mission 20:third showdown ~雷の参戦~
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「おぉ……」
ダンテすら短く声をもらした。
「なにここ。ほんとに胃袋?」
『そうは見えないだろうけど、一応胃袋に当たる場所』
目の前には見渡す限りの赤い壁。赤い天井。赤い空間が広がる。
いや、元の色は黒いはず。現に床は普通だもの。
赤く見えるそれすべてが、魔界の字。それも呪詛の文字。
しかも、血で書かれたのかもしれないという恐ろしさレベルマックス。気持ち悪い。
ああやだ、赤い部屋思い出しちゃった。
記憶から出張してくるのはやめていただきたい。
『ただし、別名は生贄の間』
「うわ、いけにえ……」
生贄などという物騒な単語を聞いたからか、怨念が聞こえてくるようだ。
これはかつてここで非業の死を遂げた者たちのものか?
ここで死ねば、あの文字、そして怨念の声の仲間入り?そんなのいやだ。
「赤が好きなオレでもこんな場所には住みたくないな」
「こんな恐ろしいところ見て、住むという選択肢が考えつくダンテおかしい」
天井や壁に張り巡らされている文字をきょろきょろと眺めながら、ダンテと2人、感想を漏らしていると場を割くような悲痛な声が。
「ダンテ!
ここよ、助けて!」
エヴァさんによく似た、あの女悪魔さんだ。
ネヴァンと張りあえそうなくらいたわわな双丘が揺れている。
彼女は呪縛の術をかけられ、床に縫いとめられているようだった。
あたしからも、簡易的だけど魔力による呪縛の鎖がよく見える。
……でもあんなの、悪魔だったら簡単に引きちぎれそうだけどなぁ。
ええと、たしか名前はーー。
「トリッシュ!」
そう、トリッシュさん。
ダンテはあたしの方をチラとだけ見てから、駆けつけるべく足を踏み出す。
女性に、仲間に弱いのはよく知ってるよ。人に害を及ばさないのならば悪魔だろうと関係ないことも。
悪魔は苦手だし怖いし嫌いだけど、ダンテが認めたのなら別。受け入れない理由はない。
「ぅお!?」
その場に走る衝撃。立っていられないほどの地鳴りと揺れ。
何かくる、ダンテが立ち止まる。天井や壁が一際赤く光り、さらに大きく揺れた。
「ひぃぃぃ……」
あたしは近くの柱に捕まりやり過ごした。
気がつけばダンテを円状に囲むようにして、土煙をあげながら地を走り、構築される薄氷色の結界。
トリッシュを助けるどころじゃない。あたしの元に戻れもしない。
ダンテが結界の中に閉じ込められた!
極め付けに、結界の内側へと現れるゲル状の悪魔・ナイトメア。
ああ〜やっぱり。部屋の中に見覚えのある文様があると思ったら……!
「二人とも離れてろ!」
今までにないほど強大な魔力を携え、目の前へ現れたナイトメアに、ダンテが警戒の声をあげる。
いくら結界の外とは言え、近づけばどんな目にあうかわからない。
もうあの悪夢に囚われるのはごめんだ。
トリッシュさんは反対側だし、人のことまで構える余裕はない。自分のことは自分でなんとかしてもらうしかなさそう。ごめんなさい!
あたしはできるだけ結界に近づかないよう、ジリジリと後退した。
そして始まる戦闘。
しかし、その始まりはナイトメアに先手を取られてしまう。
ダンテを取り込む大量のゲル。
「あ!チクショッ、またかよ!」
ナイトメアの内に広がる悪夢の空間に連れていく気だ。
振り払おうともがけばもがくほどに絡みつき、ダンテを覆い隠す。
「ディーヴァ、トリッシュ。結界の外だからと安心すんじゃねぇぞ……!
ナイトメアの攻撃が来るかもしれ……ごぼっ」
「わ、わかったわ」
「ちょ、ダンテ待っ……」
とぷん。
ダンテはそう言い残し、ナイトメアの中へと消えた。
「嘘でしょ……!?」
ああああダンテったらまたあたしを置いていった!
いや、ダンテも好きで置いていったわけでも、好きで取り込まれたわけでもないだろうけどさ……。
そしてあたしも、ナイトメアの内部には二度と行きたくない。
そう、二度と。
ピピン!
嫌な予感がしてあたしは咄嗟にしがみついていた柱によじ登った。
コアラ顔負けの木登りスキル。え?木じゃないって?そこは突っ込まないでいただきたく!
