mission 21:inside devil's body ~蠢く胎内にて~
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「相変わらず細い道だな、っと」
細い上に、こちらを取り込もうと伸ばされてくる無数の触手。
それらを時に引きちぎり、時に斬り落として道を作りながらダンテが抜けていく。
「ディーヴァ、大丈夫か。転ぶなよ」
「うん、なんとか……」
「安心しろ。俺が後ろで支えてやる」
道を抜けた先でダンテが手を伸ばす。
手は取らせてもらったけど大丈夫。万が一にはバージルも後ろで触手を斬りつけながら待機してくれている。
安心して道を抜け、少し広くなった空間へと足を踏み入れる。
「うわ」
そして視界に入れて後悔した。
なんという怒涛の触手部屋。触手でできた壁紙に絨毯としか思えない。
壁からだけではなく、床からもにゅるにゅると生えた触手が獲物をいまかいまかと待ち構えていた。
「まぁた脇道が伸びてるぜ。どうするバージル」
「念のため見てこよう。お前達は先に進め」
あたしの様子も触手すらも無視し、ダンテとバージルが会話を交わしている。
そうよね、ダンテ達には大した脅威じゃないものね。でもこの気持ち悪さを目にして何も思わないのかな?
そうこうしてるうちにバージルが脇道に逸れた。またダンテと二人。……は別にいいとして、ここ通るの不安だな。はあ。
「ほら」
この不安には気がついていたみたい。
目線を合わせようと腰を落としたダンテが腕を広げてくる。
あたしはダンテの胸に思い切り飛び込んで、抱き上げてもらった。
「にしてもあのバージルの格好は、こう……親父に言われてるみたいな気分で嫌になるな」
ダンテの父・スパーダさんと同じ衣装に身を包むバージル。
あたしから見たら、ひたすらかっこいい、似合ってる。そういった感想しか浮かばないけれど、ダンテからしたら瓜二つにしかみえないから錯覚して困惑するんだろうね。
聞けばスパーダさんも髪色は銀、目の色は青だったらしいし。
「スパーダさんに叱られてる気分?」
「そうそう叱られ……って、バージルに叱られるようなことはまだ何もしてないぜ」
「まだ?これからするんだね!」
「しねぇよ……多分」
今ちっちゃく多分って言った。
「なあディーヴァ……」
「うん?」
「……ここから帰ったら、バージルにあの青いコートを新調してやろうぜ」
それはつまり、バージルと一緒に帰るという意味。連れて帰るって意味!
「!……うんっそうだね」
ダンテとバージルの兄弟が今まで一緒にいられなかった分、これからめいっぱい仲良くできるといいんだけど……それは高望みしすぎかな?
ダンテの腕というゆりかごに揺られながら、あたしはこれからに思いを馳せた。
草木をかきわけるように触手を切り裂いてうねうねの海を乗り越えると、そこはさらに広まった空洞。
待ち構えるは、ノーバディ一匹だ。
相手が気がついた瞬間、悪魔の結界という帳が部屋全体に下される。
でもその向こうには弁膜が見えることから、この一匹で最後。
この一匹さえ倒せばこの臭くて狭い腸から出られる。ヤッター!
