mission 4:same sword style ~黒き鎧の魔剣士~
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この『死の宣告』はどこで必要なのかわかっている。
あのバージルみたいな顔をこちらに向けている(ようにダンテには見える)像の胸部分だ。
手に入れたそれを小脇に抱え、ダンテは来た道を戻る。
「デュクシ!!」
『でゅくしいうな』
謎の掛け声とともに、胸へと差し込まれた剣。
確かに鍵だ。鍵と鍵穴のように、ぴったりと嵌った音がした。
…こんなことなら、先に試しにアラストルを差し込んで遊んでおけばよかった。
黒ひげ危機一発みたいにピュイーン!って像が飛んで行ったかもしれない。
なんて馬鹿なこと考えていないで。
像が口に咥えていた何かが床にぽろりんちょした。
憂鬱なる魂、というものだ。
魂を模して作られているという割りに、そんな感じは一切しない。汚い球だ。
ディーヴァが作る泥団子の方が、よっぽど綺麗に思えるほどだ。
泥団子なんか作ってもらったことないけど。作って欲しいとも思わないけど。
だって、作ってくれたが最後、意外とSっ気のあるディーヴァは無理やり食べさせてきそうじゃないか?超イイ笑顔浮かべてさ。
なんとこわい悪魔だ。いや天使か。
『マスター来る!』
落ちたそれを拾おうと手を伸ばすと、アラストルが警告を発し、ビリビリと背中に電流を流した。
おい蜘蛛の時より電気治療強めだぞびっくりするだろ。
だが腰痛には効きそうだ。腰痛になぞなるのは、ディーヴァくらいだが。
「どこから何が来るって?」
気配はせども姿が見えず。
注意深くあたりの様子を伺うその背後、鏡に映るダンテの動きがおかしくなった。
鏡とは、己の動きそのままが映るもの。それが鏡たる所以。
本体の動きをなぞらないそれは、己ではない。
『…鏡だ!』
ダンテの背にあったアラストルには、その動きの全てが見えていた。
アラストルの鋭い声に、ダンテも訝しげに鏡を見ると、鏡に映る自分が中からゆっくりと出てくるところだった。
ドッペルゲンガーか。
いや。あのスタイル、自分の影から生まれたあの男、『クロ』は。
奴の気配や魔力はこのようなものではない。
今の今まで忘れていたというに、つい思い出してしまったではないか。
クロは今どこにいるのだろうか。あの時ディーヴァの唇を奪った罪は大きい。
…それの報復はあとにとっておこう。
会えない時間が復讐心育てる、ってな。
鏡から出てきた自分が近づいてくる。
ダンテはつい、一歩下がった。
ニヤリ、相手が薄く笑った気がするのを見ていれば、黒い魔力を放出した相手が、艶のある漆黒の鎧を纏う剣士に変貌した。
ダンテの姿とは一転、身長も体の大きさもより強固に、より大男になった相手。
そのナリ、その得物、レディに聞いた悪魔に違いない。
「ふーん。こいつがレディがやられたっていう魔剣士だな?
掃き溜めのゴミにしちゃあ、ガッツありそうだ」
こいつがディーヴァを攫った悪魔。
大事な大事な恋人を攫った悪魔だ、もちろん憎い。
しかし、ほぼ無言、必要以上に喋らないところは良し。
双剣しかり、アラストルしかり、蜘蛛悪魔しかり…ダンテの周りには小煩い悪魔が多すぎなのだ。
これくらい寡黙なほうが、ぅゎっょぃ。って感じがして戦うのも楽しみである。
何も言葉にしない好感の持てる悪魔が、指をぱちんと鳴らす。
封印されていてビクともしなかった窓が開け放たれ、魔の気配を纏う強い風がぶわりと吹き込んできた。
外で殺り合おう、という意味だろう。
来い、とダンテを促し、悪魔は飛び出ていった。
激しい戦いを想像し、口角が上がるのが止まらない。
やはりダンテも悪魔の血が流れる者。
相手への憎さはあるが、それ以上に強い奴と戦いたい戦闘狂だ。
死闘であればあるほど燃える。
ダンテも悪魔に続き、窓の外へと身を躍らせた。
『って、身を躍らせるほどの高さはなかったというね』
「それは言わない約束だ」
シュタッ!
と城壁に囲まれた広場に降り立つダンテ。
ああ、テメンニグルのあの高さが懐かしいものだ。
さて奴はどこへ、と見上げると。
なんと!夕日を背負い、剣を上空に掲げてポーズを取っているではないか!!
