mission 4:same sword style ~黒き鎧の魔剣士~
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
バタン。
やっとついた中庭では、噴水から噴き出す水の音がダンテを迎い入れた。
水音がどこか優しくて懐かしく感じる。ちょっとした癒し。
「無駄に疲れた気がするぜ」
悪魔に追われる身の上とはいえ、ダンテは実質上あのように追われるのには慣れていない。
普段はディーヴァというウサギを追い回しているオオカミなのだ。
ため息を吐き出しながら、薄汚れた自身を噴水の上に立って洗い流す。
相変わらず水も滴るイイオトコだ。自画自賛。
「で、この獅子の証ってのを、そこの獅子像にかざすわけか」
言いながらかざしてみせるダンテ。
証はダンテの手を離れ、獅子像を覆う結界が霧散して解かれていく。
悪魔のごとく赤い目が灯る獅子。
頭の中に声が響いてきた。
ここに門番を封ずるなり
魔の力での破壊が門番を解き放つ
『門番なんて悪い予感しかしない』
「どうせ悪魔がわんさか出てくるとかだろ。見渡す限りのマリオネットとか」
それにしても魔の力での破壊とはなんだろうか。
よくわからなかったダンテは、まず試せまず斬れ、というスパーダ一家的家訓でアラストルを叩きつけた。
結界の解かれた獅子像の頭に、簡単に食い込む剣の切っ先。
獅子像は粉々にあっけなく砕け散った。
『なんでも斬ってみるとか、安直すぎやしませんかね!?』
「でも合ってたみたいだぞ」
なるほど!さまざまな仕掛けがあれど、悪魔の考え方はほぼほぼ脳筋!肉体言語というわけだ。
わかりやすくて大変よろしい。
獅子像が壊れた先には黒い影が残る。
赤い瞳をくゆらす影は地に沈み込み、ダンテに攻撃を仕掛けてきた。
「くっ!
先手必勝ってわけかい?」
素早くダンテの頭上をとらえ、跳躍した影ーーシャドウが、漆黒の刃と変わり斬りかかってくる。
サイドロールでかわさなければ、今頃は真っ二つだったかもしれない。
魔力で構成されたその刃、マリオネットの使う刃物よりもよっぽど鋭利で、強そうに見えた。
地に降り立った奴の姿を目で捉える。
実体こそわからない。が、魔力のような霊体のようなものが体表を覆っているような雰囲気が伝わってくる。
また、体表を覆うその影の形が独特だ。
「キシャーーーー!!」
雄叫びもそう。
猫型ロボ…ではなく、猫にしては大きめの、やっぱりどこからどう見ても猫型の悪魔である。
「なんだ猫か」
『マスター、殺されかけといて「なんだ猫か」じゃ済まないっしょ』
「おーヨーチヨチヨチ、猫ちゃんカモーー…、」
顔面を覆う影が槍のように鋭く伸び、ダンテを串刺しにするべく伸びた。
「こンのクソ猛獣…!あっぶねぇな」
『だから言ったやーん』
回転してかわし、槍先を折るべく銃弾を放つダンテ。
その俊敏さゆえか、さすがに槍先という小さな的にあたることはなかった。
…俊敏、そう、動きが俊敏だ。
その俊敏さのせいか、なんとせわしない戦い。
自分が半魔の目を持っていなかったら、目で追うことは難しいだろう。
時折突き刺そうと地から突き上げられる、槍の動きも見きれなかった。
攻撃のその全ては、自分の纏う影そのもの。
「自分の影を変化させて攻撃ねぇ…?」
まるでネヴァンだ。
テメンニグルで出会い、倒し、そしてダンテ率いるデビルハンター御一行様への仲間入りを果たした、某黄門さまでいうお銀役といったところか。
いや違う!お銀役にゃ似合わないけど唯一無二の紅一点はディーヴァだ!ディーヴァったらディーヴァだ!!
話が逸れた。
ネヴァンも影を纏う悪魔だった。蝙蝠型の影で自分の服を作り、本体は全裸。…全裸。
影を物理でゴリゴリ剥がし、顕となった本体(いやーん)を倒すことで、雷を放つギター型鎌の魔具として力を貸すようになった彼女。
「ネヴァンと同じなら、目の前のこいつの影自体にも攻撃はそう効かないだろうな。
つまりだ、その影を引っぺがして本体をぶっ叩けばいいってこったろ?」
向かってきたシャドウの影が再び変形する。
ダンテの体を簡単に噛み千切ってしまいそうな、巨大な大顎だ。
闇が広がる大きな口が迫ってくる。
「ガウッ…!!」
「オルァ……ッ!」
口を開閉する口角めがけ、ダンテは雷を纏わせたアラストルを振りかざした。
ビッーー!!
