mission 6:phobia of bugs and flies ~ちょっと匂う再会~
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「まてよ。ディーヴァがいるということは、悪魔の弱点を攻められるよな」
「へ?」
どこか着眼点の違うディーヴァは、普通では気づかない事に気がついたりする。
悪魔を退治しない一般人だからこそ気がつくもの。
「ディーヴァ、こいつに弱点ありそうか?」
「今来たばっかりなんだけど!?
ひゃっ!」
「馬鹿、攻撃の範囲にはいるな!攻撃当たるぞ、気をつけろ!」
結界を飛び抜けたデス・シザーズの刃が、ディーヴァの近くをかすった。
とはいえ、デス・シザーズ自体は、極上の獲物たる天使ディーヴァには目もむけず、目の前の閉じ込めた獲物、ダンテにその牙を剥き続けている。
足元を見て数歩下がり、ディーヴァはようやく会えたダンテの勇姿に向き直る。
結界越しでもかっこいい彼の横顔を見つめつつ、悪魔について語るダンテの声を聞く。
「オレはここに来てからヘルバンガードに瓜二つの悪魔を何度も倒してきたんだが、こいつはそいつらの上位種みたいだ」
「懐かしい悪魔の名前持ってきたね」
恋は盲目。の表現が該当する場面かどうか定かではないが、悪魔が目の前にいるというに、ダンテにやっと会えたその思いでディーヴァは珍しくダンテしか見ていなかった。
ディーヴァはそこで初めて、ダンテが相手をしている死神のような悪魔を目にする。
その、ヘルバンガードにも似ているという、死神を。
「ヒェ」
大きな悪魔の頭蓋骨を顔に、闇が広がる空洞に浮かぶ赤い目。
どこまでも漆黒の外套がそのまま体を形作り、骨の手に握られるは、生者の体も魂も斬り刻む断頭鋏。
ディーヴァなぞ一瞬で首チョンパだ。
さらし首になった自分を想像し、背筋が冷えた。
イメージは死、そのもの。死神だ。
ヘルバンガードが可愛く見えてしまった。ヘルバンガードだって十分に怖かったはずだが、思い出は敵の悪魔さえも都合のいいものにしてしまう。
「頭部が赤くなるとスーパーおこタイムが始まる」
「お、おこタイム……。
ダンテが相手してたっていうヘルバンガードに瓜二つの悪魔は、どこが弱点だった?」
ヘルバンガードに瓜二つ、ということは顔にはス●リームのような仮面がはまっていたはず。
聞けば、ス●リームのよりのっぺりとしていたらしいが、概ね外れていないとの事。
「!!
顔の仮面だ」
「じゃあ簡単。顔叩いてじゃんけんぽん」
「じゃんけん関係ないだろ、こいつ顔固いんだぞ、骨だから」
「石橋は叩きまくったら割れるっていうくらいなんだから、悪魔のおかおが固くても叩き続ければいつか割れる!」
「どんな理屈だ…まあ、角一本折れたしな」
そこは石橋は叩いて渡る、ではなかっただろうか。
「相変わらずわけわかんねぇこと言ってるが、幻影とはいえこの物言いはディーヴァだな」
だいたいこのタイミングで惑わせるわけない。
これくらいの戦闘でそんな真似しても意味がない事は、悪魔側も理解しているはず。
「まあいい、幻影だとしてもやっとディーヴァと再会できたんだ、ちゃっちゃと退治だこんにゃろ!
レッツディーヴァ補給!」
「幻影って何!?幻影じゃないよ何言ってんのダンテ!」
ここにいるディーヴァが偽物だというような、ダンテの幻影連呼におこでぷんぷん丸なのはデス・シザーズではなくディーヴァだった。
このディーヴァ、リアルすぎる。
「とにかくディーヴァ、本物だろうが偽物だろうが、もっともっと離れてろ!
