mission 11:you're arguing youself ~再戦~
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庭園前広場に戻るとディーヴァは古ぼけた女神像の隙間に隠れ、自分自身を抱えるようにして縮こまって休んでいた。
むしろ、眠っていたと言った方が正しかろう。
「ディーヴァ、起きろ」
「……ん、ふわぁ、ダンテだぁ……。
遅かったから居眠りしちゃったよ」
体が固まったのか、大あくびをしながらめいっぱい伸びをするディーヴァ。
なんと呑気な。
「よくこんな悪魔の巣窟で眠って待っていられたよ。
ほんとお前、変なとこ肝っ玉座ってるよな……」
「そもそもひとりにしたのダンテじゃない?ホーリーウォーターはあまり使いたくないし、悪魔に見つからないようスニーキングしてるしかないでしょ」
たしかに、ディーヴァの天使の結界は発動率が低くあまり役に立たないだろうし、ホーリーウォーターを使えば目立ってしまい逆ち悪魔が集まってくる事もある。
ダンテがいないところで悪魔が次々にやってきてしまったら隠れてやり過ごす他ない。
スニーキングが一番正解だ。
ディーヴァくらいの見た目の女性と、白い犬が古城を逃げ惑う狂気のタイトルでも、女性はスニーキングをしていた。
おや?どこからかグッボーイ、という幻聴が。……気のせいか。
しかし、悪魔にとって獲物にしかなり得ないディーヴァをひとりにしたダンテも悪い。
が、ディーヴァの為だったのだから、責めないでほしい。
「おいおい痛いとこつくなよ。
オレはオレで、愛しのディーヴァが安全であるように努めて、真っ黒い気配……危ない悪魔と遊んであげてたんだぞ」
「あー、うん。それはわかる。
ダンテ遊ばれてたんだねぇ……痛そう」
ディーヴァがダンテの上から下までを眺め、目を細める。
そういえばまだ、デスサイズから受けた傷が治っていなかったんだった。
とはいえ、勝利を掴んだのはこちらなワケで。つまり遊ばれてはいない。
「遊んでやったのはオレだっての」
ディーヴァを腕に引き寄せて反転させ、掠め取るようにキスをする。
「もう……いきなりは禁止。アラストル達も見てるし」
『あ。見てないし聞いてないからお好きにどうぞ』
「うぇっ!?聞いてるじゃんかぁ……」
即座に答えが返ってきた。いいぞもっとやれ方式と思ってもいいだろう。
よし、ディーヴァがなんと言おうと、そう思うことにする。
「本刃達も言ってることだし、キスくらいで堅いこと言うなって。それにこれはいつもの回復だよ」
回復のための行為だ。
いや、回復にもつながるのは合っているが、ただ愛する人との触れ合いが欲しい。キスしたいだけ。
もしかしたら魂胆はバレているかもしれないが、ダンテ自らの口から言われ観念したか、ディーヴァは浅くため息を吐いてダンテに抱きついてきた。
おっ。
オレの腹筋に当たる、このふたつの温かいふくらみは……。
相変わらず柔らかい。最高。
「束の間のひとりは怖かったけど……でも、ダンテが無事ならいいよ。
こんな場所まで助けに来てくれた。もう会えないって絶望してたけど大好きなダンテにこうしてまた会えた。
それだけでもほんとに嬉しかったんだから。
お返しっ!」
「っ!!」
ダンテが少し下卑た考えを浮かべていたら、胸が熱くなるような有難い言葉、そしてお礼とも言うべきディーヴァからのキスがされた。
何番煎じだと言われようともいい。
ディーヴァからキスされるというのがどれほどレアな事かわかっていないだろう。
これはレア度星5つ級の驚くべきことである。
同時に、体力パラメータが一気にブルーオーブ全取りしたあとくらい回復するほどの喜びなのだ。
