mission 21:inside devil's body ~蠢く胎内にて~
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三人揃ってそこをくぐり抜けると、そこは一面真っ赤っか。
温度は上昇。あれほど充満していた臭いすらもどこかへと消えるほどの熱気で蒸していた。
真下には煮えたぎる溶岩が流れているからだ。
「なるほど。これをみてディーヴァは尻尾巻いて逃げてきたわけだ」
「巻くような尻尾はないでーす」
「あったら今ごろいじり倒してる」
手をわきわきさせてこっちを見てくるダンテに危険を感じ、バージルの方へと移動する。
そこから、自分の身にマグマが絶対に届かないように気をつけて指をさす。
「ねね、これ見てよ。どう見てもドロドロのマグマじゃん?この中って悪魔の体の中じゃないの。どういうこと?
こんなのあたし一瞬で燃えちゃうよねぇ……」
「落ちなきゃ問題ないだろ」
あたし一人だけだったら落ちる予感しかしないから言ってるのになあ。
けど、バージルの言葉にあたしは目を丸くすることになった。
「燃えているがこれは灼熱の血の海なだけだ」
「も、燃えてる血!?
わー、いよいよこの体の持ち主がドラゴン系悪魔の線が濃くなってきたぁ……」
勝てる気がしない。
魔帝より強そうとか思ってしまった。
「しかしあっちぃな……。まさかマグマが流れてるとはな」
「暑いというな。余計暑くなる。
大体マグマではないと言っただろうが」
「燃えてるんなら実質マグマと変わらねぇよ。
けど、ドロドロの血ってことはコレステロール過多になりそうだな。将来的には心筋梗塞か?」
確かに。静脈瘤のこぶがあったからそれも考えられる。
この先何があるかわからないし、あたしも健康には注意しよ。なお、好物のチーズはやめない。
「ねえ、暑いなら二人とも脱げばいいじゃない。その格好は見てるこっちが暑い」
「すぐ通り抜ければ済む話だろ。
それともディーヴァはオレの裸が見たいのか?」
インナーから手を入れて腹筋をチラ見せしてくるダンテに、バージルがその腹筋目掛けて刀を突き立てようとした。逃げたけど。
「あぶねえあぶねえ」
「調子に乗るからでしょ。
バージルは?ビロード生地なんて暑さの塊だよね」
「俺は脱ぐ必要がない。この生地は特別性。暑くも寒くもない」
羨ましい。ぜひそれを作ったという悪魔にオーダーメイドで今すぐ頼みたい。
「ところで、なんであたし達は入り口で固まってるだけなの?暑いだけじゃない。
どうやって進むのかも気になるけど、先に進まなくていいんでしょ〜か?」
仁王立ちするダンテとバージル。あたしすら腰に手を当てて、突っ立ったままだ。
「途中の飛び石を軽く渡っていくだけだろ?アスレチックと変わらないぜ、行くぞ」
「まあ待て」
バージルの静止が入る。
その数秒後、頭上から何者かの羽ばたき音が二つ降りてきた。
「来たぞ」
見上げれば、特徴的な赤い目玉ひとつの青い蝙蝠が二匹。プラズマだ。
一斉に撃ってきた電撃レーザーを、バージルはあたしを抱えて避け、ダンテはバックステップで避ける。
「あっ!偽物の一つ目ダンテだ!」
「偽物の一つ目ね……まったく、いやな呼び名だぜ」
「奴らが来るのを待っていた」
「こんな奴らをねぇ……待つ価値もないだろうに」
「ここを進むならば此奴らは邪魔だ。俺とダンテはいいがディーヴァがいるのに移動中攻撃されても困るだろう?」
「違いねぇ」
「分裂はさせず一撃で仕留めろ。できるな?」
「誰に言ってる」
着地したバージルが、ダンテに目配せする。ダンテは鼻で笑って返す。
アラストルか魔剣スパーダを、と思ったダンテが、イフリートを装備する。
一気に片付けるため、インフェルノで退治しようというのかもしれない。
「行くぞディーヴァ。ついてこい」
「え、その距離はジャンプ出来ないんだけど……?」
最初の足場まで軽く跳んだバージルに、自分に続けと誘われる。が、その距離はあたしの足には厳しい。
赤い配管工じゃあるまいし、落ちたら残機減るだけじゃ済まない。
「そういえばそうだな。天使はか弱く不便な体をしているのだな……」
「別に天使は関係ないでしょ。人間はそれが普通なの!この距離をぴょんぴょんできるのは、うさぎとか貴方達くらいよ」
「そうか。それはすまなかった」
「わっ!」
謝罪の言葉ののち、いきなり横抱きにされた。
「愚弟がアレの相手をしている間に、俺が運ぶ。落とさないから安心しろ」
「ん、バージルの事信じてるね」
「……ああ」
バージルが一瞬、ふんわり笑ったような気がする。すごく優しい顔だったけど、見間違えかな。
そんなことを思いながら、バージルは軽い足取りで跳躍を繰り返し、高台まで上がった。
「おいこらバージルー!オレのディーヴァといちゃいちゃすんなー!」
洞窟のようなこの場所だからか、エコーがかかりよく響くダンテの声。
こっちの事も気にしながら、プラズマを分裂させぬよう相手取っているようだ。
気にせずに戦いに集中してほしいけど、その心配は必要がなかった。
肉薄して溜めに溜めた力で、プラズマに強烈な蹴りを繰り出すダンテ。
もう一匹へと激突させすかさず魔人化。二匹まとめてインフェルノで焼き尽くす。
「いちいちうるさい男だ。……はっ!」
あたしをおろすと、刀を一閃させて壁の紋章を発動する。
するとマグマの中から、巨大な柱がいくつか伸びてきた。足場だ。
さらに上へとのぼれ、そういうことらしくあがった先にも紋章があるようだった。
「うあっち!
