mission 21:inside devil's body ~蠢く胎内にて~
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ダンテのことを離したバージルが、あたしの姿を見てため息を吐く。
「まだこんなところにいたのか。
俺を待たず先に進めと言っておいたはずだが」
「ごめんなさい」
呆れ……ちゃったかな。
しょんぼりしていたら、復活したダンテがその間に入りバージルをグイグイと押し退けた。
「誰もアンタを待ってたわけじゃねえよ。
悪魔の結界に阻まれたもんで、足止め食っちまったのさ」
「え、ダンテはなんだかんだバージルを待ってたんだと思ってた!」
「待ってないっつの」
「アイタッ」
痛いとは言ったけど、いつもよりもさらに優しい小突きかた。素直じゃないなあ。
「ここに現れる悪魔というと、どうせノーバディだろう?あのような悪魔なぞ瞬殺だろうに」
「ばか言え、ディーヴァが一緒にいる空間で下手に暴れられるか。
守る相手がいると強くなるのはたしかだが、静かに戦わなくちゃならないんだぜ?ライブラリーやミュージアム並みにな」
図書館や美術館ではお静かに。
ダンテの言ってるそれだと、忍者みたいに息を殺して暗躍するレベルに聞こえる。
「ああ、お前の攻撃は時に派手だからな」
「否定できないね……」
でもダンテ、そこまで静かに戦っていなかったよね。もっと派手だとどうなっていたんだろう。
あたしがいない時のダンテの戦闘なんて録画してるわけでもなし、こっちからは見れないのでわからない。いや、わからないままでいた方が幸せな気がする。
「いいから進むぞ。ダンテ、先に行け」
「はいはい、わかりましたよ」
「はいは一回だ」
「ちっ……お袋かディーヴァみたいなこと言うんじゃねぇよ」
「あはははは……」
うねる細い道を、再び三人で縦一列に並んで進む。
何度も言うけど、前後を守られてるって感じのこの安心感!素晴らしい!
「まーた、奴さんはオレ達に遊んでほしいらしい」
ほっこりしていると、ダンテがうんざりした様子でため息を吐いた。
部屋へと入った瞬間、展開される悪魔の結界。目の前に現れるは、あの気持ちの悪いノーバディ!
でも今は安心できる。
なぜならダンテだけではない、ここにはバージルもいるからだ。
「共闘すれば瞬殺だよね」
「だが共闘はごめんだ」
「え!?」
「オレもパス!ディーヴァはオレが守ってるからバージルが倒せ」
「いや貴様が倒せ」
「ええ!?」
ダンテとバージル、お互いを押し合いへし合い。掴みかかって殴り合いの喧嘩をしている。
あたしの周りに来てくれるのも守ってくれるのも嬉しいけど、安心するには悪魔倒すのが大前提でしょ!
なのに二人はこの調子。逆に足を引っ張り合って、悪魔はそっちのけ。
頼むから安心させて。
「グォォォォ……!」
「「雑魚はすっこんでろ!」」
背中から生えた腕を振り回して飛びかかってきたノーバディだったが、ダンテとバージルに雑魚扱い。
思い切り顔面を殴られ吹っ飛んだ。
ノーバディの仮面はダンテ達からの衝撃で真っ二つに割れた挙句、二人の拳圧で塵芥が如く消し飛んだ。
倒されたわけじゃないから安心はできないんだけどね。
「ねえせめて悪魔を退治するまでくらい仲良くしてくれないかな!?」
「チッ……ディーヴァの頼みだ。仕方あるまい」
「しゃあねぇな。
いいところを見せてやるから目ん玉開いとけ、ディーヴァ」
「いいやこのような悪魔など、共闘するまでもなく瞬殺だ。
俺が先にやる。お前はそのあとに続けばよかろう」
「了解。オレの分は残しとけよ」
うん、最初からそういうやりとりをして欲しかったよ……。
咆哮をあげて向かってくるノーバディに、刀身を納めたままのバージルが腰を低く落とす。
ノーバディがバージルに攻撃を仕掛ける瞬間だった。
「ーー斬るーー!」
美しい白刃が閃いた。
「居合いからの六連撃か。やるな」
ヒュウ、とダンテが口笛を吹く中、斬撃を終えたバージルが再び刀を腰に戻していく。
その一つ一つの動作が専念されていて、芸術のようだった。
あたしには一度の斬撃にしか見えなかったが、斬られたノーバディを見ればそれは一目瞭然。数々の斬撃の爪痕がその肉体に刻まれ、血を噴いていた。
宙を舞うそれは地に落ちる瞬間、結晶に変わる。
「あとは愚弟、貴様が決めるがいい。
