mission 22:old enemy ~VS魔帝~ 前編
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「うおおおお……!」
ただ回避に専念しているように見せかけ、オレは円を描き飛んで、光弾を発射しながら近づいた。
パキッーー!
魔帝を守っているバリアー、黒い球がすべて破壊された!
奴を覆う結界がガラスのように砕け散る音が空間内に響き渡り、胸部の核が露わとなった。
「破!破!破ァーー!」
そこを狙って叩き込むオレの渾身のメテオ光弾。
オレからの怒涛の攻撃を前に、魔帝の巨体が僅かとはいえついに傾いた。
『ぐっ!貴様ぁァァァァ……!虫ケラの分際で!潰してくれるわ!!』
「はっ!やっと重い腰あげて動いたか」
翼をはためかせた魔帝が、錐揉み回転しながら飛びかかってきた。
オレのヴォルテックスの真似事か?おお、速い速い。
あの巨体でぶつかられたら頭がカチ割れること間違いなしだろう。
オレも体を回転させることで、魔帝の体当たりを避けすれ違う。気分は闘牛士だ。
すれ違う瞬間、魔帝の赤い目とかち合った。
オレは睨みつけたが、相手はニヤリと笑っていた。
手のひらの上でオレを、オレたちをいつまでも弄んでるつもりか?自分の体からしたらオレはちっこいもんな。
だが、その余裕ブッこいた表情。
「身体ごとブッ壊してやるぜ!
逃すか、よ!」
闘志が燃え、魔力も燃える。
そのまま燃え盛る龍を召喚したオレは、魔帝の体を巨大な炎で飲み込ませた。
龍と感覚がリンクしている……。
ギャオオオオ……!!
『ぐ、おおおお!?虫ケラごときが……!』
全てを焼き尽くす炎に、魔帝の体が悲鳴を上げた。
ぐるぐるととぐろを巻いたオレ……いや、龍の体は一点に集まり、オレとひとつになって再び魔人スパーダの肉体を形作る。
さすがに、魔力の減少による疲労感が体を襲った。
追撃にと魔帝を追う。
奴は腕で核を守りながら距離を取り、再び自身の周りに黒い球を浮かべて結界を張っていた。
「野郎め、攻撃してきてるようで防戦一方じゃねぇか。もっと強いと思ってたが、もしかして大したことないのか?」
その情けない姿に、オレが鼻で笑っていると。
「貴様の攻撃は派手だな。花火のように明るかったぞ」
頭上から声が降ってきた。確認すればオレとよく似た魔人化姿のバージルが、ディーヴァの体をそっと抱えて羽ばたいていた。
「バージル。生きてたか」
「勝手に殺すな」
バシュンバシュンと黒球を破壊するべく光弾を撃ちながら会話する。
「花火ねぇ……たまやー!って言えば良かったのか?」
「ふん。汚い花火なぞ要らんだろう」
「たしかにな。魔帝の体で咲くようなきったねぇ花火なんざ、オレも見たくねぇ」
爆発して飛び散る魔帝を見て、『汚ねぇ花火だ』って言わなきゃいけないんだろ。んな無駄なもん見てる暇があれば、オレはディーヴァを見ていたい。
そんな想像をしていたら、狙いが逸れて光弾が魔帝にはじかれた。
「狙いが定まっておらん。撃つならこうだ」
同じように光弾を魔帝めがけて放つバージル。
その狙いは違わず、黒い球体が二つ連続でいとも容易く破壊された。
「うむ。百点満点だな」
「そのドヤ顔腹立つ。そもそも余波が飛ぶからやめろって」
「余波とはなんだ」
「攻撃を手のひらに集束させてたらディーヴァに余波が飛ぶだろ。ただの人間の体を持つディーヴァに被害が出たらどうしてくれる!」
特に、ディーヴァのキューティクルや玉のお肌にな。ディーヴァの髪の毛が切られようものなら、オレは魔帝もろとも魔界を滅ぼす『魔王』になる自信がある。
髪の一本でも失わせはしない……。
「ここにいる時点で相当きついと思うぞ」
「まあ魔界だしな。って、わかってるなら余計やめろよ」
ディーヴァを助けたあと、できればそのままこの空間から脱出してほしかった。
心配なのはディーヴァだけではない。魔人化しているが、バージルもまだ本調子ではないのだから。
「で、ディーヴァは無事なのか。間に合ったのか?もちろん、生きてるんだよ……な?」
「この通りだ。
空気が合わずに多少苦しそうだが、息はしている」
ひどい貧血で青い顔をしているだけのようだ。眉間の皺はバージルとお揃いというわけでなく、苦しいからで。
少し浅く感じるが、呼吸を繰り返し、合わせて胸も上下していた。
生きてる。……生きてる!