「さっきみたいにバージルが一緒にいたらよかったのにね」
「あいつオレには協力しねぇからいてもいなくても変わらねぇよ」
「変わる!すっごい変わるよ!」
ノーバディの腕を避けながら銃を撃つダンテ。
絶賛抱き上げられての移動中な為、至近距離で発砲される音が耳にキンキンと響く中、ダンテに叫ぶようにして伝える。
「いいや、変わらないね。それを今から見せてやるぜ」
そう言ってダンテはあたしを降ろし、自身の後ろへと下がらせた。
「ここなら前よりは広い。ディーヴァは下がってろ」
「う、うん……」
銃をくるくると回転させながら仕舞い込むと、近距離武器へと手を伸ばす。
どれにしようかと、迷うその手。
『直腸スティンガーはやめてよ?』
「じゃあ今回はイフリートで倒すわ」
『千年殺しするとかじゃないだろうね!?』
「馬鹿言え、それだとオレの手まで汚くなるだろうが」
途端、ダンテの腕と足へと炎と共に装着されるイフリート。
燃える炎はダンテの熱いハートのよう。
ダンテはあたしの姿を一度だけ振り返って笑みを浮かべると、魔人化してノーバディへと突撃していった。
「うらぁ、吹っ飛べ!」
炎を纏った足で蹴り上げながら跳び、こちらへと投げつけられてきた目玉爆弾ごとノーバディを燃やす。
ノーバディの顔面がいい音を立てて焼かれ、肉の……それも腐肉の焦げた臭いが部屋に広がる。
「死にさらせっ!!」
声を上げる暇もない悪魔に向け、続くはマグマドライブの強烈なアッパー。
毒の体液もダンテの熱さに焼けて消える。
「はは、最初からこの高火力で焼いちまえばよかったぜ」
天井まで叩きつけられたノーバディは何もできず重力に従って地に落ちていく。
それを気長に待てるダンテでもない。
地に落ちるその瞬間、一際強く燃え上がるダンテの拳。
「地獄へ堕ちな」
インフェルノだ。
地獄の業火に飲み込まれたノーバディは、なすすべもなく体を燃やし尽くされ燃えかすとなっていく。
毒の体も、レッドオーブすら残さず。
「ぅあっつ……ダンテやりすぎぃ……。
部屋が熱されて暑い上に、臭気がこもってくさい〜〜」
熱い。そして暑い。でもそれより耐えられないのが臭い。鼻をつまみやり過ごそうと、なるべく遠い位置に下がった。
その背後では、悪魔の結界も弾けて消える音がする。
結界が消えた先。あたしが寄りかかった壁や地面からは、しゅるりとしたものが伸びてきていた。
「んぐっ……!ゃっ……何っ!?」
気がついた時には遅かった。
細い上に、こちらを取り込もうと伸ばされてくる無数の触手。
それらを時に引きちぎり、時に斬り落として道を作りながらダンテが抜けていく。
「ディーヴァ、大丈夫か。転ぶなよ」
「うん、なんとか……」
「安心しろ。俺が後ろで支えてやる」
道を抜けた先でダンテが手を伸ばす。
手は取らせてもらったけど大丈夫。万が一にはバージルも後ろで触手を斬りつけながら待機してくれている。
安心して道を抜け、少し広くなった空間へと足を踏み入れる。
「うわ」
そして視界に入れて後悔した。
なんという怒涛の触手部屋。触手でできた壁紙に絨毯としか思えない。
壁からだけではなく、床からもにゅるにゅると生えた触手が獲物をいまかいまかと待ち構えていた。
「まぁた脇道が伸びてるぜ。どうするバージル」
「念のため見てこよう。お前達は先に進め」
あたしの様子も触手すらも無視し、ダンテとバージルが会話を交わしている。
そうよね、ダンテ達には大した脅威じゃないものね。でもこの気持ち悪さを目にして何も思わないのかな?
そうこうしてるうちにバージルが脇道に逸れた。またダンテと二人。……は別にいいとして、ここ通るの不安だな。はあ。
「ほら」
この不安には気がついていたみたい。
目線を合わせようと腰を落としたダンテが腕を広げてくる。
あたしはダンテの胸に思い切り飛び込んで、抱き上げてもらった。
「にしてもあのバージルの格好は、こう……親父に言われてるみたいな気分で嫌になるな」
ダンテの父・スパーダさんと同じ衣装に身を包むバージル。
あたしから見たら、ひたすらかっこいい、似合ってる。そういった感想しか浮かばないけれど、ダンテからしたら瓜二つにしかみえないから錯覚して困惑するんだろうね。
聞けばスパーダさんも髪色は銀、目の色は青だったらしいし。
「スパーダさんに叱られてる気分?」
「そうそう叱られ……って、バージルに叱られるようなことはまだ何もしてないぜ」
「まだ?これからするんだね!」
「しねぇよ……多分」
今ちっちゃく多分って言った。
「なあディーヴァ……」
「うん?」
「……ここから帰ったら、バージルにあの青いコートを新調してやろうぜ」
それはつまり、バージルと一緒に帰るという意味。連れて帰るって意味!
