mission 6:phobia of bugs and flies ~ちょっと匂う再会~
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『クサッコノヘヤニオウヨ』
入ってすぐ、アラストルが鼻をつまんだような声をあげた。
「もともと臭いだろ?
まあ、ちょっとばかし、前の水路よりくせぇ気がするけどな…」
これはただのヘドロによる異臭だけではない…どこかで嗅いだことのある匂い、死の匂い。
腐敗臭を超えたその先にある臭気、死臭だ。
『あれがクサそうだなー』
アラストルが間延びした答えで、先の方を見るように示す。
ザバザバと水音を立てて進んだ突き当たり。
いかにも何かでます!何かあります!……と言った風に、水の中に突き立てられた白い骨の杖。
『あの中、なんか呪われしホネホネわぁるどって感じ』
「ホネホネわぁるどってなんだよ。ホネホネロックの親戚か?
確かに、ニッポンで家建てる時にやるっつー、地鎮祭のそれに似てるが、四方囲むのが骨だけに、周りの空気が呪い方面に傾きまくってるぜ」
骨は4本。
囲いを作るようにして、突き立てられておりその材料は…。
「それにこの形、人間の骨だな。趣味悪りぃぜ」
いよいよ呪いのアイテム感が増してきた。
こんな場所で悪魔を呼び出す儀式をするとはどうかしている。
いや、こんな不浄な場所だからこそいいのかもしれない。
どちらにせよ、この島ではどこでやっても悪魔を呼び出せそうだが。
……実際、悪魔は際限なく湧き出てきている事だし。
さらに儀式感出している部分で信憑性がますのは、壁にかかる牛のような悪魔の巨大な頭蓋骨。
ダンテの事務所のハンティングトロフィーのそれよりも巨大だ。
形もいいので持ち帰りたいと思ったのは、内緒である。
『囲い…アヤシイ。マスター、下手に中に入らない方がい「え?入っちまったぞ」言ってるそばからーーー!』
ダンテが足を踏み入れた瞬間だった。
獲物を待っていたかのように、四方を囲む魔杖から魔力が発せられる。
迸る電流のようなそれは、やがて檻のような結界となり、ダンテを内側に閉じ込めた。
バチッ!
軽く触れれば火傷する。
ダンテの回復力があるからこのくらいで済むが、普通の人間では無理に中から逃れようとすれば火傷では済まないだろう。
人間サイズのまっくろくろすけの完成だ。
「おお、出られん!
これは儀式用じゃなくて、獲物を捕らえるための罠だったのか。
好奇心猫を殺す、を上手く体現してていい感じだ。これ設置したやつ、やるな!」
『感心してる場合かよ…。もー、この人やだわー』
閉じ込められた本人はというと、時間がないのもなんのその。
やけに嬉しそうにはしゃぎ、感動していた。
背中のアラストルは、『この人についてきて良かったのだろうか?』と静かにため息を吐いた。
ピンと空気が張り詰め、壁面から巨大な断頭鋏が空気を断ち切るように飛び出した。
鋭い刃の切っ先、鋏の全貌、それを持つ冷たい骸骨の手。
そして闇よりも暗い体に、壁にかかる悪魔の骨と瓜二つ、一瞬影すら重なった頭蓋骨の顔。
ずるり。
出てくる様子は、そんな効果音が聞こえてきそうだった。
殺された悪魔の骨が、生きている者を恨み、殺しにきたような、そんな感じだ。
けれど、これまでヘルバンガードと同じ顔だと思っていた悪魔の上位種なのは一目瞭然。
見ただけでわかる。ほのおタイプの蜘蛛や魔剣士には遠く及ばなくも、強大な悪魔だ。
悪魔が構える断頭鋏がギラギラと光る。
生きとし生けるものすべての生を、刈り取る死神、デス・シザーズだ。
「言っておくが、オレがお前を殺したわけじゃねぇぞ?」
恨みつらみで死神化した悪魔と思いきや、その空虚なくぼみに嵌る赤い目には、恨みなどではない、純粋な悪魔の殺気だけが宿っていた。
「ははぁ、そういう魂胆か。なるほどねぇ。
閉じ込めて嬲り殺す、イイ手使って来るじゃねぇか。悪魔のやり方にはお似合いだぜ!」
魔力でできたリングでの、サドンデスマッチというわけだ。
ダンテは行動が制限され、悪魔は結界の外も動ける。壁にすら隠れることができる。
少々相手にハンデがありすぎるが、ダンテはそんなの気にもとめない。
嬉々として武器を構える。
ジャキィィン!
