mission 4:same sword style ~黒き鎧の魔剣士~
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『ついでに其奴を門番として配置してこい』
その命を受けたネロアンジェロの隣には、黒紫の呪いを霧のように身に纏わせやた巨大な猫がいた。
名はシャドウ。影という意味か。
移動するにもネロアンジェロの影の中に入ったり、影の中から黒い槍のように飛び出したりと、激しいやつだ。
激しいやつ…赤を纏う嫌な男も、なかなか激しくてうるさい奴だった、とどこかの記憶にある。誰だキサマは。
目の前のシャドウはうるさくないのでマシ。そういうことにしておこう。
「………」
飛び出す瞬間、シャドウの身を包む霧が搔き消える。
しなやかで艶のある、真っ黒な体毛だ。
訂正。大きさ的にもその姿的にも、猫ではなく黒豹にしか見えない。
「この獅子像で侵入者を待て。奴がここまで辿り着き、資格を得たならば相手をして…殺せ。
お前が失敗した時は、俺が直々に相手して殺すがな」
「ギャオウ〜!」
とはいえ、シンサイズどもに殺されずにいるのならば、そのうち俺のところまでやって来よう。ファントムも乗り越えて、な。
などと考えつつ、シャドウが尻尾を遊ばせて獅子像へ消える様を見守る。
獅子像からぴょこんと顔が覗く。闇の中、キリッとしているようでその実くりくりした、キャットアイが見える。
あ。やっぱり猫かもしれん。
***
ネロアンジェロが大きな猫と戯れていた頃、ダンテは大きな蜘蛛との死闘を終え、大聖堂をあとにしたところだった。
「コートがねちょねちょして気持ち悪いぜ」
『脱げば?』
「オレのトレードマークだぞ脱ぐか馬鹿」
『マスター若い時コートなしバージョンであの塔登れるモードあったの俺知ってるんだかんね!』
「そういうメタい発言禁止。
あ。そんな阿保くさい話ししてるから、せっかく手に入れた獅子の証忘れてきちまったじゃねぇか」
ダンテの手の中には、手に入れたはずの獅子の証がなかった。
もちろんポケットの中にもビスケットの一枚はおろか、コインチョコのようなあの獅子の証一つない。ただしレッドオーブはある。
『バッカでー!』
「折るぞ」
『馬鹿って先に言ったのマスターじゃ「あ゛?」おっとアラストルお口チャックしとくわー』
再び入った大聖堂。…には、子蜘蛛の大群。
壁も床も、見渡す限りの蜘蛛まみれで、なんと気持ち悪い事か。
『うげー。また蜘蛛かよー』
「こいつらあいつのベィビィだろ?顔ソックリだ。
あんなのにまで成長できるのは極一部だろうが、危険な芽は今の内に摘み取っておかなくてはならない」
ぷち。ダンテは数匹まとめて踏み潰した。
悪魔と殺りあうのは嫌いじゃない。
が、あんなデカい蜘蛛が繁殖でもしてみろ。人間界が火の海だ。
何より暑苦しい。
『というわけでsecret missionスタートだね』
「ああ」
ダンテは部屋に蔓延る子蜘蛛の大群を、アラストルの剣風や双子銃の乱射で、すべて屠りあげた。
レッドオーブ美味しいですもぐもぐ。
だが、ベイビィを殺せば、怒るのは親というものだ。
蜘蛛の悪魔という、種族も考え方も人間とは違う生き物とて、モンスターペアレントは存在する。
それをダンテは忘れていた。いや、子供を持つ親ではないダンテには、まだ持ち得ぬ感情だろう。
蜘蛛潰しという小さなストレス解消を終えたダンテは、もう一度廊下へと戻る。
大丈夫、獅子の証は手の内にある。
目指すは噴水のある場所だ、と軽い足取りで進んでいくと…。
ゴゴゴゴゴ。
背後から熱い空気、禍々しい気配。
そして燃え盛る火炎弾。
『マスターあいつ来た!ほい壁ジャーンプ!』
「え?
どわアチッ!」
アラストルのおかげ、間一髪キックジャンプして回避には成功したが、壁にぶち当たった火炎弾が爆発し、その火の粉がダンテの頬に飛んだ。地味に痛い。
攻撃が飛んでくるまでわからなかったが、背後を見ればなるほど。
先ほど相手した馬鹿でかい蜘蛛悪魔が、狭い廊下の中でダンテを追いかけてきていた。
「げ。アイツどっから湧いた」
ほんとそれである。
あの巨体がどこに隠れていたのか。
どこから来たのかが疑問であるが、追ってきているものは追ってきているのだ。深く考えずに逃げるなり相手するなりする他ない。
ザカザカと脚を動かして追いかける様は、まるで王蟲。いや、ゴキブリにも見える。
ディーヴァが嫌がる、あのゴキブリ。ゴキブリならばホイホイの中へどうぞ。蜘蛛もついでにホイホイに捕まってしまえ。
追いかけながら、火炎弾を続けざまに放ってくる蜘蛛。
壁へとジャンプする事でかわせるのだが…ダンテを狙って放っているというよりは、四方八方へとバーサクモードで乱射しているように見える。
「なんか…怒り狂ってるな」
『親だからねぇ…子蜘蛛の仇ーッて、怒ってんじゃない?』
あの部屋で100匹は踏み潰した。
その前だって、何匹もレッドオーブを稼ぐ為と、小さき命を奪った。
あれがすべてこの悪魔の子供だとすれば。そしてダンテの殺戮を舞台裏から見ていたとしたら…?
