mission 5:various types of soul ~魂と命のタイムリミットは…~
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「お前のせいだぞ!ネロアンジェロォ!お前がさっさとマジックだのなんだの取り上げないから!!
変な絵描かせるから!!
そんなおカタイ鎧なんかで素知らぁ〜ぬフリしてるからだろ!チョット素顔みせろーぃ!!」
「…グリフォン……お前、キャラが崩壊していないか?」
「うるせぇーーコッチが素なんだヨッ!!」
冷徹無慈悲、落ち着いているが感情的になると残虐性を帯びた悪魔らしさを発揮していたグリフォン。
だが、今の発言。
正反対の性格を隠していたとしか思えない。
ネロアンジェロの中で、グリフォンのイメージが180度変わった瞬間だった。
…しかし、ディーヴァが『あの姿』とはいえ、ここから逃げることができた。それは喜ばしいことだ。
逃したことで魔帝には半殺しの目に遭わされるかもしれないが。その罰は甘んじて受け入れよう。
それにどちらにせよ、あの状態でこの城の中からは逃れられない。
だが、彼女の残していった『これ』を丁寧に保存しておけばいい。
来るべきタイミングで彼女に戻せばいい。
そして一時でも逃げられればあるいは…。この城、この場所からの脱出も。
それで助かる。
そう、助かる。助ける。そして悪魔の手の届かぬ場所へーー。
…俺は一体何を考えた?
そうだ、彼女を『ここ』へ戻せば、また魔帝のための血を搾り取ることができる。
そうだ、そうなんだ。そのためだ。
だから『これ』を保存するのだ。
グリフォンが煩い鳥のようにピャイピャイと囀り続ける横で、ネロアンジェロは自分自身にそう言い聞かせた。
傍にある、彼女の肉体を抱いて。
***
ーーぱち。
ディーヴァが再び目を開ければ。
自分がいるのは冷たい床ではない。だが、ふかふかとは程遠い、ところどころ破れ、埃もかぶったボロボロのベッド。
色も真っ白ではなく、黄ばんでいるところを見るに、相当の年月が経っている、そこに寝ていた。
「どこここ」
吸い込んでしまった埃を咳とともに吐き出し、周りを見渡す。
どこもかしこもボロボロで、壁にかかる肖像画はこちらを睨んでいるようにも見え、まるでホラーハウス。
とはいえ恐怖抜きでいえば、どこかの豪奢な城の一室に見えなくもない。
酷い有様具合が、悪夢に出てきそうなくらいで。
いや、悪魔が近くにいる今が、悪夢なのだ。
恐怖で深く周りを見れないけれど、それでも目立つ光はある。
部屋全体を移し出せそうな綺麗に磨かれた鏡、そしてダンテがよく使っていた時空神像だ。
ディーヴァは悪魔の血の結晶を持っていないため使えないが。
大きな鏡の前に立ってみる。
ずっと自分の顔を見ていなかった。
しかたない、鏡なんて持っていなかったのだから。
汚く…はない。目やにも…ついてない。
まるできちんと洗ってある顔だ。白い。
いや、おかしい。
真っ白だ。真っ白を通り越して、幽鬼のように青白い。
自分なのに自分ではない何かにでもなった気分。
「………気分悪い」
見ているだけで青ざめて、余計に青白くなっていく気がした。
ふい、と目をそらす。現実からも目を背けたい、その気持ちで。
こんなところいたくない。
窓の鍵は……ビクともしない、開いていない。
部屋の外に出る扉はある。
あるけれど開けるのはちょっとこわい。
自分の力が初めて発動した時。
ダンテが助けに来てくれたあの時。
あの時、自分が部屋から逃げると、悪魔が追いかけてきた。
その手に捕まり、羽根を毟られ、骨ごと捥がれ…。
ああ、一番思い出したくないトラウマシーンだ。
今はない、羽根の傷跡が疼く。
…とまあ、トラウマ再びなのだが、いつまでもここで二の足を踏んでいる場合ではない。
勇気を出してこの扉を抜けなくては。
なぜこんなところに飛ばされたのかはわからない、けれどもしかしたら、ダンテに会える可能性だってあるのだから。
しかし、ダンテより先に悪魔に会いそうだ。
「扉開けたらすぐ悪魔、だったりして」
がちゃ、キシッ。
「え、キシ?」
開けたところで謎の音がした方を見ると、ボロを着た精巧な木製人形のドアップが。
「ひいいいいい!?」
