mission 23:blue sky ~崩壊と脱出~
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バージルに抱えられて回廊に出ると、そこにはブレイドが二匹待ち構えていた。
無視を決め込み、あたし達は駆け抜ける。
だが残念なことに次の場所への扉には、悪魔の封印が施されていた。ここにきて閉じ込めてくるとは卑怯なり。さすが悪魔だ。
「あーくそ、倒さなくちゃならねぇのかよ!
ったく、この時間のねぇ時に!!」
「仕方あるまい。一匹は貴様がやれ」
「ああ、そっちのは頼んだ。ディーヴァは扉の近くにいろ!」
連携プレーの一種なのか、即座にダンテとバージルの方へと分かれて飛びかかってくるブレイド。
苦虫を噛み潰したかのように吠えると、ダンテはショットガンを構え、ブレイドに向かっていった。
「すぐ済む」
「……ん」
バージルはあたしの体をゆっくりと下ろすが、刀を抜く動きだけはとても速い。
居合い斬りだ。目では追えない美しい太刀筋が一閃、ブレイドの肉を斬り払った。
流れるような綺麗な殺戮に目を奪われる。
視界の向こうでは、ダンテがショットガンからアラストルに得物を変えて剣技を叩きこんでいた。
こちらも流れるような動き。ブレイドが怯んだところにイフリートをも装着し、燃える拳を浴びせている。
メキョリ、骨が砕かれた音がここまで聞こえてくるようだった。
ダンテの殺戮も綺麗なのだが、バージルのものとは真逆のイメージがある。
相手が苦痛と激痛をいつまでも感じるものが多い気がする。
「はい終わり!いくぜ!」
封印がガラスのように割れて消えていく。
扉に向かいながらダンテがショットガンとグレネードガンをその場に置いた。
「持って帰らないの?」
「ああ。捨てる」
使い勝手がいいのか何度も使用していたのを見ている。なのに、捨てていくとはどういうことだろうか。
「戦闘中にジャムった。直す暇はないし、オレには愛すべき双子銃もあるからな」
ジャムるとは確か故障の一種だったか。銃も精密機械と変わらないだろうし仕方ない。何よりダンテの使い方がえぐい。持った方だと思う。
グレネードガンの方は複葉機に乗せるには場所を取りすぎるみたい。
これも使い勝手が良さそうだからもったいないけど、自分たちの体が乗せられなかったら元も子もないよね。
複葉機はすぐそこらしい。扉に近かったあたしが率先して開けて入ると、そこには確かに赤い小型の複葉機が鎮座していた。
複葉機なんて農薬散布でしか見たことはなかったが、この機体にはミサイルを発射できる部分がついている。小さいが戦闘機だ。
中世の城の様相に対してはどこか現代的で似合わない物だが、おかげで脱出が可能になった。
『ーーー帰すものか』
ホッとして駆け寄ると、城の中に地を這うような低い声が響いた。
「えっ」
突然の浮遊感。
「ッーー!」
「あぶねえ!!」
足場がない。体が浮く。……地面が、崩れ落ちた。
複葉機まであと少し、手を伸ばせば届く距離だったのに。
視界が涙で滲んだ瞬間、あたしの体は抱き込まれて下へと落ちた。
落ちた先は、ダンテと再会したあの地下水路。相変わらず胸が悪くなるような臭気にあふれるそこは内装が様変わりしており、先ほどまで床だった場所が天井と変わって崩壊を続けている。
次々に落ちてくるそれはどれも固い岩でできたものばかりで、そう簡単に退かせないほど積み上がっていった。
空気の通り道も扉も閉ざされ、ただでさえ暗いのにもうほとんど見えない漆黒の闇に変わりつつある。
その内窒息するかもしれない。
隣に体温がなければ、恐怖で発狂していた。
