mission 2:lightning sword ~新たなるオトモ~
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足元で、水が大きく跳ね飛んだ。
着地の衝撃は軽いものだったが、足元には水が数センチたまっていたようだ。
「さっきと比べると随分暗いな」
位置的に書庫の奥。
書庫奥を塞いでいた木が、ここに根を張っているのが何よりの証拠だ。
「怪しい匂いがプンプン、じゃなくて水のある匂いだったか」
こういう場所の水にしては、それほど汚くないのは、今もなお成長を続けているらしい大木のおかげのようだ。
次の進路や謎解きはどこだ、と周りを見ると、壁に強く光を放つ杖がかかっているのが目に入った。
「お、フラッシュ焚いてやがる杖発見」
『裁きの宝杖。俺がいたところにはめるやつ』
「ああ。それっぽい骨の手のレリーフもついてるしそうなんだろう。
全く、お使いゲームもそろそろ終わりにしてほしいぜ」
だかそのお使いゲームはまだまだまだまだ続くのである。
杖をむんずと掴み、骸骨の腕ごと捥ぎ取るダンテ。
「おお、取ったら出口も空いたな。変わった構造だ」
そこから出れば、確かに場所は書庫。
あとはこの杖をはめてしまえば、次の場所への道が拓けるだろう。
書庫にはとくに用事もないことだし、と先を急ぐべく扉に手をかけるダンテ。
…と、どこからか高笑いが聞こえてきた。
心身が底冷えするような、薄ら寒いまでの甲高い気味が悪い高笑い。
上の階の絵が黒く盛り上がるのが階下から見える。
床の一部からも、黒い影が盛り上がる。
その黒い影は死神のような姿となって、ダンテの前にあらわとなった。
「やっぱり絵から悪魔が出てくるんじゃねぇか。今頃来るなんて大遅刻もいいとこだぜ?
ヘルバンガードの兄貴よォ!」
その姿、形。
テメンニグルで散々相手した、雑魚悪魔の総統たるヘルバンガードと似ていた。
黒いローブを纏う、恐ろしい死神そのものだ。
死神が先か、この悪魔が先か。
この悪魔を前にして死にゆく人間達から見れば、どちらも変わりないだろう。
「って、ヘルバンガードじゃねぇなこいつ。新手か」
高速で近づいてきた悪魔の顔を、至近距離でマジマジと見てしまった。
『シンシザーズって悪魔だぜ』
「シンシザーズ?ほう、シザーマンの親戚ってわけね」
『ちょっと違うような…でもそんなとこ』
よく観察してみれば、ヘルバンガードのような恐ろしい形相の顔とは違う。
どこかのっぺりとした仮面がはまっていた。
これはこれで怖い。
高笑い自体も、こちらの方が一オクターブくらい高い気がする。
どっちが好きか?どっちも嫌いだよバカ。
シザーズ、と名前がつくだけあり、身の丈ほどもある鉄製の巨大鋏を手に振り回して突進してくる悪魔。
だが、どんなに鋏を振り回したところで、ダンテには紙一重で当たらず空振り。
反対にアラストルの刀身で鋏を弾かれておわりだ。
「てめぇらはプカプカ漂ってハサミ振り回すだけか?オレを殺したいってんなら、もっとよく狙えよハサミ野郎」
ガラ空きな胴体へアラストルを一閃させる。
スカッ!
