mission 5:various types of soul ~魂と命のタイムリミットは…~
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オロオロして聞いていたディーヴァは、グリフォンの発言に思うところがあった。
火を吹く巨大な蜘蛛に、虫、ハエトリソウ…そしてムカデ。
そして焼け野原。
見たことがあるかもしれない、と。
「えと、奥さんマネアラさんって言うんでしたっけ?火を扱う、おっきな蜘蛛さんなんです??」
ぴた、と両者の動きが止まった。
よかった、喧嘩を止めることにも成功したようだ。
そのまま部屋が半壊でもしようものなら、暇つぶしが出来る場所がなくなってしまうところだった。
「よくわかったな。家内は火を吹く大きな蜘蛛だぞ。ぷりんぷりんのお尻で美脚の美しいイイオンナだ」
やはりか。やはりあの時の。
つまり、ファントムの正体も大きな蜘蛛、ということなのだろう。想像するとちょっと怖い。蜘蛛はトラウマだ。
ヒトの姿を取ってくれて大大大感謝である。
「ここからはそう離れていないが、はやく帰りたいなぁ。
魔帝の腹心になってからは、たまにしか里帰りができていないのだ……」
「単身赴任かぁ…。はやく休暇になるといいですね」
「ああ、ほんとになぁ」
家族を慈しむ悪魔の姿に、人間味を感じつつ真横に目を向けると、グリフォンが鼻をフンと鳴らしている。
そっぽを向きつつもしっかり聞いているあたり、グリフォンは独り身なのかもしれない。
「あたしも、自分のおうちに帰りたい。大事な人がいるんです。
…彼に会いたい。生きて会いたい。思うのはそればかり」
「………まず無理だろうな。
生きてなど会えんだろう。
それにそやつは、本当にお前を探しているのか?
天使などという守らなければならない存在、もうめんどくさくなった可能性もあるぞ?」
「意地悪な人ですね」
「人じゃない、悪魔だからなァ。
……それにお前はもう……いや、なんでもない」
「??」
ダンテもそうだが、悪魔は時に意地悪だ。
底意地が悪いことを楽しそうに述べたファントムは、食事をして元気になったか、礼がわりにディーヴァの頭を数回はたき、出て行った。
ファントムが出て行って数分後。
悪魔二人は無言だ。
「「……………」」
彼の言ったことをディーヴァは繰り返し反芻していた。
…未だグリフォンとネロアンジェロがいる、食卓の片隅で。どんよりとした空気を吐き出しながら。
正直悪魔よりもこわい。
「はあ〜〜〜〜〜」
彼に限ってそんなことあるわけない、とは思う。
それでも、ファントムに言われた言葉が繰り返し心を抉る。
「迎えにきてくれるもん…。
立ちふさがる悪魔を全部蹴散らして迎えにくるもん……。
あたし信じてる………。
でも全然こない。
強いから悪魔に負けちゃうわけないもんね。
じゃあファントムさんのいう通り諦めて帰っちゃった?
あの人があたしを見限る?面倒な存在だから?
愛してるって言ってくれたのは、これまでは全部嘘…?
いや、そんなことない。何年も一緒にいたからそれはわかってるもん。
だったらもしかして悪魔に苦戦してる?
まだまだ見つけられてないだけ?
このままじゃあたし食べられちゃうよ………。
食べられちゃったら?死んじゃったら?すぐ忘れちゃうかなぁ……他の人と幸せに??そんなのやだなぁ…だれにもわたしたくないなぁ………。
でもやだなぁ、こんな黒い感情持ってたらそれこそ見限られちゃうよ。捨てられちゃうよ……。やっぱり迎えこないかも…………??」
ブツブツブツブツ。
ひたすら、ブツブツブツブツ。
闇を背負い、光の宿らぬ瞳で、毒を吐き出すようにブツブツブツブツブツブツブツブツ。
その手元には、いつのまにか油性マジック。
床に、グルグルグルと恐ろしい落書きをしている。
色が赤なところがまた恐ろしい。まるで血だ。
「アレは一体何を描いている……?」
「知らん。ただ、どう見ても何か悪いものを呼び出しそうな呪いの魔法陣とバケモノの絵にしか見えない。
…近寄らんでおこう」
ひそり、とグリフォンがネロアンジェロに尋ねれば、そんな答えが。
たしかに魔法陣に見えなくもない。
そう、悪いものが召喚されそうな、黒魔術のそれだ。
「おいおい、近寄らないでおこうって。怖いわ!鳥肌たつ!鳥だけに!!
