mission end:result ~それから~
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「エンジンの音がおかしい」
順調に陸へと向かっていた複葉機の調子が悪くなったと、ダンテが漏らした。
静かにして聞いてみれば、なるほど、プスプスと嫌な音を立てている。
整備を担当したバージルにあたしとトリッシュの目が集まった。
「……言っておく。俺の整備に不備はない」
「それはわかってる。エンジンの音が変だとはいえ、整備の問題じゃない」
唯一疑いの目を向けていないダンテが、前方を見据えたまま話した。操縦桿を持っているのだから、前を見据えたままなのは当然か。
「ならなんだ」
「ガス欠だ」
ここで初めて、ダンテがこっちを向いた。
言い終えてにっ!と笑う。
いやだから操縦者!前方不注意はやめて……。
まあ、ダンテだから少しくらい目を離しても平気なんだろうけどさ。目になるトリッシュやバージルもいるし。
良い子のみんなは真似しちゃダメだよ。
って……!
「ガス欠……つまり燃料切れ?」
「うーむ。このままだとあとちょいで海に落ちることになるぜ」
どこか他人事のようにいうダンテは、海に墜落なんて大したことないと思っているようだった。
うん、悪魔と戦うよりは大したことな……大したことあるよ!?
「なあバージル、燃料はどのくらい入れたんだ?」
「あるだけ入れたに決まっておろう?ただし古いがな」
他にないから使うしかなかったとはいえ、古いオイルを使ったから、消費が早く、こうして早々に燃料切れに陥ったようだ。
ワインなどのお酒ならウン年物って感じで、古ければ古いだけいい。熟成されて価値も上がる。でも燃料オイルはそうもいかないもんね。
「ここどこだかわかってる?地図はないの?」
「地図はないな」
よく操縦席に備えられている地図だ。だがこの複葉機はそもそもが脱出用でもなんでもない展示物に近い物だったようで、次の陸地までの海上の地図はおろか、マレット島の地図すらなかった。
あたしとトリッシュの目が再びバージルに集まった。今度はダンテの目もだ。
「なぜ俺を見る。俺が知ってると思うか?」
「物知りなバージルなら知っているかと思っただけだ」
「だが知らん」
繰り出す斬撃のようにすっぱり一太刀。
「なら頼みの綱はオレをマレット島に連れてきたトリッシュだ。ここはどこらへんだ?」
「悪魔が地図を読めるとでも?
大体船で来たじゃない。あの船は魔の力でマレット島に勝手に向かう物よ。
だかり貴方の記憶力にかかってる。ダンテ貴方は覚えてないの?」
「悪魔襲来にそなえて船でしばらく寝てたの知ってるよな?方向なんてトリッシュ以上にわからねぇぞ」
あたしがネロアンジェロ……バージルに拐われた時も、魔帝の力によりほぼ一瞬でマレット島。
トリッシュも魔帝頼りだったことが発覚。
ダンテは寝ていた。
つまり、誰も覚えてない。
「「「「…………」」」」
全員絶句して無言。
先に口を開いたのはバージルだった。
「じゃあ今はどこに向かっていた!?」
「なんとなくこっちか!って方向へ向かってるに決まってるだろ」
信じてついて来てたのに、まさかの当てずっぽうだった!!
「はァーーー!?なんとなく!?陸地に向かってたんじゃないの!?
お得意の野生の勘ってやつ!?それはそれは信用できますわねあーすごいすごい!ダンテの野生児ぃ!!」
「は!?こちとら野生児じゃなくて半分悪魔だわ!何言ってんだ天使のディーヴァちゃんよぉ!?
こういう時こそ天使の勘っての余すところなく発揮してくれてもいいんだぜ?」
「こんなだだっ広い大海原で?さすがに土地勘なさすぎて無ー理ー!あたしの中の天使もお手上げでふて寝よ!ふて寝!!」
あたしとダンテが口論……に近い言い合いをしたのを聞いて、トリッシュとバージルが苦笑したのを感じる。
「似たもの同士……言い回しや言葉がそっくりね」
「ディーヴァはダンテと共にいた期間が長いようだからな。ダンテの性格が多少なりとも移ったに違いない」
こういう言い合いはいつものことだから、気にしなくていいけど、バージル、正解。
あたしの性格は本来、もっとお淑やかでおとなしいものだった。……はず!
ダンテと一緒に過ごすことで、荒波に揉まれて性格が変わって行ったのよ。環境は人の性格を容易に変える。
え、人のせいにするなって?
