mission 22:old enemy ~VS魔帝~ 後編
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「ダンテ……?」
「なあディーヴァ、バージルと一緒に先に行っててくれないか?」
「えっ」
「すぐ追いかけるからトリッシュと二人にしてくれ」
「でも……」
「頼む」
「……わかった」
驚きと嫉妬の気持ちが半分ずつか……。
ちら、とオレを時々振り返りながらも腰に置かれた手に促され、バージルが開けた大扉の向こうへと消えるディーヴァ。
バージルがついていれば、安心だ。
扉が完全に閉まり切ったのを確認し、オレは倒れているトリッシュにゆっくりと近寄った。
しゃがみ込み、ぴくりとも動かぬその体を抱き起こし、その顔を覗き込む。
見れば見るほどに、母親の顔と瓜二つだ。救えなかった母と、トリッシュ。
瓜二つだが、記憶の中で二人が重なる事はなく、母は母。トリッシュはトリッシュ。
完全に別の人物として分かたれていた。
違う人物として、オレはトリッシュを感じ、そして閉じた双眸に悲しんでいたのだ。
人間のような悪魔。そういう悪魔はそうたくさんいない。
トリッシュは魔帝に創造された悪魔だが、心のある悪魔だった。
違う人物ではあるが、母とトリッシュの行動は酷似していた。
「母さんも俺を守って死んだ」
……オレが守られるのではなく、オレが守りたかった。
ディーヴァだけでない、トリッシュを外の明るい世界に連れ出したかった。
魔帝の呪縛が解けようとも、物言わぬ体になってからではなんの意味もない。
「オレはお前を……お前を暗闇から救えなかった!」
オレの悲痛な叫びがこだます。
こぼれ落ちた涙は、トリッシュの頬を優しく濡らした。
悲しいがもう行かなくては。ディーヴァが心配する。
……それに悪魔は泣かないもんだ。
涙の跡を強く擦って拭い去る。
いつまでも泣いていたら、バージルにからかわれそうだ。
いや、声で気がつかれたかもしれないな。アイツは耳もいい。
「母さんの形見だ。お前に似合うぜ」
横たえたトリッシュの胸元へと、アミュレットをそっと置く。
もうこれは必要ないハズだ。魔界は開かないし、魔帝は倒した。ならば、アミュレットはただの思い出の品。
半分はバージルのアミュレットだ。勝手なことをしたオレにバージルはうるさく言うだらうが、オレはアミュレットをトリッシュにこそ捧げたい。
大事な、仲間に。
そして墓標かのように、魔剣スパーダもトリッシュの隣へと突き立てた。
「親父も見守ってる。……安らかにな」
仇はとった。今までのような強い悪魔が襲ってくることはもうないはずだ。
魔剣スパーダも必要ない。
***
大聖堂を出れば、そこは魔帝の心臓が動く場所。未だ激しく動き続ける巨大な心臓に、ディーヴァが声をあげる。
「ヒッ!まだ動いてるんですけど!?」
「魔帝はまだ完全に死んでないからな」
「と、とどめさせてないの!?えっ!ダンテ倒したって言ってたよね!?」
「倒したが、結局は一時的なものにすぎない。それが魔帝……魔界で一番強い者というものだ」
「うわあ。じゃあ、また追ってきそうだね」
次に襲ってくるのがいつになるかはわからんが、ダンテに言ってもう少し細かく核に斬撃を入れさせればよかったかもしれない。
そうすれば、あと数年……いや、数十年は魔帝が復活することはないだろう。
今のままでは手負の獣レベルに、凶暴化した魔帝がすぐさま追ってくる。
「そうだな。ダンテを殺すこと、ディーヴァを食べることに執着しているからすぐやってくる」
「嬉しくない……あぁあ、あたしには安息の地はないのね……」
ディーヴァは報復にか、落ちていた石ころを、巨大な心臓に投げつけて「鬼も悪魔も外〜」とつぶやく。
気持ちはわかるが、あんなものを攻撃して何が起こるかわからない。俺はその無謀ともとれる行動をやんわりと止めた。
「ところで、よかったのか?」
「うん、いいの」
ダンテを置いてきて。
その言葉を言わずともわかったらしい。ディーヴァは今は見えない青空でも仰ぐように、天井へと目を向けた。
「ダンテにとってあたしは一番大切な人。それはさすがに理解してる。
でもトリッシュもそれと同じくらい大切な存在になってるんじゃないかなって。なんだろ、恋愛感情とは違うのかもだけど、大切な人。
バージルも一緒。ダンテにとって、家族って意味で大切な存在でしょ?」
「俺はそうは思っていない」
にこりと笑いかけられ、即座に答える。
「もう!バージルは素直じゃないんだから!!
とにかく、出会った人達は、ダンテにとって誰一人として外せない大切な存在になってるんだと思うの」
「……かもしれんな」
俺にも、大切だと思う人間が目の前にいる。だからダンテの気持ちは、少しだけよくわかった。
耳にダンテの慟哭がここまで届く。まったく、ディーヴァには聞かせられないな。
「俺から振っておいてなんだが、アイツならすぐ戻ってくる。
あまり深く考え過ぎるな。ここから無事に帰ることだけを考えたほうがいい」
「うん、そうする。
無事に帰ったら、祝帰還!のバーベキューパーティーでも開かなくちゃっ!
バージルとも美味しい食べ物でお祝いしたいなあ」
その言葉には答えない。
代わりに撫でてやれば、ディーヴァがへにゃりと笑った。
●あとがき
たおせた!夢主奪還!