「なんだアレめちゃくちゃカッコいいポーズとってやがるじゃねぇか」
オレもやりたい。
「だが、先手必勝…!」
ダンテは真似したい思いをこらえてアラストルを構え、降りてくる悪魔に備えた。
「ハアッ!!」
「ッ!!」
ダンテのすぐそばに着地してきた悪魔。
重量ある鎧があだとなったか、着地音も着地後の隙も大きい。
そこを狙い、ダンテは胴目掛けアラストルを薙いだ。
先手必勝が効いたか、一撃目はよかった。
だが命がけの戦闘においてビギナーズラックなどあり得ない。
二撃目三撃目、と移行しようと大きく振りかぶったのがいけなかった。
一瞬にして体勢を立て直した悪魔の大剣がダンテの胴を、同じ動きで薙いだ。
「ガハッ!?」
アラストルの刀身で防御したが、その力強さの前に、無情にも城壁へと叩きつけられるダンテの体。
「こいつ、やる……なぁっ!?」
見上げれば目の前に青く燃える隕石のような物が迫る。
ダンテは頭を下げてしゃがみ、それを躱した。
その際、髪の毛が数本犠牲になった。やばい、続けばアーカムになる!
相手の放った隕石は流星…メテオとなって壁にめり込み、そして爆発した。
当たったら髪どころか、コートが燃えてしまう。なんと危ない!
悪魔を見れば、左手にまた魔力を集中させているのが目に入る。
青い光が徐々に収束する。
あんなもの、下手に打ち返そうとしたところで、こっちに着弾して爆発するだけだ。
ならば。
「撃たせてやるかよ」
「!!」
相手へと向かったダンテは、脳天や胴を狙い、アラストルを振りさばいた。
放つ寸前だったメテオが霧散する。
ダンテの剣が悪魔に届く寸前、右腕に構えた大剣がダンテの胴を狙った。
そのタイミングは僅差でダンテの方が速い。
このスピードはアラストル装備の能力によるものだ。
間一髪、悪魔の胴に入った一撃。
だが、大したダメージではなかった。
悪魔の鎧はダンテが思うよりもさらに固い。
「固い鎧だな!!」
何より、その絶対的な防御。
どうしても二撃目からは防がれてしまうのだった。
あのバージルみたいな顔をこちらに向けている(ようにダンテには見える)像の胸部分だ。
手に入れたそれを小脇に抱え、ダンテは来た道を戻る。
「デュクシ!!」
『でゅくしいうな』
謎の掛け声とともに、胸へと差し込まれた剣。
確かに鍵だ。鍵と鍵穴のように、ぴったりと嵌った音がした。
…こんなことなら、先に試しにアラストルを差し込んで遊んでおけばよかった。
黒ひげ危機一発みたいにピュイーン!って像が飛んで行ったかもしれない。
なんて馬鹿なこと考えていないで。
像が口に咥えていた何かが床にぽろりんちょした。
憂鬱なる魂、というものだ。
魂を模して作られているという割りに、そんな感じは一切しない。汚い球だ。
ディーヴァが作る泥団子の方が、よっぽど綺麗に思えるほどだ。
泥団子なんか作ってもらったことないけど。作って欲しいとも思わないけど。
だって、作ってくれたが最後、意外とSっ気のあるディーヴァは無理やり食べさせてきそうじゃないか?超イイ笑顔浮かべてさ。
なんとこわい悪魔だ。いや天使か。
『マスター来る!』
落ちたそれを拾おうと手を伸ばすと、アラストルが警告を発し、ビリビリと背中に電流を流した。
おい蜘蛛の時より電気治療強めだぞびっくりするだろ。
だが腰痛には効きそうだ。腰痛になぞなるのは、ディーヴァくらいだが。
「どこから何が来るって?」
気配はせども姿が見えず。
注意深くあたりの様子を伺うその背後、鏡に映るダンテの動きがおかしくなった。
鏡とは、己の動きそのままが映るもの。それが鏡たる所以。
本体の動きをなぞらないそれは、己ではない。
『…鏡だ!』
ダンテの背にあったアラストルには、その動きの全てが見えていた。
アラストルの鋭い声に、ダンテも訝しげに鏡を見ると、鏡に映る自分が中からゆっくりと出てくるところだった。
ドッペルゲンガーか。
いや。あのスタイル、自分の影から生まれたあの男、『クロ』は。
奴の気配や魔力はこのようなものではない。
今の今まで忘れていたというに、つい思い出してしまったではないか。
クロは今どこにいるのだろうか。あの時ディーヴァの唇を奪った罪は大きい。
…それの報復はあとにとっておこう。
会えない時間が復讐心育てる、ってな。
鏡から出てきた自分が近づいてくる。
ダンテはつい、一歩下がった。
ニヤリ、相手が薄く笑った気がするのを見ていれば、黒い魔力を放出した相手が、艶のある漆黒の鎧を纏う剣士に変貌した。
ダンテの姿とは一転、身長も体の大きさもより強固に、より大男になった相手。
そのナリ、その得物、レディに聞いた悪魔に違いない。
「ふーん。こいつがレディがやられたっていう魔剣士だな?