「はあ……一番近い島に行くのがよかろう。
トリッシュ、お前の悪魔の目で見てくれ。完全な悪魔であるお前の目が一番優れていよう」
トリッシュは目に魔力をこめる。煌めいた瞳の瞳孔が細まり、遠くまでを見通している。
「んー……点、のようだけど海以外の何かが、遥か遠〜くに見えるわね。
方向はもう少し左寄りよ」
言われたダンテが、すぐに左に操縦桿を傾ける。
ある程度左へと機体が向いたところで、進行方向は決まった。
「方向はともかく、どっちにしろこの複葉機はもう持たねぇ……限界までは飛ぶが、海水に動体着水するぞ。備えておけよ」
さっと青くなるあたし。声を出すのはダンテの魔具に先を越された。
『嘘でしょ俺錆びるぅ!やだやだー!』
『俺も錆びる上に、炎が消えてしまう……。だが死ぬわけではない。我慢だ、アラストル』
『イフリートは潔すぎない!?どこの武士!』
魔具も潮水で錆びるのかどうかは知らないけれど、金属な以上、潮水は怖いのだろう。
ギャーギャーと騒いでいた。
ダンテの一括で黙っていたが。
「こわい……落ちた時の打ちどころ悪かったら死んじゃうやつじゃん……。
自慢じゃないけどあたしが一番弱いのに」
どのような落ち方をするかどうかわからないけれど、水に打ち付けられる衝撃はコンクリートに打ち付けられるほど強いことがあると聞く。絶対痛い。
「大丈夫だ、俺がついている。俺に掴まっておけ。俺もディーヴァを決して離さない。見捨てない」
「ええ、バージルだけで不安なら私もついてるわ」
「オレももちろんついてるぜ。
本当はオレがディーヴァの隣で一番に守りたいが……今は操縦が優先だ。バージルに任せる。
ディーヴァを守ってやってほしい。頼む」
「フン、お前に頼まれなくとも守る。命に変えてもな」
マナーモードになるあたしの体をさすり、バージルが優しい声音で言い聞かせてくれた。
ついでトリッシュ、ダンテと続く。
みんなその辺の人間以上に優しいいい……。
体はともかく、心は悪魔なんかじゃない。敬愛すべき、人間だ。
順調に陸へと向かっていた複葉機の調子が悪くなったと、ダンテが漏らした。
静かにして聞いてみれば、なるほど、プスプスと嫌な音を立てている。
整備を担当したバージルにあたしとトリッシュの目が集まった。
「……言っておく。俺の整備に不備はない」
「それはわかってる。エンジンの音が変だとはいえ、整備の問題じゃない」
唯一疑いの目を向けていないダンテが、前方を見据えたまま話した。操縦桿を持っているのだから、前を見据えたままなのは当然か。
「ならなんだ」
「ガス欠だ」
ここで初めて、ダンテがこっちを向いた。
言い終えてにっ!と笑う。
いやだから操縦者!前方不注意はやめて……。
まあ、ダンテだから少しくらい目を離しても平気なんだろうけどさ。目になるトリッシュやバージルもいるし。
良い子のみんなは真似しちゃダメだよ。
って……!
「ガス欠……つまり燃料切れ?」
「うーむ。このままだとあとちょいで海に落ちることになるぜ」
どこか他人事のようにいうダンテは、海に墜落なんて大したことないと思っているようだった。
うん、悪魔と戦うよりは大したことな……大したことあるよ!?
「なあバージル、燃料はどのくらい入れたんだ?」
「あるだけ入れたに決まっておろう?ただし古いがな」
他にないから使うしかなかったとはいえ、古いオイルを使ったから、消費が早く、こうして早々に燃料切れに陥ったようだ。
ワインなどのお酒ならウン年物って感じで、古ければ古いだけいい。熟成されて価値も上がる。でも燃料オイルはそうもいかないもんね。
「ここどこだかわかってる?地図はないの?」
「地図はないな」
よく操縦席に備えられている地図だ。だがこの複葉機はそもそもが脱出用でもなんでもない展示物に近い物だったようで、次の陸地までの海上の地図はおろか、マレット島の地図すらなかった。
あたしとトリッシュの目が再びバージルに集まった。今度はダンテの目もだ。
「なぜ俺を見る。俺が知ってると思うか?」
「物知りなバージルなら知っているかと思っただけだ」
「だが知らん」
繰り出す斬撃のようにすっぱり一太刀。
「なら頼みの綱はオレをマレット島に連れてきたトリッシュだ。ここはどこらへんだ?」
「悪魔が地図を読めるとでも?
