mission 5:various types of soul ~魂と命のタイムリミットは…~
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強敵との死闘を繰り広げたダンテは、崩れた外壁の隙間から行けばすぐにでも城主の部屋へと戻れたのだが、そうはしなかった。
ダンテの高さの基準は、テメンニグルがデフォルトだ。
くるくるくる、シュタッ!
数十メートルの高さもなんのその。
ちょっとした段差でも飛び越えるが如く、眼下に広がる広場へと飛び降りる。
なぜなら、広場の中央に、あの悪魔と対決する前に拾おうとしていた『憂鬱なる魂』がぽん!とどこからか投げ入れられたからだ。
どこからか、というよりは城主の部屋だろう。
ダンテは不思議そうにキョロキョロと見回してから、それを拾い上げる。
…相変わらずの土留色。泥団子と変わらぬ色合い。
しかし、何かの力が封じられており、柔らかく光りを放ち、ほんのりと温かい。
「お?なんか変だぞ」
が、ダンテが手で触れた瞬間から、その光が急速に弱まり始めた。
ほんのり感じた温かさも、まるで茹でた卵を冷水でしめる行程のように徐々に冷えていく。
極め付けには、視界の端へと謎のポップアップウィンドウが表示された。
DMCはいつからVRMMOになった?
「おいおいおい。『赤いきつねができるまであと2分56秒』だって?
馬鹿かこいつ!赤いきつねって3分じゃなくて5分だよな」
『そこ?そこなの!?』
ダンテの突っ込むところはそれだった。
「ん?『この力が失われるまであと2分52秒』、にかわった。
なんだったんだ今の…」
『たぶん運営が間違えたんだよ。あと文章考える管理人やプログラムを司る人の遊び心』
管理人はともかく、運営?プログラム?
不思議な言葉が飛び交うが、そこに疑問を抱いてはいけない。魔界よりも恐ろしい深淵を覗くことになってしまう…。
「ギャオオウ!!」
タイムリミットが刻一刻と迫る中、夕刻の空を切り裂く獣の雄叫びが轟いた。
影の悪魔、シャドウだ。
猫の姿形そのままに、しなやかな体躯を伸び縮みさせ、ダンテの前に飛び出してきた。
回転して豪速球で向かってくる、影刃体当たりだ。
当たれば大怪我は免れない。
「その戦法は前と同じだな。すでに見切ってるぜ」
ダンテには通用しない。
転がって躱しながらも、シャドウに鋭い銃弾を放つ。
躱されたことで、低い体勢から悔しそうに唸り声をあげるシャドウ。
やっぱ猫だ。
「ふむ。こいつが投げ入れてきたらしいな」
『あー、城主の部屋に落ちたまま放置しちゃったからね。ボールと勘違いしたのかもよ』
手元の憂鬱なる魂を見ながら、のんびりとそう宣うダンテとアラストルだが、タイムリミットはたった3分。
いや、もうすでに2分ちょいか。
時間切れになったところで、爆発しそうな感じはしない。
「謎のタイムリミットがあるならさっさとコイツを片付けないとな。
黒豹は黒豹らしく、動物園にお帰り願おうか!」
無造作にポケットに突っ込むと、ダンテは両手に双子銃を構えた。
「ーーハッ!」
走り高跳びのように飛び上がり、シャドウめがけて鉛玉を連射する。
シャドウ戦初戦で使った、連射にて影を剥ぎ取る作戦再び。
耳元を劈く発射音、シャドウの悲鳴が広場に響く。
「ちっ!
火力不足だったか!!」
だが、コアを露出させるほどには至らなかった。
流れるような双子銃の連射の合間、ショットガンも使ったというに、影が剥がれないとは。
よく見ればシャドウの背後の影が薄く、ダンテの銃弾を受けていた前側の影が分厚くなっている。
目の前に迫るシャドウが、笑うように目を細めた。
「ぐぁ…っ」
気がついた時には、シャドウの顔面が変化した槍で腹を貫かれていた。
また恒例の串刺しイベントである。
直後引っこ抜かれた鋭い槍、その傷口から迸る血が、ダンテの体とともに宙を舞う。
「こいつ…!
まさか最初に相手した奴の記憶でも持ってるんじゃないか…!?」
だからこそ、長年倒されてきた記憶を糧にして、ここまで強くなったのかもしれない。
剣にはめっぽう強いのも、そのためか。
が、倒すごとに次の個体が強くなろうが、自分がその上を行けばいいだけだ。
さらに強く、さらに速い連射で影のベールを剥がせばいい。
ダンテはこれ以上ないほどめいっぱいに銃身に魔力を詰め、シャドウに向けて撃ち放った。
コアまで吹っ飛ばせそうなほど、剥がれ落ちた影のベール。
得物をアラストルに持ち替えたところで。
ーーピッピー!タイムアップ!ーー
「は?」
『マスター、3分経っちまったとよ』
「早くね?なあ早くね?」
『俺もまだカップ麺(3分のやつ)出来てないとおもうけど、上の人が我慢できなくなって蓋開けて食べ始めたんだと思われる』
そんな理由でタイムアップになるとは誰が思っただろう。
全ては上の人、とやらに委ねられている。
ポケットに手を突っ込めば、残り時間表記は消え、冷え切った使い捨てカイロ化した憂鬱なる魂が。
ヒンヤリつンめてぇ。
がっくりと項垂れるも、今はそんな落ち込んでいる場合ではなかった。
今はシャドウとの戦闘中だ。
ダンテの高さの基準は、テメンニグルがデフォルトだ。
くるくるくる、シュタッ!
