mission 23:blue sky ~崩壊と脱出~
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ダンテ、行って」
「ん、ああ……だが、」
ダンテにしてみれば、浮気をしに行く気分に近いものなのだろう。あたしは嫉妬深いし。
けどダンテは、泣きそうになっている女性をそのままにするような男ではない。
小さく背を押せば、ふらふらと一歩踏み出すダンテ。その歩みが、駆け寄るものにかわっていく。
なんだ。あたしの手前、言い出せなかっただけでダンテはトリッシュをとっても心配してたんだね。
こうしてダンテに大切な人が増えていくのは、とても嬉しい。
願わくば、バージルにも同じように大切な人がたくさん増えたなら。そう思う。
「トリッシュ……」
「ダンテ……」
しっかりと抱き合う二人は、心底ホッとしているように見受けられる。
生きててよかった。あたしもそう思うし、抱き合う二人もそう思っているのだろう。
「ダンテ、私……」
トリッシュの目から透明な雫がこぼれ落ちる。
涙という存在は知ってはいたけれど、まさか悪魔である自分が涙を流すとは思わなかった。驚くトリッシュの顔には、そう書いてあった。
「トリッシュ、悪魔は泣かない。その涙は人間の宝物だ」
ダンテもトリッシュを、悪魔ではなく人間と認めた。
これで大団円。……のはず、だよね?
ゴゴゴゴゴ……。
魔帝が消えたことで助かった、そう思っていたが城の崩壊は止まらないようだ。いや、魔帝がいなくなったからこそ、崩壊は加速している。
閉じ込められたまま。天井や壁が、生きる者を押し潰そうと迫ってくる。先に窒息死かな、あはは。
「でも手遅れよ」
もう、帰れない……。
トリッシュが言った手遅れの言葉に沈む心だったが、その直後、バージルに腕を引かれる。
振り向けば、背後には瓦礫に混じって赤い複葉機が落ちてきていた。
「いや、間に合ってくれた」
だからああして魔帝を押し戻すことができた。手遅れじゃない。帰れる。
同様に複葉機の姿を確認したダンテが、嬉しそうに笑って言った。
「オレ達が落ちる前の場には、複葉機があったんだ」
「複葉機?」
「脱出するための手段さ」
疑問符を浮かべるトリッシュの体を反転させ、赤い小型の飛行機を見せるダンテ。
あたしはというと、瓦礫に当たらないようバージルの助けを借りながら、複葉機が無事なのかしっかり確認していた。
うん。落ちてきてところどころ傷はついてるけど、幸い飛べなくなるような破損もない。パッとみだけど、オイル漏れもなさそうだ。
これは何より。
「俺が整備したおかげだな」
「ああ!感謝してるぜマイブラザー!あとで鉛玉じゃない、本物のキスしてやろうか」
「いらん」
うん、バージルのおかげだ。
おかげで故障もしてなさそうで、絶対飛べる。
トリッシュから離れたダンテはバージルの肩に腕を回すが、一瞬でその腕を捻りあげられ、拒否されていた。
「さーて、人間は諦めない生き物だ。行くぜ!」
バージルをパッと解放したダンテが、グレネードガンをその場に投げ捨てる。
聞けば、グレネードは重くて場所を取り、ただでさえ狭い複葉機に人が乗れなくなってしまうから置いていくのだとか。もったいないけれど仕方ないよね。
あたしを席に乗せるべく、脇に手を差し入れて持ち上げようとしたところで。
「行くのは良いが、本当に俺もともに帰っていいのだろうか。
俺にはその資格がない、そう思う」
バージルがこの期に及んで帰ることを渋る。帰るという選択をしたばかりなのに、もう決心は揺らいだのだろうか。
「まーだンなこと言ってるのかよバージル。
こんなところで城と心中?馬鹿か。魔界への扉も閉じてんだぜ」
「だが、俺はお前達とは……」
ダンテの顔を見、あたしの顔を見、そして俯くバージル。
「往生際のわるいオニーチャンだ!