思わずきつく抱きしめ返したオレ悪くない。
体のある部分が異常に元気になったのもオレ悪くない。
くそ、ここが事務所のベッドでないのがひどく悔やまれる……。
「ディーヴァ、無事帰ったら寝かさないから覚悟しとけよ」
「え!まず寝よう??」
「あー、まあ、泥のように眠って美味いメシたっぷり食べて、それからでもいいかもな………」
「そうそう!ご飯の後には美味しいデザート、あったかいロイヤルミルクティーも飲も!そしたらまたおねんねして、また美味しいもの食べて〜……」
「それじゃいつまでたってもお前を食えないんだが。もしかしてディーヴァは逃げる気か」
「逃げるなんてそんなまさか。あはははは〜」
ひきつり笑いを浮かべるディーヴァの頭を微笑ましく撫でながら、ふと思い出した。
そういえば事務所……トリッシュが奇襲を仕掛けてきたあとのままだったような気がする。
あそこが仮の宿とはいえ、破壊されたままだとバレたらやばい。
いつまでも隠し通せるものではないが、ディーヴァにはまだ言わないでおこう。
何はともあれ、まずはここの親玉を倒し、この島をあとにしなくては。
「ま、いい。
帰ってディーヴァとしっぽり楽しむためにも次に進むか。
ディーヴァ、オレについてきてくれ」
「う、うん……。
ほんとにもう悪魔いないんだよね?」
「もちろんだ」
デスサイズの真っ黒くて禍々しい気配は、ディーヴァも感じていたからだろう。
ひどく不安がるディーヴァの手を取り、グリーンガーデン内へと戻る。
入り組んだ内部構造、目の前の枯れた巨木にディーヴァは目を奪われていたが、悪魔がいないとわかり安心したようだ。
繋がれた手から伝わる強張りが柔らかくなった。
「次はどこに行くのが正解なの?扉の向こうは見た?」
「扉の向こうは行ってない。悪魔を倒し安全にしてディーヴァを呼ぶのが先かと思ってな。
ディーヴァの安全が最優先だ」
「ダンテ………」
感動してディーヴァの胸がときめいているのを感じる。
が、アラストルが余計な一言を放った。
『というか、謎解きはディーヴァ担当だし呼んだんだよねー』
「……かっこ悪い事に半分アラストルが正解だ」
背中のアラストルに向かって殺気を放つ。
アラストルは上手く吹けもしない口笛を吹いて知らぬふりした。
いつか折るなり熱して打ち直すなりしてやる。絶対にだ。
「あのなディーヴァ、半分は当たってるけど違うぞ。ディーヴァが心配だし、ここの危険がなくなったからオレは呼び戻してだな」
「はいはい、わかってるってば。
それで謎解きってどれ」
「はあ……井戸の前のそれだ」
信じてもらえていない気がする。凹むなあ。
ダンテを無視し、井戸前の石碑を眺めるディーヴァ。
上から下までよく読み込んだディーヴァの言葉は。
「証?聖杯?……聖杯戦争??」
「おいオレたちはいつから聖杯戦争で戦う側になったよ。作品が違うだろ」
その場合どちらがマスターなのだろうか。
ぜひディーヴァを召喚して良いようにする役が……。
「い゛っ!?」
「なんか邪なこと考えてるでしょ」
腕をつねられた。
「なぜバレた」
昔のオレよりも少しはポーカーフェイスになったはずだ。
なにせ、手本としているのはオレの双子の兄、バージルの鉄仮面なのだから……。
「そんなのみてればわかるよ。特にそういう思考の時!
ダンテもそうだし、ちょっぴり一緒に行動したバージルもそうだった。
あなた達双子って本人が思ってるより表情豊かなのよ。
だいたい何年一緒にいると思ってるの」
「ぬう、ここでオレが考えていたバージルの事まで出てくるとは。さすがはディーヴァ。オレやバージルが惚れるだけはある」
「そっ!ありがと!