「大丈夫か。怪我してないよな?」
「うん、守ってもらったし、どこも怪我してない……暗くてこわいけど」
「灯りも絶たれたから仕方あるまいな。……む!」
バージルが静かな声音で刀の濃口を切る。
「油断するな、ーー来るぞ」
臭気さえ逃げられぬ場。
光が届かず暗闇と化した地下水道内の宙。ほの赤く浮かび上がる、禍々しい魔帝の陣。
空気が震えた。
陣の中心から、空間を切り裂くようにして魔帝が姿を現した。
雄叫びをあげて地に降り立ったその姿は、体の彼方此方が崩れており、どろどろの中身が蠢いている。
手負いの獣に近い。……気持ち悪い。
禍々しいだけではなく、ひどく臭い。なんならこの地下水路よりも穢れた臭いがする。
瘴気がそのまま臭いに変わると、こんな臭いになるのではないか?そう思わせる不快なものだ。
よくダンテが、悪魔をはきだめのにおいっていうけれど、やっと意味がわかった気がする。
思わずダンテもバージルも、そしてもちろんあたしも、後ずさった。
「は、はは……ぶっ倒れたのにあの空間が存在していられたからおかしいとは思った」
「俺は知っていたがな」
「うん、ストーカーしてくるって、バージルが教えてくれた、……けど、これはちょっとないなあって思うよ、うん……」
一歩一歩近づいてくるごとに、ぼとぼとと落ちる魔帝の中身。
蠢く肉塊や穢れた血が地に落ちるたび、吸い込んだら死んでしまいそうな毒霧が舞う。なんなら触ったら溶けそう。ジュウジュウいってるもの!
目を背けたいし、今すぐここから逃げたい。逃げられないのはわかってるけど。
『魔界は開かれた。もう逃げられんぞ。
貴様らはここで死ぬのだ!』
「逃げるかよ。見な、もう出口なんかねえ」
「……少なくとも、こいつを倒すまではな」
「もし倒せなくとも、お前も道連れだ!
刺し違えてでも、お前だけは外に出してやるものか……」
いやいやいや、道連れはない。言葉の綾だと思うけれど、みんな仲良く心中は絶対に嫌。
絶対に!帰る!
無視を決め込み、あたし達は駆け抜ける。
だが残念なことに次の場所への扉には、悪魔の封印が施されていた。ここにきて閉じ込めてくるとは卑怯なり。さすが悪魔だ。
「あーくそ、倒さなくちゃならねぇのかよ!
ったく、この時間のねぇ時に!!」
「仕方あるまい。一匹は貴様がやれ」
「ああ、そっちのは頼んだ。ディーヴァは扉の近くにいろ!」
連携プレーの一種なのか、即座にダンテとバージルの方へと分かれて飛びかかってくるブレイド。
苦虫を噛み潰したかのように吠えると、ダンテはショットガンを構え、ブレイドに向かっていった。
「すぐ済む」
「……ん」
バージルはあたしの体をゆっくりと下ろすが、刀を抜く動きだけはとても速い。
居合い斬りだ。目では追えない美しい太刀筋が一閃、ブレイドの肉を斬り払った。
流れるような綺麗な殺戮に目を奪われる。
視界の向こうでは、ダンテがショットガンからアラストルに得物を変えて剣技を叩きこんでいた。
こちらも流れるような動き。ブレイドが怯んだところにイフリートをも装着し、燃える拳を浴びせている。
メキョリ、骨が砕かれた音がここまで聞こえてくるようだった。
ダンテの殺戮も綺麗なのだが、バージルのものとは真逆のイメージがある。
相手が苦痛と激痛をいつまでも感じるものが多い気がする。
「はい終わり!いくぜ!」
封印がガラスのように割れて消えていく。
扉に向かいながらダンテがショットガンとグレネードガンをその場に置いた。
「持って帰らないの?」
「ああ。捨てる」
使い勝手がいいのか何度も使用していたのを見ている。なのに、捨てていくとはどういうことだろうか。