ディーヴァが泣くぞ?」
「泣くと言うかあたし怒り出しそう」
目が据わり始めたあたしの伸ばす手を遮り、トリッシュが手を打った。
「はあ……いいから行くわよ」
「ぐっ!?」
雷撃を纏わせた拳が、バージルの脳天に直撃する。
短くうめいたバージルが、その衝撃に倒れ伏してトリッシュに支えられた。
「ら、乱暴しちゃだめ……!バージルはまだ病み上がりなのよ!?」
「これくらいして無理矢理連れ出さないと、バージルは帰らなくなるわ。ネロアンジェロの時から良くも悪くも頑固なんだから。
それにバージルならそのうち治る、でしょう?」
「ソ、ソデスネ」
半分悪魔の体をよくおわかりで。
もとは二人までしか乗れないであろう複葉機に、四人でぎゅうぎゅうに乗り込み、エンジンをかける。
エンストを防ぐべく空ふかしを何度か繰り返したところで、ようやくエンジンが温まったのか、複葉機がのろのろと動きだした。
「よっしゃ動いたぜ!」
「バージルにはほんと感謝、だね」
意識を失ったままトリッシュに乗せられたバージル。ダンテがその兄の顔を慈しむように柔らかな表情で見ていた。
「……ああ。飛ばすぞ!」
複葉機に取り付けられた機銃を操作し、ミサイルを撃ち放つ。
閉じ込めんとしていた壁を破壊し、飛び立ったそこに拡がるのは洞窟だった。
狭く暗い洞窟内を飛んですすめということか。
「洞窟ねえ……ここが外につながっていれば大当たりなんだがな!」
繋がってなくても破壊して脱出するつもりだと思うけど、できれば衝撃は少ない形で外に出たいよね。
その時、前方から強い風が吹いた。
……かすかに潮の匂いが混じっている。これは……確実に!外に繋がっている!!
「この方向で合ってるみたいだ。揺れるから捕まってろよ……!」
狭く、複葉機の翼がギリギリ通る洞窟内を、ダンテ操縦のもと、高速で飛んでいく。
ギリギリ通ると言っても、90度に機体を傾けなければ通れぬ場所、機銃でことごとく鍾乳石や岩を破壊せねばならない場所ばかりで、揺れるどころではなかった。
頭の中には●ンディージョーンズの曲しか流れていない。
「うわあ、ちょ!ダンテ少しくらい速度落とさないとあぶなァーーー!」
「速度は!落とせない!!島が爆発してるのか、背後に炎が迫ってる!」
見てみろ、そう言われて酔いそうな中、背後を確認する。
赤く燃える炎が、洞穴全体を舐めるように奥からものすごい速さで迫っていた。
出発が遅かったら今頃は……考えてゾッとするね。
「ぎゃわー!ほ、ほんとだ!?ダンテ速度上げて!!」
「速度落してと言ったり速度上げろと言ったり忙しい奴だな」
だがこれくらい賑やかな方が性に合ってるぜ!
洞窟に響くぐらい大きな声をだしたダンテが、前方にわずかな光を目撃する。
「ん、ああ……だが、」
ダンテにしてみれば、浮気をしに行く気分に近いものなのだろう。あたしは嫉妬深いし。
けどダンテは、泣きそうになっている女性をそのままにするような男ではない。
小さく背を押せば、ふらふらと一歩踏み出すダンテ。その歩みが、駆け寄るものにかわっていく。
なんだ。あたしの手前、言い出せなかっただけでダンテはトリッシュをとっても心配してたんだね。
こうしてダンテに大切な人が増えていくのは、とても嬉しい。
願わくば、バージルにも同じように大切な人がたくさん増えたなら。そう思う。
「トリッシュ……」
「ダンテ……」
しっかりと抱き合う二人は、心底ホッとしているように見受けられる。
生きててよかった。あたしもそう思うし、抱き合う二人もそう思っているのだろう。
「ダンテ、私……」
トリッシュの目から透明な雫がこぼれ落ちる。
涙という存在は知ってはいたけれど、まさか悪魔である自分が涙を流すとは思わなかった。驚くトリッシュの顔には、そう書いてあった。
「トリッシュ、悪魔は泣かない。その涙は人間の宝物だ」
ダンテもトリッシュを、悪魔ではなく人間と認めた。
これで大団円。……のはず、だよね?