とりあえず扉の向こう行ってみようよ。あっちには変な気配しないっぽいし」
「……だな」
やれやれ。
ディーヴァにバレないポーカーフェイスを編み出すのが、今後のオレの目標の一つになりそうだ。
むしろ、眠っていたと言った方が正しかろう。
「ディーヴァ、起きろ」
「……ん、ふわぁ、ダンテだぁ……。
遅かったから居眠りしちゃったよ」
体が固まったのか、大あくびをしながらめいっぱい伸びをするディーヴァ。
なんと呑気な。
「よくこんな悪魔の巣窟で眠って待っていられたよ。
ほんとお前、変なとこ肝っ玉座ってるよな……」
「そもそもひとりにしたのダンテじゃない?ホーリーウォーターはあまり使いたくないし、悪魔に見つからないようスニーキングしてるしかないでしょ」
たしかに、ディーヴァの天使の結界は発動率が低くあまり役に立たないだろうし、ホーリーウォーターを使えば目立ってしまい逆ち悪魔が集まってくる事もある。
ダンテがいないところで悪魔が次々にやってきてしまったら隠れてやり過ごす他ない。
スニーキングが一番正解だ。
ディーヴァくらいの見た目の女性と、白い犬が古城を逃げ惑う狂気のタイトルでも、女性はスニーキングをしていた。
おや?どこからかグッボーイ、という幻聴が。……気のせいか。
しかし、悪魔にとって獲物にしかなり得ないディーヴァをひとりにしたダンテも悪い。
が、ディーヴァの為だったのだから、責めないでほしい。
「おいおい痛いとこつくなよ。
オレはオレで、愛しのディーヴァが安全であるように努めて、真っ黒い気配……危ない悪魔と遊んであげてたんだぞ」
「あー、うん。それはわかる。
ダンテ遊ばれてたんだねぇ……痛そう」
ディーヴァがダンテの上から下までを眺め、目を細める。
そういえばまだ、デスサイズから受けた傷が治っていなかったんだった。
とはいえ、勝利を掴んだのはこちらなワケで。つまり遊ばれてはいない。
「遊んでやったのはオレだっての」
ディーヴァを腕に引き寄せて反転させ、掠め取るようにキスをする。
「もう……いきなりは禁止。アラストル達も見てるし」
『あ。見てないし聞いてないからお好きにどうぞ』
「うぇっ!?聞いてるじゃんかぁ……」
即座に答えが返ってきた。いいぞもっとやれ方式と思ってもいいだろう。
よし、ディーヴァがなんと言おうと、そう思うことにする。
「本刃達も言ってることだし、キスくらいで堅いこと言うなって。それにこれはいつもの回復だよ」
回復のための行為だ。
いや、回復にもつながるのは合っているが、ただ愛する人との触れ合いが欲しい。キスしたいだけ。
もしかしたら魂胆はバレているかもしれないが、ダンテ自らの口から言われ観念したか、ディーヴァは浅くため息を吐いてダンテに抱きついてきた。
おっ。
オレの腹筋に当たる、このふたつの温かいふくらみは……。
相変わらず柔らかい。最高。
「束の間のひとりは怖かったけど……でも、ダンテが無事ならいいよ。
こんな場所まで助けに来てくれた。もう会えないって絶望してたけど大好きなダンテにこうしてまた会えた。
それだけでもほんとに嬉しかったんだから。
お返しっ!」
「っ!!」
ダンテが少し下卑た考えを浮かべていたら、胸が熱くなるような有難い言葉、そしてお礼とも言うべきディーヴァからのキスがされた。
何番煎じだと言われようともいい。
ディーヴァからキスされるというのがどれほどレアな事かわかっていないだろう。
これはレア度星5つ級の驚くべきことである。
同時に、体力パラメータが一気にブルーオーブ全取りしたあとくらい回復するほどの喜びなのだ。
思わずきつく抱きしめ返したオレ悪くない。
体のある部分が異常に元気になったのもオレ悪くない。
