mission 7:warm and burning keys ~埋め合う隙間~
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「ばか」
「え?」
ダンテに抱きついたままのディーヴァがぼそりと呟く。
「ばかばかばかばか!ひどいひどいひどいひどい!
ダンテのばか!」
ドン!
ディーヴァがダンテの胸を思い切り叩く。叩く。叩く。
「どっか変でも偽物に見えても、信じてくれないなんてひどい!
やっと会えた。やっと助かった。ダンテ大好きーって思って飛びつこうとした。
なのにダンテにはあんな風に言われて、睨まれて……。怖かったし、死ぬほどショックだったんだからね!!」
泣いていたと思ったら、今度は怒っている。なんと目まぐるしい。
喧しい女は苦手だったはずなのに、ディーヴァが相手だとそうは思わない。
怒られてもその顔すら微笑ましく、こうして叩かれてもその小さい痛みすらいとおしく思う。
……思うけど、少しだけ痛い。
ディーヴァの力に、かなりの恨みがこもっている。
「いて、いてて!地味に痛いって、悪かったってディーヴァ…!
でぇっ!脛はやめろって!」
最後に弁慶の泣き所を蹴られた。
しかも威力は軽いというに、痺れるピンポイントを狙い撃ちだ。かなり痛い。
守られ系ヒロインがやってはいけないベスト10に入りそうなやつである。
とはいえ、痛くてもそれは一瞬で治る。半魔で!よかった!
「ダンテなんか嫌い!でも好き!
ほら、早くはぐはぐぎゅー!!して!!」
嫌いだけど好き。
矛盾しているが、向けられた好意と抱擁のワガママを叶えないわけがない。
頬を膨らませて手を広げてみせるかわいらしい恋人ディーヴァを、ダンテは全身で丸ごと包み込む。
何よりも大切な、この小さく愛しい生き物を優しく、優しく抱きしめた。
「もっと」
「甘えん坊め」
「ふーんだ」
「ディーヴァはかわいいな」
「そんな言葉言ったって効かないよー」
肩を竦め、ダンテは御所望どおりにディーヴァをきつく抱きしめる。
苦しいのではないかと思うほどぴったりと密着してやっと、ディーヴァは安心したようだ。
「……ダンテに会いたかった」
「オレもだ。会いたかったよ、ディーヴァ」
涙声に、同意する。
互いを確かめ合うように抱き合う中でも、マッチ棒の先の火のように揺れる違和感。
「……違和感、ねぇ」
「その違和感って具体的になんなの?気配が薄いって言われてもよくわかんないよ。体透けてなから幽霊じゃないし」
「んー。
なんつーか、ディーヴァの一部が、何か足りない感じであり、何か悪魔の力でもなく悪いものでも敵意でもない何かの力を本当に少し、すこーーしだけ感じてる」
「何かの力ってのはわかんないけど……足りないってなんだろ。胸の質量とか?」
「そういうボケはオレの役目だろ。自分で言うなよ」
「ダンテの先手とってみただけ!」
「オレの事変態って言いたいのか?ん?悪いこというのはどの口だ?」
ディーヴァの両頬を抓る。
「いはい、いはい。ほれひじょーのばしゃらいれ〜」
「これ以上伸ばすなって…抓ったのは久しぶりなはずだが」
もちもち柔らかぷにぷにほっぺたは健在だ。
縦縦横横丸描いてちょん、ディーヴァの頬を堪能し終えてから、ダンテは解放した。
痛いと言っていたが、赤くもなっていない。そこまで痛くはなかったはずだ。
不満そうに自分の頬袋をむにむに揉んでいるディーヴァ、かーわいい。
「…そういや、お前は悪魔からの攻撃も受けず、どこにいたんだ?」
自分の事は話した。次はディーヴァの番だ。
ディーヴァのような天使の血族が、悪魔の巣窟でこうして無事でいられた、その訳や今までの居場所が知りたい。あの魔剣士にさらわれたその後のことを。
そしてそこは仇の場所でもあるのだ。
「どこだかわからない。魔界だと思うけど、窓のない塔のてっぺんで幽閉されてた。移動も鏡のようなものだったの。
あとは血が足りなくなるからと食事を与えられて…悪魔が作ったご飯は怖いから、簡易キッチンみたいなところで自分で作ったりして…でもそれはちょっとだけ良くしてくれた悪魔さんが美味しそうに食べちゃって………」
相変わらずぶっ飛んでいる。
前半は囚われの姫といった感想をいだくが、後半は?
敵陣の中でも変わらぬディーヴァで、安心する反面、胃袋を掴んで悪魔を懐柔したのかと少し呆れてしまう。
「ん?血が足りなくなるってのは。……何を、された?