カーーーン、というゴング音ではない。
空間を切り裂くような、鋏を動かす音によって、戦いの火蓋が落とされた。
広げた鋏を閃かせ、ジャキジャキとダンテを切り刻もうと迫るデス・シザーズ。
その刃が届く前に、ダンテは自前の刃、アラストルで弾いた。
刃同士がぶつかり合い、激しく火花散る。
「ったく、首チョンパされそうなでかい鋏だな……っと!」
『されそうじゃなくて、狙われてるんでしょーが!』
「そのようで。
んなでけぇ鋏持ってるなら庭木の剪定でもしてろよ!!」
買えばそこそこ高い剪定鋏を手に、庭木を綺麗に手入れしてくれたのなら、きっとディーヴァは大喜びだ。
前の事務所や今の仮の住まいはともかく、ディーヴァの実家の庭木は、今満足な手入れが行き届いていない状態だ。
たまに一緒に行ってオレがやっても、間に合わないレベルで四方八方に伸びていく。
植物の成長ってすごいな、と思った。
正直、悪魔の手も借りたい。
ガキン!ガキン!
……ガキィン…!!
「ッ…!固いな!
ベルゼバブがやわらかいバターをサックリ斬る感覚に感じるくらい固い」
先程から攻撃を弾き返し、そして隙あらば刃を叩き込んでいるが。
固い。
とても固く、刃がなかなか通らない。
ダメージは徐々に蓄積されているかもしれないが、それでも固さが目立つ。
仮面と顎、その隙間のどう見ても弱そうな箇所を狙ってみるが、ダメだというのか。
耳障りな高笑いを響かせ、デス・シザーズは宙返りしながら鋏を振りかぶってくる。
アラストルで力任せに弾き返す傍ら、ダンテはショットガンを撃ち抜いた。
パァン!!パァン……ッ!
…キィンッ………!
弾丸すら弾かれてしまう。
頭蓋骨に当たっても大して効いていなさそうだが、さらにその頭蓋を守るかのように、手にした鋏の刃で弾道を逸らしている。
「ちっ!なんつーやつだ…。
ただでさえ固い骨頭持ってるくせに、鋏で防いで来やがった。
攻撃にも防御にも特化してるとは…オレも武器にああいう剪定鋏使うべき?」
『アイツの武器はアイツ専用!シン・シザーズで知ってるでしょ』
呆れた声のアラストルに同意していると、ギュルン!
ダンテを切り刻められないことに痺れを切らしたか、相手は素早く動いて壁に隠れる。
背後から飛び出したデス・シザーズは、黒い体を乱しながら鋏を左右に高速で振り回し、ダンテを追いかけた。
「さすがにこれは危ないぜ。オレじゃなくて、お前がな」
ダンテの目がデス・シザーズの動きをとらえた。
左右だけでなく、体を回転させて鋏を振りかぶっているが、回転させるということは、一瞬とはいえダンテに背を向けることとなる。
その隙をダンテは逃さない。
鋏を掬いあげるように弾いたダンテは、ようやくその頭蓋に一撃を入れる。
パキッ、デス・シザーズの象徴ともいうべき、頭蓋骨の角が一本折れた。
折れると同時、沸騰でもしたかのように、赤くなっていく頭蓋骨。
おこ?おこなの?お前おこなの??
怒りに我を忘れているかもしれない。これを好機とばかりに、ダンテはアラストルを叩きつける。
「ーーぐっ!?」
攻撃がまるですり抜けたかのようだった。
代わりに、ダンテの胴に一筋の赤い線が走り、鮮血が迸った。
『もしかして無敵状態なんじゃない?星取った赤い人みたいに』
「その例えいらんから早く言えよ」
入ってすぐ、アラストルが鼻をつまんだような声をあげた。
「もともと臭いだろ?
