mission end:result ~それから~
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ようやくお金を手にしたあたし達は急いで適当な店に入った。
相変わらず服装がちょっとアレなので、小綺麗な店ではなく、昼間からお酒を出してくれそうな薄暗くて少し埃っぽいお店だ。
あたしとしては、天井で回ったシーリングファンに埃が積っていて、いつそれが落ちてくるか分からないのがすごく気になる。
だが喉の渇きは尋常じゃない。
あたしは、というかあたし達は申し訳程度にレタスが薄く挟まったバーガー、塩気が強いばかりのポテトを出してもらい、ミネラルウォーターをピッチャーごと頼んだ。
一人一本のピッチャーだ。チップは大盤振る舞いしたから文句はないはずだ。
もちろん、異様な格好をしているあたし達は他の客から奇異の目を向けられたけど……特にあたし。
そんな目に晒されながらも回復してきたところで、のんびりとダンテの行動を眺める。
長らくデビルハンターをやっているだけはある。こういった場所での情報収集には長けているらしく、カウンターで一杯ひっかけながら、この街の情報を収集するダンテはとても頼もしく、さまになっていた。
あたしの大好きな人がこんなにかっこいい。
むふふ。あたしったら、惚気る元気がでてきたみたい。
「ここはフロリダの街中。あの浜みたいなところがマイアミビーチってのも、合ってたぜ」
あたし達の席に戻ってきたダンテが、得た情報を聞かせてよこす。
それを元にこれからどうするか、ちゃんと考えないとだ。
「じゃあ、貧富の差が激しい場所もあって一部危険な区域もあるはずだから、みんなお気楽しないでね」
「一番お気楽してるのお前だよディーヴァ」
「ング!?」
「ちょ、ディーヴァ大丈夫!?」
塩気の強いポテトが喉に詰まった。
トリッシュが慌てて自分の分の水をくれたので、それで流し込む。
レモンの浮いたそれは、トリッシュの分だけちょっぴり濃いめで美味しくて、喉に詰まらせたばかりだけどまたポテトを食べた。リスみたいに齧って。あっなんか既視感。じゃ●りこのCMかな?
バージルだけが、あたしのそんな食べ方を凝視していた。
ダンテは喉に詰まらせたあたしをゲラゲラ笑ってた。これくらいじゃ死なないからって、笑いすぎ。
「ま、たしかに、質屋の通りを含めて、ここより奥に行けば治安はあまりいいとは思えないようだ。気をつけねぇとな」
「普段スラム街に居を構えてる人のいうセリフじゃない……。
とりあえず腹ごしらえだね。しっかりご飯食べないと」
「今食べただろ」
「足りると思う?」
「思わない」
この店のものは、お世辞にもちゃんとした食事だとは言えなかった。
レタスもしなしなしたのが一枚、パテも薄くてソースもケチャップとマスタードがちょびっと。そんなのハンバーガーとは言いたくなかった。せめてピクルスをくだ!!さい!?
時間がない日の朝ごはんじゃあるまいし、これでは食べた気がしないではないか。
とはいえ、食事をメインにする店ではなさそうだから、仕方ないが。
何より、人間の食事はこんなものしかないのだと、バージルとトリッシュに思われたくなかった。
帰ったらたくさん料理を振る舞う予定はあるけれど、どうせここにいるならここでしか食べられないもの。地のものを食べて欲しいし自分も食べたい。
最後のが一番強い理由なのはご愛嬌。
「食事はともかく、帰る方法はあるのか?元々いた場所はわかるのか?」
「帰る方法はもちろんあるし、フロリダのどこってとこまでわかっていれば、どんなに遠くとも自分の住んでる州には帰れるよ」
「ならいいが……」
ポテトをもそもそと食しながら、帰還方法について質問して来るバージル。
あたしの食べ方を真似するために凝視してたわけね。リスのようにポテトを食べるバージル……なんだか可愛いと思ってしまった。
「んー、長距離走ってくれるスーパーシャトル予約しよっかな。乗っちゃえば、それこそ寝てる間におうちにつくし」
「だな」
店を出てすぐ見つけたダイヤル式の黒い公衆電話を囲み、早速予約の電話を入れる。ラッキーなことに今日の夕方には大きな駅の場所から出発されるとの事だった。
一息ついたところで思いだすのは、残してきた友の事。
「……、あとレディに連絡、だね。