掃き溜めのゴミにしちゃあ、ガッツありそうだ」
こいつがディーヴァを攫った悪魔。
大事な大事な恋人を攫った悪魔だ、もちろん憎い。
しかし、ほぼ無言、必要以上に喋らないところは良し。
双剣しかり、アラストルしかり、蜘蛛悪魔しかり…ダンテの周りには小煩い悪魔が多すぎなのだ。
これくらい寡黙なほうが、ぅゎっょぃ。って感じがして戦うのも楽しみである。
何も言葉にしない好感の持てる悪魔が、指をぱちんと鳴らす。
封印されていてビクともしなかった窓が開け放たれ、魔の気配を纏う強い風がぶわりと吹き込んできた。
外で殺り合おう、という意味だろう。
来い、とダンテを促し、悪魔は飛び出ていった。
激しい戦いを想像し、口角が上がるのが止まらない。
やはりダンテも悪魔の血が流れる者。
相手への憎さはあるが、それ以上に強い奴と戦いたい戦闘狂だ。
死闘であればあるほど燃える。
ダンテも悪魔に続き、窓の外へと身を躍らせた。
『って、身を躍らせるほどの高さはなかったというね』
「それは言わない約束だ」
シュタッ!
と城壁に囲まれた広場に降り立つダンテ。
ああ、テメンニグルのあの高さが懐かしいものだ。
さて奴はどこへ、と見上げると。
なんと!夕日を背負い、剣を上空に掲げてポーズを取っているではないか!!
「なんだアレめちゃくちゃカッコいいポーズとってやがるじゃねぇか」
オレもやりたい。
「だが、先手必勝…!」
ダンテは真似したい思いをこらえてアラストルを構え、降りてくる悪魔に備えた。
「ハアッ!!」
「ッ!!」
ダンテのすぐそばに着地してきた悪魔。
重量ある鎧があだとなったか、着地音も着地後の隙も大きい。
そこを狙い、ダンテは胴目掛けアラストルを薙いだ。
先手必勝が効いたか、一撃目はよかった。
だが命がけの戦闘においてビギナーズラックなどあり得ない。
二撃目三撃目、と移行しようと大きく振りかぶったのがいけなかった。
一瞬にして体勢を立て直した悪魔の大剣がダンテの胴を、同じ動きで薙いだ。
「ガハッ!?」
アラストルの刀身で防御したが、その力強さの前に、無情にも城壁へと叩きつけられるダンテの体。
「こいつ、やる……なぁっ!?」
見上げれば目の前に青く燃える隕石のような物が迫る。
ダンテは頭を下げてしゃがみ、それを躱した。
その際、髪の毛が数本犠牲になった。やばい、続けばアーカムになる!
相手の放った隕石は流星…メテオとなって壁にめり込み、そして爆発した。
当たったら髪どころか、コートが燃えてしまう。なんと危ない!
悪魔を見れば、左手にまた魔力を集中させているのが目に入る。
青い光が徐々に収束する。
あんなもの、下手に打ち返そうとしたところで、こっちに着弾して爆発するだけだ。
ならば。
「撃たせてやるかよ」
「!!」
相手へと向かったダンテは、脳天や胴を狙い、アラストルを振りさばいた。
放つ寸前だったメテオが霧散する。
ダンテの剣が悪魔に届く寸前、右腕に構えた大剣がダンテの胴を狙った。
そのタイミングは僅差でダンテの方が速い。
このスピードはアラストル装備の能力によるものだ。
間一髪、悪魔の胴に入った一撃。
だが、大したダメージではなかった。
悪魔の鎧はダンテが思うよりもさらに固い。
「固い鎧だな!!」
何より、その絶対的な防御。
どうしても二撃目からは防がれてしまうのだった。