ネロアンジェロ!貴様が天使の面倒を頼まれているんだろう!?
アレをなんとかし、」
光る魔法陣(もどき)。
「「「あ」」」
もどき。そう、もどきだったのだ。
だというに、ナニカが喚びだされてしまったようで、悪魔もディーヴァも動きが止まる。
そして、ボワン!!と煙が上がり。
「ぎ、ぎゃーーーーーー!!!!」
ディーヴァの目に光が戻った。
気持ちの悪い、芋虫のような悪魔がゴロゴロと召喚されてしまった。
つやつやぷるぷると輝く黄金色の表皮。
むちむちぱんぱんに肥えた肢体。
まるでカブトムシの幼虫が巨大化したかのような悪魔。
それが食卓に数匹ゴロゴロである。
召喚した本人とはいえ、ディーヴァが叫ぶのも無理はない。
悪魔二人すら、気持ち悪さに青ざめて静止しているところだ。
もにょもにょ蠢くそれらは、召喚者たるディーヴァに愛情でも持っているのか、嬉しそうにじりじりとすり寄ってくる。
「いやーーっ!気持ち悪いーーーー!!誰かなんとかしてーーーーーーっ」
そして、魔法陣は謎の大穴と化していた。
後退してそこに足がひっかかればどうなるか。
「えっ!?
ちょ、わ、わーーーっ!?」
A:落ちる。
ずるっ!!
真っ暗な穴に吸い込まれるように落ちたディーヴァは、術者による後始末ということか、穴の入り口ごと消えてしまった。
ついでに召喚された芋虫ゴーロゴロ、も煙のように消えた。
「「な、何ィーーーー!?」」
芋虫クッションに押しつぶされていた二人が叫ぶ。
今の彼女が『ここ』から遠く離れれば、滅びてしまう。
完全に滅び『肉体』が死んでしまえば、魔帝はそれ以上血を望めないだろう。最後に残るであろう、魂に含まれる天使の力を得ることもできないだろうから。
…残った肉体を糧にするのは可能だが。今はそう考えていないだろう。
肉体より魂よりも今は『血』がもっとも欲しい魔帝。そんなこと考えていないはずなのだ。
とはいえ、逃した罪は大きい。死刑確定か。
「「ムンドゥス様に殺される………」」
火を吹く巨大な蜘蛛に、虫、ハエトリソウ…そしてムカデ。
そして焼け野原。
見たことがあるかもしれない、と。
「えと、奥さんマネアラさんって言うんでしたっけ?火を扱う、おっきな蜘蛛さんなんです??」
ぴた、と両者の動きが止まった。
よかった、喧嘩を止めることにも成功したようだ。
そのまま部屋が半壊でもしようものなら、暇つぶしが出来る場所がなくなってしまうところだった。
「よくわかったな。家内は火を吹く大きな蜘蛛だぞ。ぷりんぷりんのお尻で美脚の美しいイイオンナだ」
やはりか。やはりあの時の。
つまり、ファントムの正体も大きな蜘蛛、ということなのだろう。想像するとちょっと怖い。蜘蛛はトラウマだ。
ヒトの姿を取ってくれて大大大感謝である。
「ここからはそう離れていないが、はやく帰りたいなぁ。
魔帝の腹心になってからは、たまにしか里帰りができていないのだ……」
「単身赴任かぁ…。はやく休暇になるといいですね」
「ああ、ほんとになぁ」
家族を慈しむ悪魔の姿に、人間味を感じつつ真横に目を向けると、グリフォンが鼻をフンと鳴らしている。
そっぽを向きつつもしっかり聞いているあたり、グリフォンは独り身なのかもしれない。
「あたしも、自分のおうちに帰りたい。大事な人がいるんです。
…彼に会いたい。生きて会いたい。思うのはそればかり」
「………まず無理だろうな。
生きてなど会えんだろう。
それにそやつは、本当にお前を探しているのか?