目に宿るのは赤。つまり悪魔である。
「こういう読みは外れてくれていいのにぃ!!」
両手に刃物を持ったマリオネットの悪魔が、低いうなり声をあげて襲いかかってきた。
どこに声帯が存在するのだろう、一瞬そう思ったが悪魔は理屈じゃない生き物である。
慌てて扉を閉めて逃げようとするも、時すでに遅し。
扉が閉まる前に、マリオネットが突き立てた刃によっていとも容易く扉が解放されてしまった。
室内に入り込むマリオネットが、獲物たるディーヴァを見据えて両手を回す。
「やっ…!来ないで………!!」
天蓋ベッドの後ろに逃げ込んではみたが、あの刃の前には古いベッドの支柱なぞ、小枝のようなもの。
ならば向かってきたところを、回り込んで逃げ、扉から外へ出るしかない。
カシャ、カシャ、とディーヴァに向かって一歩一歩歩いてくる音。
キシキシキシ、とディーヴァの首を狩るための刃を握る手首が回る音。
その恐ろしい音が、突如変わった。
「なにそのダブルラリアット的なおてての動き!いつもより多くまわっておりますぅ!!」
まるで独楽。
マリオネットが、体ごと高速横回転して向かってきた。
日本の伝統的な遊びはしてみたいと思っていた。独楽遊びもそのひとつだ。
だが。
「命がけの独楽遊びはのーせんきゅー!」
しかし、それが逃げる合図でもあった。
幸い、ディーヴァには鍛えに鍛えた『逃げ足』という特性…ううん、特技がある。
特性だと某携帯獣になってしまう。それもディーヴァイーブイ化パロディのだ(おっと宣伝)
マリオネットの攻撃と同時、ディーヴァは弾かれたようにベッドの支柱から駆け出した。
自分でも驚きの瞬発力で以って、部屋の外へと飛び出す。
「えっ、あっ………!」
扉の外がどんな場所なのかを確認していなかった。
まさか、ろくに手摺のない螺旋階段状になっていたとは思わないだろう。
「うそーーーん!」
何度経験しても慣れぬ浮遊感。
天使の羽根が出れば抵抗力で少しは落下速度が落ちるだろう、そう思ったけれどもダンテのデビルトリガーのように、都合よく発動するわけがなかった。
真っ逆さまに落ちる体。
それを追うようにして、ディーヴァを追ってきていたマリオネットまでも落ちてくる。
独楽回しもどきの勢いと、もともとの重量ゆえか、トンデモ方向に強く叩きつけられ、 ところどころ壊れたマリオネット。
案の定、ディーヴァより先に下に落ちた。
次いで派手に壊れる音。
少しかわいそうな気もするが、ああいった自我の無さそうな悪魔にまで慈悲をかけるわけにはいかない。
しかしこれでマリオネットの脅威からは逃げられた。
とはいえ、このままではマリオネットと同じ道をたどる。
ディーヴァは無我夢中で腕を伸ばした。
…なんか手に触れた。
糸?紐?布??
思い切り掴んだそれは蜘蛛の巣の塊のようなもの。
ほんの少しだけゴムのように伸びて、ディーヴァの落下を和らげた。
べちゃ!
結局落ちるのは変わらず、ディーヴァは尻をしたたかに床に打ち付けた。
死ぬよりはマシ。
「んぎゃ!
いったぁ〜………」
ダンテではないが、お尻マストダイ。確実にアザにはなったろう。
お尻をさすりながら立ち上がり、ディーヴァは掴んでいたであろう蜘蛛の巣を見やる。
「蜘蛛の巣の塊があって助かった……。これ、ファントムさん専用のハンモックとかだったりして」
なんにせよありがたや、だ。
お礼として日本式に手を合わせておこう。
それにしてもこの場所は臭い。
この場所を囲むようにして張り巡らされた溝を流れるのは、下水のよう。
汚水にしては汚物などで汚れていないのが幸いだが、角にヘドロがたまっているのがみえる。
だが何よりもこの匂い、鼻が曲がりそうだった。
「うーん。上には戻れなさそう…」
件のハンモックがやたら固く道を閉ざしているおかげで、ディーヴァの体では上に戻ることはできない。助かったが今度は憎く思う。
「てことは、目の前の小さな扉が次のステージってわけかぁ…。
どんどん危ない方に行ってないかな、大丈夫かな。これ、誘導とかされてないよね?
行くよ?行っちゃうよ?よし行こう!」
自問自答を繰り返し、腹をくくったディーヴァは、異臭がそこはかとなく漂ってくる扉を開けた。
●あとがき
あーかいきつねとみどりのたーぬき。
ぜひ、赤いきつねを食べながら読もう!!
