mission 22:old enemy ~VS魔帝~ 後編
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「……ごほん、いい加減にしろダンテ。
ディーヴァ、俺もいることを忘れてくれるな」
大きな咳払いが背後で聞こえる。痺れを切らしたバージルがオレへのわずかな殺気を飛ばしながら言葉を発した。
ああ、バージルにしては待ったほうだよな。オレならキスに入られるその前に邪魔するし、待つなんてことしないし出来ない。
メインで魔帝をぶっ飛ばした分、譲歩していたとしてもだ。
オレの体とコートで見えていなかったらしいディーヴァが、そこで初めてバージルの姿を視認する。
「バージル!!」
目をまんまるに見開き、嬉しそうに顔を綻ばせるディーヴァ。オレと対峙した時とはまた違うその笑顔に、ほんの少しだけ嫉妬を感じる。
器小さいって?ディーヴァが関係するんだから当たり前だろ。
「オレが戦っている間はバージルがお前を守ってたんだぜ」
「……そうなの?ありがとうバージル」
「俺は何もしていない」
感謝したディーヴァをバッサリと切り捨てるバージルだが、その言葉に照れ隠しが混じっている事はオレには丸わかりだぜ。
「何言ってやがる。アンタがディーヴァを守ってたからオレは魔帝を倒すことに集中できたんだ」
「戦いに参加できるほどに俺が力を取り戻していれば、貴様が無駄に傷を負うことも、魔帝如きを倒すのにここまで時間がかかることもなかったと思うがな」
「えっ。なんかごめん……あたしがもっと早く起きてればよかったね」
せっかく花を持たせたのに、バージルときたらマジ素直じゃないのな〜。協力するかどうかはともかく、俺も魔帝を倒すのに力を出したかったとこぼしている。
ほら、おかげでディーヴァが責任感じちまったじゃねぇか。
「あ、いやディーヴァのせいではない。オレの魔力量が不安定だった、それだけだ」
当たり前だがディーヴァを攻めたかったわけでないようで、焦ったバージルが少しだけ早口になっていた。
ディーヴァが心配してバージルの元へと駆け寄り、ぐるぅりと周囲をまわる。
「不安定な魔力量……。傷とかあっても治りづらいってことだよね。怪我はしてない?大丈夫?」
「この通り問題ない」
「うん、ほんとだ。血は……ちょっとついてるけど、怪我はしてないみたいだね」
魔帝にぶっ刺された赤い刃の痕は、魔力量が足りなくてもさすがにもう治っている。それはオレも一緒か。
攻撃を受けた数もオレより遥かに少ないから、付着している血の量もバージルは少なめだ。
だがオレはというと。
「よく見たらダンテのコートは血飛沫で真っ赤っかに染まって見える〜!
うわ、夢の世界のダンテの姿を思い出しちゃった!血染めコートこわい……」
バージルを見、そしてオレを見たディーヴァに怖がられた。
夢の世界のオレってのがよくわからないが、うん、そうだな。オレは魔帝からの集中砲火を受け続けたし、この大冒険の中では散々串刺しになったりしてたからな。
それはもう血みどろスプラッタだろうとも。
でも血染めは言い過ぎだ。
「あほ、血染めじゃねぇわ。もともと赤いコートだって知ってるくせに。
それ言うならお前の赤いショールの方が血まみれになってるぜ」
そう指摘すれば、ディーヴァは初めて自身が身に纏う赤いショールを手に取った。
赤いショールに赤い血がたっぷりと染み込み、酸素に触れたそれはドス黒く染まってしまっていた。
「うわ、もう使えないね!?
