mission 11:you're arguing youself ~再戦~
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その時、デスサイズが放ってきた竜巻がダンテの体を襲う。
「うぉ!?」
デスサイズ自体は見ていたが、奴が使う魔術にまでは目を光らせていなかった。
奴は自身の魔力を渦の形に変え、地面にいくつものトラップをしかけていたらしい。ダンテがいた足場には、黒い渦が立ち上っていた。
竜巻自体にはダメージはない。
が、その強力な風で上へ上へと持ち上がったダンテの体目掛け、デスサイズが鎌を振りかざしてきた。
「罠にかかったところを八つ裂きにって思ったんだろうが、そうはいかないぜ!」
他の獲物ならば、上空に逃げ場がなくアウトだろう。
むしろこんな悪魔に出会った瞬間、ジ・エンド。気がつけば頭と胴体が真っ二つというやつだ。
だが、もともと逃げるためでなく攻撃のために飛び上がったダンテには、願ったり叶ったり。何より半分悪魔の体にはそよ風みたいなもの。
「まさに最高の追い風ってわけだ」
その風圧を利用しそのまま風に身を任せて上へと飛び上がると、迫ってきた鎌を身を捻って避ける。
多少鎌がかすったが、許容範囲だろう。
腕もちゃんと胴体にくっついているし、胸がパックリと割れているわけでもない。血みどろ状態でもない。
ディーヴァが見て、怯えるほどの怪我じゃなければ問題はない。
だがこの痛みは、ダンテの悪魔部分の性質に火をつけた。
新たな足場に着地すると、悪魔に向かって手をだし、挑発する。
馬鹿にするようなその動き、表情に怒りが湧いたのか、手にした鎌を今まで以上に回転させながらこちらに向かってくる悪魔。
「はは、ぬるいぬるい」
ダンテの横顔を、鎌が起こした振り抜き音、風が凪いでいく。
その鎌の側面を指でつまむ。そのまま滑らせる余裕を見せながら攻撃をスレスレで避けると、追い込むようにしてデスサイズにイフリートの拳を入れる。
思った通り。こいつは壁すらすり抜ける悪魔だが、仮面、もしくは得物たる鎌を対象に掴まれていては逃げられないようだ。
メキ、デスサイズの硬い仮面に、わずかなヒビが入った。
怖気つく悪魔と、ニヤリと笑みを浮かべるダンテ。
「おらぁ!このまま破壊してやるよ……!
って、おいこら待てっ!!」
本体が壊されるのを危険視したか、ダンテの追撃から慌てて逃れようとする姿を、イフリートからアラストルへと素早く持ち替え、高く跳び上がって追う。
ダンテの飛距離の高さをわかっていたか、ある程度逃げたところでデスサイズが嘲笑う。
だが、ダンテの飛距離はまだ限界ではない。
ーーエアハイク。魔力で足場作成し更なる高度へと挑んだダンテは、デスサイズを大きく飛び越えあっという間に頭上に回り込んだ。
「セヤァッ!!」
ダンテの繰り出す兜割りがデスサイズの仮面にクリーンヒットする。
仮面全体にヒビが広がり、盛大に割れると同時、悪魔は悲鳴をあげながら空気に消えていった。
憎いダンテを最後まで害したいのか、デスサイズが持っていた鎌が、敵を倒し終えたダンテの着地点に刺さる。
「オア゛ッ!あっぶねぇな!」
もう少しで脳天から真っ二つだ。死してなおなんと禍々しい気配だろうか。
ダンテへの恨み節の気配を残しながら、先に消えた体を追うようにして仮面の破片と鎌も、あの鋭利さが嘘のように霧散していった。
『危ないっていうか、戦闘終わって見てみれば満身創痍だよね。
んで、マスター大丈夫?』
「あー。今見ると結構斬られてたな。でも平気だ、ピンピンしてる」
『マスターの体じゃなくて、次行く場所いっぱいありそうだけど大丈夫かって聞いた。
半分悪魔だからそれくらいの傷すぐ治るでしょ?だいたい、剣が胸に刺さっても元気だったじゃん。
今更心配しないよ』
こいつ。さては最初の件、根に持っているな。
デスサイズを倒した後に空中に現れた足場に軽く飛び乗り、周りを見渡してみる。
他の悪魔の気配、なーし。
先に進めそうな扉、ふたーつ。
「両脇には通れる場所と、通れない場所があるな。
魔力込めたイフリートの右ストレートでも、ウラァ!!………やっぱりな。
割れない魔力のかよったガラス、と」
迷ったら殴ってみる。これは鉄則。
『ディーヴァが言うようにほんと脳筋』
「折るぞ」
通れない場所の向こう側には、床に穴。
そして、枯れた巨木の周りには淀んだ水が溜まり、ドブのように臭い。…触らんとこ。
そしてその手前には、朽ち果てた井戸があった。
「文字が書いてあるな。戦闘に夢中で気がつかなかったぜ。
えーと、『証なき者が聖杯を得る資格はない
暗き道を通り、嘆きの光をめざせ
証は絶望の檻に囚われている』…?
なんだこれ。めんどくさいな」
『悪魔の気配もなくなったし、そろそろディーヴァ呼んでくれば?