「はあー、良かった……」
ディーヴァの無事を確認し、脱力しそうになった。
いかんいかん、まだオレは戦闘中だ。
翼で魔帝のレーザーを防いでいるが、これだって多少ダメージを負っているのだ。この鈍い痛みは忘れるべきじゃない。
だが、無事とわかるとやはり愛しい存在を直接感じ取りたくなるもの。
ーースカッ!
抱きしめようとしたオレの腕は空を切った。
「おいこら」
「今は抱かせん」
「苦しそうだから人工呼吸しようかと思っただけだ!」
「もっと悪いわボケが!周りのソレをどうにかしてからにしろ!」
「ソレ?」
バージルが指し示す先を見れば、白い球が電流を放ちながらこちらに迫ってきていた。
「しつこい野郎だ。
ディーヴァを抱きしめたりキスする大事な時間を奪われた……絶対に許さん」
バージルとディーヴァを守るかのように前に立ち塞がったオレは(立ってないし飛んでるけど)、光弾を四方八方に放ち、向かってくる球を片っ端から撃ち落とした。
最後の球を手で防御し、ゼロ距離で破壊する。
シュウシュウと煙が立ち込める先、魔帝の周りに六つの球体。
「またソイツか?テメェの攻撃はワンパターンだな。もう見切ったぜ」
白いレーザーと、魔帝自身から放たれる赤いレーザー。追加とばかりにその背の翼からもレーザーという、渾然一体の攻撃。
そんなものいくら並べたてたってオレを倒せるわけがないのは、いい加減わからないもんかね。
だが、その後に放たれたものはさすがに防御と回避にエネルギー全振りせざるを得なかった。
ただ回避に専念しているように見せかけ、オレは円を描き飛んで、光弾を発射しながら近づいた。
パキッーー!
魔帝を守っているバリアー、黒い球がすべて破壊された!
奴を覆う結界がガラスのように砕け散る音が空間内に響き渡り、胸部の核が露わとなった。
「破!破!破ァーー!」
そこを狙って叩き込むオレの渾身のメテオ光弾。
オレからの怒涛の攻撃を前に、魔帝の巨体が僅かとはいえついに傾いた。
『ぐっ!貴様ぁァァァァ……!虫ケラの分際で!潰してくれるわ!!』
「はっ!やっと重い腰あげて動いたか」
翼をはためかせた魔帝が、錐揉み回転しながら飛びかかってきた。
オレのヴォルテックスの真似事か?おお、速い速い。
あの巨体でぶつかられたら頭がカチ割れること間違いなしだろう。
オレも体を回転させることで、魔帝の体当たりを避けすれ違う。気分は闘牛士だ。
すれ違う瞬間、魔帝の赤い目とかち合った。
オレは睨みつけたが、相手はニヤリと笑っていた。
手のひらの上でオレを、オレたちをいつまでも弄んでるつもりか?自分の体からしたらオレはちっこいもんな。
だが、その余裕ブッこいた表情。
「身体ごとブッ壊してやるぜ!
逃すか、よ!」
闘志が燃え、魔力も燃える。
そのまま燃え盛る龍を召喚したオレは、魔帝の体を巨大な炎で飲み込ませた。
龍と感覚がリンクしている……。
ギャオオオオ……!!
