mission 7:warm and burning keys ~埋め合う隙間~
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慎重に慎重を重ねてでもいるのか、冷や汗を垂らしているような様子で、ダンテが鋭い視線を向け続けてくる。
「なんで?
そんなわけないでしょ……?」
悲しい事を言われて、体の芯が震えないわけがなかった。
戸惑う唇から漏れる声も、ダンテからの冷たい言葉で震えきっていた。
水で濡れた足元より冷たい。その言葉の方がよっぽど体を氷のように冷やしていく。
体の芯を少しでも温めるように自分の腕を体に回したけれど、ひとつも温かく感じなかった。
愛を返してもらえると思っていた。
いつも通り、抱きしめてくれると思い込んでいた。
なのに、やっと会えたダンテから貰えたのは拒絶だ。
こんなにもつらい思いをして来たというのに、この仕打ちはないだろう。
目の前が暗くなるようだ。
一歩分。一歩分ぐらりと体が倒れこみそうになり、まるで幽鬼のように前に進んでしまったディーヴァは、そのままダンテに問いかけた。
「どこか、変?
あたし、顔や姿、変?いつもと違う……の、かな………?悪魔に見えたり、する……?
ねぇ、教えて……?」
繕う声音は、自分でびっくりするほど小さかった。
それでもダンテの耳はそれを拾った。
「ああ!!顔や体はディーヴァだ!綺麗な肌してる…それは違いない!
オレが一番わかってる、わかってるんだよ!!」
自分に言い聞かせるかのように、強い声音で吐き捨てるダンテ。
目の前の愛する人が偽物だとしても、そんなこと言うのは嫌なのだろう。疑うことの、なんと辛いことか。
言葉をつらつらと述べるダンテの顔は苦しそうだった。
「ならなんで……?どーして……?」
「……こんな悪魔だらけの場所に、悪魔の獲物であるディーヴァがひとり?
この水路での汚れはそりゃあるだろう、今ここにいるんだからな。
だがその汚れ以外に、明らかに怪我がない。傷が1つもない。
それは良いことだ。オレのディーヴァが傷ついてないんだからな…。
だが、いくら逃げ足が早かろうとも、非力なディーヴァが奴らに勝てるわけない。
雑魚から逃げられても、他の悪魔からはどうだ?……傷の1つくらい負ってるだろうよ。
どう考えてもおかしいだろっ!!」
苦しそうに話すダンテを目にするのも辛いが、ディーヴァはディーヴァで、偽物だと疑われた悲しみの方がより強く全身を支配していた。
たとえそれが、自分もおかしいと思っていたことだとしても。…的を射た考えだったとしても、悲しいものは悲しい。
「…オレは悪魔を退治しすぎた。
この場所でのことじゃない。今まで、退治して来たすべての悪魔だ。
その中には、オレの心の隙につけ込んで攻撃して来た奴だっている」
ダンテ、と名乗る前に悪魔を退治したのはいつのことだったか。
思えばあの頃から、ダンテを外側から内側から、殺そうと狙う悪魔は後を絶たなかった。
「もしかしたら、今回はディーヴァの姿を真似て、オレを騙して殺そうとしているのかもしれない。
デビルハンターとして疑ってかかるのは、当たり前だ」
カチャ、ダンテの愛銃のひとつが光る。
銃口までは向けられなかったが、その指はいつでも引き金が弾けることを伝えていた。
ダンテの腕ならば、抜けば一瞬だろう。ディーヴァの命は一瞬で終わる。
「そんな……。
あたし、本物だよ……?ひどいよ……」
「ああ、本物だったらオレは相当ひどいよな。そう思いたくても、何かが違う」
「何かって、何………?