この状況で悪魔に目をつけられてみろ、オレはここから出られない状態だから、お前いいようにされちまうぞ」
「ーー!!?」
いいようにされる、なかなかオブラートに包んだ物言いだが、相手はデス・シザーズだ。
鋭い鋏で惨殺されると言いたいのだろう。
再び脳裏によぎるさらし首。
回れ右で遠く、ダンテが見えるか見えないかくらいの位置にまで遠のいたディーヴァをちらと目で見やり、ダンテはアラストルを構えた。
結界を逆に利用してやろう。
体が多少触れたところで、たいした痛みや怪我じゃない。
「お前やけにおとなしかったな」
『やだなあ、空気読んだだけだよ〜』
「へぇ?まぁいいけどよ。
さて、ホネ頭!オレの脚力と剣技を受けてみな!」
ディーヴァとの会話の間も、弾き合い、攻撃は続いていたが、決定打は1つもなかった。
狙う場所がしっかり決まれば別だ。
ダンテはこれまで以上の機敏な動きで、骨の頭めがけアラストルの剣技を繰り出した。
「動きを制限して狭い空間でオレを仕留める気だったんだろうけどな、こういうのはオレにとって逆に動きやすい足場だ」
内側に入って近づいてきたところを、結界の側面を蹴り飛ばし、真上に飛び上がる。
その際に走るビリビリとした痛みも、電気治療の類と思えばいい。
頭を狙い繰り出す斬撃に、ダンテが「おこタイム」と呼んだパターンがきた。
「またそのパターンか」
『この時ってダメージ与えられないんだよね』
「このオレが防戦一方なんて、むかつくぜ。
とはいえ、もう逃げないけどな」
逃げるのではない、闘牛士のように避けて避けて、そこから反撃だ。
ドリル回転しつつダンテに突っ込むデス・サイズが疲弊して攻撃をやめた瞬間、ダンテはアラストルをその頭に叩き込んだ。
「オラァ!!!」
バキン、もう一本の角が折れる。
だがそれで終わらない。
骨に大きく入った亀裂を狙い、ダンテはアラストルを力一杯減り込ませた。
「うおおおおお!木っ端微塵に割れちまいな!break down!!」
パキ、パキンッーーー!
悪魔の頭蓋骨が割れ、そして砕ける。
粉々になると同時、鋏が崩れ落ち闇夜のような体はサラサラと霧散していく。デス・シザーズの悲痛にも取れる高笑いとともに。
最後にはレッドオーブだけがキラキラと空中を舞い落ちた。
そして結界が消えた。
結界が消えた奥、水路の突き当たりから光が漏れている。
台座には1つのアーティファクトが置かれていた。
モチーフも太陽だが、太陽のように輝いている。まるで松明だ。
『道はこっちで合ってた!
それ、陽光の導きだね。どっかで使うんだよ』
「やっぱりお使いゲーだったか…」
光源たるそれを手にする。
ジュッッッ!
「あつ!?
これ持ってるとあっっっつ!!まるで太陽持ってる感じだぞ」!
結界の時のビリビリとは比べられない痛みが手のひらを焼いた。すぐ治ったが。
一旦置いて手のひらの様子を見ているダンテに、ぱしゃりと水を跳ねさせ、足音が近づいた。
隠れていたディーヴァだ。
「待て、ディーヴァ」
「え?あ、うん…。
ダンテ、悪魔退治お疲れ様。怪我は?」
「すると思うか?してても治ってる。…ところでディーヴァ」
「ダンテ……??」
「………お前は本物のディーヴァか?」
「え?」
そういえば幻影などと先ほど言われていた。
ダンテがようやく会えたというディーヴァに対して、抱きしめることもしてこない。
警戒心を露わにした鋭い目に、ディーヴァもダンテに抱きつきたい思いを耐えた。
「お前は偽物のディーヴァの可能性がある」
鋭い視線が、まるで剣の切っ先を突きつけられている気分だった。
●あとがき
ちょっと不穏な空気。ちょっとだけだけど。
そして臭い話。
幼少期はマリ●ペイントで創作して育ちました。映画はモンスターパニック、ホラー、スリラーあの辺好物です。
「へ?」
どこか着眼点の違うディーヴァは、普通では気づかない事に気がついたりする。
悪魔を退治しない一般人だからこそ気がつくもの。
「ディーヴァ、こいつに弱点ありそうか?」
「今来たばっかりなんだけど!?