後ろから直腸スティンガー。それがノーバディの弱点の一つだ」
「よーしわかった。トドメだな」
のたうち回るノーバディを仕留めようと、ダンテが嬉々として向かう。
魔剣スパーダを背に戻し、手に取るはアラストル。
「スティンガーならアラストル一択か」
『え、ちょっとま……!ぃぎゃああああ!』
ノーバディの背後を取り、思い切り突き立てるダンテ。
串刺し状態となって絶命すると、ボロボロと体が崩れていく。
毒を撒き散らしながらも、最後に残るのはやはりレッドオーブだけだった。
「討伐完了、だな。で、なんでノーバディじゃなくてアラストルが叫んだんだ?」
『……それ、本人に言わせる気?』
アラストルを軽く一振りして刃についた毒やレッドオーブを払いのけるダンテ。
そのきらりと光る刃が泣いているようにも見えたあたしは、その理由を悟った。
「直腸……それ浣腸ってことじゃない?位置的にも、さ……」
「あ」
ダンテの口が開いたまま固まる。
「「クロスドフィンガー」」
あたしとバージルは揃って、人差し指に中指を交差させた。えんがちょ、の意味を込めて。
『ノーバディのケツに俺刺すとか酷くない?ねえ酷くない?』
「酷いのはオレじゃなくて兄貴だ。文句はあいつに言え」
「俺は貴様にも機会を与えるのならばどうするのが効率がいいか教えたまで。おかげで一撃だっただろう?」
涙声のアラストルの言葉にダンテはバージルを指し示した。
だがバージルは、鼻で笑うだけだった。
「確かにそうだな……。でももうアラストルの刀身に触れねぇな。キタネー」
「ばっちっち言わないの。洗えばいいでしょ!悪魔の血や肉斬った剣を、スポンジでゴシゴシ洗い落とすのと変わらないよ」
「ディーヴァ……お前時々平気でおそろしいこと言うよな。スポンジでゴシゴシてお前、皿洗いと違うんだぞ。
正論だけどよ」
「正論ならいいじゃないの」
「そうだぞダンテ。鶏肉を捌いたあとの包丁を洗うのと変わらん」
「アンタもノるな」
失礼なダンテだ。
ダンテは銃の手入れは欠かさずするけど、剣の手入れは言わないと普段からなかなかしてくれなかった。悪魔を狩り終わった剣をふきふきしたの誰だと思ってるのかしら。
ダンテが常日頃大切にしなかったからこそ、リベリオンだってあんなことになった。
今ここに魔剣スパーダやアラストル、それにイフリートがあるからいいけど、なかったらどうしてたんだろう。
まさかの素手!?いや、ダンテは強いけどさ。
「まだこんなところにいたのか。
俺を待たず先に進めと言っておいたはずだが」
「ごめんなさい」
呆れ……ちゃったかな。
しょんぼりしていたら、復活したダンテがその間に入りバージルをグイグイと押し退けた。
「誰もアンタを待ってたわけじゃねえよ。
悪魔の結界に阻まれたもんで、足止め食っちまったのさ」
「え、ダンテはなんだかんだバージルを待ってたんだと思ってた!」
「待ってないっつの」
「アイタッ」
痛いとは言ったけど、いつもよりもさらに優しい小突きかた。素直じゃないなあ。
「ここに現れる悪魔というと、どうせノーバディだろう?あのような悪魔なぞ瞬殺だろうに」
「ばか言え、ディーヴァが一緒にいる空間で下手に暴れられるか。
守る相手がいると強くなるのはたしかだが、静かに戦わなくちゃならないんだぜ?ライブラリーやミュージアム並みにな」
図書館や美術館ではお静かに。
ダンテの言ってるそれだと、忍者みたいに息を殺して暗躍するレベルに聞こえる。
「ああ、お前の攻撃は時に派手だからな」
「否定できないね……」
でもダンテ、そこまで静かに戦っていなかったよね。もっと派手だとどうなっていたんだろう。
あたしがいない時のダンテの戦闘なんて録画してるわけでもなし、こっちからは見れないのでわからない。いや、わからないままでいた方が幸せな気がする。
「いいから進むぞ。ダンテ、先に行け」
「はいはい、わかりましたよ」
「はいは一回だ」
「ちっ……お袋かディーヴァみたいなこと言うんじゃねぇよ」
「あはははは……」
うねる細い道を、再び三人で縦一列に並んで進む。
何度も言うけど、前後を守られてるって感じのこの安心感!素晴らしい!
「まーた、奴さんはオレ達に遊んでほしいらしい」
ほっこりしていると、ダンテがうんざりした様子でため息を吐いた。
部屋へと入った瞬間、展開される悪魔の結界。目の前に現れるは、あの気持ちの悪いノーバディ!
