mission 6:phobia of bugs and flies ~ちょっと匂う再会~
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手に入れた鍵をポケットに突っ込み、ダンテが踵を返す。
その背後で赤い目が爛々と、無数に光った。
それにいち早く気がついたアラストルが、素っ頓狂な声を出す。
『んげ!マスターなんかいるううう!』
「ん?なんかってなんだ」
振り向けばゾロゾロわらわらと、パイプ配管から虫型の悪魔が大量に這い出てくるところだった。
小汚い羽で独特の音を立てて飛び回り、黒く細長い脚には繊毛、無数の複眼が赤く光る、不浄の象徴…ある意味ゴキブリよりも汚いという、蠅の姿をした悪魔だ。
「蠅の悪魔か。下水にゃお似合いの汚いやつめ」
『蠅悪魔…べルゼバブじゃん!俺知ってるー』
ブブブブブ…!
煩わしい羽音が一斉に向かってくる。
這いつくばる個体もいるが、それすらも羽音を響かせて這い寄ってくる。
体当たりでもしようと思ったのか、巨蠅の体がぶつかるその前に、ダンテは懐からショットガンを引き抜いた。
豪快な発砲音とともに蠅の体が遠く、吹っ飛んでひっくり返った。
「ふぅん、蠅如きにもちゃんと名前あるのか。
でもその名前、普通は強い悪魔の名前についてるんだけどなぁ……どっちにしろ蠅の姿ってのは合ってるんだが」
一般的に悪魔学で伝えられているベルゼバブという悪魔は、神にたてついた罪で堕天したといわれる地獄でも強大な魔王の1人であり、ポピュラーかつ、有名な大悪魔だ。
こんな下等な悪魔とは違い、とてつもない大物である。
…伝承や悪魔学での話だが。
『へー。
マスター、ちゃんとオベンキョしてんじゃん。見直した』
「えっ。ま、まぁなー!」
それもこれも、一生懸命になって苦手なはずの悪魔の書籍を漁ってくれたディーヴァの鈴を転がすような声のおかげである。
たとえそれが悪魔の名前を呟くものだとしても、ディーヴァの声は、一言も聞き漏らしたく無い。
ダンテ個人で読んでいたなら、悪魔の名前なぞ覚えなかったろう……。いやむしろ読まない。
会話の間も向かってきた蠅をショットガンで吹き飛ばす。
邪魔な羽虫を振り払うかのように。
ひっくり返ってジタバタともがく彼らは、もう何発かを与えてやれば、無言でレッドオーブに変わっていった。
「手応えも歯ごたえもない敵だな」
『食べるわけじゃないから歯ごたえはいらないよね?』
一匹一匹では脅威でもなさそうだが、数が揃えば雑魚も強敵に変わる。
ダンテにとっては大した差はないしただ邪魔くさいだけだが、これを大量に相手取る事になった通常のデビルハンターには少々荷が重いだろう。見た目も生理的にキツイことだし。
そう考えると、この悪魔と相対した事のあるディーヴァを心底気の毒に思う。
ブゥーーーン!
「ウォア!?
ドアップで来るんじゃねぇ!キショイ!!」
ショットガンでは間に合わない。
もう片方の腕で握りしめていたアラストル。
その刃の平たい面で、そう、まるでハエたたきのように、ベルゼバブをはたき落とす。
アラストルは『うへぇ、蠅汁ついた…』とひどく嫌そうだった。
ふつうに斬ったってつくじゃねぇか。
「ディーヴァ…こんなのを間近で…くっ…!かわいそうに……!」
『あー、女の子なんだもんね。…ゴシューショーサマ』
蠅悪魔のドアップはダンテすらきつかった。
人間サイズの虫、その細かい複眼の気持ち悪さ、びっしり生えた虫独特の体毛、至近距離で聴く耳障りな羽音、そしてもんわりしたなんとも言えない臭気ときたら!
鳥肌モノだ。
…ディーヴァ、気の毒どころじゃない。
「……汚物は消毒しとくに限る」
ぼそり、呟いたダンテは向かってきたベルゼバブをショットガンで次々に撃ち抜く。
床に這いつくばる緑の個体こそ一発で仕留められなかったが、ほとんどか苦もなく倒せることがわかった。
ホッとしたのもつかの間、パイプの中からこれまで以上に羽音が聞こえ始める。
『ねぇマスター、このフィールドこんなにベルゼバブでるっけ?フツー、最初に出たのでエンカウント終わりだよね??』
「シッ!メタいこと言っちゃいけません!」
A:書き手の粋な計らい。
「どこが粋なんだ。余計なお世話だろ?」
ブンブン大合唱とともにフィールドを埋め尽くさんばかりにやって来たベルゼバブ。
大量に屠るため、マシンガンでも欲しいところだ。
『鍵はあるしもう逃げちゃおうよ!』
「そうするか……ってえぇ!?」
逃げる?