あぁあ、お気に入りの赤いショールだったのに……」
ディーヴァめ、匂いで気がつかなかったのか。まあそれだけ乾いていれば、血の匂いもあまり感じられなかったのかもな。
匂いフェチとはいえ、ディーヴァは特別に鼻が利くというわけでもない。
オレからはディーヴァのどこか甘い血の香りが、どこまでもプンプンと届いてるんだがな。ああ、腹も魔力も減った。
「ねえダンテ、新しいの買ってもいい?」
「ん?ああ、もちろんだとも。オレのも買っていいか」
「コート自体がめちゃくちゃボロボロだもんね。布巾にも雑巾にもなりゃしない」
因みに、皮素材なのでもともと布巾にも雑巾にもならないけどな。
「バージルのコートも買わないとだね」
「俺は必要ない」
未だ親父の衣装のままのバージルを見てのディーヴァの言葉に、バージルがバッサリ切り捨てるように言う。
「ほんとに?」
「…………」
「ねえほんとにずっとスパーダさんのコートのままでいいの?」
「……そう言っている」
「ほんとのほんとに?拘りあったんじゃないの?バージルのイメージカラー、青い色の素敵なコート。
買ったら仕上げの茨模様?の刺繍は、あたしにさせてほしいなー、なぁんて思ってたんだけど」
「刺繍……」
食い下がる、というよりも何度もバージルの気持ちを確認するかのように聞いている。
わかるぜ、バージルは素直じゃないからな。こいつはもっとわがまま言っていいと思うぜ。
「手間になってしまうだろうがよろしく頼む。……言っておくが天使の加護がついて役に立ちそうだからだぞ!」
「あはは、わかってるよ」
バージルのコート自体は特注に近いとはいえ売ってないわけじゃない。オレのもそうだし。
だが茨のあの模様つきともなると、そう簡単に手に入るものではない。刺繍してくれるという言葉に心が揺さぶられたのだろう、バージルはディーヴァの押しに負けた。
「あー……。ところで、どうやって元の場所に戻るんだ?ここって魔帝の野郎が作り出した特殊な空間だろ」
「マグマいっぱいで暑苦しいよね」
会話も落ち着いたところで、このバトルフィールドからの脱出について相談する。ディーヴァもいう通り暑い。戦闘中は気にする暇なかったが、汗がふき出て止まらない。
てーいっ!と、ディーヴァもショールをその場に捨てるほどだ。
「ポイ捨てするな。
血で変色しているが、ないよりマシだ。羽織っておけ。暑いのはここだけだぞ」
「ふぇーい」
……バージルに怒られて体に戻されてるが。渋々体に巻きつけたのを確認してから、バージルが後ろの方へと顎をしゃくった。
「あちらから出られる」
バージルが指し示す場所を見れば、ゲートのようなものはないものの、空間が酷く歪んでいた。
オレはディーヴァを抱え、サウナ級の暑さで茹だりそうなここから逃げるかのように、歪みをくぐり抜けた。
ディーヴァ、俺もいることを忘れてくれるな」
大きな咳払いが背後で聞こえる。痺れを切らしたバージルがオレへのわずかな殺気を飛ばしながら言葉を発した。
ああ、バージルにしては待ったほうだよな。オレならキスに入られるその前に邪魔するし、待つなんてことしないし出来ない。
メインで魔帝をぶっ飛ばした分、譲歩していたとしてもだ。
オレの体とコートで見えていなかったらしいディーヴァが、そこで初めてバージルの姿を視認する。
「バージル!!」
目をまんまるに見開き、嬉しそうに顔を綻ばせるディーヴァ。オレと対峙した時とはまた違うその笑顔に、ほんの少しだけ嫉妬を感じる。
器小さいって?ディーヴァが関係するんだから当たり前だろ。
「オレが戦っている間はバージルがお前を守ってたんだぜ」
「……そうなの?ありがとうバージル」
「俺は何もしていない」
感謝したディーヴァをバッサリと切り捨てるバージルだが、その言葉に照れ隠しが混じっている事はオレには丸わかりだぜ。
「何言ってやがる。アンタがディーヴァを守ってたからオレは魔帝を倒すことに集中できたんだ」
「戦いに参加できるほどに俺が力を取り戻していれば、貴様が無駄に傷を負うことも、魔帝如きを倒すのにここまで時間がかかることもなかったと思うがな」
「えっ。なんかごめん……あたしがもっと早く起きてればよかったね」
せっかく花を持たせたのに、バージルときたらマジ素直じゃないのな〜。協力するかどうかはともかく、俺も魔帝を倒すのに力を出したかったとこぼしている。
ほら、おかげでディーヴァが責任感じちまったじゃねぇか。
「あ、いやディーヴァのせいではない。オレの魔力量が不安定だった、それだけだ」
当たり前だがディーヴァを攻めたかったわけでないようで、焦ったバージルが少しだけ早口になっていた。
ディーヴァが心配してバージルの元へと駆け寄り、ぐるぅりと周囲をまわる。
「不安定な魔力量……。傷とかあっても治りづらいってことだよね。怪我はしてない?大丈夫?」
「この通り問題ない」
「うん、ほんとだ。血は……ちょっとついてるけど、怪我はしてないみたいだね」
魔帝にぶっ刺された赤い刃の痕は、魔力量が足りなくてもさすがにもう治っている。それはオレも一緒か。
攻撃を受けた数もオレより遥かに少ないから、付着している血の量もバージルは少なめだ。
だがオレはというと。
「よく見たらダンテのコートは血飛沫で真っ赤っかに染まって見える〜!