ひゃっ!」
「馬鹿、攻撃の範囲にはいるな!攻撃当たるぞ、気をつけろ!」
結界を飛び抜けたデス・シザーズの刃が、ディーヴァの近くをかすった。
とはいえ、デス・シザーズ自体は、極上の獲物たる天使ディーヴァには目もむけず、目の前の閉じ込めた獲物、ダンテにその牙を剥き続けている。
足元を見て数歩下がり、ディーヴァはようやく会えたダンテの勇姿に向き直る。
結界越しでもかっこいい彼の横顔を見つめつつ、悪魔について語るダンテの声を聞く。
「オレはここに来てからヘルバンガードに瓜二つの悪魔を何度も倒してきたんだが、こいつはそいつらの上位種みたいだ」
「懐かしい悪魔の名前持ってきたね」
恋は盲目。の表現が該当する場面かどうか定かではないが、悪魔が目の前にいるというに、ダンテにやっと会えたその思いでディーヴァは珍しくダンテしか見ていなかった。
ディーヴァはそこで初めて、ダンテが相手をしている死神のような悪魔を目にする。
その、ヘルバンガードにも似ているという、死神を。
「ヒェ」
大きな悪魔の頭蓋骨を顔に、闇が広がる空洞に浮かぶ赤い目。
どこまでも漆黒の外套がそのまま体を形作り、骨の手に握られるは、生者の体も魂も斬り刻む断頭鋏。
ディーヴァなぞ一瞬で首チョンパだ。
さらし首になった自分を想像し、背筋が冷えた。
イメージは死、そのもの。死神だ。
ヘルバンガードが可愛く見えてしまった。ヘルバンガードだって十分に怖かったはずだが、思い出は敵の悪魔さえも都合のいいものにしてしまう。
「頭部が赤くなるとスーパーおこタイムが始まる」
「お、おこタイム……。
ダンテが相手してたっていうヘルバンガードに瓜二つの悪魔は、どこが弱点だった?」
ヘルバンガードに瓜二つ、ということは顔にはス●リームのような仮面がはまっていたはず。
聞けば、ス●リームのよりのっぺりとしていたらしいが、概ね外れていないとの事。
「!!
顔の仮面だ」
「じゃあ簡単。顔叩いてじゃんけんぽん」
「じゃんけん関係ないだろ、こいつ顔固いんだぞ、骨だから」
「石橋は叩きまくったら割れるっていうくらいなんだから、悪魔のおかおが固くても叩き続ければいつか割れる!」
「どんな理屈だ…まあ、角一本折れたしな」
そこは石橋は叩いて渡る、ではなかっただろうか。
「相変わらずわけわかんねぇこと言ってるが、幻影とはいえこの物言いはディーヴァだな」
だいたいこのタイミングで惑わせるわけない。
これくらいの戦闘でそんな真似しても意味がない事は、悪魔側も理解しているはず。
「まあいい、幻影だとしてもやっとディーヴァと再会できたんだ、ちゃっちゃと退治だこんにゃろ!
レッツディーヴァ補給!」
「幻影って何!?幻影じゃないよ何言ってんのダンテ!」
ここにいるディーヴァが偽物だというような、ダンテの幻影連呼におこでぷんぷん丸なのはデス・シザーズではなくディーヴァだった。
このディーヴァ、リアルすぎる。
「とにかくディーヴァ、本物だろうが偽物だろうが、もっともっと離れてろ!