そうは問屋が卸さないのである。
出入り口にはご丁寧にも悪魔の結界が、あっかんべーをしているように赤く張っている。
ガックリとうなだれるダンテ。
「このイレギュラーな蠅を一匹残らず叩き落とせっててことですか。そうですか……」
ブブブブーーン……バンッッッッ!!!
……ベシャッ。
見もせずに放ったダンテの弾が、明確な殺意を以ってベルゼバブの眉間を撃ち抜いた。
一発だ。本当の一発で、ベルゼバブがレッドオーブに変わって消えた。
「ハエ叩きはねぇがマ●オペイントで培ったハエたたきの腕前見せてやるうううう!」
『表現古い』
パァン!パァン!!
顔を上げたダンテの目は殺気でギラついている。気が狂ったように、蠅を叩くダンテ。(叩いてはいない)
もちろん、群がるベルゼバブ諸君も負けてはいない。
ダンテに突進だけではない。
白い兵器を携え、敵に突っ込んだ。
そう、口から吐き出すウジ虫のような飛翔物である。
ゴパァ!!
『ぎゃっ!バッチィ!!』
「な、なななな!?ウジ虫ィ!!?」
もちろん撃った。
だが、その飛沫まで飛んできた。
…べちょ。
手元についた。
『えんがちょしないとだ〜うわぁ…』
「したいけど切ってくれる相手いねぇよ……ん?」
カショ、カション…!
ショットガンが撃てない。このタイミングでジャムったか!
見れば、手元についた汚い飛沫が、その粘り気を以って銃口を塞いでいた。
ウジ虫にしか見えない飛翔体だが、実際は魔力の塊のようで、対象の武器の動きを弱める働きがあるようだ。…あとは単純に生理的嫌悪感でダメージを与えるのだろう。
ダンテにもめちゃくちゃ大ダメージである。
「あー、てめっ!納豆の糸かよ!」
『むしろねるねるねるね級の水飴じゃない?納豆の糸そんなに粘り気ないよ』
「臭さは納豆並み!」
この男、納豆に失礼である。とはいえ、日本人すら苦手な者のいる納豆だ。納豆に馴染みのある日本人でもないし、仕方ないか。
ベシッ!
「あだっ!?」
地を這いながらやってきていた緑の個体が、低く飛びかかり蹴りを入れてきた。
そんな細っこい脚なぞ、大して効きはしない。
「オレを無視するなってか?
安心しろ、オレの相棒はショットガンだけじゃねぇ」
そう言って代わりに取り出したるは、エボニー&アイボリー。そして、その背のアラストル。
両手に構えたそれを、飛び蹴りかましてきたベルゼバブに連射、連射、連射。
ショットガンが相手でもないのに、衝撃でベルゼバブがひっくり返った。
この戦闘が終わったら急いでショットガンの銃口付近の清掃だ。
ここが地下水路のド真ん中で、光源が少なかろうと武器は命綱。メンテナンスは大事だ。
メンテナンスにかかる数分くらい、ディーヴァだって待ってくれる(はず)。
「ずぇりゃぁぁぁ!!」
『その掛け声にも突っ込み入れたいけど、蠅に俺振るうのやめてー!蠅汁つくーー!!』
転倒したベルゼバブに向かって、ダンテはアラストルを振り下ろす。
斬ったベルゼバブの腹から、あの白い魔力の塊がダンテに向かって放たれ、今度はエボニー&アイボリーがしばらく使えなくなったのは言うまでもない……。
「はぁ……。倒し終わるまで、閉じ込められるとは」
ブンブンという羽音が聞こえなくなった空間で、銃のメンテナンスを行うダンテがボソリともらした。
その目は銃に向けられてもなお、どこか遠い目だ。
「体力的にはダメージないが、精神的にはクるもんがあった……」
『俺は刃についた蠅汁が精神的に大ダメージだけど…。でもあのドアップには確かにクるものあったねぇ……』
アラストルが人の形をしていたら、ダンテと同じく遠い目をしていただろう。
「ああ…あんな悪魔と『目と目が合う瞬間〜』的展開は要らねぇよ……」
ディーヴァに会いたい。(何番煎じ目の発言だ)
その背後で赤い目が爛々と、無数に光った。
それにいち早く気がついたアラストルが、素っ頓狂な声を出す。
『んげ!マスターなんかいるううう!』
「ん?なんかってなんだ」
振り向けばゾロゾロわらわらと、パイプ配管から虫型の悪魔が大量に這い出てくるところだった。
小汚い羽で独特の音を立てて飛び回り、黒く細長い脚には繊毛、無数の複眼が赤く光る、不浄の象徴…ある意味ゴキブリよりも汚いという、蠅の姿をした悪魔だ。
「蠅の悪魔か。下水にゃお似合いの汚いやつめ」
『蠅悪魔…べルゼバブじゃん!俺知ってるー』
ブブブブブ…!
