mission 20:third showdown ~雷の参戦~
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飲み込まれ落とされたナイトメアの内部、悪夢の空間。
表ではどうなっている?結界から出られないのは、オレだけではなくナイトメアも同じならいいのだが。
結界の有無にかかわらず、ディーヴァやトリッシュに危害が加えられる可能性がある。
ただでさえトリッシュは呪縛の術にかかっている状態だ。
天使であるディーヴァよりも先に、あの部屋の一部にされてしまってもおかしくない。
今まで以上に早く戻らねば心配だ。
さあこい、今度は誰が出てくる……?
邪魔な骸骨悪魔サルガッソーどもを屠り、ここに巣食う親玉を待ってスパーダを構える。
背後から青い光が迫った。
「後ろか」
相手が撃ち込んできた青い火の玉を剣で弾き、場外へと飛ばす。
なるほど、これはメテオか。
となれば誰が来るのかはわかったようなものだ。
「ふいうちたぁ、卑怯なんじゃねぇか?」
現れたのはネロアンジェロ。つまりバージルの形をした悪夢の化身。
「はぁー……。ついさっきやり合ったばっかりだってのに、まだ足りないって?
ほんっと、オレのこと好きだよなアンタ」
などと、本物が聞いたら即否定してくるようなセリフを吐いてみる。
返事するはずもなく、相手は持っていた大剣を振るってきた。
スパーダで絡め取るようにして弾き、ネロアンジェロごと吹き飛ばす。
「ま、ここに現れたアンタは、バージルともネロアンジェロとも違うただのレプリカ。
オレのこと好きかどうかなんてわからねぇけどな」
どこか自嘲気味に返せば、その言葉の意味が理解できているのかと思わせるように、後退して手のひらを前に出してきた。
メテオを撃つポーズだが、否定の意味にもとれる。
「……NO?ははっ嫌いってか!
安心しろオレもだ!」
次々に放たれるメテオを撃ち返す。
オレは返したメテオごと、スパーダをブーメランのように投げた。
刻んでさっさとこの場所から出させてもらうぜ。
だが、予想に反してスパーダは、ネロアンジェロ手前でピタリと止まった。
否、止まったのではない。指先で受け止めたのだ!
「へえ、レプリカのくせにガッツがあるところは本物と変わらないらしい」
ネロアンジェロが大剣を捨て、スパーダの柄を握り、振るってくる。
「おまけに、スパーダを使いこなすとはね」
初めて握ったにしてはやるほうだ。しかも、使用したのは本物のネロアンジェロ……バージルではなくレプリカのネロアンジェロだ。
オレはアラストルを構えて迎え討った。
攻撃力防御力スピード、どれをとってもスパーダには敵わないだろうアラストル。
だが、使い手が悪かった。
よくやる方とは言ったが、それは本物には到底及ばない力量。
バージルにゃほど遠い。
「返してもらうぜ。レプリカのアンタには過ぎた力だ」
バージルがスライムと化したアーカムの触手を切り落とした時のように、レプリカのネロアンジェロの腕を狙う。
切り落とすことはできなかったが、握っていたスパーダは奴の手から離れた。
投げ出され宙を舞うスパーダ。
飛び上がったオレの手に戻ったそれは、落ちることもなく柄の部分かしっくりとオレの手のひらに馴染んだ。
空でキャッチした体勢そのままに、一回転した勢いでスパーダを斬りつける。
今度は簡単にネロアンジェロの胴を裂いた。
この場所に現れたファントムにグリフォン。他の悪魔同様、悪夢の化身であるネロアンジェロの体が消えていきレッドオーブに変わる。
その亡骸は残らない。
「本物じゃないとはいえ、気分良いもんじゃねぇな」
悪夢の化身とはいえ、一般的な悪魔と消え方は変わらない。
オレ達のような半分悪魔も、死んだらこうやってレッドオーブ撒き散らして消えるのだろうか。
もしその時近くにディーヴァがいたら、さぞ悲しむだろう。想像すると、自分が死ぬことよりも恐ろしく思う。
そうだ、ディーヴァだ。こんなところで油を売っている場合ではない。
オレは急いでワープホールへと飛び込んだ。
「ぐっ……!」
消化しきれない異物としてナイトメアから吐き出され、地面に叩きつけられる。
くそ、受け身を取るのを忘れていた!
だが、要となっていた悪夢の化身ーーこの場合はネロアンジェロだ。を、倒したことで、それを構築していたナイトメアの肉体にもダメージが蓄積されたらしい。
ゲル状の体が苦しさに身悶えている。
おっといかん。まずはディーヴァとトリッシュの安否確認だ。
すぐ右手のトリッシュ、よしなんともない大丈夫だ。
左側のディーヴァ……うお!?
