで持ち上げると、置かれていた台座にはやはり、純潔の証であると彫られていた。
純潔の意思が込められた小さな剥製で、表面の膜は、水晶でできているらしい。
……なんの剥製なのだろう。それを考えると余計に気持ちが悪い。
端っこを摘んで持つ選択肢以外考えられない。
『気持ちはわかるけど周り水晶だよ?落としたら割れちゃうがらちゃんと持って!?』
持ち方がどうであれ回収はできた。
割れようが割れなかろうが、聖杯に捧げて仕舞えばこちらのものだ。