mission 7:warm and burning keys ~埋め合う隙間~
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「ディーヴァ?大丈夫か?」
「はぅ!?だ、大丈夫…」
蠅のはの字も消え失せた空間で、ディーヴァの頬をペチペチ叩く。こんなところで油を売っていたら、さすがにダメージが蓄積してしまう。
起きたディーヴァにホッとしつつ、壁の紋章を起動すると、床の一部が振動とともに盛り上がった。
これが上までエレベーターのように運んでくれるのだろう。
「ほら、落ちないようにオレにくっついとけ」
人間が1人乗る分しかない狭い足場だ。
ディーヴァはダンテのコートの中にお邪魔する勢いでひっつき、そして抱き合った。
だが、くっつきすぎて首を上に曲げていなくてはいけない。どうやってもダンテの顔を上目づかいで見上げる体勢のディーヴァを前にして、ダンテはキスしたい思いを必死に耐えた。
さてさて戻ってきたのは、ベッドや時空神像が置いてある一種の安全地帯、城主の部屋だ。
その壁の一箇所に、まだ解いていない謎があった。
光輝く陽光の導きはお前を焼き尽くすだろう
光に耐える力を持った者だけが新たな道を解放する
明らかにダンテが持つアイテムの答えである。
『うんうん。そうだと思ったから俺はこのアイテム探すようにしむけたんだよね!』
「てめぇ……んなこと一度も言わなかったじゃねぇか。ったく」
太陽の紋章のレリーフへ、陽光の導きを差し込むと、レリーフが上にスライドしていき、奥から隠し扉が現れた。
これが次の行き先のようだ。
「はー…長い冒険だったね。ダンテお疲れ様。おてての火傷大丈夫?」
「ああ、手から離れたことでもう治りつつあるぜ」
「なら良かった!よし、次いこ、次」
「待て」
扉のノブに手をやるディーヴァを、ダンテは一声で止めた。
「ディーヴァ……せっかくベッドあるんだからさ、な?」
「え、こんな状況で、こんな悪魔が出るようなとこで、なにするの…?」
「何って、そんなの決まってる。オレがいて、ディーヴァがいて、そしてベッドがある。わかるだろ?」
「やだ、恥ずかしいよ。アラストルもいるのに……」
「アラストル関係ないだろ」
『R指定だって言ったのに……まあ、しゃーないか。
はいはい、俺は喋りもしないただの魔剣になります。ツッコミもディーヴァと交代ね』
「おーおー、そうしろむしろ最初からそうしとけ」
「ええーーーー?」
バフッ!
アラストルもコートも脱いだダンテが、思い切りベッドにダイブする。埃は立ったが、へんな音はしなかった。
「ほら、こんなボロっちいベッドでも、さすが城主様のベッドだ。スプリングは全然壊れてない。
………来いよ、ディーヴァ」
「あぅぅ〜〜〜…」
扉とダンテを交互に見、なんども迷いつつ、ディーヴァは最終的にダンテの隣へとぽすん、と寝転がった。
長い年月でヘタってしまったベッドに沈み込んですぐ、大きな腕がディーヴァの体に回される。
ダンテの腕という暖かなそれは、守られているのだ、という絶対的安心感がある。
とても落ち着くものだが、何をされるのだろう……想像して思わず体がこわばってしまった。
ダンテはすぐその反応に気がついた。
「別にとって食いはしないっての」
ディーヴァをしっかりと抱き寄せながら、苦笑ひとつ。
その小さな頭を、髪をすいてやるように優しく撫でていく。何度も行き来する暖かい手の動きに、体のこわばりが解けていくようだ。
「ほんの少しの間、ディーヴァを抱きしめながら、ただこうして休憩したかったのさ」
「なぁんだ、そういう事なら早く言ってほしかったなー」
「ディーヴァは何と勘違いしたんだ?言ってみろよ?ン?」
「ダンテ意地悪だ〜」
お返しとばかりに全身でダンテに抱きつくディーヴァ。
寝たままのだいしゅきほーるどである。
「んーーー、やっぱりいいな」
頭の上から声が降ってくる。
「ディーヴァをこうやって抱きしめてる時のこの安心感。すごく落ち着く。
