mission 22:old enemy ~VS魔帝~ 後編
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オレがバージルの手を取り立ち上がってすぐ、ディーヴァのつけているネックレスがプチリと切れて弾け飛んだ。
チェーンがバラバラになり地に落ちる。
一粒パールと、同じ大きさの一粒ガーネット。これまで散々ディーヴァとオレに例えてきたそれが、落ちて離れ離れになる。
「なんと不吉な!?」
「ふむ。ここの熱さに耐えられなくなったか、劣化したか……そんなところだろう」
「劣化…………」
「いつ買ったかにもよるがたかが首飾りだ。劣化くらいするだろうに。
何故そんなに拘る。ディーヴァの家族の形見か何かか?」
「いや、オレが初めてディーヴァにあげた物だ」
「つまりここ最近というわけではないわけか。どうせ貴様のなけなしの金で買った安物だろう、壊れてもしかたなかろう」
「!安くてもジュエリーショップで買ったものだ!何より心がこもってる……!」
アミュレットでもないならまた買えばいい、そう返してきたバージルには、よくわからなかったようだ。
良くも悪くも、物にあまり頓着する生活を送ってきてないからかもしれない。
しかし想い出というものが時には物に宿ることがあるのを思い出したのか、バージルはため息とともに落ちていたパールとガーネットを壊れものを扱うように拾いあげてた。
ああ、やっぱりアンタは兄だな。そうやって弟の面倒を見る。
受け取ろうと伸ばしたオレの手にそれは落ちることなく、バージルが再びつまみ上げてまじまじと宝石鑑定するがごとく見つめる。
「おい早く返せよ」
「まあ待て。
……なるほどな。この真珠と宝石には、ディーヴァの天使の力が僅かながら籠められていたらしい」
四方八方から見終え、やっと返ってきたそれをオレも見つめる。そっと握りしめれば、たしかにディーヴァの力のあたたかな波動が伝わってきた。
「身に宿る力を使い切ったが足りず、宝石に籠めていた力を使った。で、その無理な使用の負荷に耐えきれずに先にチェーンが壊れた……と、そんなところか」
「え。力を使っ、た……?
ディーヴァ、まさか力を使い果たして死ぬ、なんてことないよな?」
震えるオレの声音を前に、バージルがあからさまに目を逸らした!
「…………、……魔女の酒の力で死ぬことは回避された。だが魔女の酒も万能とは言い切れん。とだけ……」
ああいやだ、その沈黙が恐ろしい。
死ななかったがこのまま目が覚めない場合もある。つまりは脳死状態ーー。そう言いたいのだろうことが嫌でもわかってしまった。
「起きろ、起きろよディーヴァーーッ!」
オレはディーヴァの目覚めを祈り、思い切り抱きしめながら何度もそう呼びかける。
「…………う、うーん……。苦しい、暑い……」
「ディーヴァ!?」
もう無理かと思った。諦めの境地に達していたオレ達の耳に、か細い声が届いた。
目覚めて最初の顔が苦悶の表情だったとしてもいい。
お前の緑の瞳に映るのがオレであればそれでいい!
「おま、生きて……!本物、本物だよな!?」
けれどここに来るまでのことを考えると、本物のディーヴァなのか、ここまで一緒に悪魔の城を歩いてきた仮のディーヴァなのか判断がつかなかった。
不安に駆られたオレは、ディーヴァの頬へと手を伸ばした。
「……ほっぺたびろーん。この伸び具合、ディーヴァだ」
「痛い痛い。なんでつねった?」
「スカートばさー!パンツもディーヴァだ」
「きゃあっ!?何するのよ!」
「む!この平手打ちはディーヴァのものだな」
ディーヴァのほっぺたを摘んで横に伸ばしたり、ワンピースを捲って中を覗いてみた。
オレの暴挙に飛んでくる手のひらと、バージルから寄越された凄まじい殺気……は無視する。
ディーヴァから与えられた微かな痛みに、つい嬉しくなって頬が緩んだ。
「ひぃ!平手打ちしたのにダンテが喜んでる!へ、変態だよぉ……!」
「変態でもいい。
なあディーヴァ。ずっと一緒に行動してた、仮……って呼ばれてた方のディーヴァじゃないんだよな」
「違う。でも今はダンテのせいで黄泉の国に直行するところだから離して?」
「すまん」
さすがに少々強く抱きしめすぎた。ゆっくりと離すと目の前のディーヴァと目を合わせる。
その瞳がわずかに揺れ動き、弧を描いた。
にこり、と。
「さて……違うとは言ったけどどっちだと思う?」
「え」
「どっちのディーヴァだと思う?」
「え。まさか」
魔帝と対峙した時なんかよりよほど恐怖を覚える言葉。ディーヴァだけどディーヴァじゃない何かととって変わった……?