だが、ダンテの攻撃も空振りで終わった。
「その黒い外套は攻撃しても意味ないのか。なら叩くべきはそのハサミか、顔に付けてる仮面。違うか?」
肯定することもなく、悪魔が移動して壁の中へ逃げていく。
悪魔どもの穢れきった気配と、冷たい殺気は消えていないので、戦闘する気はあるようだ。
「へぇ、壁を通り抜けるとかはできるってわけかい。
だがヘルバンガードみたいに瞬間移動してくるわけでもなし、攻撃も戦闘センスもまだまだヌルい悪魔だ」
鋏の切っ尖が壁からダンテへと突進してきた。
そうくると踏んでいたダンテが横に避け、アラストルを使ってすれ違いざまに悪魔の手元から鋏を下に落とす。
落ちたそれを悪魔が拾うその前に、ダンテが手に取ろうとするが、その手は持ち主の魔力の前に弾かれる。
弾かれた直後に持ち主の元へ帰った鋏がダンテの首を狙った。
とっさにサイドロールでかわさなければ、今ごろは首と胴体が永遠にわかれていた。
「っと、あぶねー。武器のハサミはオレに扱えないのか」
悪魔の手元と鋏がぴったり合致する様子を見るに、その鋏自体も悪魔の魔力で構成されている可能性が高い。
「ってことは仮面が本体だな」
素晴らしい読みで悪魔の弱点を見抜いたダンテは、今度こそ悪魔を屠るべくアラストルの柄を握りしめた。
素早くダンテを斬りつけんとする悪魔のマウントを取り、仮面に向かって兜割を繰り出す。
体重をかけて振り下ろす攻撃の前に、いとも簡単に仮面が割れ、悪魔の絶叫が響き渡る。
鋏はどこかへと投げ出し、纏っていた黒いローブは空気中に霧散していった。
「あっけねぇ。ちったぁ楽しませてくれると思ったが。
テメンニグルのヘルバンガードに弟子入りでもしてくるんだな」
『さっきから言ってるヘルバンガードってそんなに強いの?』
「今のよりは強い。あの頃はオレも若輩者だったから手こずっただけかもしれないが」
サクッ!
「いて」
悪魔が投げ出した鋏が戻ってきて脳天に刺さった。
鋏が生えた人間、という現代アートの完成である。
「ふふふ、置き土産が一番脅威とはな。最期の悪あがきってやつか」
『脳天直撃、セガ●ターン?』
「そのCMネタは古い。最近の若い奴で知ってるのはいないんじゃないか。
管理人の歳がバレるから言うのやめとけよ」
発言や書いてる内容でだいたいバレてると思われる。青い鳥のつぶやき覗けば一発でわかるが。
頭上の鋏も、ついでに傷も消えたところで、ダンテを閉じこめんとしていた扉の封印も消える。
悪魔との戦闘は楽しいが、こちとら忙しい身。
若干のストレスを感じながら、ダンテは外へ身を踊らせた。
ぷち、足を一歩外に出したら、なんか踏んだ。
足元を見ると、大量の蜘蛛。
「ウォア、なんだこの蜘蛛。
悪魔…なんだろうが、まったく向かってこないな。毒蜘蛛でもなさそうだ」
一匹つまみあげてみても、ジタバタもがくばかりで噛みつきもしない。
『つか、逃げてんじゃん』
毒蜘蛛というより炎蜘蛛のベィビィであるがそれは置いておいて。
攻撃を仕掛けるどころかダンテから逃げ惑うだけであり、レッドオーブ稼ぎのためにダンテの前に姿をあらわしてしまう哀れな子羊たち、それがこの小さな悪魔だ。
足で踏み潰しても実体が小さい悪魔なため、ほとんど足裏に汚れは付かず、残るのは赤い宝石キラキラ。
ここぞとばかりに、気泡緩衝材を潰すノリで踏みつけるダンテ。
「おほ!プチプチみたいでおもしれぇ。ストレス発散だぜ」
『わあひどい。こんな小さな悪魔になんて仕打ち。鬼だ悪魔だ』