ここがどこだか忘れて寝ちまいそうだ……」
「うん、そうだね。ちょっと寝ちゃいそう」
ほどよい疲れの中、安心する存在と熱がすぐ隣にある。睡魔がやってくるにはじゅうぶんの理由だ。
「……でもやっぱりはやくおうち帰りたい。
おうちでゆっくり眠りたいな」
ディーヴァに激しく同意する。
「だな。
少なくとも、こんな危険だらけで汚いベッドなんかじゃなく、安全な場所にある綺麗なふかふかのベッドで、ディーヴァを抱いて眠りたい」
残念ながら、仮の住まいとなっていた事務所兼自宅は、ボヤ騒ぎに扉破壊…たぶん追い出されるが。
…まだディーヴァには言わないでおこう。
せっかくの休憩タイムが台無しだ。
「ひゃわ!ダ、ダンテ…何!?」
強く抱きすくめたかと思ったら、そのままディーヴァの頭に顔をうずめ、ダンテは思い切り鼻から息を吸った。
「せめてディーヴァの匂いを堪能しとこうと思って」
「地下水路歩いた後だから、あまり良い匂いしないでしょ。むしろくちゃいと思う……」
「お互い様だろ。それに、地下水路の匂いよりディーヴァ特有の匂いがするぞ。
ああ、落ち着く」
「………。あたし特有の匂いって何」
休憩と補給を終え元気になったようだ。
勢いよく立ち上がったダンテに手を引かれ、ディーヴァもベッドから起き上がって身支度を整える。
『満足した?』
「ああ、満足だ」
コートを着てアラストルを装備。
今一度ディーヴァの手を取り、ダンテは次の扉を開いた。
●あとがき
どことなくかゆくなるような茶番劇。
とはいえ、疲れてる時に安心できる人を抱きしめてベッドに身を預ける…その時間は落ち着くよね。ついそのまま寝落ちする。
そして途中でネヴァン×アラストルという、謎カップリングが頭に降ってわいた。誰得。
「はぅ!?だ、大丈夫…」
蠅のはの字も消え失せた空間で、ディーヴァの頬をペチペチ叩く。こんなところで油を売っていたら、さすがにダメージが蓄積してしまう。
起きたディーヴァにホッとしつつ、壁の紋章を起動すると、床の一部が振動とともに盛り上がった。
これが上までエレベーターのように運んでくれるのだろう。
「ほら、落ちないようにオレにくっついとけ」
人間が1人乗る分しかない狭い足場だ。
ディーヴァはダンテのコートの中にお邪魔する勢いでひっつき、そして抱き合った。
だが、くっつきすぎて首を上に曲げていなくてはいけない。どうやってもダンテの顔を上目づかいで見上げる体勢のディーヴァを前にして、ダンテはキスしたい思いを必死に耐えた。
さてさて戻ってきたのは、ベッドや時空神像が置いてある一種の安全地帯、城主の部屋だ。
その壁の一箇所に、まだ解いていない謎があった。
光輝く陽光の導きはお前を焼き尽くすだろう
光に耐える力を持った者だけが新たな道を解放する
明らかにダンテが持つアイテムの答えである。
『うんうん。そうだと思ったから俺はこのアイテム探すようにしむけたんだよね!』
「てめぇ……んなこと一度も言わなかったじゃねぇか。ったく」
太陽の紋章のレリーフへ、陽光の導きを差し込むと、レリーフが上にスライドしていき、奥から隠し扉が現れた。
これが次の行き先のようだ。
「はー…長い冒険だったね。ダンテお疲れ様。おてての火傷大丈夫?」
「ああ、手から離れたことでもう治りつつあるぜ」
「なら良かった!よし、次いこ、次」
「待て」
扉のノブに手をやるディーヴァを、ダンテは一声で止めた。
「ディーヴァ……せっかくベッドあるんだからさ、な?」
「え、こんな状況で、こんな悪魔が出るようなとこで、なにするの…?」
「何って、そんなの決まってる。オレがいて、ディーヴァがいて、そしてベッドがある。わかるだろ?」
「やだ、恥ずかしいよ。アラストルもいるのに……」
「アラストル関係ないだろ」
『R指定だって言ったのに……まあ、しゃーないか。
はいはい、俺は喋りもしないただの魔剣になります。ツッコミもディーヴァと交代ね』
「おーおー、そうしろむしろ最初からそうしとけ」
「ええーーーー?」
バフッ!
