mission 21:inside devil's body ~蠢く胎内にて~
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「なあディーヴァはどっちに行きたい?」
ダンテに聞かれて先を見ると、そこにはあれま!分かれ道。
小さいけれど、右に逸れる脇道と。
明らかに本通りと思われる道。
その二つがそこに存在していた。
何もなければ、普通にまっすぐ行くであろうダンテ。
それでも一応聞いてくれたのだろうから、あたしはあたしで、頼みの綱のバージルをチラリと確認する。
「どっちに行きたいっていうか、どっちが正解なのか、だよね?」
「ふむ。今まではこのように分岐点などなかったはずだが……」
バージルもお手上げ。
腸の中で新しい場所……なるほど。
「憩室でも出来たんじゃない?生き物の腸ならよくあることだよ。
現代社会では、ストレスや過食で腸内環境が悪くなると、腸内にそういう脇道とか小部屋ができやすいんだってさ」
「魔界の一部である腸ごときに、ストレスも過食もないだろうよ……」
「もしかしたら過食はあるかもしれん。人間界から攫ってきた人肉の食べすぎなどだな」
あたしの説明にダンテは否定してみせたけど、バージルが恐ろしい発言で返してきた。
人間のお肉……あたしも入るじゃん。
「うわ。怖いこと言わないでよ……あたしは食事じゃないよ。美味しくないもん……」
こーんなリアルな腸の中を進むせいか、人間の屍累々がこの場に降って湧く光景を鮮明に想像してしまった。
その中には、食い散らかされた自分の姿もあった……。
なんてものを想像してしまったんだんだろう。
あたしの脳内のモザイク処理班、頼みまーす。\アイアイサー/
ちなみに返事してくれるのも全部自分の声。
「いやかなりのご馳走だろ」
「ああ高級料理店の食事だ」
……自分の肉が不味くなるように、今度から肌に聖水かけておこうかな。
注文の多い料理店の反対にさ。
「よし、何かあるといけないからな。新しくできた憩室……否、あちらの方は俺が見てくる。
後から追うから先に進んでいろ」
「リョーカイ」
「あいさー」
「……と、その前に。
あれが見えるかダンテ、ディーヴァ」
分かれ道、バージルと別行動かと思いきや。
バージルが指し示すのは、あたし達の道にあるものだった。
壁から生えた草のような物体X。
「ヒモみたいなのがチョロチョロと壁から出てるね。赤と青の……新体操で使うリボンみたいなの。
何あれ?」
「あー……なんだかわかった。みんな大好きなアレだな」
「みんな大好きかどうかは知らんがそうだ」
「知らんとか言いやがって。この好き者が〜!このこの」
「ウルサイ」
ダンテに肘で肩を突かれているバージル。
あ、しつこかったらしくバージルに刀振り下ろされてる。
ダンテの真剣白刃取りは今日も冴えてるね!
「アレって何?教えて」
「「触手」」
聞いて損した。
大体、みんな大好きって誰が決めたのか。そっちの方が知りたい。
「アレに捕まるような情けない者は、今まで獲物以外いなかったから安心していた。だが今は獲物筆頭が共にいる。気をつけろ」
「ああ……獲物筆頭な」
「二人ともあたしの事をじっと見下ろしながら言うのは失礼じゃない!?」
獲物筆頭なんて言われても嬉しくない。
あたしの言葉を無視し、バージルがあたしの頭をぽん、と一回叩いた。
それはもう、あたしを自分の元から離す事を不安だと言いたげに。
「捕まるなよ」
「ん……」
「ダンテ、アレは斬りつければ一瞬引っ込む。その瞬間を狙い、ディーヴァを抱えて走っていけ」
「ああ、わかった。行くぞディーヴァ」
「う、うん。
あっ、バージルも気をつけて!」
「……すぐ戻る」
バージルが小さく笑みを浮かべて消えた後、あたしの体は子猫でも抱っこするかのように、ダンテに抱き上げられた。
あたしは人間。子猫みたいに柔らかくてしなやかな体を持ってない。
今まで色々な抱え方をされてきたけど、これはない。俵担ぎよりはいいのかもしれないけど、持つ場所によっては胃の中身をリバースすると思うの。
それに加えて、なぜしまっちゃうおじさん発動してるの。
変なところ触るよりいいけど!
あたしはダンテのコートの内側に、無理矢理仕舞い込まれた。狭い。
「ちょ、ダンテ……!」
「通り抜けるまで我慢してろ」
「!!……それならそうと早く言ってよ〜!」
「悪い悪い」
そうしてダンテはあたしを抱え、手元で魔剣スパーダを回転させながら触手にまみれた道を走り抜けた。
「い゛っ!」
「!……大丈夫?」
「ちょっと触手が引っかかっただけだ。大したことはねぇよ。
へぇ、人間は力を吸われるが、悪魔にはダメージが入る感じか……」
「え?今なんて?」
あたしに怪我を負わせない為とはいえ、ダンテの頬に一筋の線が。
小さくもヒリヒリしそうなそれに手を合わせ治そうとすると、ダンテがぼそり、なにかをつぶやいた。
「なんでもない。気にするな」
絶対変なことだと思う。
気にするよ……?