あたしはダンテのディーヴァだよ…。
16歳の時にダンテに助けてもらったディーヴァ……」
俯くと、その振動で首のネックレスがシャラリと音を立てる。
震える指でそれを掬い、ダンテに見せた。
「ほら、あのクリスマスにもらったネックレス、こうやってずっと大事につけてる。真珠があたしで、ガーネットがダンテ。そう、例えてくれたのは、ダンテだよ……?」
思い出があふれる。
これまでダンテとともに巡って来た、大切な思い出。苦楽を共にした道のり。
「あんな悪魔だらけのテメンニグルも、一緒に登って、一緒に帰って来たじゃない。
……一瞬、離れ離れになっちゃったけどさ。
魔界に行っちゃったバージル…家族の悲しみも乗り越えて、あたしの卒業も一緒に祝ってくれて、ダンテが愛してくれたはじめての夜も覚えてる。
ダンテが口を大きく開けて笑った顔、涙を我慢する時の悲しそうな顔、叱って来た時のちょっとこわい顔、あたしを揶揄って遊んでる時の楽しそうな顔。
こんなにたくさんの思い出あるのに、なのに、あたしが偽物なわけない………っ!」
つらつら口からこぼれた思い出の数々。
記憶を辿れば辿るほど、色彩豊かなダンテとの思い出の多さに、自分でも驚くくらいだ。
言葉にしなかったが、そんな中で記憶に新しい一番の思い出は、ダンテがはにかんだような照れているような、でも幸せそうに薬指に予約を入れたあの時だ。
ディーヴァの口から語られるたくさんの思い出の数々に、ダンテの瞳が揺れ動いた。
「ディーヴァ…………。
……いや、その思い出も、もしかしたらオレの記憶を読み取ることで作られている可能性がある。
そうやって思い出を語ったり、結界に阻まれて顔ぶつけるようなミョーにリアルに残念な部分までも見せて、真実味やディーヴァっぽさ出そうとしたってそうはいかない」
それでも頑なだった。
ぐらりと揺れる心を振り払い、ダンテは鋭い目を曇らせない。
それほどまでに、ディーヴァの違和感はダンテにとって大きかった。
「信じて………、くれないの……?」
悲しげに潤んでいた瞳。
そのエメラルドがゆるみ、じわりじわりと頬をつたい、やがて大粒の宝石のようにポロポロとこぼれ落ちた。
ダンテはディーヴァの涙に弱い。
その、泣き顔にも。
目の前の泣き顔に傷ついた表情をするダンテを見て、ディーヴァは後ろを向いて涙を拭った。
「………ごめんなさい」
……本当は、そんな風に言われた自分の心の方がよっぽど傷ついている。
そう叫びたかった。
「なんで?
そんなわけないでしょ……?」
悲しい事を言われて、体の芯が震えないわけがなかった。
戸惑う唇から漏れる声も、ダンテからの冷たい言葉で震えきっていた。
水で濡れた足元より冷たい。その言葉の方がよっぽど体を氷のように冷やしていく。
体の芯を少しでも温めるように自分の腕を体に回したけれど、ひとつも温かく感じなかった。
愛を返してもらえると思っていた。
いつも通り、抱きしめてくれると思い込んでいた。
なのに、やっと会えたダンテから貰えたのは拒絶だ。
こんなにもつらい思いをして来たというのに、この仕打ちはないだろう。
目の前が暗くなるようだ。
一歩分。一歩分ぐらりと体が倒れこみそうになり、まるで幽鬼のように前に進んでしまったディーヴァは、そのままダンテに問いかけた。
「どこか、変?
あたし、顔や姿、変?いつもと違う……の、かな………?悪魔に見えたり、する……?
ねぇ、教えて……?」
繕う声音は、自分でびっくりするほど小さかった。
それでもダンテの耳はそれを拾った。
「ああ!!顔や体はディーヴァだ!綺麗な肌してる…それは違いない!
オレが一番わかってる、わかってるんだよ!!」
自分に言い聞かせるかのように、強い声音で吐き捨てるダンテ。
目の前の愛する人が偽物だとしても、そんなこと言うのは嫌なのだろう。疑うことの、なんと辛いことか。
言葉をつらつらと述べるダンテの顔は苦しそうだった。
「ならなんで……?どーして……?」
「……こんな悪魔だらけの場所に、悪魔の獲物であるディーヴァがひとり?