くそ、ここが事務所のベッドでないのがひどく悔やまれる……。
「ディーヴァ、無事帰ったら寝かさないから覚悟しとけよ」
「え!まず寝よう??」
「あー、まあ、泥のように眠って美味いメシたっぷり食べて、それからでもいいかもな………」
「そうそう!ご飯の後には美味しいデザート、あったかいロイヤルミルクティーも飲も!そしたらまたおねんねして、また美味しいもの食べて〜……」
「それじゃいつまでたってもお前を食えないんだが。もしかしてディーヴァは逃げる気か」
「逃げるなんてそんなまさか。あはははは〜」
ひきつり笑いを浮かべるディーヴァの頭を微笑ましく撫でながら、ふと思い出した。
そういえば事務所……トリッシュが奇襲を仕掛けてきたあとのままだったような気がする。
あそこが仮の宿とはいえ、破壊されたままだとバレたらやばい。
いつまでも隠し通せるものではないが、ディーヴァにはまだ言わないでおこう。
何はともあれ、まずはここの親玉を倒し、この島をあとにしなくては。
「ま、いい。
帰ってディーヴァとしっぽり楽しむためにも次に進むか。
ディーヴァ、オレについてきてくれ」
「う、うん……。
ほんとにもう悪魔いないんだよね?」
「もちろんだ」
デスサイズの真っ黒くて禍々しい気配は、ディーヴァも感じていたからだろう。
ひどく不安がるディーヴァの手を取り、グリーンガーデン内へと戻る。
入り組んだ内部構造、目の前の枯れた巨木にディーヴァは目を奪われていたが、悪魔がいないとわかり安心したようだ。
繋がれた手から伝わる強張りが柔らかくなった。
「次はどこに行くのが正解なの?扉の向こうは見た?」
「扉の向こうは行ってない。悪魔を倒し安全にしてディーヴァを呼ぶのが先かと思ってな。
ディーヴァの安全が最優先だ」
「ダンテ………」
感動してディーヴァの胸がときめいているのを感じる。
が、アラストルが余計な一言を放った。
『というか、謎解きはディーヴァ担当だし呼んだんだよねー』
「……かっこ悪い事に半分アラストルが正解だ」
背中のアラストルに向かって殺気を放つ。
アラストルは上手く吹けもしない口笛を吹いて知らぬふりした。
いつか折るなり熱して打ち直すなりしてやる。絶対にだ。
「あのなディーヴァ、半分は当たってるけど違うぞ。ディーヴァが心配だし、ここの危険がなくなったからオレは呼び戻してだな」
「はいはい、わかってるってば。
それで謎解きってどれ」
「はあ……井戸の前のそれだ」
信じてもらえていない気がする。凹むなあ。
ダンテを無視し、井戸前の石碑を眺めるディーヴァ。
上から下までよく読み込んだディーヴァの言葉は。
「証?聖杯?……聖杯戦争??」
「おいオレたちはいつから聖杯戦争で戦う側になったよ。作品が違うだろ」
その場合どちらがマスターなのだろうか。
ぜひディーヴァを召喚して良いようにする役が……。
「い゛っ!?」
「なんか邪なこと考えてるでしょ」
腕をつねられた。
「なぜバレた」
昔のオレよりも少しはポーカーフェイスになったはずだ。
なにせ、手本としているのはオレの双子の兄、バージルの鉄仮面なのだから……。
「そんなのみてればわかるよ。特にそういう思考の時!
ダンテもそうだし、ちょっぴり一緒に行動したバージルもそうだった。
あなた達双子って本人が思ってるより表情豊かなのよ。
だいたい何年一緒にいると思ってるの」
「ぬう、ここでオレが考えていたバージルの事まで出てくるとは。さすがはディーヴァ。オレやバージルが惚れるだけはある」
「そっ!ありがと!
とりあえず扉の向こう行ってみようよ。あっちには変な気配しないっぽいし」
「……だな」
やれやれ。
ディーヴァにバレないポーカーフェイスを編み出すのが、今後のオレの目標の一つになりそうだ。