ダンテに聞かれて先を見ると、そこにはあれま!分かれ道。
小さいけれど、右に逸れる脇道と。
明らかに本通りと思われる道。
その二つがそこに存在していた。
何もなければ、普通にまっすぐ行くであろうダンテ。
それでも一応聞いてくれたのだろうから、あたしはあたしで、頼みの綱のバージルをチラリと確認する。
「どっちに行きたいっていうか、どっちが正解なのか、だよね?」
「ふむ。今まではこのように分岐点などなかったはずだが……」
バージルもお手上げ。
腸の中で新しい場所……なるほど。
「憩室でも出来たんじゃない?生き物の腸ならよくあることだよ。
現代社会では、ストレスや過食で腸内環境が悪くなると、腸内にそういう脇道とか小部屋ができやすいんだってさ」
「魔界の一部である腸ごときに、ストレスも過食もないだろうよ……」
「もしかしたら過食はあるかもしれん。人間界から攫ってきた人肉の食べすぎなどだな」
あたしの説明にダンテは否定してみせたけど、バージルが恐ろしい発言で返してきた。
人間のお肉……あたしも入るじゃん。
「うわ。怖いこと言わないでよ……あたしは食事じゃないよ。美味しくないもん……」
こーんなリアルな腸の中を進むせいか、人間の屍累々がこの場に降って湧く光景を鮮明に想像してしまった。
その中には、食い散らかされた自分の姿もあった……。
なんてものを想像してしまったんだんだろう。
あたしの脳内のモザイク処理班、頼みまーす。\アイアイサー/
ちなみに返事してくれるのも全部自分の声。
「いやかなりのご馳走だろ」
「ああ高級料理店の食事だ」
……自分の肉が不味くなるように、今度から肌に聖水かけておこうかな。
注文の多い料理店の反対にさ。
「よし、何かあるといけないからな。新しくできた憩室……否、あちらの方は俺が見てくる。
後から追うから先に進んでいろ」
「リョーカイ」
「あいさー」
「……と、その前に。
あれが見えるかダンテ、ディーヴァ」
分かれ道、バージルと別行動かと思いきや。
バージルが指し示すのは、あたし達の道にあるものだった。
壁から生えた草のような物体X。
「ヒモみたいなのがチョロチョロと壁から出てるね。赤と青の……新体操で使うリボンみたいなの。
何あれ?」
「あー……なんだかわかった。みんな大好きなアレだな」
「みんな大好きかどうかは知らんがそうだ」
「知らんとか言いやがって。この好き者が〜!このこの」
「ウルサイ」
ダンテに肘で肩を突かれているバージル。
あ、しつこかったらしくバージルに刀振り下ろされてる。
ダンテの真剣白刃取りは今日も冴えてるね!
「アレって何?教えて」
「「触手」」
聞いて損した。
大体、みんな大好きって誰が決めたのか。そっちの方が知りたい。
「アレに捕まるような情けない者は、今まで獲物以外いなかったから安心していた。だが今は獲物筆頭が共にいる。気をつけろ」
「ああ……獲物筆頭な」
「二人ともあたしの事をじっと見下ろしながら言うのは失礼じゃない!?」
獲物筆頭なんて言われても嬉しくない。
あたしの言葉を無視し、バージルがあたしの頭をぽん、と一回叩いた。
それはもう、あたしを自分の元から離す事を不安だと言いたげに。
「捕まるなよ」
「ん……」
「ダンテ、アレは斬りつければ一瞬引っ込む。その瞬間を狙い、ディーヴァを抱えて走っていけ」
「ああ、わかった。行くぞディーヴァ」
「う、うん。
あっ、バージルも気をつけて!」
「……すぐ戻る」
バージルが小さく笑みを浮かべて消えた後、あたしの体は子猫でも抱っこするかのように、ダンテに抱き上げられた。
あたしは人間。子猫みたいに柔らかくてしなやかな体を持ってない。
今まで色々な抱え方をされてきたけど、これはない。俵担ぎよりはいいのかもしれないけど、持つ場所によっては胃の中身をリバースすると思うの。
それに加えて、なぜしまっちゃうおじさん発動してるの。
変なところ触るよりいいけど!
あたしはダンテのコートの内側に、無理矢理仕舞い込まれた。狭い。
「ちょ、ダンテ……!」
「通り抜けるまで我慢してろ」
「!!……それならそうと早く言ってよ〜!」
「悪い悪い」
そうしてダンテはあたしを抱え、手元で魔剣スパーダを回転させながら触手にまみれた道を走り抜けた。
「い゛っ!」
「!……大丈夫?」
「ちょっと触手が引っかかっただけだ。大したことはねぇよ。
へぇ、人間は力を吸われるが、悪魔にはダメージが入る感じか……」
「え?今なんて?」
あたしに怪我を負わせない為とはいえ、ダンテの頬に一筋の線が。
小さくもヒリヒリしそうなそれに手を合わせ治そうとすると、ダンテがぼそり、なにかをつぶやいた。
「なんでもない。気にするな」
絶対変なことだと思う。
気にするよ……?