「なあディーヴァ、バージルと一緒に先に行っててくれないか?」
「えっ」
「すぐ追いかけるからトリッシュと二人にしてくれ」
「でも……」
「頼む」
「……わかった」
驚きと嫉妬の気持ちが半分ずつか……。
ちら、とオレを時々振り返りながらも腰に置かれた手に促され、バージルが開けた大扉の向こうへと消えるディーヴァ。
バージルがついていれば、安心だ。
扉が完全に閉まり切ったのを確認し、オレは倒れているトリッシュにゆっくりと近寄った。
しゃがみ込み、ぴくりとも動かぬその体を抱き起こし、その顔を覗き込む。
見れば見るほどに、母親の顔と瓜二つだ。救えなかった母と、トリッシュ。
瓜二つだが、記憶の中で二人が重なる事はなく、母は母。トリッシュはトリッシュ。
完全に別の人物として分かたれていた。
違う人物として、オレはトリッシュを感じ、そして閉じた双眸に悲しんでいたのだ。
人間のような悪魔。そういう悪魔はそうたくさんいない。
トリッシュは魔帝に創造された悪魔だが、心のある悪魔だった。
違う人物ではあるが、母とトリッシュの行動は酷似していた。
「母さんも俺を守って死んだ」
……オレが守られるのではなく、オレが守りたかった。
ディーヴァだけでない、トリッシュを外の明るい世界に連れ出したかった。
魔帝の呪縛が解けようとも、物言わぬ体になってからではなんの意味もない。
「オレはお前を……お前を暗闇から救えなかった!」
オレの悲痛な叫びがこだます。
こぼれ落ちた涙は、トリッシュの頬を優しく濡らした。
悲しいがもう行かなくては。ディーヴァが心配する。
……それに悪魔は泣かないもんだ。
涙の跡を強く擦って拭い去る。
いつまでも泣いていたら、バージルにからかわれそうだ。
いや、声で気がつかれたかもしれないな。アイツは耳もいい。
「母さんの形見だ。お前に似合うぜ」
横たえたトリッシュの胸元へと、アミュレットをそっと置く。
もうこれは必要ないハズだ。魔界は開かないし、魔帝は倒した。ならば、アミュレットはただの思い出の品。
半分はバージルのアミュレットだ。勝手なことをしたオレにバージルはうるさく言うだらうが、オレはアミュレットをトリッシュにこそ捧げたい。
大事な、仲間に。
そして墓標かのように、魔剣スパーダもトリッシュの隣へと突き立てた。
「親父も見守ってる。……安らかにな」
仇はとった。今までのような強い悪魔が襲ってくることはもうないはずだ。
魔剣スパーダも必要ない。
***
大聖堂を出れば、そこは魔帝の心臓が動く場所。未だ激しく動き続ける巨大な心臓に、ディーヴァが声をあげる。
「ヒッ!まだ動いてるんですけど!?」
「魔帝はまだ完全に死んでないからな」
「と、とどめさせてないの!?えっ!ダンテ倒したって言ってたよね!?」
「倒したが、結局は一時的なものにすぎない。それが魔帝……魔界で一番強い者というものだ」
「うわあ。じゃあ、また追ってきそうだね」
次に襲ってくるのがいつになるかはわからんが、ダンテに言ってもう少し細かく核に斬撃を入れさせればよかったかもしれない。
そうすれば、あと数年……いや、数十年は魔帝が復活することはないだろう。
今のままでは手負の獣レベルに、凶暴化した魔帝がすぐさま追ってくる。
「そうだな。ダンテを殺すこと、ディーヴァを食べることに執着しているからすぐやってくる」
「嬉しくない……あぁあ、あたしには安息の地はないのね……」
ディーヴァは報復にか、落ちていた石ころを、巨大な心臓に投げつけて「鬼も悪魔も外〜」とつぶやく。
気持ちはわかるが、あんなものを攻撃して何が起こるかわからない。俺はその無謀ともとれる行動をやんわりと止めた。
「ところで、よかったのか?」
「うん、いいの」
ダンテを置いてきて。
その言葉を言わずともわかったらしい。ディーヴァは今は見えない青空でも仰ぐように、天井へと目を向けた。
「ダンテにとってあたしは一番大切な人。それはさすがに理解してる。
でもトリッシュもそれと同じくらい大切な存在になってるんじゃないかなって。なんだろ、恋愛感情とは違うのかもだけど、大切な人。
バージルも一緒。ダンテにとって、家族って意味で大切な存在でしょ?」
「俺はそうは思っていない」
にこりと笑いかけられ、即座に答える。
「もう!バージルは素直じゃないんだから!!
とにかく、出会った人達は、ダンテにとって誰一人として外せない大切な存在になってるんだと思うの」
「……かもしれんな」
俺にも、大切だと思う人間が目の前にいる。だからダンテの気持ちは、少しだけよくわかった。
耳にダンテの慟哭がここまで届く。まったく、ディーヴァには聞かせられないな。
「俺から振っておいてなんだが、アイツならすぐ戻ってくる。
あまり深く考え過ぎるな。ここから無事に帰ることだけを考えたほうがいい」
「うん、そうする。
無事に帰ったら、祝帰還!のバーベキューパーティーでも開かなくちゃっ!
バージルとも美味しい食べ物でお祝いしたいなあ」
その言葉には答えない。
代わりに撫でてやれば、ディーヴァがへにゃりと笑った。
●あとがき
たおせた!夢主奪還!