ディーヴァの真下にゲルの海が広がり、ヒルのようなあの幼虫がうじゃうじゃと群がっていた。
コイツら結界の外にも行けたのか……オレは行けないのに。
って、呆けてる場合かオレ!ディーヴァを助けるのが先決だろうが。
とはいえオレもまた取り込まれちゃかなわん。
ナイトメアのゲルを踏まないよう急いで、オレは壁にかかった紋章に飛びついた。
「おおおおおぁぁ!点火ァーー!」
紋章のプレートをぶっ壊す勢いで、斬る殴る蹴りつける。
技量を示すことで発動するこのパンチングマシーンのような紋章、ドM過ぎないか?本当に壊れないんだろうな?
紋章が発動したことでそこから伸びる模様を伝い、光の線がゲル状のナイトメアに吸い込まれる。
部屋も少し明るくなった。
どろどろと溶けていたゲルが固まり集まって、装甲をまとったお馴染みのナイトメアになる。
ヒル状の幼虫もいつのまにか消えていた。
「これでよし!
戻ったぞディーヴァ、トリッシュ!大丈夫か!!」
「大丈夫よ。ダンテこそ大丈夫なの?」
「やっと戻ってきたー!ダンテ遅い!死ぬかと思ったじゃん」
トリッシュに心配され、続くディーヴァも心配を……してくれなかった。
「愛する男に遅いはないだろ、遅いは。これでも急いで戻ってきたんだぜ?
トリッシュを見習ってまず心配しろよ〜」
「うっごめん……」
まあ、戦う力のない奴に言ったってしょうがないよな。ディーヴァの太ももの擦り傷や柱に一生懸命掴まって耐えていた指先を見ればわかる。
トリッシュは別だ。呪縛の術を受けていようと、戦う気になればヒルの一匹や二匹くらいあの長い足で潰しそうだ。
一部の人間からご褒美だろうな。
『オオオオオオ……』
装甲を纏い、立ち塞がるナイトメア。その中からは怨念がきこえた気がする。
赤子のような独特の無邪気はなりを潜め、殺意と怨み、負の感情をこちらに向けている。
ジャキ!!ナイトメアの体についた武器の先が、一斉にこちらを向いた。
表ではどうなっている?結界から出られないのは、オレだけではなくナイトメアも同じならいいのだが。
結界の有無にかかわらず、ディーヴァやトリッシュに危害が加えられる可能性がある。
ただでさえトリッシュは呪縛の術にかかっている状態だ。
天使であるディーヴァよりも先に、あの部屋の一部にされてしまってもおかしくない。
今まで以上に早く戻らねば心配だ。
さあこい、今度は誰が出てくる……?
邪魔な骸骨悪魔サルガッソーどもを屠り、ここに巣食う親玉を待ってスパーダを構える。
背後から青い光が迫った。
「後ろか」
相手が撃ち込んできた青い火の玉を剣で弾き、場外へと飛ばす。
なるほど、これはメテオか。
となれば誰が来るのかはわかったようなものだ。
「ふいうちたぁ、卑怯なんじゃねぇか?」
現れたのはネロアンジェロ。つまりバージルの形をした悪夢の化身。
「はぁー……。ついさっきやり合ったばっかりだってのに、まだ足りないって?
ほんっと、オレのこと好きだよなアンタ」
などと、本物が聞いたら即否定してくるようなセリフを吐いてみる。
返事するはずもなく、相手は持っていた大剣を振るってきた。
スパーダで絡め取るようにして弾き、ネロアンジェロごと吹き飛ばす。
「ま、ここに現れたアンタは、バージルともネロアンジェロとも違うただのレプリカ。
オレのこと好きかどうかなんてわからねぇけどな」
どこか自嘲気味に返せば、その言葉の意味が理解できているのかと思わせるように、後退して手のひらを前に出してきた。
メテオを撃つポーズだが、否定の意味にもとれる。
「……NO?ははっ嫌いってか!
安心しろオレもだ!」
次々に放たれるメテオを撃ち返す。
オレは返したメテオごと、スパーダをブーメランのように投げた。
刻んでさっさとこの場所から出させてもらうぜ。
だが、予想に反してスパーダは、ネロアンジェロ手前でピタリと止まった。
否、止まったのではない。指先で受け止めたのだ!