ゴゴゴゴゴ……。
魔帝が消えたことで助かった、そう思っていたが城の崩壊は止まらないようだ。いや、魔帝がいなくなったからこそ、崩壊は加速している。
閉じ込められたまま。天井や壁が、生きる者を押し潰そうと迫ってくる。先に窒息死かな、あはは。
「でも手遅れよ」
もう、帰れない……。
トリッシュが言った手遅れの言葉に沈む心だったが、その直後、バージルに腕を引かれる。
振り向けば、背後には瓦礫に混じって赤い複葉機が落ちてきていた。
「いや、間に合ってくれた」
だからああして魔帝を押し戻すことができた。手遅れじゃない。帰れる。
同様に複葉機の姿を確認したダンテが、嬉しそうに笑って言った。
「オレ達が落ちる前の場には、複葉機があったんだ」
「複葉機?」
「脱出するための手段さ」
疑問符を浮かべるトリッシュの体を反転させ、赤い小型の飛行機を見せるダンテ。
あたしはというと、瓦礫に当たらないようバージルの助けを借りながら、複葉機が無事なのかしっかり確認していた。
うん。落ちてきてところどころ傷はついてるけど、幸い飛べなくなるような破損もない。パッとみだけど、オイル漏れもなさそうだ。
これは何より。
「俺が整備したおかげだな」
「ああ!感謝してるぜマイブラザー!あとで鉛玉じゃない、本物のキスしてやろうか」
「いらん」
うん、バージルのおかげだ。
おかげで故障もしてなさそうで、絶対飛べる。
トリッシュから離れたダンテはバージルの肩に腕を回すが、一瞬でその腕を捻りあげられ、拒否されていた。
「さーて、人間は諦めない生き物だ。行くぜ!」
バージルをパッと解放したダンテが、グレネードガンをその場に投げ捨てる。
聞けば、グレネードは重くて場所を取り、ただでさえ狭い複葉機に人が乗れなくなってしまうから置いていくのだとか。もったいないけれど仕方ないよね。
あたしを席に乗せるべく、脇に手を差し入れて持ち上げようとしたところで。
「行くのは良いが、本当に俺もともに帰っていいのだろうか。
俺にはその資格がない、そう思う」
バージルがこの期に及んで帰ることを渋る。帰るという選択をしたばかりなのに、もう決心は揺らいだのだろうか。
「まーだンなこと言ってるのかよバージル。
こんなところで城と心中?馬鹿か。魔界への扉も閉じてんだぜ」
「だが、俺はお前達とは……」
ダンテの顔を見、あたしの顔を見、そして俯くバージル。
「往生際のわるいオニーチャンだ!
ディーヴァが泣くぞ?」
「泣くと言うかあたし怒り出しそう」
目が据わり始めたあたしの伸ばす手を遮り、トリッシュが手を打った。
「はあ……いいから行くわよ」
「ぐっ!?」
雷撃を纏わせた拳が、バージルの脳天に直撃する。
短くうめいたバージルが、その衝撃に倒れ伏してトリッシュに支えられた。
「ら、乱暴しちゃだめ……!バージルはまだ病み上がりなのよ!?」
「これくらいして無理矢理連れ出さないと、バージルは帰らなくなるわ。ネロアンジェロの時から良くも悪くも頑固なんだから。
それにバージルならそのうち治る、でしょう?」
「ソ、ソデスネ」
半分悪魔の体をよくおわかりで。
もとは二人までしか乗れないであろう複葉機に、四人でぎゅうぎゅうに乗り込み、エンジンをかける。
エンストを防ぐべく空ふかしを何度か繰り返したところで、ようやくエンジンが温まったのか、複葉機がのろのろと動きだした。
「よっしゃ動いたぜ!」
「バージルにはほんと感謝、だね」
意識を失ったままトリッシュに乗せられたバージル。ダンテがその兄の顔を慈しむように柔らかな表情で見ていた。
「……ああ。飛ばすぞ!」
複葉機に取り付けられた機銃を操作し、ミサイルを撃ち放つ。
閉じ込めんとしていた壁を破壊し、飛び立ったそこに拡がるのは洞窟だった。
狭く暗い洞窟内を飛んですすめということか。
「洞窟ねえ……ここが外につながっていれば大当たりなんだがな!」
繋がってなくても破壊して脱出するつもりだと思うけど、できれば衝撃は少ない形で外に出たいよね。
その時、前方から強い風が吹いた。
……かすかに潮の匂いが混じっている。これは……確実に!外に繋がっている!!
「この方向で合ってるみたいだ。揺れるから捕まってろよ……!」
狭く、複葉機の翼がギリギリ通る洞窟内を、ダンテ操縦のもと、高速で飛んでいく。
ギリギリ通ると言っても、90度に機体を傾けなければ通れぬ場所、機銃でことごとく鍾乳石や岩を破壊せねばならない場所ばかりで、揺れるどころではなかった。
頭の中には●ンディージョーンズの曲しか流れていない。
「うわあ、ちょ!ダンテ少しくらい速度落とさないとあぶなァーーー!」
「速度は!落とせない!!島が爆発してるのか、背後に炎が迫ってる!」
見てみろ、そう言われて酔いそうな中、背後を確認する。
赤く燃える炎が、洞穴全体を舐めるように奥からものすごい速さで迫っていた。
出発が遅かったら今頃は……考えてゾッとするね。
「ぎゃわー!ほ、ほんとだ!?ダンテ速度上げて!!」
「速度落してと言ったり速度上げろと言ったり忙しい奴だな」
だがこれくらい賑やかな方が性に合ってるぜ!
洞窟に響くぐらい大きな声をだしたダンテが、前方にわずかな光を目撃する。