それで一緒に解けばいいじゃん』
「そうだな。それに、ホーリーウォーターがあるとはいえ、あまり1人にさせてちゃ危ないからな……」
一緒に解くというか、解かせるの間違いかもしれない。
ディーヴァの安否が一番だろうに、とは思っても、アラストルは入口へ急ぐダンテの背に余計な事は言わなかった。
「うぉ!?」
デスサイズ自体は見ていたが、奴が使う魔術にまでは目を光らせていなかった。
奴は自身の魔力を渦の形に変え、地面にいくつものトラップをしかけていたらしい。ダンテがいた足場には、黒い渦が立ち上っていた。
竜巻自体にはダメージはない。
が、その強力な風で上へ上へと持ち上がったダンテの体目掛け、デスサイズが鎌を振りかざしてきた。
「罠にかかったところを八つ裂きにって思ったんだろうが、そうはいかないぜ!」
他の獲物ならば、上空に逃げ場がなくアウトだろう。
むしろこんな悪魔に出会った瞬間、ジ・エンド。気がつけば頭と胴体が真っ二つというやつだ。
だが、もともと逃げるためでなく攻撃のために飛び上がったダンテには、願ったり叶ったり。何より半分悪魔の体にはそよ風みたいなもの。
「まさに最高の追い風ってわけだ」
その風圧を利用しそのまま風に身を任せて上へと飛び上がると、迫ってきた鎌を身を捻って避ける。
多少鎌がかすったが、許容範囲だろう。
腕もちゃんと胴体にくっついているし、胸がパックリと割れているわけでもない。血みどろ状態でもない。
ディーヴァが見て、怯えるほどの怪我じゃなければ問題はない。
だがこの痛みは、ダンテの悪魔部分の性質に火をつけた。
新たな足場に着地すると、悪魔に向かって手をだし、挑発する。
馬鹿にするようなその動き、表情に怒りが湧いたのか、手にした鎌を今まで以上に回転させながらこちらに向かってくる悪魔。
「はは、ぬるいぬるい」
ダンテの横顔を、鎌が起こした振り抜き音、風が凪いでいく。
その鎌の側面を指でつまむ。そのまま滑らせる余裕を見せながら攻撃をスレスレで避けると、追い込むようにしてデスサイズにイフリートの拳を入れる。
思った通り。こいつは壁すらすり抜ける悪魔だが、仮面、もしくは得物たる鎌を対象に掴まれていては逃げられないようだ。
メキ、デスサイズの硬い仮面に、わずかなヒビが入った。
怖気つく悪魔と、ニヤリと笑みを浮かべるダンテ。
「おらぁ!このまま破壊してやるよ……!
って、おいこら待てっ!!」
本体が壊されるのを危険視したか、ダンテの追撃から慌てて逃れようとする姿を、イフリートからアラストルへと素早く持ち替え、高く跳び上がって追う。
ダンテの飛距離の高さをわかっていたか、ある程度逃げたところでデスサイズが嘲笑う。
だが、ダンテの飛距離はまだ限界ではない。
ーーエアハイク。魔力で足場作成し更なる高度へと挑んだダンテは、デスサイズを大きく飛び越えあっという間に頭上に回り込んだ。
「セヤァッ!!」
ダンテの繰り出す兜割りがデスサイズの仮面にクリーンヒットする。
仮面全体にヒビが広がり、盛大に割れると同時、悪魔は悲鳴をあげながら空気に消えていった。
憎いダンテを最後まで害したいのか、デスサイズが持っていた鎌が、敵を倒し終えたダンテの着地点に刺さる。
「オア゛ッ!あっぶねぇな!」
もう少しで脳天から真っ二つだ。死してなおなんと禍々しい気配だろうか。
ダンテへの恨み節の気配を残しながら、先に消えた体を追うようにして仮面の破片と鎌も、あの鋭利さが嘘のように霧散していった。
『危ないっていうか、戦闘終わって見てみれば満身創痍だよね。
んで、マスター大丈夫?』
「あー。今見ると結構斬られてたな。でも平気だ、ピンピンしてる」
『マスターの体じゃなくて、次行く場所いっぱいありそうだけど大丈夫かって聞いた。
半分悪魔だからそれくらいの傷すぐ治るでしょ?だいたい、剣が胸に刺さっても元気だったじゃん。
今更心配しないよ』
こいつ。さては最初の件、根に持っているな。
デスサイズを倒した後に空中に現れた足場に軽く飛び乗り、周りを見渡してみる。
他の悪魔の気配、なーし。
先に進めそうな扉、ふたーつ。
「両脇には通れる場所と、通れない場所があるな。
魔力込めたイフリートの右ストレートでも、ウラァ!!………やっぱりな。
割れない魔力のかよったガラス、と」
迷ったら殴ってみる。これは鉄則。
『ディーヴァが言うようにほんと脳筋』
「折るぞ」
通れない場所の向こう側には、床に穴。
そして、枯れた巨木の周りには淀んだ水が溜まり、ドブのように臭い。…触らんとこ。
そしてその手前には、朽ち果てた井戸があった。
「文字が書いてあるな。戦闘に夢中で気がつかなかったぜ。
えーと、『証なき者が聖杯を得る資格はない
暗き道を通り、嘆きの光をめざせ
証は絶望の檻に囚われている』…?
なんだこれ。めんどくさいな」
『悪魔の気配もなくなったし、そろそろディーヴァ呼んでくれば?
それで一緒に解けばいいじゃん』
「そうだな。それに、ホーリーウォーターがあるとはいえ、あまり1人にさせてちゃ危ないからな……」
一緒に解くというか、解かせるの間違いかもしれない。
ディーヴァの安否が一番だろうに、とは思っても、アラストルは入口へ急ぐダンテの背に余計な事は言わなかった。