まあ、ちょっとばかし、前の水路よりくせぇ気がするけどな…」
これはただのヘドロによる異臭だけではない…どこかで嗅いだことのある匂い、死の匂い。
腐敗臭を超えたその先にある臭気、死臭だ。
『あれがクサそうだなー』
アラストルが間延びした答えで、先の方を見るように示す。
ザバザバと水音を立てて進んだ突き当たり。
いかにも何かでます!何かあります!……と言った風に、水の中に突き立てられた白い骨の杖。
『あの中、なんか呪われしホネホネわぁるどって感じ』
「ホネホネわぁるどってなんだよ。ホネホネロックの親戚か?
確かに、ニッポンで家建てる時にやるっつー、地鎮祭のそれに似てるが、四方囲むのが骨だけに、周りの空気が呪い方面に傾きまくってるぜ」
骨は4本。
囲いを作るようにして、突き立てられておりその材料は…。
「それにこの形、人間の骨だな。趣味悪りぃぜ」
いよいよ呪いのアイテム感が増してきた。
こんな場所で悪魔を呼び出す儀式をするとはどうかしている。
いや、こんな不浄な場所だからこそいいのかもしれない。
どちらにせよ、この島ではどこでやっても悪魔を呼び出せそうだが。
……実際、悪魔は際限なく湧き出てきている事だし。
さらに儀式感出している部分で信憑性がますのは、壁にかかる牛のような悪魔の巨大な頭蓋骨。
ダンテの事務所のハンティングトロフィーのそれよりも巨大だ。
形もいいので持ち帰りたいと思ったのは、内緒である。
『囲い…アヤシイ。マスター、下手に中に入らない方がい「え?入っちまったぞ」言ってるそばからーーー!』
ダンテが足を踏み入れた瞬間だった。
獲物を待っていたかのように、四方を囲む魔杖から魔力が発せられる。
迸る電流のようなそれは、やがて檻のような結界となり、ダンテを内側に閉じ込めた。
バチッ!
軽く触れれば火傷する。
ダンテの回復力があるからこのくらいで済むが、普通の人間では無理に中から逃れようとすれば火傷では済まないだろう。
人間サイズのまっくろくろすけの完成だ。
「おお、出られん!
これは儀式用じゃなくて、獲物を捕らえるための罠だったのか。
好奇心猫を殺す、を上手く体現してていい感じだ。これ設置したやつ、やるな!」
『感心してる場合かよ…。もー、この人やだわー』
閉じ込められた本人はというと、時間がないのもなんのその。
やけに嬉しそうにはしゃぎ、感動していた。
背中のアラストルは、『この人についてきて良かったのだろうか?』と静かにため息を吐いた。
ピンと空気が張り詰め、壁面から巨大な断頭鋏が空気を断ち切るように飛び出した。
鋭い刃の切っ先、鋏の全貌、それを持つ冷たい骸骨の手。
そして闇よりも暗い体に、壁にかかる悪魔の骨と瓜二つ、一瞬影すら重なった頭蓋骨の顔。
ずるり。
出てくる様子は、そんな効果音が聞こえてきそうだった。
殺された悪魔の骨が、生きている者を恨み、殺しにきたような、そんな感じだ。
けれど、これまでヘルバンガードと同じ顔だと思っていた悪魔の上位種なのは一目瞭然。
見ただけでわかる。ほのおタイプの蜘蛛や魔剣士には遠く及ばなくも、強大な悪魔だ。
悪魔が構える断頭鋏がギラギラと光る。
生きとし生けるものすべての生を、刈り取る死神、デス・シザーズだ。
「言っておくが、オレがお前を殺したわけじゃねぇぞ?」
恨みつらみで死神化した悪魔と思いきや、その空虚なくぼみに嵌る赤い目には、恨みなどではない、純粋な悪魔の殺気だけが宿っていた。
「ははぁ、そういう魂胆か。なるほどねぇ。
閉じ込めて嬲り殺す、イイ手使って来るじゃねぇか。悪魔のやり方にはお似合いだぜ!」
魔力でできたリングでの、サドンデスマッチというわけだ。
ダンテは行動が制限され、悪魔は結界の外も動ける。壁にすら隠れることができる。
少々相手にハンデがありすぎるが、ダンテはそんなの気にもとめない。
嬉々として武器を構える。
ジャキィィン!