「へえ、レプリカのくせにガッツがあるところは本物と変わらないらしい」
ネロアンジェロが大剣を捨て、スパーダの柄を握り、振るってくる。
「おまけに、スパーダを使いこなすとはね」
初めて握ったにしてはやるほうだ。しかも、使用したのは本物のネロアンジェロ……バージルではなくレプリカのネロアンジェロだ。
オレはアラストルを構えて迎え討った。
攻撃力防御力スピード、どれをとってもスパーダには敵わないだろうアラストル。
だが、使い手が悪かった。
よくやる方とは言ったが、それは本物には到底及ばない力量。
バージルにゃほど遠い。
「返してもらうぜ。レプリカのアンタには過ぎた力だ」
バージルがスライムと化したアーカムの触手を切り落とした時のように、レプリカのネロアンジェロの腕を狙う。
切り落とすことはできなかったが、握っていたスパーダは奴の手から離れた。
投げ出され宙を舞うスパーダ。
飛び上がったオレの手に戻ったそれは、落ちることもなく柄の部分かしっくりとオレの手のひらに馴染んだ。
空でキャッチした体勢そのままに、一回転した勢いでスパーダを斬りつける。
今度は簡単にネロアンジェロの胴を裂いた。
この場所に現れたファントムにグリフォン。他の悪魔同様、悪夢の化身であるネロアンジェロの体が消えていきレッドオーブに変わる。
その亡骸は残らない。
「本物じゃないとはいえ、気分良いもんじゃねぇな」
悪夢の化身とはいえ、一般的な悪魔と消え方は変わらない。
オレ達のような半分悪魔も、死んだらこうやってレッドオーブ撒き散らして消えるのだろうか。
もしその時近くにディーヴァがいたら、さぞ悲しむだろう。想像すると、自分が死ぬことよりも恐ろしく思う。
そうだ、ディーヴァだ。こんなところで油を売っている場合ではない。
オレは急いでワープホールへと飛び込んだ。
「ぐっ……!」
消化しきれない異物としてナイトメアから吐き出され、地面に叩きつけられる。
くそ、受け身を取るのを忘れていた!
だが、要となっていた悪夢の化身ーーこの場合はネロアンジェロだ。を、倒したことで、それを構築していたナイトメアの肉体にもダメージが蓄積されたらしい。
ゲル状の体が苦しさに身悶えている。
おっといかん。まずはディーヴァとトリッシュの安否確認だ。
すぐ右手のトリッシュ、よしなんともない大丈夫だ。
左側のディーヴァ……うお!?
ディーヴァの真下にゲルの海が広がり、ヒルのようなあの幼虫がうじゃうじゃと群がっていた。
コイツら結界の外にも行けたのか……オレは行けないのに。
って、呆けてる場合かオレ!ディーヴァを助けるのが先決だろうが。
とはいえオレもまた取り込まれちゃかなわん。
ナイトメアのゲルを踏まないよう急いで、オレは壁にかかった紋章に飛びついた。
「おおおおおぁぁ!点火ァーー!」
紋章のプレートをぶっ壊す勢いで、斬る殴る蹴りつける。
技量を示すことで発動するこのパンチングマシーンのような紋章、ドM過ぎないか?本当に壊れないんだろうな?
紋章が発動したことでそこから伸びる模様を伝い、光の線がゲル状のナイトメアに吸い込まれる。
部屋も少し明るくなった。
どろどろと溶けていたゲルが固まり集まって、装甲をまとったお馴染みのナイトメアになる。
ヒル状の幼虫もいつのまにか消えていた。
「これでよし!
戻ったぞディーヴァ、トリッシュ!大丈夫か!!」
「大丈夫よ。ダンテこそ大丈夫なの?」
「やっと戻ってきたー!ダンテ遅い!死ぬかと思ったじゃん」
トリッシュに心配され、続くディーヴァも心配を……してくれなかった。
「愛する男に遅いはないだろ、遅いは。これでも急いで戻ってきたんだぜ?
トリッシュを見習ってまず心配しろよ〜」
「うっごめん……」
まあ、戦う力のない奴に言ったってしょうがないよな。ディーヴァの太ももの擦り傷や柱に一生懸命掴まって耐えていた指先を見ればわかる。
トリッシュは別だ。呪縛の術を受けていようと、戦う気になればヒルの一匹や二匹くらいあの長い足で潰しそうだ。
一部の人間からご褒美だろうな。
『オオオオオオ……』
装甲を纏い、立ち塞がるナイトメア。その中からは怨念がきこえた気がする。
赤子のような独特の無邪気はなりを潜め、殺意と怨み、負の感情をこちらに向けている。
ジャキ!!ナイトメアの体についた武器の先が、一斉にこちらを向いた。