効いてる、ダンテもアラストルもそう思った。
「ガッ!?」
『ーーなっ!』
剣が相手の影を捉えた瞬間だった。
光る魔力の盾がシャドウを守り、ダンテの剣を受け止めたのだ。
そこへ間髪入れずに、光の針がダンテをハリネズミへと変える。
「いてぇ!刺さったー!!」
『ぷーっ!針治療みたいでウケるー!』
「てめぇあとで絶対折る」
『だってマスター言うほど傷深そうじゃないだろ?』
ムカつく剣だ。だが、いつまでもそうしていられない。
次の攻撃はすでに来ている。
「剣への対処は万全ってか。
カウンターなんぞ身につけてるとは、なかなかやるな…」
怒涛の攻撃から逃げつつ、刺さった針を抜き捨てる。
剣という、昔から存在する武器が効かないなら、近代化の進んだ武器、銃を使えばいい。
幸い、ダンテは凄腕のガンマンでもある。
「剣がだめなら、飛び道具ってね。
オレの鉛玉を喰らいなァ!」
エボニー、アイボリー、そしてショットガン。
連射に次ぐ連射と、高火力の銃弾の前に、シャドウの身を包む影が、風で飛ばされるがごとく剥がれていく。
「ん?なんだあの球体」
世界にはスフィンクスという品種の猫がいる。
体の毛という毛が生えていない猫だ。
影を剥がせばその猫の表皮と同じになる、と踏んでいたが違った。
影が剥がれた先、その中心には黒く光る、謎の球体がぷかりと浮かぶばかり。SFかよ。
『あれはコアだね。
悪魔によっては心臓がわりにああいうコアってのがあるらしい』
「へぇ…つまり弱点ってやつか」
あれを叩けば悪魔狩り終了、ダンテはアラストルを両手に構えた。…バッターの構え方で。
「野球やろうぜお前ボールな!セヤッ!!」
ガキイイイイン!
アラストルの切っ先が、コアを叩く。
コアの尋常じゃない震えで、効いているのがよくわかった。
斬りつけている間も、周りを漂う影が槍攻撃をしかけてくる。全力で守ろうと必死だ。必死すぎてダンテには傷一つ与えられていない。
しかし…。
やっとついた中庭では、噴水から噴き出す水の音がダンテを迎い入れた。
水音がどこか優しくて懐かしく感じる。ちょっとした癒し。
「無駄に疲れた気がするぜ」
悪魔に追われる身の上とはいえ、ダンテは実質上あのように追われるのには慣れていない。
普段はディーヴァというウサギを追い回しているオオカミなのだ。
ため息を吐き出しながら、薄汚れた自身を噴水の上に立って洗い流す。
相変わらず水も滴るイイオトコだ。自画自賛。
「で、この獅子の証ってのを、そこの獅子像にかざすわけか」
言いながらかざしてみせるダンテ。
証はダンテの手を離れ、獅子像を覆う結界が霧散して解かれていく。
悪魔のごとく赤い目が灯る獅子。
頭の中に声が響いてきた。
ここに門番を封ずるなり
魔の力での破壊が門番を解き放つ
『門番なんて悪い予感しかしない』
「どうせ悪魔がわんさか出てくるとかだろ。見渡す限りのマリオネットとか」
それにしても魔の力での破壊とはなんだろうか。
よくわからなかったダンテは、まず試せまず斬れ、というスパーダ一家的家訓でアラストルを叩きつけた。
結界の解かれた獅子像の頭に、簡単に食い込む剣の切っ先。
獅子像は粉々にあっけなく砕け散った。
『なんでも斬ってみるとか、安直すぎやしませんかね!?』
「でも合ってたみたいだぞ」
なるほど!さまざまな仕掛けがあれど、悪魔の考え方はほぼほぼ脳筋!肉体言語というわけだ。
わかりやすくて大変よろしい。
獅子像が壊れた先には黒い影が残る。
赤い瞳をくゆらす影は地に沈み込み、ダンテに攻撃を仕掛けてきた。
「くっ!