うわ、夢の世界のダンテの姿を思い出しちゃった!血染めコートこわい……」
バージルを見、そしてオレを見たディーヴァに怖がられた。
夢の世界のオレってのがよくわからないが、うん、そうだな。オレは魔帝からの集中砲火を受け続けたし、この大冒険の中では散々串刺しになったりしてたからな。
それはもう血みどろスプラッタだろうとも。
でも血染めは言い過ぎだ。
「あほ、血染めじゃねぇわ。もともと赤いコートだって知ってるくせに。
それ言うならお前の赤いショールの方が血まみれになってるぜ」
そう指摘すれば、ディーヴァは初めて自身が身に纏う赤いショールを手に取った。
赤いショールに赤い血がたっぷりと染み込み、酸素に触れたそれはドス黒く染まってしまっていた。
「うわ、もう使えないね!?
あぁあ、お気に入りの赤いショールだったのに……」
ディーヴァめ、匂いで気がつかなかったのか。まあそれだけ乾いていれば、血の匂いもあまり感じられなかったのかもな。
匂いフェチとはいえ、ディーヴァは特別に鼻が利くというわけでもない。
オレからはディーヴァのどこか甘い血の香りが、どこまでもプンプンと届いてるんだがな。ああ、腹も魔力も減った。
「ねえダンテ、新しいの買ってもいい?」
「ん?ああ、もちろんだとも。オレのも買っていいか」
「コート自体がめちゃくちゃボロボロだもんね。布巾にも雑巾にもなりゃしない」
因みに、皮素材なのでもともと布巾にも雑巾にもならないけどな。
「バージルのコートも買わないとだね」
「俺は必要ない」
未だ親父の衣装のままのバージルを見てのディーヴァの言葉に、バージルがバッサリ切り捨てるように言う。
「ほんとに?」
「…………」
「ねえほんとにずっとスパーダさんのコートのままでいいの?」
「……そう言っている」
「ほんとのほんとに?拘りあったんじゃないの?バージルのイメージカラー、青い色の素敵なコート。
買ったら仕上げの茨模様?の刺繍は、あたしにさせてほしいなー、なぁんて思ってたんだけど」
「刺繍……」
食い下がる、というよりも何度もバージルの気持ちを確認するかのように聞いている。
わかるぜ、バージルは素直じゃないからな。こいつはもっとわがまま言っていいと思うぜ。
「手間になってしまうだろうがよろしく頼む。……言っておくが天使の加護がついて役に立ちそうだからだぞ!」
「あはは、わかってるよ」
バージルのコート自体は特注に近いとはいえ売ってないわけじゃない。オレのもそうだし。
だが茨のあの模様つきともなると、そう簡単に手に入るものではない。刺繍してくれるという言葉に心が揺さぶられたのだろう、バージルはディーヴァの押しに負けた。
「あー……。ところで、どうやって元の場所に戻るんだ?ここって魔帝の野郎が作り出した特殊な空間だろ」
「マグマいっぱいで暑苦しいよね」
会話も落ち着いたところで、このバトルフィールドからの脱出について相談する。ディーヴァもいう通り暑い。戦闘中は気にする暇なかったが、汗がふき出て止まらない。
てーいっ!と、ディーヴァもショールをその場に捨てるほどだ。
「ポイ捨てするな。
血で変色しているが、ないよりマシだ。羽織っておけ。暑いのはここだけだぞ」
「ふぇーい」
……バージルに怒られて体に戻されてるが。渋々体に巻きつけたのを確認してから、バージルが後ろの方へと顎をしゃくった。
「あちらから出られる」
バージルが指し示す場所を見れば、ゲートのようなものはないものの、空間が酷く歪んでいた。
オレはディーヴァを抱え、サウナ級の暑さで茹だりそうなここから逃げるかのように、歪みをくぐり抜けた。