奴らを倒したと思ったら、いきなり足場がマグマの中から飛び出してきたんだが!?
てめえの仕業かバージル!」
「いいからさっさとのぼってこい」
足場出現の際にマグマが跳ねたらしく、ダンテは怒っていた。
出現した足場を使い、バージルと共に更に上へと進んだ先。そこで再会したダンテは。
「ひえっ!
まだ燃えてるじゃない!しかもその燃えてるのは血でしょ!落としてから来てよ〜」
跳ねたマグマにより、炎に包まれたままだった。
人間キャンプファイヤー。半分悪魔だし、サバト開く?
「ひどいなー。
こういうのは、一度火がつくとイフリートの炎と違って燃え続けるし厄介だよな。
……はあ、やっと落ちたか」
イフリートの炎は、所有者であるダンテが管理する。だからどんなに炎が撒き散らされる技を使用しようと、ダンテ自身が燃えることも、ダンテの身につけているものに引火することもない。
ぶすったれながら手で何度もはたき、ダンテはマグマによる炎を消した。
「あーあ。オレの一張羅がまたボロくなっちまった……。
おいバージル!お前のせいなんだからあとで買え」
「金があったとしても拒否する」
「ははっ!そういえばオレより無一文だったか!」
「バージルは魔界にいたんだから仕方ないけど、ダンテは借金の分マイナスだよね?」
そう指摘すればダンテは何も言わなくなった。
二つ目の紋章を発動すれば、さらに足場が増えていく。
バージルはあたしを抱え、ダンテは身一つ。軽々と跳んで越えていくと、最頂部には弁膜が。
顔を見合わせ、ダンテがイフリートで燃やし尽くしたあと楽々くぐり抜けると。
温度は上昇。あれほど充満していた臭いすらもどこかへと消えるほどの熱気で蒸していた。
真下には煮えたぎる溶岩が流れているからだ。
「なるほど。これをみてディーヴァは尻尾巻いて逃げてきたわけだ」
「巻くような尻尾はないでーす」
「あったら今ごろいじり倒してる」
手をわきわきさせてこっちを見てくるダンテに危険を感じ、バージルの方へと移動する。
そこから、自分の身にマグマが絶対に届かないように気をつけて指をさす。
「ねね、これ見てよ。どう見てもドロドロのマグマじゃん?この中って悪魔の体の中じゃないの。どういうこと?
こんなのあたし一瞬で燃えちゃうよねぇ……」
「落ちなきゃ問題ないだろ」
あたし一人だけだったら落ちる予感しかしないから言ってるのになあ。
けど、バージルの言葉にあたしは目を丸くすることになった。
「燃えているがこれは灼熱の血の海なだけだ」
「も、燃えてる血!?