先手必勝ってわけかい?」
素早くダンテの頭上をとらえ、跳躍した影ーーシャドウが、漆黒の刃と変わり斬りかかってくる。
サイドロールでかわさなければ、今頃は真っ二つだったかもしれない。
魔力で構成されたその刃、マリオネットの使う刃物よりもよっぽど鋭利で、強そうに見えた。
地に降り立った奴の姿を目で捉える。
実体こそわからない。が、魔力のような霊体のようなものが体表を覆っているような雰囲気が伝わってくる。
また、体表を覆うその影の形が独特だ。
「キシャーーーー!!」
雄叫びもそう。
猫型ロボ…ではなく、猫にしては大きめの、やっぱりどこからどう見ても猫型の悪魔である。
「なんだ猫か」
『マスター、殺されかけといて「なんだ猫か」じゃ済まないっしょ』
「おーヨーチヨチヨチ、猫ちゃんカモーー…、」
顔面を覆う影が槍のように鋭く伸び、ダンテを串刺しにするべく伸びた。
「こンのクソ猛獣…!あっぶねぇな」
『だから言ったやーん』
回転してかわし、槍先を折るべく銃弾を放つダンテ。
その俊敏さゆえか、さすがに槍先という小さな的にあたることはなかった。
…俊敏、そう、動きが俊敏だ。
その俊敏さのせいか、なんとせわしない戦い。
自分が半魔の目を持っていなかったら、目で追うことは難しいだろう。
時折突き刺そうと地から突き上げられる、槍の動きも見きれなかった。
攻撃のその全ては、自分の纏う影そのもの。
「自分の影を変化させて攻撃ねぇ…?」
まるでネヴァンだ。
テメンニグルで出会い、倒し、そしてダンテ率いるデビルハンター御一行様への仲間入りを果たした、某黄門さまでいうお銀役といったところか。
いや違う!お銀役にゃ似合わないけど唯一無二の紅一点はディーヴァだ!ディーヴァったらディーヴァだ!!
話が逸れた。
ネヴァンも影を纏う悪魔だった。蝙蝠型の影で自分の服を作り、本体は全裸。…全裸。
影を物理でゴリゴリ剥がし、顕となった本体(いやーん)を倒すことで、雷を放つギター型鎌の魔具として力を貸すようになった彼女。
「ネヴァンと同じなら、目の前のこいつの影自体にも攻撃はそう効かないだろうな。
つまりだ、その影を引っぺがして本体をぶっ叩けばいいってこったろ?」
向かってきたシャドウの影が再び変形する。
ダンテの体を簡単に噛み千切ってしまいそうな、巨大な大顎だ。
闇が広がる大きな口が迫ってくる。
「ガウッ…!!」
「オルァ……ッ!」
口を開閉する口角めがけ、ダンテは雷を纏わせたアラストルを振りかざした。
ビッーー!!
効いてる、ダンテもアラストルもそう思った。
「ガッ!?」
『ーーなっ!』
剣が相手の影を捉えた瞬間だった。
光る魔力の盾がシャドウを守り、ダンテの剣を受け止めたのだ。
そこへ間髪入れずに、光の針がダンテをハリネズミへと変える。
「いてぇ!刺さったー!!」
『ぷーっ!針治療みたいでウケるー!』
「てめぇあとで絶対折る」
『だってマスター言うほど傷深そうじゃないだろ?』
ムカつく剣だ。だが、いつまでもそうしていられない。
次の攻撃はすでに来ている。
「剣への対処は万全ってか。
カウンターなんぞ身につけてるとは、なかなかやるな…」
怒涛の攻撃から逃げつつ、刺さった針を抜き捨てる。
剣という、昔から存在する武器が効かないなら、近代化の進んだ武器、銃を使えばいい。
幸い、ダンテは凄腕のガンマンでもある。
「剣がだめなら、飛び道具ってね。
オレの鉛玉を喰らいなァ!」
エボニー、アイボリー、そしてショットガン。
連射に次ぐ連射と、高火力の銃弾の前に、シャドウの身を包む影が、風で飛ばされるがごとく剥がれていく。
「ん?なんだあの球体」
世界にはスフィンクスという品種の猫がいる。
体の毛という毛が生えていない猫だ。
影を剥がせばその猫の表皮と同じになる、と踏んでいたが違った。
影が剥がれた先、その中心には黒く光る、謎の球体がぷかりと浮かぶばかり。SFかよ。
『あれはコアだね。
悪魔によっては心臓がわりにああいうコアってのがあるらしい』
「へぇ…つまり弱点ってやつか」
あれを叩けば悪魔狩り終了、ダンテはアラストルを両手に構えた。…バッターの構え方で。
「野球やろうぜお前ボールな!セヤッ!!」
ガキイイイイン!
アラストルの切っ先が、コアを叩く。
コアの尋常じゃない震えで、効いているのがよくわかった。
斬りつけている間も、周りを漂う影が槍攻撃をしかけてくる。全力で守ろうと必死だ。必死すぎてダンテには傷一つ与えられていない。
しかし…。