いきなりあたしが連れ去られたんだもの、心配してるはず。無事だよー!って早く言わなくっちゃ」
「ああ、それはもう……。ネロアンジェロ……バージルから受けた傷についても自宅療養に切り替わってるだろうから連絡するよか、家に行ってやれ」
「そうだね、うん。そうする」
連絡で声を聞かせるよりも、会ってお話ししたい。
積もる話もあることだし。
「アンタも記憶がなかったんだとしても、謝りに行けよ?」
「…………、わかった……」
あの時レディに危害を加えたのはネロアンジェロと化したバージルだ。
彼は今、申し訳なく思っている。その時の自分に傷つける意思がなかったとしてもだ。
それだけでも、人としてバージルは前に進んできている。
あたしはその変化がとても嬉しい。
レディに会うときは、バージルと一緒に行こう!そう決めた。
ダンテはエンツォさんにも連絡を入れたかったらしいけれど、ダンテは電話番号を空で言えなかった。なんなら、自分の事務所の番号も覚えていなかったくらい。
え、いつも依頼先からの電話はどうしてたんだろう。不思議だ。
となると、残りはあたしの仕事先への連絡だ。
聞きたいような聞きたくないような。場合によっては無断欠勤扱いで、クビまっしぐら。もうひとつ、聞きたくない場合だった時は……。
「それならお前がいなくなってから、一応断りを入れておいたぜ。あの時はオレもかなり取り乱してたからな。行方不明だってのはバレてる。
あの様子じゃただの行方不明じゃなく、誘拐されたってのもバレている可能性は高い……すまねぇ」
あっもう一つの場合のほうだった。
想像して胃に穴が空きそう!美味しく食事をとるために、胃に穴なんて絶対空けさせないけどね!
「レディ同様すげぇ心配してるから、傷があらかたふさがって体の調子が戻ってから行ってやれ。下手に怪我したまま行くと余計心配かける。
ここまで来るとそっちも、電話より直に言った方が安心させられるだろうからな……」
「うん……そうするよ……」
いろんな人に迷惑をかけてしまった。
悪魔の存在を秘匿してる分、レディよりも説明も大変そうだ。
遠く広がるマイアミの海を眩しがりながら、あたしはやってくるその時を思った。
「海、かあ。
ねえダンテ。レディ、海はトラウマになってないかなあ?」
「さあな。アイツなら大丈夫だろ。
行きたいならまた行ってこい。次はお前から誘えばいいさ」
「うん!」
今度こそ朗らかに笑えた。
相変わらず服装がちょっとアレなので、小綺麗な店ではなく、昼間からお酒を出してくれそうな薄暗くて少し埃っぽいお店だ。
あたしとしては、天井で回ったシーリングファンに埃が積っていて、いつそれが落ちてくるか分からないのがすごく気になる。
だが喉の渇きは尋常じゃない。
あたしは、というかあたし達は申し訳程度にレタスが薄く挟まったバーガー、塩気が強いばかりのポテトを出してもらい、ミネラルウォーターをピッチャーごと頼んだ。
一人一本のピッチャーだ。チップは大盤振る舞いしたから文句はないはずだ。
もちろん、異様な格好をしているあたし達は他の客から奇異の目を向けられたけど……特にあたし。
そんな目に晒されながらも回復してきたところで、のんびりとダンテの行動を眺める。
長らくデビルハンターをやっているだけはある。こういった場所での情報収集には長けているらしく、カウンターで一杯ひっかけながら、この街の情報を収集するダンテはとても頼もしく、さまになっていた。
あたしの大好きな人がこんなにかっこいい。
むふふ。あたしったら、惚気る元気がでてきたみたい。
「ここはフロリダの街中。あの浜みたいなところがマイアミビーチってのも、合ってたぜ」
あたし達の席に戻ってきたダンテが、得た情報を聞かせてよこす。
それを元にこれからどうするか、ちゃんと考えないとだ。
「じゃあ、貧富の差が激しい場所もあって一部危険な区域もあるはずだから、みんなお気楽しないでね」
「一番お気楽してるのお前だよディーヴァ」
「ング!?」
「ちょ、ディーヴァ大丈夫!?」
塩気の強いポテトが喉に詰まった。
トリッシュが慌てて自分の分の水をくれたので、それで流し込む。
レモンの浮いたそれは、トリッシュの分だけちょっぴり濃いめで美味しくて、喉に詰まらせたばかりだけどまたポテトを食べた。リスみたいに齧って。あっなんか既視感。じゃ●りこのCMかな?