天使などという守らなければならない存在、もうめんどくさくなった可能性もあるぞ?」
「意地悪な人ですね」
「人じゃない、悪魔だからなァ。
……それにお前はもう……いや、なんでもない」
「??」
ダンテもそうだが、悪魔は時に意地悪だ。
底意地が悪いことを楽しそうに述べたファントムは、食事をして元気になったか、礼がわりにディーヴァの頭を数回はたき、出て行った。
ファントムが出て行って数分後。
悪魔二人は無言だ。
「「……………」」
彼の言ったことをディーヴァは繰り返し反芻していた。
…未だグリフォンとネロアンジェロがいる、食卓の片隅で。どんよりとした空気を吐き出しながら。
正直悪魔よりもこわい。
「はあ〜〜〜〜〜」
彼に限ってそんなことあるわけない、とは思う。
それでも、ファントムに言われた言葉が繰り返し心を抉る。
「迎えにきてくれるもん…。
立ちふさがる悪魔を全部蹴散らして迎えにくるもん……。
あたし信じてる………。
でも全然こない。
強いから悪魔に負けちゃうわけないもんね。
じゃあファントムさんのいう通り諦めて帰っちゃった?
あの人があたしを見限る?面倒な存在だから?
愛してるって言ってくれたのは、これまでは全部嘘…?
いや、そんなことない。何年も一緒にいたからそれはわかってるもん。
だったらもしかして悪魔に苦戦してる?
まだまだ見つけられてないだけ?
このままじゃあたし食べられちゃうよ………。
食べられちゃったら?死んじゃったら?すぐ忘れちゃうかなぁ……他の人と幸せに??そんなのやだなぁ…だれにもわたしたくないなぁ………。
でもやだなぁ、こんな黒い感情持ってたらそれこそ見限られちゃうよ。捨てられちゃうよ……。やっぱり迎えこないかも…………??」
ブツブツブツブツ。
ひたすら、ブツブツブツブツ。
闇を背負い、光の宿らぬ瞳で、毒を吐き出すようにブツブツブツブツブツブツブツブツ。
その手元には、いつのまにか油性マジック。
床に、グルグルグルと恐ろしい落書きをしている。
色が赤なところがまた恐ろしい。まるで血だ。
「アレは一体何を描いている……?」
「知らん。ただ、どう見ても何か悪いものを呼び出しそうな呪いの魔法陣とバケモノの絵にしか見えない。
…近寄らんでおこう」
ひそり、とグリフォンがネロアンジェロに尋ねれば、そんな答えが。
たしかに魔法陣に見えなくもない。
そう、悪いものが召喚されそうな、黒魔術のそれだ。
「おいおい、近寄らないでおこうって。怖いわ!鳥肌たつ!鳥だけに!!
ネロアンジェロ!貴様が天使の面倒を頼まれているんだろう!?
アレをなんとかし、」
光る魔法陣(もどき)。
「「「あ」」」
もどき。そう、もどきだったのだ。
だというに、ナニカが喚びだされてしまったようで、悪魔もディーヴァも動きが止まる。
そして、ボワン!!と煙が上がり。
「ぎ、ぎゃーーーーーー!!!!」
ディーヴァの目に光が戻った。
気持ちの悪い、芋虫のような悪魔がゴロゴロと召喚されてしまった。
つやつやぷるぷると輝く黄金色の表皮。
むちむちぱんぱんに肥えた肢体。
まるでカブトムシの幼虫が巨大化したかのような悪魔。
それが食卓に数匹ゴロゴロである。
召喚した本人とはいえ、ディーヴァが叫ぶのも無理はない。
悪魔二人すら、気持ち悪さに青ざめて静止しているところだ。
もにょもにょ蠢くそれらは、召喚者たるディーヴァに愛情でも持っているのか、嬉しそうにじりじりとすり寄ってくる。
「いやーーっ!気持ち悪いーーーー!!誰かなんとかしてーーーーーーっ」
そして、魔法陣は謎の大穴と化していた。
後退してそこに足がひっかかればどうなるか。
「えっ!?
ちょ、わ、わーーーっ!?」
A:落ちる。
ずるっ!!
真っ暗な穴に吸い込まれるように落ちたディーヴァは、術者による後始末ということか、穴の入り口ごと消えてしまった。
ついでに召喚された芋虫ゴーロゴロ、も煙のように消えた。
「「な、何ィーーーー!?」」
芋虫クッションに押しつぶされていた二人が叫ぶ。
今の彼女が『ここ』から遠く離れれば、滅びてしまう。
完全に滅び『肉体』が死んでしまえば、魔帝はそれ以上血を望めないだろう。最後に残るであろう、魂に含まれる天使の力を得ることもできないだろうから。
…残った肉体を糧にするのは可能だが。今はそう考えていないだろう。
肉体より魂よりも今は『血』がもっとも欲しい魔帝。そんなこと考えていないはずなのだ。
とはいえ、逃した罪は大きい。死刑確定か。
「「ムンドゥス様に殺される………」」