「戦闘中にジャムった。直す暇はないし、オレには愛すべき双子銃もあるからな」
ジャムるとは確か故障の一種だったか。銃も精密機械と変わらないだろうし仕方ない。何よりダンテの使い方がえぐい。持った方だと思う。
グレネードガンの方は複葉機に乗せるには場所を取りすぎるみたい。
これも使い勝手が良さそうだからもったいないけど、自分たちの体が乗せられなかったら元も子もないよね。
複葉機はすぐそこらしい。扉に近かったあたしが率先して開けて入ると、そこには確かに赤い小型の複葉機が鎮座していた。
複葉機なんて農薬散布でしか見たことはなかったが、この機体にはミサイルを発射できる部分がついている。小さいが戦闘機だ。
中世の城の様相に対してはどこか現代的で似合わない物だが、おかげで脱出が可能になった。
『ーーー帰すものか』
ホッとして駆け寄ると、城の中に地を這うような低い声が響いた。
「えっ」
突然の浮遊感。
「ッーー!」
「あぶねえ!!」
足場がない。体が浮く。……地面が、崩れ落ちた。
複葉機まであと少し、手を伸ばせば届く距離だったのに。
視界が涙で滲んだ瞬間、あたしの体は抱き込まれて下へと落ちた。
落ちた先は、ダンテと再会したあの地下水路。相変わらず胸が悪くなるような臭気にあふれるそこは内装が様変わりしており、先ほどまで床だった場所が天井と変わって崩壊を続けている。
次々に落ちてくるそれはどれも固い岩でできたものばかりで、そう簡単に退かせないほど積み上がっていった。
空気の通り道も扉も閉ざされ、ただでさえ暗いのにもうほとんど見えない漆黒の闇に変わりつつある。
その内窒息するかもしれない。
隣に体温がなければ、恐怖で発狂していた。
「大丈夫か。怪我してないよな?」
「うん、守ってもらったし、どこも怪我してない……暗くてこわいけど」
「灯りも絶たれたから仕方あるまいな。……む!」
バージルが静かな声音で刀の濃口を切る。
「油断するな、ーー来るぞ」
臭気さえ逃げられぬ場。
光が届かず暗闇と化した地下水道内の宙。ほの赤く浮かび上がる、禍々しい魔帝の陣。
空気が震えた。
陣の中心から、空間を切り裂くようにして魔帝が姿を現した。
雄叫びをあげて地に降り立ったその姿は、体の彼方此方が崩れており、どろどろの中身が蠢いている。
手負いの獣に近い。……気持ち悪い。
禍々しいだけではなく、ひどく臭い。なんならこの地下水路よりも穢れた臭いがする。
瘴気がそのまま臭いに変わると、こんな臭いになるのではないか?そう思わせる不快なものだ。
よくダンテが、悪魔をはきだめのにおいっていうけれど、やっと意味がわかった気がする。
思わずダンテもバージルも、そしてもちろんあたしも、後ずさった。
「は、はは……ぶっ倒れたのにあの空間が存在していられたからおかしいとは思った」
「俺は知っていたがな」
「うん、ストーカーしてくるって、バージルが教えてくれた、……けど、これはちょっとないなあって思うよ、うん……」
一歩一歩近づいてくるごとに、ぼとぼとと落ちる魔帝の中身。
蠢く肉塊や穢れた血が地に落ちるたび、吸い込んだら死んでしまいそうな毒霧が舞う。なんなら触ったら溶けそう。ジュウジュウいってるもの!
目を背けたいし、今すぐここから逃げたい。逃げられないのはわかってるけど。
『魔界は開かれた。もう逃げられんぞ。
貴様らはここで死ぬのだ!』
「逃げるかよ。見な、もう出口なんかねえ」
「……少なくとも、こいつを倒すまではな」
「もし倒せなくとも、お前も道連れだ!
刺し違えてでも、お前だけは外に出してやるものか……」
いやいやいや、道連れはない。言葉の綾だと思うけれど、みんな仲良く心中は絶対に嫌。
絶対に!帰る!