「半分悪魔なの知ってるだろが」
すべての蜘蛛が赤い宝石に変わったところで、ダンテは隠し扉に向き直る。
手に入れてきた宝杖を、あるべき場所へと嵌め込むと、扉はひとりでに開いてゆく。
ひかりが漏れるその向こうは大聖堂が広がる。
はてさて、この先に待ちうけるのは、いったいどんな困難なのだろうか。
兎にも角にもはやくディーヴァに会いたい。
●あとがき
このノリ、このボケとツッコミ。ダンテは不本意かもしれないが、とてもいいコンビである。
そしてせっかく手に入れたのになかなか使われないアラストルェ……。
着地の衝撃は軽いものだったが、足元には水が数センチたまっていたようだ。
「さっきと比べると随分暗いな」
位置的に書庫の奥。
書庫奥を塞いでいた木が、ここに根を張っているのが何よりの証拠だ。
「怪しい匂いがプンプン、じゃなくて水のある匂いだったか」
こういう場所の水にしては、それほど汚くないのは、今もなお成長を続けているらしい大木のおかげのようだ。
次の進路や謎解きはどこだ、と周りを見ると、壁に強く光を放つ杖がかかっているのが目に入った。
「お、フラッシュ焚いてやがる杖発見」
『裁きの宝杖。俺がいたところにはめるやつ』
「ああ。それっぽい骨の手のレリーフもついてるしそうなんだろう。
全く、お使いゲームもそろそろ終わりにしてほしいぜ」
だかそのお使いゲームはまだまだまだまだ続くのである。
杖をむんずと掴み、骸骨の腕ごと捥ぎ取るダンテ。
「おお、取ったら出口も空いたな。変わった構造だ」
そこから出れば、確かに場所は書庫。
あとはこの杖をはめてしまえば、次の場所への道が拓けるだろう。
書庫にはとくに用事もないことだし、と先を急ぐべく扉に手をかけるダンテ。
…と、どこからか高笑いが聞こえてきた。
心身が底冷えするような、薄ら寒いまでの甲高い気味が悪い高笑い。
上の階の絵が黒く盛り上がるのが階下から見える。
床の一部からも、黒い影が盛り上がる。
その黒い影は死神のような姿となって、ダンテの前にあらわとなった。
「やっぱり絵から悪魔が出てくるんじゃねぇか。今頃来るなんて大遅刻もいいとこだぜ?
ヘルバンガードの兄貴よォ!」
その姿、形。
テメンニグルで散々相手した、雑魚悪魔の総統たるヘルバンガードと似ていた。
黒いローブを纏う、恐ろしい死神そのものだ。
死神が先か、この悪魔が先か。
この悪魔を前にして死にゆく人間達から見れば、どちらも変わりないだろう。
「って、ヘルバンガードじゃねぇなこいつ。新手か」
高速で近づいてきた悪魔の顔を、至近距離でマジマジと見てしまった。
『シンシザーズって悪魔だぜ』
「シンシザーズ?ほう、シザーマンの親戚ってわけね」
『ちょっと違うような…でもそんなとこ』
よく観察してみれば、ヘルバンガードのような恐ろしい形相の顔とは違う。
どこかのっぺりとした仮面がはまっていた。
これはこれで怖い。
高笑い自体も、こちらの方が一オクターブくらい高い気がする。
どっちが好きか?どっちも嫌いだよバカ。
シザーズ、と名前がつくだけあり、身の丈ほどもある鉄製の巨大鋏を手に振り回して突進してくる悪魔。
だが、どんなに鋏を振り回したところで、ダンテには紙一重で当たらず空振り。
反対にアラストルの刀身で鋏を弾かれておわりだ。
「てめぇらはプカプカ漂ってハサミ振り回すだけか?オレを殺したいってんなら、もっとよく狙えよハサミ野郎」
ガラ空きな胴体へアラストルを一閃させる。
スカッ!