わー、いよいよこの体の持ち主がドラゴン系悪魔の線が濃くなってきたぁ……」
勝てる気がしない。
魔帝より強そうとか思ってしまった。
「しかしあっちぃな……。まさかマグマが流れてるとはな」
「暑いというな。余計暑くなる。
大体マグマではないと言っただろうが」
「燃えてるんなら実質マグマと変わらねぇよ。
けど、ドロドロの血ってことはコレステロール過多になりそうだな。将来的には心筋梗塞か?」
確かに。静脈瘤のこぶがあったからそれも考えられる。
この先何があるかわからないし、あたしも健康には注意しよ。なお、好物のチーズはやめない。
「ねえ、暑いなら二人とも脱げばいいじゃない。その格好は見てるこっちが暑い」
「すぐ通り抜ければ済む話だろ。
それともディーヴァはオレの裸が見たいのか?」
インナーから手を入れて腹筋をチラ見せしてくるダンテに、バージルがその腹筋目掛けて刀を突き立てようとした。逃げたけど。
「あぶねえあぶねえ」
「調子に乗るからでしょ。
バージルは?ビロード生地なんて暑さの塊だよね」
「俺は脱ぐ必要がない。この生地は特別性。暑くも寒くもない」
羨ましい。ぜひそれを作ったという悪魔にオーダーメイドで今すぐ頼みたい。
「ところで、なんであたし達は入り口で固まってるだけなの?暑いだけじゃない。
どうやって進むのかも気になるけど、先に進まなくていいんでしょ〜か?」
仁王立ちするダンテとバージル。あたしすら腰に手を当てて、突っ立ったままだ。
「途中の飛び石を軽く渡っていくだけだろ?アスレチックと変わらないぜ、行くぞ」
「まあ待て」
バージルの静止が入る。
その数秒後、頭上から何者かの羽ばたき音が二つ降りてきた。
「来たぞ」
見上げれば、特徴的な赤い目玉ひとつの青い蝙蝠が二匹。プラズマだ。
一斉に撃ってきた電撃レーザーを、バージルはあたしを抱えて避け、ダンテはバックステップで避ける。
「あっ!偽物の一つ目ダンテだ!」
「偽物の一つ目ね……まったく、いやな呼び名だぜ」
「奴らが来るのを待っていた」
「こんな奴らをねぇ……待つ価値もないだろうに」
「ここを進むならば此奴らは邪魔だ。俺とダンテはいいがディーヴァがいるのに移動中攻撃されても困るだろう?」
「違いねぇ」
「分裂はさせず一撃で仕留めろ。できるな?」
「誰に言ってる」
着地したバージルが、ダンテに目配せする。ダンテは鼻で笑って返す。
アラストルか魔剣スパーダを、と思ったダンテが、イフリートを装備する。
一気に片付けるため、インフェルノで退治しようというのかもしれない。
「行くぞディーヴァ。ついてこい」
「え、その距離はジャンプ出来ないんだけど……?」
最初の足場まで軽く跳んだバージルに、自分に続けと誘われる。が、その距離はあたしの足には厳しい。
赤い配管工じゃあるまいし、落ちたら残機減るだけじゃ済まない。
「そういえばそうだな。天使はか弱く不便な体をしているのだな……」
「別に天使は関係ないでしょ。人間はそれが普通なの!この距離をぴょんぴょんできるのは、うさぎとか貴方達くらいよ」
「そうか。それはすまなかった」
「わっ!」
謝罪の言葉ののち、いきなり横抱きにされた。
「愚弟がアレの相手をしている間に、俺が運ぶ。落とさないから安心しろ」
「ん、バージルの事信じてるね」
「……ああ」
バージルが一瞬、ふんわり笑ったような気がする。すごく優しい顔だったけど、見間違えかな。
そんなことを思いながら、バージルは軽い足取りで跳躍を繰り返し、高台まで上がった。
「おいこらバージルー!オレのディーヴァといちゃいちゃすんなー!」
洞窟のようなこの場所だからか、エコーがかかりよく響くダンテの声。
こっちの事も気にしながら、プラズマを分裂させぬよう相手取っているようだ。
気にせずに戦いに集中してほしいけど、その心配は必要がなかった。
肉薄して溜めに溜めた力で、プラズマに強烈な蹴りを繰り出すダンテ。
もう一匹へと激突させすかさず魔人化。二匹まとめてインフェルノで焼き尽くす。
「いちいちうるさい男だ。……はっ!」
あたしをおろすと、刀を一閃させて壁の紋章を発動する。
するとマグマの中から、巨大な柱がいくつか伸びてきた。足場だ。
さらに上へとのぼれ、そういうことらしくあがった先にも紋章があるようだった。
「うあっち!
奴らを倒したと思ったら、いきなり足場がマグマの中から飛び出してきたんだが!?
てめえの仕業かバージル!」
「いいからさっさとのぼってこい」
足場出現の際にマグマが跳ねたらしく、ダンテは怒っていた。
出現した足場を使い、バージルと共に更に上へと進んだ先。そこで再会したダンテは。
「ひえっ!
まだ燃えてるじゃない!しかもその燃えてるのは血でしょ!落としてから来てよ〜」
跳ねたマグマにより、炎に包まれたままだった。
人間キャンプファイヤー。半分悪魔だし、サバト開く?
「ひどいなー。
こういうのは、一度火がつくとイフリートの炎と違って燃え続けるし厄介だよな。
……はあ、やっと落ちたか」
イフリートの炎は、所有者であるダンテが管理する。だからどんなに炎が撒き散らされる技を使用しようと、ダンテ自身が燃えることも、ダンテの身につけているものに引火することもない。
ぶすったれながら手で何度もはたき、ダンテはマグマによる炎を消した。
「あーあ。オレの一張羅がまたボロくなっちまった……。
おいバージル!お前のせいなんだからあとで買え」
「金があったとしても拒否する」
「ははっ!そういえばオレより無一文だったか!」
「バージルは魔界にいたんだから仕方ないけど、ダンテは借金の分マイナスだよね?」
そう指摘すればダンテは何も言わなくなった。
二つ目の紋章を発動すれば、さらに足場が増えていく。
バージルはあたしを抱え、ダンテは身一つ。軽々と跳んで越えていくと、最頂部には弁膜が。
顔を見合わせ、ダンテがイフリートで燃やし尽くしたあと楽々くぐり抜けると。