煩わしい羽音が一斉に向かってくる。
這いつくばる個体もいるが、それすらも羽音を響かせて這い寄ってくる。
体当たりでもしようと思ったのか、巨蠅の体がぶつかるその前に、ダンテは懐からショットガンを引き抜いた。
豪快な発砲音とともに蠅の体が遠く、吹っ飛んでひっくり返った。
「ふぅん、蠅如きにもちゃんと名前あるのか。
でもその名前、普通は強い悪魔の名前についてるんだけどなぁ……どっちにしろ蠅の姿ってのは合ってるんだが」
一般的に悪魔学で伝えられているベルゼバブという悪魔は、神にたてついた罪で堕天したといわれる地獄でも強大な魔王の1人であり、ポピュラーかつ、有名な大悪魔だ。
こんな下等な悪魔とは違い、とてつもない大物である。
…伝承や悪魔学での話だが。
『へー。
マスター、ちゃんとオベンキョしてんじゃん。見直した』
「えっ。ま、まぁなー!」
それもこれも、一生懸命になって苦手なはずの悪魔の書籍を漁ってくれたディーヴァの鈴を転がすような声のおかげである。
たとえそれが悪魔の名前を呟くものだとしても、ディーヴァの声は、一言も聞き漏らしたく無い。
ダンテ個人で読んでいたなら、悪魔の名前なぞ覚えなかったろう……。いやむしろ読まない。
会話の間も向かってきた蠅をショットガンで吹き飛ばす。
邪魔な羽虫を振り払うかのように。
ひっくり返ってジタバタともがく彼らは、もう何発かを与えてやれば、無言でレッドオーブに変わっていった。
「手応えも歯ごたえもない敵だな」
『食べるわけじゃないから歯ごたえはいらないよね?』
一匹一匹では脅威でもなさそうだが、数が揃えば雑魚も強敵に変わる。
ダンテにとっては大した差はないしただ邪魔くさいだけだが、これを大量に相手取る事になった通常のデビルハンターには少々荷が重いだろう。見た目も生理的にキツイことだし。
そう考えると、この悪魔と相対した事のあるディーヴァを心底気の毒に思う。
ブゥーーーン!
「ウォア!?
ドアップで来るんじゃねぇ!キショイ!!」
ショットガンでは間に合わない。
もう片方の腕で握りしめていたアラストル。
その刃の平たい面で、そう、まるでハエたたきのように、ベルゼバブをはたき落とす。
アラストルは『うへぇ、蠅汁ついた…』とひどく嫌そうだった。
ふつうに斬ったってつくじゃねぇか。
「ディーヴァ…こんなのを間近で…くっ…!かわいそうに……!」
『あー、女の子なんだもんね。…ゴシューショーサマ』
蠅悪魔のドアップはダンテすらきつかった。
人間サイズの虫、その細かい複眼の気持ち悪さ、びっしり生えた虫独特の体毛、至近距離で聴く耳障りな羽音、そしてもんわりしたなんとも言えない臭気ときたら!
鳥肌モノだ。
…ディーヴァ、気の毒どころじゃない。
「……汚物は消毒しとくに限る」
ぼそり、呟いたダンテは向かってきたベルゼバブをショットガンで次々に撃ち抜く。
床に這いつくばる緑の個体こそ一発で仕留められなかったが、ほとんどか苦もなく倒せることがわかった。
ホッとしたのもつかの間、パイプの中からこれまで以上に羽音が聞こえ始める。
『ねぇマスター、このフィールドこんなにベルゼバブでるっけ?フツー、最初に出たのでエンカウント終わりだよね??』
「シッ!メタいこと言っちゃいけません!」
A:書き手の粋な計らい。
「どこが粋なんだ。余計なお世話だろ?」
ブンブン大合唱とともにフィールドを埋め尽くさんばかりにやって来たベルゼバブ。
大量に屠るため、マシンガンでも欲しいところだ。
『鍵はあるしもう逃げちゃおうよ!』
「そうするか……ってえぇ!?」
逃げる?