だが、ダンテの攻撃も空振りで終わった。
「その黒い外套は攻撃しても意味ないのか。なら叩くべきはそのハサミか、顔に付けてる仮面。違うか?」
肯定することもなく、悪魔が移動して壁の中へ逃げていく。
悪魔どもの穢れきった気配と、冷たい殺気は消えていないので、戦闘する気はあるようだ。
「へぇ、壁を通り抜けるとかはできるってわけかい。
だがヘルバンガードみたいに瞬間移動してくるわけでもなし、攻撃も戦闘センスもまだまだヌルい悪魔だ」
鋏の切っ尖が壁からダンテへと突進してきた。
そうくると踏んでいたダンテが横に避け、アラストルを使ってすれ違いざまに悪魔の手元から鋏を下に落とす。
落ちたそれを悪魔が拾うその前に、ダンテが手に取ろうとするが、その手は持ち主の魔力の前に弾かれる。
弾かれた直後に持ち主の元へ帰った鋏がダンテの首を狙った。
とっさにサイドロールでかわさなければ、今ごろは首と胴体が永遠にわかれていた。
「っと、あぶねー。武器のハサミはオレに扱えないのか」
悪魔の手元と鋏がぴったり合致する様子を見るに、その鋏自体も悪魔の魔力で構成されている可能性が高い。
「ってことは仮面が本体だな」
素晴らしい読みで悪魔の弱点を見抜いたダンテは、今度こそ悪魔を屠るべくアラストルの柄を握りしめた。
素早くダンテを斬りつけんとする悪魔のマウントを取り、仮面に向かって兜割を繰り出す。
体重をかけて振り下ろす攻撃の前に、いとも簡単に仮面が割れ、悪魔の絶叫が響き渡る。
鋏はどこかへと投げ出し、纏っていた黒いローブは空気中に霧散していった。
「あっけねぇ。ちったぁ楽しませてくれると思ったが。
テメンニグルのヘルバンガードに弟子入りでもしてくるんだな」
『さっきから言ってるヘルバンガードってそんなに強いの?』
「今のよりは強い。あの頃はオレも若輩者だったから手こずっただけかもしれないが」
サクッ!
「いて」
悪魔が投げ出した鋏が戻ってきて脳天に刺さった。
鋏が生えた人間、という現代アートの完成である。
「ふふふ、置き土産が一番脅威とはな。最期の悪あがきってやつか」
『脳天直撃、セガ●ターン?』
「そのCMネタは古い。最近の若い奴で知ってるのはいないんじゃないか。
管理人の歳がバレるから言うのやめとけよ」
発言や書いてる内容でだいたいバレてると思われる。青い鳥のつぶやき覗けば一発でわかるが。
頭上の鋏も、ついでに傷も消えたところで、ダンテを閉じこめんとしていた扉の封印も消える。
悪魔との戦闘は楽しいが、こちとら忙しい身。
若干のストレスを感じながら、ダンテは外へ身を踊らせた。
ぷち、足を一歩外に出したら、なんか踏んだ。
足元を見ると、大量の蜘蛛。
「ウォア、なんだこの蜘蛛。
悪魔…なんだろうが、まったく向かってこないな。毒蜘蛛でもなさそうだ」
一匹つまみあげてみても、ジタバタもがくばかりで噛みつきもしない。
『つか、逃げてんじゃん』
毒蜘蛛というより炎蜘蛛のベィビィであるがそれは置いておいて。
攻撃を仕掛けるどころかダンテから逃げ惑うだけであり、レッドオーブ稼ぎのためにダンテの前に姿をあらわしてしまう哀れな子羊たち、それがこの小さな悪魔だ。
足で踏み潰しても実体が小さい悪魔なため、ほとんど足裏に汚れは付かず、残るのは赤い宝石キラキラ。
ここぞとばかりに、気泡緩衝材を潰すノリで踏みつけるダンテ。
「おほ!プチプチみたいでおもしれぇ。ストレス発散だぜ」
『わあひどい。こんな小さな悪魔になんて仕打ち。鬼だ悪魔だ』
「半分悪魔なの知ってるだろが」
すべての蜘蛛が赤い宝石に変わったところで、ダンテは隠し扉に向き直る。
手に入れてきた宝杖を、あるべき場所へと嵌め込むと、扉はひとりでに開いてゆく。
ひかりが漏れるその向こうは大聖堂が広がる。
はてさて、この先に待ちうけるのは、いったいどんな困難なのだろうか。
兎にも角にもはやくディーヴァに会いたい。
●あとがき
このノリ、このボケとツッコミ。ダンテは不本意かもしれないが、とてもいいコンビである。
そしてせっかく手に入れたのになかなか使われないアラストルェ……。