ダンテとてどうなるかくらい思い浮かぶ。激おこスティックファイ(略)だろうとも。
「あー…否定できないわ」
お察し。と、親蜘蛛の怒りを想像して若干青い顔で前へと走るダンテ。
そんなダンテにアラストルが鋭い声を発した。
『マスターそこだ!噴水がある中庭に入って!』
廊下のちょうど中盤にある扉。
そこは中庭につながり、この状況を打開する為の扉でもある。
が、アラストルがそれを指摘するのは少し遅く、ダンテはすでにその扉の先まで走っていた。
「あほ!もう通り過ぎだところだろが。言うの遅ぇわ」
『そこが目的地なのに、通り過ぎちゃってどうするんだか』
「●ンディジョーンズのテーマソングが頭の中を支配して、それどころじゃなかったからな」
『それ関係ない』
そもそも、ここに来たばかりのダンテに道を覚えておけという方が無理な話だ。
くわえてテメンニグルでもそうだったが、そういう面倒な役をやっていたのは、ディーヴァである。
「通路塞いでるから倒すまで戻れないな。デケェ図体がクソ邪魔だ」
足止めは無理、引き返させるのも無理。
たまに立ち止まるが、巨体の隙間からなんとかして向こう側へ行こうとしようものなら、すかさず爪攻撃が飛んでくる。
また、これだけ火炎弾を放ってこられたのでは、野球のように打ち返すのはおろか、発射阻止する事すらできない。
立ち止まる以外は全部、ダンテを追いながらの火炎弾発射である。
「こうしてても時間ロスだ。軽くいなしてやるか」
ダンテはアラストルを手にとり、華麗にキックジャンプで火炎弾をかわしつつ、相手の頭部へと剣技を叩き込んだ。
その命を受けたネロアンジェロの隣には、黒紫の呪いを霧のように身に纏わせやた巨大な猫がいた。
名はシャドウ。影という意味か。
移動するにもネロアンジェロの影の中に入ったり、影の中から黒い槍のように飛び出したりと、激しいやつだ。
激しいやつ…赤を纏う嫌な男も、なかなか激しくてうるさい奴だった、とどこかの記憶にある。誰だキサマは。
目の前のシャドウはうるさくないのでマシ。そういうことにしておこう。
「………」
飛び出す瞬間、シャドウの身を包む霧が搔き消える。
しなやかで艶のある、真っ黒な体毛だ。
訂正。大きさ的にもその姿的にも、猫ではなく黒豹にしか見えない。
「この獅子像で侵入者を待て。奴がここまで辿り着き、資格を得たならば相手をして…殺せ。
お前が失敗した時は、俺が直々に相手して殺すがな」
「ギャオウ〜!」
とはいえ、シンサイズどもに殺されずにいるのならば、そのうち俺のところまでやって来よう。ファントムも乗り越えて、な。
などと考えつつ、シャドウが尻尾を遊ばせて獅子像へ消える様を見守る。
獅子像からぴょこんと顔が覗く。闇の中、キリッとしているようでその実くりくりした、キャットアイが見える。
あ。やっぱり猫かもしれん。
***
ネロアンジェロが大きな猫と戯れていた頃、ダンテは大きな蜘蛛との死闘を終え、大聖堂をあとにしたところだった。
「コートがねちょねちょして気持ち悪いぜ」
『脱げば?』
「オレのトレードマークだぞ脱ぐか馬鹿」
『マスター若い時コートなしバージョンであの塔登れるモードあったの俺知ってるんだかんね!』
「そういうメタい発言禁止。
あ。そんな阿保くさい話ししてるから、せっかく手に入れた獅子の証忘れてきちまったじゃねぇか」
ダンテの手の中には、手に入れたはずの獅子の証がなかった。
もちろんポケットの中にもビスケットの一枚はおろか、コインチョコのようなあの獅子の証一つない。ただしレッドオーブはある。
『バッカでー!』
「折るぞ」
『馬鹿って先に言ったのマスターじゃ「あ゛?」おっとアラストルお口チャックしとくわー』
再び入った大聖堂。…には、子蜘蛛の大群。
壁も床も、見渡す限りの蜘蛛まみれで、なんと気持ち悪い事か。
『うげー。また蜘蛛かよー』
「こいつらあいつのベィビィだろ?顔ソックリだ。
あんなのにまで成長できるのは極一部だろうが、危険な芽は今の内に摘み取っておかなくてはならない」