カーーーン、というゴング音ではない。
空間を切り裂くような、鋏を動かす音によって、戦いの火蓋が落とされた。
広げた鋏を閃かせ、ジャキジャキとダンテを切り刻もうと迫るデス・シザーズ。
その刃が届く前に、ダンテは自前の刃、アラストルで弾いた。
刃同士がぶつかり合い、激しく火花散る。
「ったく、首チョンパされそうなでかい鋏だな……っと!」
『されそうじゃなくて、狙われてるんでしょーが!』
「そのようで。
んなでけぇ鋏持ってるなら庭木の剪定でもしてろよ!!」
買えばそこそこ高い剪定鋏を手に、庭木を綺麗に手入れしてくれたのなら、きっとディーヴァは大喜びだ。
前の事務所や今の仮の住まいはともかく、ディーヴァの実家の庭木は、今満足な手入れが行き届いていない状態だ。
たまに一緒に行ってオレがやっても、間に合わないレベルで四方八方に伸びていく。
植物の成長ってすごいな、と思った。
正直、悪魔の手も借りたい。
ガキン!ガキン!
……ガキィン…!!
「ッ…!固いな!
ベルゼバブがやわらかいバターをサックリ斬る感覚に感じるくらい固い」
先程から攻撃を弾き返し、そして隙あらば刃を叩き込んでいるが。
固い。
とても固く、刃がなかなか通らない。
ダメージは徐々に蓄積されているかもしれないが、それでも固さが目立つ。
仮面と顎、その隙間のどう見ても弱そうな箇所を狙ってみるが、ダメだというのか。
耳障りな高笑いを響かせ、デス・シザーズは宙返りしながら鋏を振りかぶってくる。
アラストルで力任せに弾き返す傍ら、ダンテはショットガンを撃ち抜いた。
パァン!!パァン……ッ!
…キィンッ………!
弾丸すら弾かれてしまう。
頭蓋骨に当たっても大して効いていなさそうだが、さらにその頭蓋を守るかのように、手にした鋏の刃で弾道を逸らしている。
「ちっ!なんつーやつだ…。
ただでさえ固い骨頭持ってるくせに、鋏で防いで来やがった。
攻撃にも防御にも特化してるとは…オレも武器にああいう剪定鋏使うべき?」
『アイツの武器はアイツ専用!シン・シザーズで知ってるでしょ』
呆れた声のアラストルに同意していると、ギュルン!
ダンテを切り刻められないことに痺れを切らしたか、相手は素早く動いて壁に隠れる。
背後から飛び出したデス・シザーズは、黒い体を乱しながら鋏を左右に高速で振り回し、ダンテを追いかけた。
「さすがにこれは危ないぜ。オレじゃなくて、お前がな」
ダンテの目がデス・シザーズの動きをとらえた。
左右だけでなく、体を回転させて鋏を振りかぶっているが、回転させるということは、一瞬とはいえダンテに背を向けることとなる。
その隙をダンテは逃さない。
鋏を掬いあげるように弾いたダンテは、ようやくその頭蓋に一撃を入れる。
パキッ、デス・シザーズの象徴ともいうべき、頭蓋骨の角が一本折れた。
折れると同時、沸騰でもしたかのように、赤くなっていく頭蓋骨。
おこ?おこなの?お前おこなの??
怒りに我を忘れているかもしれない。これを好機とばかりに、ダンテはアラストルを叩きつける。
「ーーぐっ!?」
攻撃がまるですり抜けたかのようだった。
代わりに、ダンテの胴に一筋の赤い線が走り、鮮血が迸った。
『もしかして無敵状態なんじゃない?星取った赤い人みたいに』
「その例えいらんから早く言えよ」