アラストルもコートも脱いだダンテが、思い切りベッドにダイブする。埃は立ったが、へんな音はしなかった。
「ほら、こんなボロっちいベッドでも、さすが城主様のベッドだ。スプリングは全然壊れてない。
………来いよ、ディーヴァ」
「あぅぅ〜〜〜…」
扉とダンテを交互に見、なんども迷いつつ、ディーヴァは最終的にダンテの隣へとぽすん、と寝転がった。
長い年月でヘタってしまったベッドに沈み込んですぐ、大きな腕がディーヴァの体に回される。
ダンテの腕という暖かなそれは、守られているのだ、という絶対的安心感がある。
とても落ち着くものだが、何をされるのだろう……想像して思わず体がこわばってしまった。
ダンテはすぐその反応に気がついた。
「別にとって食いはしないっての」
ディーヴァをしっかりと抱き寄せながら、苦笑ひとつ。
その小さな頭を、髪をすいてやるように優しく撫でていく。何度も行き来する暖かい手の動きに、体のこわばりが解けていくようだ。
「ほんの少しの間、ディーヴァを抱きしめながら、ただこうして休憩したかったのさ」
「なぁんだ、そういう事なら早く言ってほしかったなー」
「ディーヴァは何と勘違いしたんだ?言ってみろよ?ン?」
「ダンテ意地悪だ〜」
お返しとばかりに全身でダンテに抱きつくディーヴァ。
寝たままのだいしゅきほーるどである。
「んーーー、やっぱりいいな」
頭の上から声が降ってくる。
「ディーヴァをこうやって抱きしめてる時のこの安心感。すごく落ち着く。
ここがどこだか忘れて寝ちまいそうだ……」
「うん、そうだね。ちょっと寝ちゃいそう」
ほどよい疲れの中、安心する存在と熱がすぐ隣にある。睡魔がやってくるにはじゅうぶんの理由だ。
「……でもやっぱりはやくおうち帰りたい。
おうちでゆっくり眠りたいな」
ディーヴァに激しく同意する。
「だな。
少なくとも、こんな危険だらけで汚いベッドなんかじゃなく、安全な場所にある綺麗なふかふかのベッドで、ディーヴァを抱いて眠りたい」
残念ながら、仮の住まいとなっていた事務所兼自宅は、ボヤ騒ぎに扉破壊…たぶん追い出されるが。
…まだディーヴァには言わないでおこう。
せっかくの休憩タイムが台無しだ。
「ひゃわ!ダ、ダンテ…何!?」
強く抱きすくめたかと思ったら、そのままディーヴァの頭に顔をうずめ、ダンテは思い切り鼻から息を吸った。
「せめてディーヴァの匂いを堪能しとこうと思って」
「地下水路歩いた後だから、あまり良い匂いしないでしょ。むしろくちゃいと思う……」
「お互い様だろ。それに、地下水路の匂いよりディーヴァ特有の匂いがするぞ。
ああ、落ち着く」
「………。あたし特有の匂いって何」
休憩と補給を終え元気になったようだ。
勢いよく立ち上がったダンテに手を引かれ、ディーヴァもベッドから起き上がって身支度を整える。
『満足した?』
「ああ、満足だ」
コートを着てアラストルを装備。
今一度ディーヴァの手を取り、ダンテは次の扉を開いた。
●あとがき
どことなくかゆくなるような茶番劇。
とはいえ、疲れてる時に安心できる人を抱きしめてベッドに身を預ける…その時間は落ち着くよね。ついそのまま寝落ちする。
そして途中でネヴァン×アラストルという、謎カップリングが頭に降ってわいた。誰得。