赤いきつねだからね?緑のたぬきじゃなくてだからね?管理人は赤いきつねガチ勢だ。
そして本編が短い。
変な絵描かせるから!!
そんなおカタイ鎧なんかで素知らぁ〜ぬフリしてるからだろ!チョット素顔みせろーぃ!!」
「…グリフォン……お前、キャラが崩壊していないか?」
「うるせぇーーコッチが素なんだヨッ!!」
冷徹無慈悲、落ち着いているが感情的になると残虐性を帯びた悪魔らしさを発揮していたグリフォン。
だが、今の発言。
正反対の性格を隠していたとしか思えない。
ネロアンジェロの中で、グリフォンのイメージが180度変わった瞬間だった。
…しかし、ディーヴァが『あの姿』とはいえ、ここから逃げることができた。それは喜ばしいことだ。
逃したことで魔帝には半殺しの目に遭わされるかもしれないが。その罰は甘んじて受け入れよう。
それにどちらにせよ、あの状態でこの城の中からは逃れられない。
だが、彼女の残していった『これ』を丁寧に保存しておけばいい。
来るべきタイミングで彼女に戻せばいい。
そして一時でも逃げられればあるいは…。この城、この場所からの脱出も。
それで助かる。
そう、助かる。助ける。そして悪魔の手の届かぬ場所へーー。
…俺は一体何を考えた?
そうだ、彼女を『ここ』へ戻せば、また魔帝のための血を搾り取ることができる。
そうだ、そうなんだ。そのためだ。
だから『これ』を保存するのだ。
グリフォンが煩い鳥のようにピャイピャイと囀り続ける横で、ネロアンジェロは自分自身にそう言い聞かせた。
傍にある、彼女の肉体を抱いて。
***
ーーぱち。
ディーヴァが再び目を開ければ。
自分がいるのは冷たい床ではない。だが、ふかふかとは程遠い、ところどころ破れ、埃もかぶったボロボロのベッド。
色も真っ白ではなく、黄ばんでいるところを見るに、相当の年月が経っている、そこに寝ていた。
「どこここ」
吸い込んでしまった埃を咳とともに吐き出し、周りを見渡す。
どこもかしこもボロボロで、壁にかかる肖像画はこちらを睨んでいるようにも見え、まるでホラーハウス。
とはいえ恐怖抜きでいえば、どこかの豪奢な城の一室に見えなくもない。
酷い有様具合が、悪夢に出てきそうなくらいで。
いや、悪魔が近くにいる今が、悪夢なのだ。
恐怖で深く周りを見れないけれど、それでも目立つ光はある。
部屋全体を移し出せそうな綺麗に磨かれた鏡、そしてダンテがよく使っていた時空神像だ。
ディーヴァは悪魔の血の結晶を持っていないため使えないが。
大きな鏡の前に立ってみる。
ずっと自分の顔を見ていなかった。
しかたない、鏡なんて持っていなかったのだから。
汚く…はない。目やにも…ついてない。
まるできちんと洗ってある顔だ。白い。
いや、おかしい。
真っ白だ。真っ白を通り越して、幽鬼のように青白い。
自分なのに自分ではない何かにでもなった気分。
「………気分悪い」
見ているだけで青ざめて、余計に青白くなっていく気がした。
ふい、と目をそらす。現実からも目を背けたい、その気持ちで。
こんなところいたくない。
窓の鍵は……ビクともしない、開いていない。
部屋の外に出る扉はある。
あるけれど開けるのはちょっとこわい。
自分の力が初めて発動した時。
ダンテが助けに来てくれたあの時。
あの時、自分が部屋から逃げると、悪魔が追いかけてきた。
その手に捕まり、羽根を毟られ、骨ごと捥がれ…。
ああ、一番思い出したくないトラウマシーンだ。
今はない、羽根の傷跡が疼く。
…とまあ、トラウマ再びなのだが、いつまでもここで二の足を踏んでいる場合ではない。
勇気を出してこの扉を抜けなくては。
なぜこんなところに飛ばされたのかはわからない、けれどもしかしたら、ダンテに会える可能性だってあるのだから。
しかし、ダンテより先に悪魔に会いそうだ。
「扉開けたらすぐ悪魔、だったりして」
がちゃ、キシッ。
「え、キシ?」
開けたところで謎の音がした方を見ると、ボロを着た精巧な木製人形のドアップが。
「ひいいいいい!?」
目に宿るのは赤。つまり悪魔である。
「こういう読みは外れてくれていいのにぃ!!」
両手に刃物を持ったマリオネットの悪魔が、低いうなり声をあげて襲いかかってきた。