ぷち。ダンテは数匹まとめて踏み潰した。
悪魔と殺りあうのは嫌いじゃない。
が、あんなデカい蜘蛛が繁殖でもしてみろ。人間界が火の海だ。
何より暑苦しい。
『というわけでsecret missionスタートだね』
「ああ」
ダンテは部屋に蔓延る子蜘蛛の大群を、アラストルの剣風や双子銃の乱射で、すべて屠りあげた。
レッドオーブ美味しいですもぐもぐ。
だが、ベイビィを殺せば、怒るのは親というものだ。
蜘蛛の悪魔という、種族も考え方も人間とは違う生き物とて、モンスターペアレントは存在する。
それをダンテは忘れていた。いや、子供を持つ親ではないダンテには、まだ持ち得ぬ感情だろう。
蜘蛛潰しという小さなストレス解消を終えたダンテは、もう一度廊下へと戻る。
大丈夫、獅子の証は手の内にある。
目指すは噴水のある場所だ、と軽い足取りで進んでいくと…。
ゴゴゴゴゴ。
背後から熱い空気、禍々しい気配。
そして燃え盛る火炎弾。
『マスターあいつ来た!ほい壁ジャーンプ!』
「え?
どわアチッ!」
アラストルのおかげ、間一髪キックジャンプして回避には成功したが、壁にぶち当たった火炎弾が爆発し、その火の粉がダンテの頬に飛んだ。地味に痛い。
攻撃が飛んでくるまでわからなかったが、背後を見ればなるほど。
先ほど相手した馬鹿でかい蜘蛛悪魔が、狭い廊下の中でダンテを追いかけてきていた。
「げ。アイツどっから湧いた」
ほんとそれである。
あの巨体がどこに隠れていたのか。
どこから来たのかが疑問であるが、追ってきているものは追ってきているのだ。深く考えずに逃げるなり相手するなりする他ない。
ザカザカと脚を動かして追いかける様は、まるで王蟲。いや、ゴキブリにも見える。
ディーヴァが嫌がる、あのゴキブリ。ゴキブリならばホイホイの中へどうぞ。蜘蛛もついでにホイホイに捕まってしまえ。
追いかけながら、火炎弾を続けざまに放ってくる蜘蛛。
壁へとジャンプする事でかわせるのだが…ダンテを狙って放っているというよりは、四方八方へとバーサクモードで乱射しているように見える。
「なんか…怒り狂ってるな」
『親だからねぇ…子蜘蛛の仇ーッて、怒ってんじゃない?』
あの部屋で100匹は踏み潰した。
その前だって、何匹もレッドオーブを稼ぐ為と、小さき命を奪った。
あれがすべてこの悪魔の子供だとすれば。そしてダンテの殺戮を舞台裏から見ていたとしたら…?
ダンテとてどうなるかくらい思い浮かぶ。激おこスティックファイ(略)だろうとも。
「あー…否定できないわ」
お察し。と、親蜘蛛の怒りを想像して若干青い顔で前へと走るダンテ。
そんなダンテにアラストルが鋭い声を発した。
『マスターそこだ!噴水がある中庭に入って!』
廊下のちょうど中盤にある扉。
そこは中庭につながり、この状況を打開する為の扉でもある。
が、アラストルがそれを指摘するのは少し遅く、ダンテはすでにその扉の先まで走っていた。
「あほ!もう通り過ぎだところだろが。言うの遅ぇわ」
『そこが目的地なのに、通り過ぎちゃってどうするんだか』
「●ンディジョーンズのテーマソングが頭の中を支配して、それどころじゃなかったからな」
『それ関係ない』
そもそも、ここに来たばかりのダンテに道を覚えておけという方が無理な話だ。
くわえてテメンニグルでもそうだったが、そういう面倒な役をやっていたのは、ディーヴァである。
「通路塞いでるから倒すまで戻れないな。デケェ図体がクソ邪魔だ」
足止めは無理、引き返させるのも無理。
たまに立ち止まるが、巨体の隙間からなんとかして向こう側へ行こうとしようものなら、すかさず爪攻撃が飛んでくる。
また、これだけ火炎弾を放ってこられたのでは、野球のように打ち返すのはおろか、発射阻止する事すらできない。
立ち止まる以外は全部、ダンテを追いながらの火炎弾発射である。
「こうしてても時間ロスだ。軽くいなしてやるか」
ダンテはアラストルを手にとり、華麗にキックジャンプで火炎弾をかわしつつ、相手の頭部へと剣技を叩き込んだ。