次に出てくる言葉がどんなか想像して、緊張が走った。
「ふふ。なーんてね。ホンモノのあたしだよ。そんな切ない顔しないで?
会えて嬉しくない?ダンテとやっと再会できて、あたしはすごくすごーく、嬉しいよ」
寂しそうに、でもいじらしく笑うディーヴァにオレは真面目な、でも蕩けそうな顔になる。
「ならよかったぜ。でも意地悪するなよ。
……おかえり」
「ただいま」
今度は苦しくないようにふんわりと、ディーヴァを抱き寄せる。お互いところどころ汚れている状況ではあるが、ディーヴァが持つ柔らかくて甘い女の子の匂いが、自分をひどく安心させた。
「オレも、ディーヴァと再会できて嬉しいぜ」
「ン……魔帝は?」
「やっとだ。今さっき倒したとこ。暑苦しいここはそのバトルフィールドだ」
「……本当に?」
「本当だよ」
自分にも言い聞かせるが如く言えば、ディーヴァの顔が綻んだ。
「やった!ようやく仇がとれたんだね……!」
「ああ、もう安心だ。ディーヴァも怖い思いをしなくてすむぜ」
「よかったあ……!お疲れ様っ」
ありがとう、そう言って笑顔のディーヴァからキスされた。
ありがとうはこっちのセリフだ。勢いでしてきたものだろうが、嬉しくてオレからも答えがわりの口付けを返す。
……おい、オレの後ろで腕を組んでこっち睨んでるお兄ちゃん、怒りはよーくわかるがあと少し待ってくれ。
今はディーヴァを堪能したい。
「ちゃんとここまでの記憶はあるんだろ?」
「うん。もちろん。
仮って呼ばれてたあたしもあたし。夢の世界で怖い思いはしてたようだけど、仮じゃないもう一人ももちろんあたし本人。記憶が混ざって一つになってる……って感じかな。
さっきはちょっとダンテを試してみただけ。……ごめんね?」
「悪い子だ」
頭を撫で、額にかかる髪をどかしてやりながら見つめ合う。
「ディーヴァにもお仕置きが必要そうだな」
「まあこわい」
どんなお仕置きだろう、と全然怖がっていない口調でディーヴァがカラカラと笑う。
まあ、悪魔に対する仕置きよりは遥かに優しいものなのは確かだからな。
チェーンがバラバラになり地に落ちる。
一粒パールと、同じ大きさの一粒ガーネット。これまで散々ディーヴァとオレに例えてきたそれが、落ちて離れ離れになる。
「なんと不吉な!?」
「ふむ。ここの熱さに耐えられなくなったか、劣化したか……そんなところだろう」
「劣化…………」
「いつ買ったかにもよるがたかが首飾りだ。劣化くらいするだろうに。
何故そんなに拘る。ディーヴァの家族の形見か何かか?」
「いや、オレが初めてディーヴァにあげた物だ」
「つまりここ最近というわけではないわけか。どうせ貴様のなけなしの金で買った安物だろう、壊れてもしかたなかろう」
「!安くてもジュエリーショップで買ったものだ!何より心がこもってる……!」
アミュレットでもないならまた買えばいい、そう返してきたバージルには、よくわからなかったようだ。
良くも悪くも、物にあまり頓着する生活を送ってきてないからかもしれない。
しかし想い出というものが時には物に宿ることがあるのを思い出したのか、バージルはため息とともに落ちていたパールとガーネットを壊れものを扱うように拾いあげてた。
ああ、やっぱりアンタは兄だな。そうやって弟の面倒を見る。
受け取ろうと伸ばしたオレの手にそれは落ちることなく、バージルが再びつまみ上げてまじまじと宝石鑑定するがごとく見つめる。
「おい早く返せよ」
「まあ待て。
……なるほどな。この真珠と宝石には、ディーヴァの天使の力が僅かながら籠められていたらしい」
四方八方から見終え、やっと返ってきたそれをオレも見つめる。そっと握りしめれば、たしかにディーヴァの力のあたたかな波動が伝わってきた。
「身に宿る力を使い切ったが足りず、宝石に籠めていた力を使った。で、その無理な使用の負荷に耐えきれずに先にチェーンが壊れた……と、そんなところか」
「え。力を使っ、た……?
ディーヴァ、まさか力を使い果たして死ぬ、なんてことないよな?」
震えるオレの声音を前に、バージルがあからさまに目を逸らした!
