mission 9:scarlet fire, vermillion thunder ~新しい魔具~
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ボコッ…!
そんなディーヴァの元へ向かうように、地面が大きく盛り上がった。
と同時、地中から飛び出す手負いのブレイド。
そういえばブレイドは、初っ端から地面から登場していた。地中を移動する悪魔なのだ。
過信していたダンテは、それすら忘れていた。
獲物である天使、ディーヴァを捕食すべく、涎を糸引かせて牙を剥き出しにしたブレイドがナイフのような爪を伸ばす。
まるで弾丸のように、爪がディーヴァ目掛けて発射された。
なんてことだ。
あの爪でしとめ、肉塊にしてから喰らう気か。
あんなものが当たったら、普通の人間の体をしているディーヴァなぞ即死だ。
「ディーヴァーーッ!」
悪魔の鋭い爪が、ディーヴァを傷つけようとしている。
命も魂も奪い、喰らおうとしている。
天使の結界でも発動してくれれば、そう思ったが発動についてはムラがあり信用できないし、発動する片鱗も見えない。
ダンテが今から撃っても、間に合わない。
声も出せないディーヴァの見開かれた瞳に、飛んでいく爪が映り込んだ。
ディーヴァが死ぬ。
想像して絶望し、思わず目を閉じた瞬間、瞼の外側で青い光がディーヴァを包んだのが見えた。
「え……?」
恐怖で目を閉じたのはディーヴァも同じだったようで、気がついた時には爪ナイフ共々ブレイドが吹っ飛んでいた。
天使の結界とは明らかに違う何かに守られた。それだけはわかる。
ブレイドの悔しそうな雄叫びで我に帰ったダンテは、咄嗟にアラストルを投げつける。
悔しそうな雄叫びは、アラストルの斬り付けによって苦しみもがく声へと変わる。
だがディーヴァを傷つけようとした罪と罰、それだけでは気がおさまらない。
回転しながらブレイドを斬りつけ続ける剣に加え、ダンテは双子銃の連射で相手を蜂の巣にした。
絶命したブレイドが、レッドオーブに変わる。これで最後の一匹も仕留める事が出来た。
「ディーヴァ!怪我は?」
「だ、大丈夫……何ともない……」
「………良かった」
ディーヴァに駆け寄り、その無事を確かめる。
怪我はない、そう言ったがディーヴァが隠してるとも限らない。
その甘い血の匂いがしていないのを鼻で確認してみるが、本当のようだ。
かすり傷一つあるだけで、その匂いはダンテに丸わかりなのだから。
必死な形相のダンテに尻込みしていたが、ディーヴァはいつもの調子に戻った。
「ほら、まずはついた土を払わないと。ダンテもあたしも土埃だらけだよ」
お互い手についた土をパンパンはたき、体の土も払い合う。
はたきつつ、周りに他の悪魔が隠れていないかも念入りにチェックしておいた。
あんな思いするのはもう懲り懲りだ。
敵が皆無なのを確認してから、ダンテはディーヴァを抱き寄せる。
コツン。
少し屈んでディーヴァの額に自分の額を合わせる。……やっと一息いれる事ができた。
大人しくされるがままだったディーヴァが、頭を撫でてきた。
「油断しちゃダメだな。ディーヴァを失うかと思った……悪い」
「ううん、大丈夫だよ。誰にだってそういう事あるもん……」
『ここじゃ一回の油断が命取りなんだけどねー。ディーヴァ、キミ消えちゃうところだったんだからね?』
「………ごめんなさい」
注意されシュンとするディーヴァ。
態度には出さないが、そこはダンテが反省して落ち込むところだ。ディーヴァは悪くない。
『でも狩り甲斐のある悪魔だったんじゃない?俺としては、多少の危険はあってもスリル満点の方がいいな〜』
「お前はそうだろうよ。……ったく、他人事だと思いやがって」
『人じゃなくて魔具だからねえ』
ケラケラ笑うアラストルの声を耳や意識から遮断し、目の前のディーヴァを再び抱きしめる。
安心して力が抜け、でも失いそうになった瞬間を思い出し、力が入る。
ディーヴァが力の変化に気づき、不思議そうにダンテを見つめた。
「ダンテ?」
「も少し、このままでいさせてくれ……」
「……うん」
鋭い爪がディーヴァに飛んでいったのを見た時、絶対間に合わないと思った。生きた心地がしなかった。
いや、あの時、確実にダンテの心臓は、恐怖で一瞬とはいえ止まった気がする。
だが、青い光がディーヴァを包み込んだ。ディーヴァの結界とは違う何かの守り。防御壁。
あれは何の守りだったのだろうか。
ダンテがディーヴァに施す守り。それとは違うし、ダンテがディーヴァに纏わせる魔力にそこまでの力はない。