でも今は安心できる。
なぜならダンテだけではない、ここにはバージルもいるからだ。
「共闘すれば瞬殺だよね」
「だが共闘はごめんだ」
「え!?」
「オレもパス!ディーヴァはオレが守ってるからバージルが倒せ」
「いや貴様が倒せ」
「ええ!?」
ダンテとバージル、お互いを押し合いへし合い。掴みかかって殴り合いの喧嘩をしている。
あたしの周りに来てくれるのも守ってくれるのも嬉しいけど、安心するには悪魔倒すのが大前提でしょ!
なのに二人はこの調子。逆に足を引っ張り合って、悪魔はそっちのけ。
頼むから安心させて。
「グォォォォ……!」
「「雑魚はすっこんでろ!」」
背中から生えた腕を振り回して飛びかかってきたノーバディだったが、ダンテとバージルに雑魚扱い。
思い切り顔面を殴られ吹っ飛んだ。
ノーバディの仮面はダンテ達からの衝撃で真っ二つに割れた挙句、二人の拳圧で塵芥が如く消し飛んだ。
倒されたわけじゃないから安心はできないんだけどね。
「ねえせめて悪魔を退治するまでくらい仲良くしてくれないかな!?」
「チッ……ディーヴァの頼みだ。仕方あるまい」
「しゃあねぇな。
いいところを見せてやるから目ん玉開いとけ、ディーヴァ」
「いいやこのような悪魔など、共闘するまでもなく瞬殺だ。
俺が先にやる。お前はそのあとに続けばよかろう」
「了解。オレの分は残しとけよ」
うん、最初からそういうやりとりをして欲しかったよ……。
咆哮をあげて向かってくるノーバディに、刀身を納めたままのバージルが腰を低く落とす。
ノーバディがバージルに攻撃を仕掛ける瞬間だった。
「ーー斬るーー!」
美しい白刃が閃いた。
「居合いからの六連撃か。やるな」
ヒュウ、とダンテが口笛を吹く中、斬撃を終えたバージルが再び刀を腰に戻していく。
その一つ一つの動作が専念されていて、芸術のようだった。
あたしには一度の斬撃にしか見えなかったが、斬られたノーバディを見ればそれは一目瞭然。数々の斬撃の爪痕がその肉体に刻まれ、血を噴いていた。
宙を舞うそれは地に落ちる瞬間、結晶に変わる。
「あとは愚弟、貴様が決めるがいい。
後ろから直腸スティンガー。それがノーバディの弱点の一つだ」
「よーしわかった。トドメだな」
のたうち回るノーバディを仕留めようと、ダンテが嬉々として向かう。
魔剣スパーダを背に戻し、手に取るはアラストル。
「スティンガーならアラストル一択か」
『え、ちょっとま……!ぃぎゃああああ!』
ノーバディの背後を取り、思い切り突き立てるダンテ。
串刺し状態となって絶命すると、ボロボロと体が崩れていく。
毒を撒き散らしながらも、最後に残るのはやはりレッドオーブだけだった。
「討伐完了、だな。で、なんでノーバディじゃなくてアラストルが叫んだんだ?」
『……それ、本人に言わせる気?』
アラストルを軽く一振りして刃についた毒やレッドオーブを払いのけるダンテ。
そのきらりと光る刃が泣いているようにも見えたあたしは、その理由を悟った。
「直腸……それ浣腸ってことじゃない?位置的にも、さ……」
「あ」
ダンテの口が開いたまま固まる。
「「クロスドフィンガー」」
あたしとバージルは揃って、人差し指に中指を交差させた。えんがちょ、の意味を込めて。
『ノーバディのケツに俺刺すとか酷くない?ねえ酷くない?』
「酷いのはオレじゃなくて兄貴だ。文句はあいつに言え」
「俺は貴様にも機会を与えるのならばどうするのが効率がいいか教えたまで。おかげで一撃だっただろう?」
涙声のアラストルの言葉にダンテはバージルを指し示した。
だがバージルは、鼻で笑うだけだった。
「確かにそうだな……。でももうアラストルの刀身に触れねぇな。キタネー」
「ばっちっち言わないの。洗えばいいでしょ!悪魔の血や肉斬った剣を、スポンジでゴシゴシ洗い落とすのと変わらないよ」
「ディーヴァ……お前時々平気でおそろしいこと言うよな。スポンジでゴシゴシてお前、皿洗いと違うんだぞ。
正論だけどよ」
「正論ならいいじゃないの」
「そうだぞダンテ。鶏肉を捌いたあとの包丁を洗うのと変わらん」
「アンタもノるな」
失礼なダンテだ。
ダンテは銃の手入れは欠かさずするけど、剣の手入れは言わないと普段からなかなかしてくれなかった。悪魔を狩り終わった剣をふきふきしたの誰だと思ってるのかしら。
ダンテが常日頃大切にしなかったからこそ、リベリオンだってあんなことになった。
今ここに魔剣スパーダやアラストル、それにイフリートがあるからいいけど、なかったらどうしてたんだろう。
まさかの素手!?いや、ダンテは強いけどさ。