大体船で来たじゃない。あの船は魔の力でマレット島に勝手に向かう物よ。
だかり貴方の記憶力にかかってる。ダンテ貴方は覚えてないの?」
「悪魔襲来にそなえて船でしばらく寝てたの知ってるよな?方向なんてトリッシュ以上にわからねぇぞ」
あたしがネロアンジェロ……バージルに拐われた時も、魔帝の力によりほぼ一瞬でマレット島。
トリッシュも魔帝頼りだったことが発覚。
ダンテは寝ていた。
つまり、誰も覚えてない。
「「「「…………」」」」
全員絶句して無言。
先に口を開いたのはバージルだった。
「じゃあ今はどこに向かっていた!?」
「なんとなくこっちか!って方向へ向かってるに決まってるだろ」
信じてついて来てたのに、まさかの当てずっぽうだった!!
「はァーーー!?なんとなく!?陸地に向かってたんじゃないの!?
お得意の野生の勘ってやつ!?それはそれは信用できますわねあーすごいすごい!ダンテの野生児ぃ!!」
「は!?こちとら野生児じゃなくて半分悪魔だわ!何言ってんだ天使のディーヴァちゃんよぉ!?
こういう時こそ天使の勘っての余すところなく発揮してくれてもいいんだぜ?」
「こんなだだっ広い大海原で?さすがに土地勘なさすぎて無ー理ー!あたしの中の天使もお手上げでふて寝よ!ふて寝!!」
あたしとダンテが口論……に近い言い合いをしたのを聞いて、トリッシュとバージルが苦笑したのを感じる。
「似たもの同士……言い回しや言葉がそっくりね」
「ディーヴァはダンテと共にいた期間が長いようだからな。ダンテの性格が多少なりとも移ったに違いない」
こういう言い合いはいつものことだから、気にしなくていいけど、バージル、正解。
あたしの性格は本来、もっとお淑やかでおとなしいものだった。……はず!
ダンテと一緒に過ごすことで、荒波に揉まれて性格が変わって行ったのよ。環境は人の性格を容易に変える。
え、人のせいにするなって?
「はあ……一番近い島に行くのがよかろう。
トリッシュ、お前の悪魔の目で見てくれ。完全な悪魔であるお前の目が一番優れていよう」
トリッシュは目に魔力をこめる。煌めいた瞳の瞳孔が細まり、遠くまでを見通している。
「んー……点、のようだけど海以外の何かが、遥か遠〜くに見えるわね。
方向はもう少し左寄りよ」
言われたダンテが、すぐに左に操縦桿を傾ける。
ある程度左へと機体が向いたところで、進行方向は決まった。
「方向はともかく、どっちにしろこの複葉機はもう持たねぇ……限界までは飛ぶが、海水に動体着水するぞ。備えておけよ」
さっと青くなるあたし。声を出すのはダンテの魔具に先を越された。
『嘘でしょ俺錆びるぅ!やだやだー!』
『俺も錆びる上に、炎が消えてしまう……。だが死ぬわけではない。我慢だ、アラストル』
『イフリートは潔すぎない!?どこの武士!』
魔具も潮水で錆びるのかどうかは知らないけれど、金属な以上、潮水は怖いのだろう。
ギャーギャーと騒いでいた。
ダンテの一括で黙っていたが。
「こわい……落ちた時の打ちどころ悪かったら死んじゃうやつじゃん……。
自慢じゃないけどあたしが一番弱いのに」
どのような落ち方をするかどうかわからないけれど、水に打ち付けられる衝撃はコンクリートに打ち付けられるほど強いことがあると聞く。絶対痛い。
「大丈夫だ、俺がついている。俺に掴まっておけ。俺もディーヴァを決して離さない。見捨てない」
「ええ、バージルだけで不安なら私もついてるわ」
「オレももちろんついてるぜ。
本当はオレがディーヴァの隣で一番に守りたいが……今は操縦が優先だ。バージルに任せる。
ディーヴァを守ってやってほしい。頼む」
「フン、お前に頼まれなくとも守る。命に変えてもな」
マナーモードになるあたしの体をさすり、バージルが優しい声音で言い聞かせてくれた。
ついでトリッシュ、ダンテと続く。
みんなその辺の人間以上に優しいいい……。
体はともかく、心は悪魔なんかじゃない。敬愛すべき、人間だ。