この状況で悪魔に目をつけられてみろ、オレはここから出られない状態だから、お前いいようにされちまうぞ」
「ーー!!?」
いいようにされる、なかなかオブラートに包んだ物言いだが、相手はデス・シザーズだ。
鋭い鋏で惨殺されると言いたいのだろう。
再び脳裏によぎるさらし首。
回れ右で遠く、ダンテが見えるか見えないかくらいの位置にまで遠のいたディーヴァをちらと目で見やり、ダンテはアラストルを構えた。
結界を逆に利用してやろう。
体が多少触れたところで、たいした痛みや怪我じゃない。
「お前やけにおとなしかったな」
『やだなあ、空気読んだだけだよ〜』
「へぇ?まぁいいけどよ。
さて、ホネ頭!オレの脚力と剣技を受けてみな!」
ディーヴァとの会話の間も、弾き合い、攻撃は続いていたが、決定打は1つもなかった。
狙う場所がしっかり決まれば別だ。
ダンテはこれまで以上の機敏な動きで、骨の頭めがけアラストルの剣技を繰り出した。
「動きを制限して狭い空間でオレを仕留める気だったんだろうけどな、こういうのはオレにとって逆に動きやすい足場だ」
内側に入って近づいてきたところを、結界の側面を蹴り飛ばし、真上に飛び上がる。
その際に走るビリビリとした痛みも、電気治療の類と思えばいい。
頭を狙い繰り出す斬撃に、ダンテが「おこタイム」と呼んだパターンがきた。
「またそのパターンか」
『この時ってダメージ与えられないんだよね』
「このオレが防戦一方なんて、むかつくぜ。
とはいえ、もう逃げないけどな」
逃げるのではない、闘牛士のように避けて避けて、そこから反撃だ。
ドリル回転しつつダンテに突っ込むデス・サイズが疲弊して攻撃をやめた瞬間、ダンテはアラストルをその頭に叩き込んだ。
「オラァ!!!」
バキン、もう一本の角が折れる。
だがそれで終わらない。
骨に大きく入った亀裂を狙い、ダンテはアラストルを力一杯減り込ませた。
「うおおおおお!木っ端微塵に割れちまいな!break down!!」
パキ、パキンッーーー!
悪魔の頭蓋骨が割れ、そして砕ける。
粉々になると同時、鋏が崩れ落ち闇夜のような体はサラサラと霧散していく。デス・シザーズの悲痛にも取れる高笑いとともに。
最後にはレッドオーブだけがキラキラと空中を舞い落ちた。
そして結界が消えた。
結界が消えた奥、水路の突き当たりから光が漏れている。
台座には1つのアーティファクトが置かれていた。
モチーフも太陽だが、太陽のように輝いている。まるで松明だ。
『道はこっちで合ってた!
それ、陽光の導きだね。どっかで使うんだよ』
「やっぱりお使いゲーだったか…」
光源たるそれを手にする。
ジュッッッ!
「あつ!?
これ持ってるとあっっっつ!!まるで太陽持ってる感じだぞ」!
結界の時のビリビリとは比べられない痛みが手のひらを焼いた。すぐ治ったが。
一旦置いて手のひらの様子を見ているダンテに、ぱしゃりと水を跳ねさせ、足音が近づいた。
隠れていたディーヴァだ。
「待て、ディーヴァ」
「え?あ、うん…。
ダンテ、悪魔退治お疲れ様。怪我は?」
「すると思うか?してても治ってる。…ところでディーヴァ」
「ダンテ……??」
「………お前は本物のディーヴァか?」
「え?」
そういえば幻影などと先ほど言われていた。
ダンテがようやく会えたというディーヴァに対して、抱きしめることもしてこない。
警戒心を露わにした鋭い目に、ディーヴァもダンテに抱きつきたい思いを耐えた。
「お前は偽物のディーヴァの可能性がある」
鋭い視線が、まるで剣の切っ先を突きつけられている気分だった。
●あとがき
ちょっと不穏な空気。ちょっとだけだけど。
そして臭い話。
幼少期はマリ●ペイントで創作して育ちました。映画はモンスターパニック、ホラー、スリラーあの辺好物です。