「!……うんっそうだね」
ダンテとバージルの兄弟が今まで一緒にいられなかった分、これからめいっぱい仲良くできるといいんだけど……それは高望みしすぎかな?
ダンテの腕というゆりかごに揺られながら、あたしはこれからに思いを馳せた。
草木をかきわけるように触手を切り裂いてうねうねの海を乗り越えると、そこはさらに広まった空洞。
待ち構えるは、ノーバディ一匹だ。
相手が気がついた瞬間、悪魔の結界という帳が部屋全体に下される。
でもその向こうには弁膜が見えることから、この一匹で最後。
この一匹さえ倒せばこの臭くて狭い腸から出られる。ヤッター!
「さっきみたいにバージルが一緒にいたらよかったのにね」
「あいつオレには協力しねぇからいてもいなくても変わらねぇよ」
「変わる!すっごい変わるよ!」
ノーバディの腕を避けながら銃を撃つダンテ。
絶賛抱き上げられての移動中な為、至近距離で発砲される音が耳にキンキンと響く中、ダンテに叫ぶようにして伝える。
「いいや、変わらないね。それを今から見せてやるぜ」
そう言ってダンテはあたしを降ろし、自身の後ろへと下がらせた。
「ここなら前よりは広い。ディーヴァは下がってろ」
「う、うん……」
銃をくるくると回転させながら仕舞い込むと、近距離武器へと手を伸ばす。
どれにしようかと、迷うその手。
『直腸スティンガーはやめてよ?』
「じゃあ今回はイフリートで倒すわ」
『千年殺しするとかじゃないだろうね!?』
「馬鹿言え、それだとオレの手まで汚くなるだろうが」
途端、ダンテの腕と足へと炎と共に装着されるイフリート。
燃える炎はダンテの熱いハートのよう。
ダンテはあたしの姿を一度だけ振り返って笑みを浮かべると、魔人化してノーバディへと突撃していった。
「うらぁ、吹っ飛べ!」
炎を纏った足で蹴り上げながら跳び、こちらへと投げつけられてきた目玉爆弾ごとノーバディを燃やす。
ノーバディの顔面がいい音を立てて焼かれ、肉の……それも腐肉の焦げた臭いが部屋に広がる。
「死にさらせっ!!」
声を上げる暇もない悪魔に向け、続くはマグマドライブの強烈なアッパー。
毒の体液もダンテの熱さに焼けて消える。
「はは、最初からこの高火力で焼いちまえばよかったぜ」
天井まで叩きつけられたノーバディは何もできず重力に従って地に落ちていく。
それを気長に待てるダンテでもない。
地に落ちるその瞬間、一際強く燃え上がるダンテの拳。
「地獄へ堕ちな」
インフェルノだ。
地獄の業火に飲み込まれたノーバディは、なすすべもなく体を燃やし尽くされ燃えかすとなっていく。
毒の体も、レッドオーブすら残さず。
「ぅあっつ……ダンテやりすぎぃ……。
部屋が熱されて暑い上に、臭気がこもってくさい〜〜」
熱い。そして暑い。でもそれより耐えられないのが臭い。鼻をつまみやり過ごそうと、なるべく遠い位置に下がった。
その背後では、悪魔の結界も弾けて消える音がする。
結界が消えた先。あたしが寄りかかった壁や地面からは、しゅるりとしたものが伸びてきていた。
「んぐっ……!ゃっ……何っ!?」
気がついた時には遅かった。