どこに声帯が存在するのだろう、一瞬そう思ったが悪魔は理屈じゃない生き物である。
慌てて扉を閉めて逃げようとするも、時すでに遅し。
扉が閉まる前に、マリオネットが突き立てた刃によっていとも容易く扉が解放されてしまった。
室内に入り込むマリオネットが、獲物たるディーヴァを見据えて両手を回す。
「やっ…!来ないで………!!」
天蓋ベッドの後ろに逃げ込んではみたが、あの刃の前には古いベッドの支柱なぞ、小枝のようなもの。
ならば向かってきたところを、回り込んで逃げ、扉から外へ出るしかない。
カシャ、カシャ、とディーヴァに向かって一歩一歩歩いてくる音。
キシキシキシ、とディーヴァの首を狩るための刃を握る手首が回る音。
その恐ろしい音が、突如変わった。
「なにそのダブルラリアット的なおてての動き!いつもより多くまわっておりますぅ!!」
まるで独楽。
マリオネットが、体ごと高速横回転して向かってきた。
日本の伝統的な遊びはしてみたいと思っていた。独楽遊びもそのひとつだ。
だが。
「命がけの独楽遊びはのーせんきゅー!」
しかし、それが逃げる合図でもあった。
幸い、ディーヴァには鍛えに鍛えた『逃げ足』という特性…ううん、特技がある。
特性だと某携帯獣になってしまう。それもディーヴァイーブイ化パロディのだ(おっと宣伝)
マリオネットの攻撃と同時、ディーヴァは弾かれたようにベッドの支柱から駆け出した。
自分でも驚きの瞬発力で以って、部屋の外へと飛び出す。
「えっ、あっ………!」
扉の外がどんな場所なのかを確認していなかった。
まさか、ろくに手摺のない螺旋階段状になっていたとは思わないだろう。
「うそーーーん!」
何度経験しても慣れぬ浮遊感。
天使の羽根が出れば抵抗力で少しは落下速度が落ちるだろう、そう思ったけれどもダンテのデビルトリガーのように、都合よく発動するわけがなかった。
真っ逆さまに落ちる体。
それを追うようにして、ディーヴァを追ってきていたマリオネットまでも落ちてくる。
独楽回しもどきの勢いと、もともとの重量ゆえか、トンデモ方向に強く叩きつけられ、 ところどころ壊れたマリオネット。
案の定、ディーヴァより先に下に落ちた。
次いで派手に壊れる音。
少しかわいそうな気もするが、ああいった自我の無さそうな悪魔にまで慈悲をかけるわけにはいかない。
しかしこれでマリオネットの脅威からは逃げられた。
とはいえ、このままではマリオネットと同じ道をたどる。
ディーヴァは無我夢中で腕を伸ばした。
…なんか手に触れた。
糸?紐?布??
思い切り掴んだそれは蜘蛛の巣の塊のようなもの。
ほんの少しだけゴムのように伸びて、ディーヴァの落下を和らげた。
べちゃ!
結局落ちるのは変わらず、ディーヴァは尻をしたたかに床に打ち付けた。
死ぬよりはマシ。
「んぎゃ!
いったぁ〜………」
ダンテではないが、お尻マストダイ。確実にアザにはなったろう。
お尻をさすりながら立ち上がり、ディーヴァは掴んでいたであろう蜘蛛の巣を見やる。
「蜘蛛の巣の塊があって助かった……。これ、ファントムさん専用のハンモックとかだったりして」
なんにせよありがたや、だ。
お礼として日本式に手を合わせておこう。
それにしてもこの場所は臭い。
この場所を囲むようにして張り巡らされた溝を流れるのは、下水のよう。
汚水にしては汚物などで汚れていないのが幸いだが、角にヘドロがたまっているのがみえる。
だが何よりもこの匂い、鼻が曲がりそうだった。
「うーん。上には戻れなさそう…」
件のハンモックがやたら固く道を閉ざしているおかげで、ディーヴァの体では上に戻ることはできない。助かったが今度は憎く思う。
「てことは、目の前の小さな扉が次のステージってわけかぁ…。
どんどん危ない方に行ってないかな、大丈夫かな。これ、誘導とかされてないよね?
行くよ?行っちゃうよ?よし行こう!」
自問自答を繰り返し、腹をくくったディーヴァは、異臭がそこはかとなく漂ってくる扉を開けた。
●あとがき
あーかいきつねとみどりのたーぬき。
ぜひ、赤いきつねを食べながら読もう!!
赤いきつねだからね?緑のたぬきじゃなくてだからね?管理人は赤いきつねガチ勢だ。
そして本編が短い。