何よりダンテの魔力にとても似ているようで、でもどこか違う力だった。そう感じた。
ディーヴァが無事ならいい。それでいい。そこが一番重要なのだから。
そんなディーヴァの元へ向かうように、地面が大きく盛り上がった。
と同時、地中から飛び出す手負いのブレイド。
そういえばブレイドは、初っ端から地面から登場していた。地中を移動する悪魔なのだ。
過信していたダンテは、それすら忘れていた。
獲物である天使、ディーヴァを捕食すべく、涎を糸引かせて牙を剥き出しにしたブレイドがナイフのような爪を伸ばす。
まるで弾丸のように、爪がディーヴァ目掛けて発射された。
なんてことだ。
あの爪でしとめ、肉塊にしてから喰らう気か。
あんなものが当たったら、普通の人間の体をしているディーヴァなぞ即死だ。
「ディーヴァーーッ!」
悪魔の鋭い爪が、ディーヴァを傷つけようとしている。
命も魂も奪い、喰らおうとしている。
天使の結界でも発動してくれれば、そう思ったが発動についてはムラがあり信用できないし、発動する片鱗も見えない。
ダンテが今から撃っても、間に合わない。
声も出せないディーヴァの見開かれた瞳に、飛んでいく爪が映り込んだ。
ディーヴァが死ぬ。
想像して絶望し、思わず目を閉じた瞬間、瞼の外側で青い光がディーヴァを包んだのが見えた。
「え……?」
恐怖で目を閉じたのはディーヴァも同じだったようで、気がついた時には爪ナイフ共々ブレイドが吹っ飛んでいた。
天使の結界とは明らかに違う何かに守られた。それだけはわかる。
ブレイドの悔しそうな雄叫びで我に帰ったダンテは、咄嗟にアラストルを投げつける。
悔しそうな雄叫びは、アラストルの斬り付けによって苦しみもがく声へと変わる。
だがディーヴァを傷つけようとした罪と罰、それだけでは気がおさまらない。
回転しながらブレイドを斬りつけ続ける剣に加え、ダンテは双子銃の連射で相手を蜂の巣にした。
絶命したブレイドが、レッドオーブに変わる。これで最後の一匹も仕留める事が出来た。
「ディーヴァ!怪我は?」
「だ、大丈夫……何ともない……」
「………良かった」
ディーヴァに駆け寄り、その無事を確かめる。
怪我はない、そう言ったがディーヴァが隠してるとも限らない。
その甘い血の匂いがしていないのを鼻で確認してみるが、本当のようだ。
かすり傷一つあるだけで、その匂いはダンテに丸わかりなのだから。
必死な形相のダンテに尻込みしていたが、ディーヴァはいつもの調子に戻った。
「ほら、まずはついた土を払わないと。ダンテもあたしも土埃だらけだよ」
お互い手についた土をパンパンはたき、体の土も払い合う。
はたきつつ、周りに他の悪魔が隠れていないかも念入りにチェックしておいた。
あんな思いするのはもう懲り懲りだ。
敵が皆無なのを確認してから、ダンテはディーヴァを抱き寄せる。
コツン。
少し屈んでディーヴァの額に自分の額を合わせる。……やっと一息いれる事ができた。
大人しくされるがままだったディーヴァが、頭を撫でてきた。
「油断しちゃダメだな。ディーヴァを失うかと思った……悪い」
「ううん、大丈夫だよ。誰にだってそういう事あるもん……」
『ここじゃ一回の油断が命取りなんだけどねー。ディーヴァ、キミ消えちゃうところだったんだからね?』
「………ごめんなさい」
注意されシュンとするディーヴァ。
態度には出さないが、そこはダンテが反省して落ち込むところだ。ディーヴァは悪くない。
『でも狩り甲斐のある悪魔だったんじゃない?俺としては、多少の危険はあってもスリル満点の方がいいな〜』
「お前はそうだろうよ。……ったく、他人事だと思いやがって」
『人じゃなくて魔具だからねえ』
ケラケラ笑うアラストルの声を耳や意識から遮断し、目の前のディーヴァを再び抱きしめる。
安心して力が抜け、でも失いそうになった瞬間を思い出し、力が入る。
ディーヴァが力の変化に気づき、不思議そうにダンテを見つめた。
「ダンテ?」
「も少し、このままでいさせてくれ……」
「……うん」
鋭い爪がディーヴァに飛んでいったのを見た時、絶対間に合わないと思った。生きた心地がしなかった。
いや、あの時、確実にダンテの心臓は、恐怖で一瞬とはいえ止まった気がする。
だが、青い光がディーヴァを包み込んだ。ディーヴァの結界とは違う何かの守り。防御壁。
あれは何の守りだったのだろうか。
ダンテがディーヴァに施す守り。それとは違うし、ダンテがディーヴァに纏わせる魔力にそこまでの力はない。
何よりダンテの魔力にとても似ているようで、でもどこか違う力だった。そう感じた。
ディーヴァが無事ならいい。それでいい。そこが一番重要なのだから。