何されたか覚えてるなら言ってみろ」
ディーヴァは恐ろしい記憶を思い出したか、震えた体を両手で摩り、そして紡いだ。
「………あたしがここに来て最初に見たのは、神聖にも感じるどこまでも真っ白い空間。でも、そこに存在するのは強大で邪悪な悪魔だった。
悪魔は、あたしを拘束して血を啜った。
噛み付き、切り裂き、天使の羽根を折って苦痛と絶望を与えて。
常に血を求めるあの悪魔は、あたしがただ幽閉されている時も、食事してる時も、あたしに荊の蔦みたいな物を纏わせて、毎秒、毎分と血を奪っていったの……。
死を覚悟した。絶望しかなかった。
気がついたら全身が血で真っ赤で、今着ている白のワンピースのどこにも、白がなかった。酸素で黒に変わる暇がないほど、すべてが赤かった。
けどね、次に目を覚ましたら、傷ひとつなかったの。赤い服も真っ白になってて。
あんなに苦痛だった痛みもないし、体も綺麗になってて軽かった。探索したらダンテにたどり着いたの。
それでもあれは、本当に辛かったよ。
ダンテに会えないまま死ぬかと思った…。
あたしの心の拠り所は、ダンテがくれたネックレスとダンテが巻いてくれたこのストールだけなんだもの。
あの時の気持ちは…これ以上言葉にできないし、したくないや。
思い出したら怖くなっちゃったよ。
あんな体験しておいて無傷でいる訳ないのに、そこから目を背けてたの……ごめんなさい」
言葉だけでは想像するしかないが『壮絶』としか言いようがない。
ダンテのような半分悪魔で、しかも男ならまだしも、ディーヴァはかよわい女、しかも悪魔が喜んで喰らおうとする天使の血族。
その恐怖は、一般人の女性とは比べられるものじゃない。
トラウマどころの騒ぎじゃない。悪魔にその身を弄ばれたのだ。
ダンテは苦しそうに微笑むディーヴァを再び腕の中に閉じ込めた。
「ディーヴァが謝る事じゃない。
……魔帝の野郎、許さねえ。一発殴ってからぶっ倒さないと気が済まねぇ」
「うん。それにダンテにとって相手は仇だし、依頼も受けてるんでしょ?」
「……そういえばそうだったな。だが依頼はついでだ。
ディーヴァが怖い思いした場所に連れて行くのは本当は嫌なんだが…置いていくよりは安全だと思う。俺と一緒に来てくれ」
「う、うん、わかった…!」
「…………絶対に守る」
「ん……」
お互い見つめ合いながら、ダンテはディーヴァの指に自分の指を絡めた。
「え?」
ダンテに抱きついたままのディーヴァがぼそりと呟く。
「ばかばかばかばか!ひどいひどいひどいひどい!
ダンテのばか!」
ドン!
ディーヴァがダンテの胸を思い切り叩く。叩く。叩く。
「どっか変でも偽物に見えても、信じてくれないなんてひどい!
やっと会えた。やっと助かった。ダンテ大好きーって思って飛びつこうとした。
なのにダンテにはあんな風に言われて、睨まれて……。怖かったし、死ぬほどショックだったんだからね!!」
泣いていたと思ったら、今度は怒っている。なんと目まぐるしい。
喧しい女は苦手だったはずなのに、ディーヴァが相手だとそうは思わない。
怒られてもその顔すら微笑ましく、こうして叩かれてもその小さい痛みすらいとおしく思う。
……思うけど、少しだけ痛い。
ディーヴァの力に、かなりの恨みがこもっている。
「いて、いてて!地味に痛いって、悪かったってディーヴァ…!
でぇっ!脛はやめろって!」
最後に弁慶の泣き所を蹴られた。
しかも威力は軽いというに、痺れるピンポイントを狙い撃ちだ。かなり痛い。
守られ系ヒロインがやってはいけないベスト10に入りそうなやつである。
とはいえ、痛くてもそれは一瞬で治る。半魔で!よかった!
「ダンテなんか嫌い!でも好き!