この水路での汚れはそりゃあるだろう、今ここにいるんだからな。
だがその汚れ以外に、明らかに怪我がない。傷が1つもない。
それは良いことだ。オレのディーヴァが傷ついてないんだからな…。
だが、いくら逃げ足が早かろうとも、非力なディーヴァが奴らに勝てるわけない。
雑魚から逃げられても、他の悪魔からはどうだ?……傷の1つくらい負ってるだろうよ。
どう考えてもおかしいだろっ!!」
苦しそうに話すダンテを目にするのも辛いが、ディーヴァはディーヴァで、偽物だと疑われた悲しみの方がより強く全身を支配していた。
たとえそれが、自分もおかしいと思っていたことだとしても。…的を射た考えだったとしても、悲しいものは悲しい。
「…オレは悪魔を退治しすぎた。
この場所でのことじゃない。今まで、退治して来たすべての悪魔だ。
その中には、オレの心の隙につけ込んで攻撃して来た奴だっている」
ダンテ、と名乗る前に悪魔を退治したのはいつのことだったか。
思えばあの頃から、ダンテを外側から内側から、殺そうと狙う悪魔は後を絶たなかった。
「もしかしたら、今回はディーヴァの姿を真似て、オレを騙して殺そうとしているのかもしれない。
デビルハンターとして疑ってかかるのは、当たり前だ」
カチャ、ダンテの愛銃のひとつが光る。
銃口までは向けられなかったが、その指はいつでも引き金が弾けることを伝えていた。
ダンテの腕ならば、抜けば一瞬だろう。ディーヴァの命は一瞬で終わる。
「そんな……。
あたし、本物だよ……?ひどいよ……」
「ああ、本物だったらオレは相当ひどいよな。そう思いたくても、何かが違う」
「何かって、何………?
あたしはダンテのディーヴァだよ…。
16歳の時にダンテに助けてもらったディーヴァ……」
俯くと、その振動で首のネックレスがシャラリと音を立てる。
震える指でそれを掬い、ダンテに見せた。
「ほら、あのクリスマスにもらったネックレス、こうやってずっと大事につけてる。真珠があたしで、ガーネットがダンテ。そう、例えてくれたのは、ダンテだよ……?」
思い出があふれる。
これまでダンテとともに巡って来た、大切な思い出。苦楽を共にした道のり。
「あんな悪魔だらけのテメンニグルも、一緒に登って、一緒に帰って来たじゃない。
……一瞬、離れ離れになっちゃったけどさ。
魔界に行っちゃったバージル…家族の悲しみも乗り越えて、あたしの卒業も一緒に祝ってくれて、ダンテが愛してくれたはじめての夜も覚えてる。
ダンテが口を大きく開けて笑った顔、涙を我慢する時の悲しそうな顔、叱って来た時のちょっとこわい顔、あたしを揶揄って遊んでる時の楽しそうな顔。
こんなにたくさんの思い出あるのに、なのに、あたしが偽物なわけない………っ!」
つらつら口からこぼれた思い出の数々。
記憶を辿れば辿るほど、色彩豊かなダンテとの思い出の多さに、自分でも驚くくらいだ。
言葉にしなかったが、そんな中で記憶に新しい一番の思い出は、ダンテがはにかんだような照れているような、でも幸せそうに薬指に予約を入れたあの時だ。
ディーヴァの口から語られるたくさんの思い出の数々に、ダンテの瞳が揺れ動いた。
「ディーヴァ…………。
……いや、その思い出も、もしかしたらオレの記憶を読み取ることで作られている可能性がある。
そうやって思い出を語ったり、結界に阻まれて顔ぶつけるようなミョーにリアルに残念な部分までも見せて、真実味やディーヴァっぽさ出そうとしたってそうはいかない」
それでも頑なだった。
ぐらりと揺れる心を振り払い、ダンテは鋭い目を曇らせない。
それほどまでに、ディーヴァの違和感はダンテにとって大きかった。
「信じて………、くれないの……?」
悲しげに潤んでいた瞳。
そのエメラルドがゆるみ、じわりじわりと頬をつたい、やがて大粒の宝石のようにポロポロとこぼれ落ちた。
ダンテはディーヴァの涙に弱い。
その、泣き顔にも。
目の前の泣き顔に傷ついた表情をするダンテを見て、ディーヴァは後ろを向いて涙を拭った。
「………ごめんなさい」
……本当は、そんな風に言われた自分の心の方がよっぽど傷ついている。
そう叫びたかった。