そうは問屋が卸さないのである。
出入り口にはご丁寧にも悪魔の結界が、あっかんべーをしているように赤く張っている。
ガックリとうなだれるダンテ。
「このイレギュラーな蠅を一匹残らず叩き落とせっててことですか。そうですか……」
ブブブブーーン……バンッッッッ!!!
……ベシャッ。
見もせずに放ったダンテの弾が、明確な殺意を以ってベルゼバブの眉間を撃ち抜いた。
一発だ。本当の一発で、ベルゼバブがレッドオーブに変わって消えた。
「ハエ叩きはねぇがマ●オペイントで培ったハエたたきの腕前見せてやるうううう!」
『表現古い』
パァン!パァン!!
顔を上げたダンテの目は殺気でギラついている。気が狂ったように、蠅を叩くダンテ。(叩いてはいない)
もちろん、群がるベルゼバブ諸君も負けてはいない。
ダンテに突進だけではない。
白い兵器を携え、敵に突っ込んだ。
そう、口から吐き出すウジ虫のような飛翔物である。
ゴパァ!!
『ぎゃっ!バッチィ!!』
「な、なななな!?ウジ虫ィ!!?」
もちろん撃った。
だが、その飛沫まで飛んできた。
…べちょ。
手元についた。
『えんがちょしないとだ〜うわぁ…』
「したいけど切ってくれる相手いねぇよ……ん?」
カショ、カション…!
ショットガンが撃てない。このタイミングでジャムったか!
見れば、手元についた汚い飛沫が、その粘り気を以って銃口を塞いでいた。
ウジ虫にしか見えない飛翔体だが、実際は魔力の塊のようで、対象の武器の動きを弱める働きがあるようだ。…あとは単純に生理的嫌悪感でダメージを与えるのだろう。
ダンテにもめちゃくちゃ大ダメージである。
「あー、てめっ!納豆の糸かよ!」
『むしろねるねるねるね級の水飴じゃない?納豆の糸そんなに粘り気ないよ』
「臭さは納豆並み!」
この男、納豆に失礼である。とはいえ、日本人すら苦手な者のいる納豆だ。納豆に馴染みのある日本人でもないし、仕方ないか。
ベシッ!
「あだっ!?」
地を這いながらやってきていた緑の個体が、低く飛びかかり蹴りを入れてきた。
そんな細っこい脚なぞ、大して効きはしない。
「オレを無視するなってか?
安心しろ、オレの相棒はショットガンだけじゃねぇ」
そう言って代わりに取り出したるは、エボニー&アイボリー。そして、その背のアラストル。
両手に構えたそれを、飛び蹴りかましてきたベルゼバブに連射、連射、連射。
ショットガンが相手でもないのに、衝撃でベルゼバブがひっくり返った。
この戦闘が終わったら急いでショットガンの銃口付近の清掃だ。
ここが地下水路のド真ん中で、光源が少なかろうと武器は命綱。メンテナンスは大事だ。
メンテナンスにかかる数分くらい、ディーヴァだって待ってくれる(はず)。
「ずぇりゃぁぁぁ!!」
『その掛け声にも突っ込み入れたいけど、蠅に俺振るうのやめてー!蠅汁つくーー!!』
転倒したベルゼバブに向かって、ダンテはアラストルを振り下ろす。
斬ったベルゼバブの腹から、あの白い魔力の塊がダンテに向かって放たれ、今度はエボニー&アイボリーがしばらく使えなくなったのは言うまでもない……。
「はぁ……。倒し終わるまで、閉じ込められるとは」
ブンブンという羽音が聞こえなくなった空間で、銃のメンテナンスを行うダンテがボソリともらした。
その目は銃に向けられてもなお、どこか遠い目だ。
「体力的にはダメージないが、精神的にはクるもんがあった……」
『俺は刃についた蠅汁が精神的に大ダメージだけど…。でもあのドアップには確かにクるものあったねぇ……』
アラストルが人の形をしていたら、ダンテと同じく遠い目をしていただろう。
「ああ…あんな悪魔と『目と目が合う瞬間〜』的展開は要らねぇよ……」
ディーヴァに会いたい。(何番煎じ目の発言だ)