バージルだけが、あたしのそんな食べ方を凝視していた。
ダンテは喉に詰まらせたあたしをゲラゲラ笑ってた。これくらいじゃ死なないからって、笑いすぎ。
「ま、たしかに、質屋の通りを含めて、ここより奥に行けば治安はあまりいいとは思えないようだ。気をつけねぇとな」
「普段スラム街に居を構えてる人のいうセリフじゃない……。
とりあえず腹ごしらえだね。しっかりご飯食べないと」
「今食べただろ」
「足りると思う?」
「思わない」
この店のものは、お世辞にもちゃんとした食事だとは言えなかった。
レタスもしなしなしたのが一枚、パテも薄くてソースもケチャップとマスタードがちょびっと。そんなのハンバーガーとは言いたくなかった。せめてピクルスをくだ!!さい!?
時間がない日の朝ごはんじゃあるまいし、これでは食べた気がしないではないか。
とはいえ、食事をメインにする店ではなさそうだから、仕方ないが。
何より、人間の食事はこんなものしかないのだと、バージルとトリッシュに思われたくなかった。
帰ったらたくさん料理を振る舞う予定はあるけれど、どうせここにいるならここでしか食べられないもの。地のものを食べて欲しいし自分も食べたい。
最後のが一番強い理由なのはご愛嬌。
「食事はともかく、帰る方法はあるのか?元々いた場所はわかるのか?」
「帰る方法はもちろんあるし、フロリダのどこってとこまでわかっていれば、どんなに遠くとも自分の住んでる州には帰れるよ」
「ならいいが……」
ポテトをもそもそと食しながら、帰還方法について質問して来るバージル。
あたしの食べ方を真似するために凝視してたわけね。リスのようにポテトを食べるバージル……なんだか可愛いと思ってしまった。
「んー、長距離走ってくれるスーパーシャトル予約しよっかな。乗っちゃえば、それこそ寝てる間におうちにつくし」
「だな」
店を出てすぐ見つけたダイヤル式の黒い公衆電話を囲み、早速予約の電話を入れる。ラッキーなことに今日の夕方には大きな駅の場所から出発されるとの事だった。
一息ついたところで思いだすのは、残してきた友の事。
「……、あとレディに連絡、だね。
いきなりあたしが連れ去られたんだもの、心配してるはず。無事だよー!って早く言わなくっちゃ」
「ああ、それはもう……。ネロアンジェロ……バージルから受けた傷についても自宅療養に切り替わってるだろうから連絡するよか、家に行ってやれ」
「そうだね、うん。そうする」
連絡で声を聞かせるよりも、会ってお話ししたい。
積もる話もあることだし。
「アンタも記憶がなかったんだとしても、謝りに行けよ?」
「…………、わかった……」
あの時レディに危害を加えたのはネロアンジェロと化したバージルだ。
彼は今、申し訳なく思っている。その時の自分に傷つける意思がなかったとしてもだ。
それだけでも、人としてバージルは前に進んできている。
あたしはその変化がとても嬉しい。
レディに会うときは、バージルと一緒に行こう!そう決めた。
ダンテはエンツォさんにも連絡を入れたかったらしいけれど、ダンテは電話番号を空で言えなかった。なんなら、自分の事務所の番号も覚えていなかったくらい。
え、いつも依頼先からの電話はどうしてたんだろう。不思議だ。
となると、残りはあたしの仕事先への連絡だ。
聞きたいような聞きたくないような。場合によっては無断欠勤扱いで、クビまっしぐら。もうひとつ、聞きたくない場合だった時は……。
「それならお前がいなくなってから、一応断りを入れておいたぜ。あの時はオレもかなり取り乱してたからな。行方不明だってのはバレてる。
あの様子じゃただの行方不明じゃなく、誘拐されたってのもバレている可能性は高い……すまねぇ」
あっもう一つの場合のほうだった。
想像して胃に穴が空きそう!美味しく食事をとるために、胃に穴なんて絶対空けさせないけどね!
「レディ同様すげぇ心配してるから、傷があらかたふさがって体の調子が戻ってから行ってやれ。下手に怪我したまま行くと余計心配かける。
ここまで来るとそっちも、電話より直に言った方が安心させられるだろうからな……」
「うん……そうするよ……」
いろんな人に迷惑をかけてしまった。
悪魔の存在を秘匿してる分、レディよりも説明も大変そうだ。
遠く広がるマイアミの海を眩しがりながら、あたしはやってくるその時を思った。
「海、かあ。
ねえダンテ。レディ、海はトラウマになってないかなあ?」
「さあな。アイツなら大丈夫だろ。
行きたいならまた行ってこい。次はお前から誘えばいいさ」
「うん!」
今度こそ朗らかに笑えた。