「…………、……魔女の酒の力で死ぬことは回避された。だが魔女の酒も万能とは言い切れん。とだけ……」
ああいやだ、その沈黙が恐ろしい。
死ななかったがこのまま目が覚めない場合もある。つまりは脳死状態ーー。そう言いたいのだろうことが嫌でもわかってしまった。
「起きろ、起きろよディーヴァーーッ!」
オレはディーヴァの目覚めを祈り、思い切り抱きしめながら何度もそう呼びかける。
「…………う、うーん……。苦しい、暑い……」
「ディーヴァ!?」
もう無理かと思った。諦めの境地に達していたオレ達の耳に、か細い声が届いた。
目覚めて最初の顔が苦悶の表情だったとしてもいい。
お前の緑の瞳に映るのがオレであればそれでいい!
「おま、生きて……!本物、本物だよな!?」
けれどここに来るまでのことを考えると、本物のディーヴァなのか、ここまで一緒に悪魔の城を歩いてきた仮のディーヴァなのか判断がつかなかった。
不安に駆られたオレは、ディーヴァの頬へと手を伸ばした。
「……ほっぺたびろーん。この伸び具合、ディーヴァだ」
「痛い痛い。なんでつねった?」
「スカートばさー!パンツもディーヴァだ」
「きゃあっ!?何するのよ!」
「む!この平手打ちはディーヴァのものだな」
ディーヴァのほっぺたを摘んで横に伸ばしたり、ワンピースを捲って中を覗いてみた。
オレの暴挙に飛んでくる手のひらと、バージルから寄越された凄まじい殺気……は無視する。
ディーヴァから与えられた微かな痛みに、つい嬉しくなって頬が緩んだ。
「ひぃ!平手打ちしたのにダンテが喜んでる!へ、変態だよぉ……!」
「変態でもいい。
なあディーヴァ。ずっと一緒に行動してた、仮……って呼ばれてた方のディーヴァじゃないんだよな」
「違う。でも今はダンテのせいで黄泉の国に直行するところだから離して?」
「すまん」
さすがに少々強く抱きしめすぎた。ゆっくりと離すと目の前のディーヴァと目を合わせる。
その瞳がわずかに揺れ動き、弧を描いた。
にこり、と。
「さて……違うとは言ったけどどっちだと思う?」
「え」
「どっちのディーヴァだと思う?」
「え。まさか」
魔帝と対峙した時なんかよりよほど恐怖を覚える言葉。ディーヴァだけどディーヴァじゃない何かととって変わった……?
次に出てくる言葉がどんなか想像して、緊張が走った。
「ふふ。なーんてね。ホンモノのあたしだよ。そんな切ない顔しないで?
会えて嬉しくない?ダンテとやっと再会できて、あたしはすごくすごーく、嬉しいよ」
寂しそうに、でもいじらしく笑うディーヴァにオレは真面目な、でも蕩けそうな顔になる。
「ならよかったぜ。でも意地悪するなよ。
……おかえり」
「ただいま」
今度は苦しくないようにふんわりと、ディーヴァを抱き寄せる。お互いところどころ汚れている状況ではあるが、ディーヴァが持つ柔らかくて甘い女の子の匂いが、自分をひどく安心させた。
「オレも、ディーヴァと再会できて嬉しいぜ」
「ン……魔帝は?」
「やっとだ。今さっき倒したとこ。暑苦しいここはそのバトルフィールドだ」
「……本当に?」
「本当だよ」
自分にも言い聞かせるが如く言えば、ディーヴァの顔が綻んだ。
「やった!ようやく仇がとれたんだね……!」
「ああ、もう安心だ。ディーヴァも怖い思いをしなくてすむぜ」
「よかったあ……!お疲れ様っ」
ありがとう、そう言って笑顔のディーヴァからキスされた。
ありがとうはこっちのセリフだ。勢いでしてきたものだろうが、嬉しくてオレからも答えがわりの口付けを返す。
……おい、オレの後ろで腕を組んでこっち睨んでるお兄ちゃん、怒りはよーくわかるがあと少し待ってくれ。
今はディーヴァを堪能したい。
「ちゃんとここまでの記憶はあるんだろ?」
「うん。もちろん。
仮って呼ばれてたあたしもあたし。夢の世界で怖い思いはしてたようだけど、仮じゃないもう一人ももちろんあたし本人。記憶が混ざって一つになってる……って感じかな。
さっきはちょっとダンテを試してみただけ。……ごめんね?」
「悪い子だ」
頭を撫で、額にかかる髪をどかしてやりながら見つめ合う。
「ディーヴァにもお仕置きが必要そうだな」
「まあこわい」
どんなお仕置きだろう、と全然怖がっていない口調でディーヴァがカラカラと笑う。
まあ、悪魔に対する仕置きよりは遥かに優しいものなのは確かだからな。