ほら、早くはぐはぐぎゅー!!して!!」
嫌いだけど好き。
矛盾しているが、向けられた好意と抱擁のワガママを叶えないわけがない。
頬を膨らませて手を広げてみせるかわいらしい恋人ディーヴァを、ダンテは全身で丸ごと包み込む。
何よりも大切な、この小さく愛しい生き物を優しく、優しく抱きしめた。
「もっと」
「甘えん坊め」
「ふーんだ」
「ディーヴァはかわいいな」
「そんな言葉言ったって効かないよー」
肩を竦め、ダンテは御所望どおりにディーヴァをきつく抱きしめる。
苦しいのではないかと思うほどぴったりと密着してやっと、ディーヴァは安心したようだ。
「……ダンテに会いたかった」
「オレもだ。会いたかったよ、ディーヴァ」
涙声に、同意する。
互いを確かめ合うように抱き合う中でも、マッチ棒の先の火のように揺れる違和感。
「……違和感、ねぇ」
「その違和感って具体的になんなの?気配が薄いって言われてもよくわかんないよ。体透けてなから幽霊じゃないし」
「んー。
なんつーか、ディーヴァの一部が、何か足りない感じであり、何か悪魔の力でもなく悪いものでも敵意でもない何かの力を本当に少し、すこーーしだけ感じてる」
「何かの力ってのはわかんないけど……足りないってなんだろ。胸の質量とか?」
「そういうボケはオレの役目だろ。自分で言うなよ」
「ダンテの先手とってみただけ!」
「オレの事変態って言いたいのか?ん?悪いこというのはどの口だ?」
ディーヴァの両頬を抓る。
「いはい、いはい。ほれひじょーのばしゃらいれ〜」
「これ以上伸ばすなって…抓ったのは久しぶりなはずだが」
もちもち柔らかぷにぷにほっぺたは健在だ。
縦縦横横丸描いてちょん、ディーヴァの頬を堪能し終えてから、ダンテは解放した。
痛いと言っていたが、赤くもなっていない。そこまで痛くはなかったはずだ。
不満そうに自分の頬袋をむにむに揉んでいるディーヴァ、かーわいい。
「…そういや、お前は悪魔からの攻撃も受けず、どこにいたんだ?」
自分の事は話した。次はディーヴァの番だ。
ディーヴァのような天使の血族が、悪魔の巣窟でこうして無事でいられた、その訳や今までの居場所が知りたい。あの魔剣士にさらわれたその後のことを。
そしてそこは仇の場所でもあるのだ。
「どこだかわからない。魔界だと思うけど、窓のない塔のてっぺんで幽閉されてた。移動も鏡のようなものだったの。
あとは血が足りなくなるからと食事を与えられて…悪魔が作ったご飯は怖いから、簡易キッチンみたいなところで自分で作ったりして…でもそれはちょっとだけ良くしてくれた悪魔さんが美味しそうに食べちゃって………」
相変わらずぶっ飛んでいる。
前半は囚われの姫といった感想をいだくが、後半は?
敵陣の中でも変わらぬディーヴァで、安心する反面、胃袋を掴んで悪魔を懐柔したのかと少し呆れてしまう。
「ん?血が足りなくなるってのは。……何を、された?
何されたか覚えてるなら言ってみろ」
ディーヴァは恐ろしい記憶を思い出したか、震えた体を両手で摩り、そして紡いだ。
「………あたしがここに来て最初に見たのは、神聖にも感じるどこまでも真っ白い空間。でも、そこに存在するのは強大で邪悪な悪魔だった。
悪魔は、あたしを拘束して血を啜った。
噛み付き、切り裂き、天使の羽根を折って苦痛と絶望を与えて。
常に血を求めるあの悪魔は、あたしがただ幽閉されている時も、食事してる時も、あたしに荊の蔦みたいな物を纏わせて、毎秒、毎分と血を奪っていったの……。
死を覚悟した。絶望しかなかった。
気がついたら全身が血で真っ赤で、今着ている白のワンピースのどこにも、白がなかった。酸素で黒に変わる暇がないほど、すべてが赤かった。
けどね、次に目を覚ましたら、傷ひとつなかったの。赤い服も真っ白になってて。
あんなに苦痛だった痛みもないし、体も綺麗になってて軽かった。探索したらダンテにたどり着いたの。
それでもあれは、本当に辛かったよ。
ダンテに会えないまま死ぬかと思った…。
あたしの心の拠り所は、ダンテがくれたネックレスとダンテが巻いてくれたこのストールだけなんだもの。
あの時の気持ちは…これ以上言葉にできないし、したくないや。
思い出したら怖くなっちゃったよ。
あんな体験しておいて無傷でいる訳ないのに、そこから目を背けてたの……ごめんなさい」
言葉だけでは想像するしかないが『壮絶』としか言いようがない。
ダンテのような半分悪魔で、しかも男ならまだしも、ディーヴァはかよわい女、しかも悪魔が喜んで喰らおうとする天使の血族。
その恐怖は、一般人の女性とは比べられるものじゃない。
トラウマどころの騒ぎじゃない。悪魔にその身を弄ばれたのだ。
ダンテは苦しそうに微笑むディーヴァを再び腕の中に閉じ込めた。
「ディーヴァが謝る事じゃない。
……魔帝の野郎、許さねえ。一発殴ってからぶっ倒さないと気が済まねぇ」
「うん。それにダンテにとって相手は仇だし、依頼も受けてるんでしょ?」
「……そういえばそうだったな。だが依頼はついでだ。
ディーヴァが怖い思いした場所に連れて行くのは本当は嫌なんだが…置いていくよりは安全だと思う。俺と一緒に来てくれ」
「う、うん、わかった…!」
「…………絶対に守る」
「ん……」
お互い見つめ合いながら、ダンテはディーヴァの指に自分の指を絡めた。