『ぐ、おおおお!?虫ケラごときが……!』
全てを焼き尽くす炎に、魔帝の体が悲鳴を上げた。
ぐるぐるととぐろを巻いたオレ……いや、龍の体は一点に集まり、オレとひとつになって再び魔人スパーダの肉体を形作る。
さすがに、魔力の減少による疲労感が体を襲った。
追撃にと魔帝を追う。
奴は腕で核を守りながら距離を取り、再び自身の周りに黒い球を浮かべて結界を張っていた。
「野郎め、攻撃してきてるようで防戦一方じゃねぇか。もっと強いと思ってたが、もしかして大したことないのか?」
その情けない姿に、オレが鼻で笑っていると。
「貴様の攻撃は派手だな。花火のように明るかったぞ」
頭上から声が降ってきた。確認すればオレとよく似た魔人化姿のバージルが、ディーヴァの体をそっと抱えて羽ばたいていた。
「バージル。生きてたか」
「勝手に殺すな」
バシュンバシュンと黒球を破壊するべく光弾を撃ちながら会話する。
「花火ねぇ……たまやー!って言えば良かったのか?」
「ふん。汚い花火なぞ要らんだろう」
「たしかにな。魔帝の体で咲くようなきったねぇ花火なんざ、オレも見たくねぇ」
爆発して飛び散る魔帝を見て、『汚ねぇ花火だ』って言わなきゃいけないんだろ。んな無駄なもん見てる暇があれば、オレはディーヴァを見ていたい。
そんな想像をしていたら、狙いが逸れて光弾が魔帝にはじかれた。
「狙いが定まっておらん。撃つならこうだ」
同じように光弾を魔帝めがけて放つバージル。
その狙いは違わず、黒い球体が二つ連続でいとも容易く破壊された。
「うむ。百点満点だな」
「そのドヤ顔腹立つ。そもそも余波が飛ぶからやめろって」
「余波とはなんだ」
「攻撃を手のひらに集束させてたらディーヴァに余波が飛ぶだろ。ただの人間の体を持つディーヴァに被害が出たらどうしてくれる!」
特に、ディーヴァのキューティクルや玉のお肌にな。ディーヴァの髪の毛が切られようものなら、オレは魔帝もろとも魔界を滅ぼす『魔王』になる自信がある。
髪の一本でも失わせはしない……。
「ここにいる時点で相当きついと思うぞ」
「まあ魔界だしな。って、わかってるなら余計やめろよ」
ディーヴァを助けたあと、できればそのままこの空間から脱出してほしかった。
心配なのはディーヴァだけではない。魔人化しているが、バージルもまだ本調子ではないのだから。
「で、ディーヴァは無事なのか。間に合ったのか?もちろん、生きてるんだよ……な?」
「この通りだ。
空気が合わずに多少苦しそうだが、息はしている」
ひどい貧血で青い顔をしているだけのようだ。眉間の皺はバージルとお揃いというわけでなく、苦しいからで。
少し浅く感じるが、呼吸を繰り返し、合わせて胸も上下していた。
生きてる。……生きてる!
「はあー、良かった……」
ディーヴァの無事を確認し、脱力しそうになった。
いかんいかん、まだオレは戦闘中だ。
翼で魔帝のレーザーを防いでいるが、これだって多少ダメージを負っているのだ。この鈍い痛みは忘れるべきじゃない。
だが、無事とわかるとやはり愛しい存在を直接感じ取りたくなるもの。
ーースカッ!
抱きしめようとしたオレの腕は空を切った。
「おいこら」
「今は抱かせん」
「苦しそうだから人工呼吸しようかと思っただけだ!」
「もっと悪いわボケが!周りのソレをどうにかしてからにしろ!」
「ソレ?」
バージルが指し示す先を見れば、白い球が電流を放ちながらこちらに迫ってきていた。
「しつこい野郎だ。
ディーヴァを抱きしめたりキスする大事な時間を奪われた……絶対に許さん」
バージルとディーヴァを守るかのように前に立ち塞がったオレは(立ってないし飛んでるけど)、光弾を四方八方に放ち、向かってくる球を片っ端から撃ち落とした。
最後の球を手で防御し、ゼロ距離で破壊する。
シュウシュウと煙が立ち込める先、魔帝の周りに六つの球体。
「またソイツか?テメェの攻撃はワンパターンだな。もう見切ったぜ」
白いレーザーと、魔帝自身から放たれる赤いレーザー。追加とばかりにその背の翼からもレーザーという、渾然一体の攻撃。
そんなものいくら並べたてたってオレを倒せるわけがないのは、いい加減わからないもんかね。
だが、その後に放たれたものはさすがに防御と回避にエネルギー全振りせざるを得なかった。