数十メートルの高さもなんのその。
ちょっとした段差でも飛び越えるが如く、眼下に広がる広場へと飛び降りる。
なぜなら、広場の中央に、あの悪魔と対決する前に拾おうとしていた『憂鬱なる魂』がぽん!とどこからか投げ入れられたからだ。
どこからか、というよりは城主の部屋だろう。
ダンテは不思議そうにキョロキョロと見回してから、それを拾い上げる。
…相変わらずの土留色。泥団子と変わらぬ色合い。
しかし、何かの力が封じられており、柔らかく光りを放ち、ほんのりと温かい。
「お?なんか変だぞ」
が、ダンテが手で触れた瞬間から、その光が急速に弱まり始めた。
ほんのり感じた温かさも、まるで茹でた卵を冷水でしめる行程のように徐々に冷えていく。
極め付けには、視界の端へと謎のポップアップウィンドウが表示された。
DMCはいつからVRMMOになった?
「おいおいおい。『赤いきつねができるまであと2分56秒』だって?
馬鹿かこいつ!赤いきつねって3分じゃなくて5分だよな」
『そこ?そこなの!?』
ダンテの突っ込むところはそれだった。
「ん?『この力が失われるまであと2分52秒』、にかわった。
なんだったんだ今の…」
『たぶん運営が間違えたんだよ。あと文章考える管理人やプログラムを司る人の遊び心』
管理人はともかく、運営?プログラム?
不思議な言葉が飛び交うが、そこに疑問を抱いてはいけない。魔界よりも恐ろしい深淵を覗くことになってしまう…。
「ギャオオウ!!」
タイムリミットが刻一刻と迫る中、夕刻の空を切り裂く獣の雄叫びが轟いた。
影の悪魔、シャドウだ。
猫の姿形そのままに、しなやかな体躯を伸び縮みさせ、ダンテの前に飛び出してきた。
回転して豪速球で向かってくる、影刃体当たりだ。
当たれば大怪我は免れない。
「その戦法は前と同じだな。すでに見切ってるぜ」
ダンテには通用しない。
転がって躱しながらも、シャドウに鋭い銃弾を放つ。
躱されたことで、低い体勢から悔しそうに唸り声をあげるシャドウ。
やっぱ猫だ。
「ふむ。こいつが投げ入れてきたらしいな」
『あー、城主の部屋に落ちたまま放置しちゃったからね。ボールと勘違いしたのかもよ』
手元の憂鬱なる魂を見ながら、のんびりとそう宣うダンテとアラストルだが、タイムリミットはたった3分。
いや、もうすでに2分ちょいか。
時間切れになったところで、爆発しそうな感じはしない。
「謎のタイムリミットがあるならさっさとコイツを片付けないとな。
黒豹は黒豹らしく、動物園にお帰り願おうか!」
無造作にポケットに突っ込むと、ダンテは両手に双子銃を構えた。
「ーーハッ!」
走り高跳びのように飛び上がり、シャドウめがけて鉛玉を連射する。
シャドウ戦初戦で使った、連射にて影を剥ぎ取る作戦再び。
耳元を劈く発射音、シャドウの悲鳴が広場に響く。
「ちっ!
火力不足だったか!!」
だが、コアを露出させるほどには至らなかった。
流れるような双子銃の連射の合間、ショットガンも使ったというに、影が剥がれないとは。
よく見ればシャドウの背後の影が薄く、ダンテの銃弾を受けていた前側の影が分厚くなっている。
目の前に迫るシャドウが、笑うように目を細めた。
「ぐぁ…っ」
気がついた時には、シャドウの顔面が変化した槍で腹を貫かれていた。
また恒例の串刺しイベントである。
直後引っこ抜かれた鋭い槍、その傷口から迸る血が、ダンテの体とともに宙を舞う。
「こいつ…!
まさか最初に相手した奴の記憶でも持ってるんじゃないか…!?」
だからこそ、長年倒されてきた記憶を糧にして、ここまで強くなったのかもしれない。
剣にはめっぽう強いのも、そのためか。
が、倒すごとに次の個体が強くなろうが、自分がその上を行けばいいだけだ。
さらに強く、さらに速い連射で影のベールを剥がせばいい。
ダンテはこれ以上ないほどめいっぱいに銃身に魔力を詰め、シャドウに向けて撃ち放った。
コアまで吹っ飛ばせそうなほど、剥がれ落ちた影のベール。
得物をアラストルに持ち替えたところで。
ーーピッピー!タイムアップ!ーー
「は?」
『マスター、3分経っちまったとよ』
「早くね?なあ早くね?」
『俺もまだカップ麺(3分のやつ)出来てないとおもうけど、上の人が我慢できなくなって蓋開けて食べ始めたんだと思われる』
そんな理由でタイムアップになるとは誰が思っただろう。
全ては上の人、とやらに委ねられている。
ポケットに手を突っ込めば、残り時間表記は消え、冷え切った使い捨てカイロ化した憂鬱なる魂が。
ヒンヤリつンめてぇ。
がっくりと項垂れるも、今はそんな落ち込んでいる場合ではなかった。
今はシャドウとの戦闘中だ。