でも人間やればできるもんだよね。
度重なる怪我や傷、ここまでの大冒険によってぼろぼろのあ露出気味となった太ももが、柱と擦れてとっても痛いけど。ワンピースだから余計擦れる。
はあ、擦り傷って切り傷より痛いよねぇ〜。少なくともあたしはそう感じるの。
こんな時すぐ治るダンテが羨ましいな。
そして嫌な予感は的中。真下にやってきた、あのヒルみたいな幼虫。
結界があるからと油断していた。というより、油断していたかった。
マジで来るんかーい。
「結界を通り抜けてくるなんておかしくない?それだとダンテも結界から出られるのが普通だよね?ねぇキミたちだけ出られるとかずるくないかな?」
疑問符が飛び交う中、幼虫とそしてあたしを内部に取り込まんと待ち構えるスライム。
あああずり落ちるうう。落ちたらまた悪夢の空間行きいいい。
コアラごっこするのは、ダンテにしがみつく時だけで良いと思うんだ。
かつてないほど、ももを締める力に尽力を注ぐ。太ももにストレッチパワーがたまってくる。
あたしこんなマッスルぱわーもりもりの子じゃないのにぃ。
ここは真っ暗で、かろうじて見えるのが真下と壁の文字類の光に照らされた場所だけ。
あちら側のトリッシュさんは無事なのだろうか?呪縛の術に縛られているなら、あの人こそとんでもない目にあっているのでは?
けれど、人の心配をする暇はない。
「せめて紋章発動してって欲しかった……。んもう!暗くて何も見えないじゃんかぁ〜!」
ディーヴァのためにと、いつもいつでも頑張ってくれている最愛のダンテへ向けていう言葉じゃないが、文句を言わずにいられない!
そもそも紋章が発動していれば、ダンテがナイトメアに取り込まれることなどそうなかった。
ダンテすら短く声をもらした。
「なにここ。ほんとに胃袋?」
『そうは見えないだろうけど、一応胃袋に当たる場所』
目の前には見渡す限りの赤い壁。赤い天井。赤い空間が広がる。
いや、元の色は黒いはず。現に床は普通だもの。
赤く見えるそれすべてが、魔界の字。それも呪詛の文字。
しかも、血で書かれたのかもしれないという恐ろしさレベルマックス。気持ち悪い。
ああやだ、赤い部屋思い出しちゃった。
記憶から出張してくるのはやめていただきたい。
『ただし、別名は生贄の間』
「うわ、いけにえ……」
生贄などという物騒な単語を聞いたからか、怨念が聞こえてくるようだ。
これはかつてここで非業の死を遂げた者たちのものか?
ここで死ねば、あの文字、そして怨念の声の仲間入り?そんなのいやだ。
「赤が好きなオレでもこんな場所には住みたくないな」
「こんな恐ろしいところ見て、住むという選択肢が考えつくダンテおかしい」
天井や壁に張り巡らされている文字をきょろきょろと眺めながら、ダンテと2人、感想を漏らしていると場を割くような悲痛な声が。
「ダンテ!
ここよ、助けて!」
エヴァさんによく似た、あの女悪魔さんだ。
ネヴァンと張りあえそうなくらいたわわな双丘が揺れている。
彼女は呪縛の術をかけられ、床に縫いとめられているようだった。
あたしからも、簡易的だけど魔力による呪縛の鎖がよく見える。
……でもあんなの、悪魔だったら簡単に引きちぎれそうだけどなぁ。
ええと、たしか名前はーー。
「トリッシュ!」
そう、トリッシュさん。
ダンテはあたしの方をチラとだけ見てから、駆けつけるべく足を踏み出す。
女性に、仲間に弱いのはよく知ってるよ。人に害を及ばさないのならば悪魔だろうと関係ないことも。
悪魔は苦手だし怖いし嫌いだけど、ダンテが認めたのなら別。受け入れない理由はない。
「ぅお!?」
その場に走る衝撃。立っていられないほどの地鳴りと揺れ。
何かくる、ダンテが立ち止まる。天井や壁が一際赤く光り、さらに大きく揺れた。
「ひぃぃぃ……」
あたしは近くの柱に捕まりやり過ごした。
気がつけばダンテを円状に囲むようにして、土煙をあげながら地を走り、構築される薄氷色の結界。
トリッシュを助けるどころじゃない。あたしの元に戻れもしない。
ダンテが結界の中に閉じ込められた!
極め付けに、結界の内側へと現れるゲル状の悪魔・ナイトメア。
ああ〜やっぱり。部屋の中に見覚えのある文様があると思ったら……!
「二人とも離れてろ!」
今までにないほど強大な魔力を携え、目の前へ現れたナイトメアに、ダンテが警戒の声をあげる。
いくら結界の外とは言え、近づけばどんな目にあうかわからない。
もうあの悪夢に囚われるのはごめんだ。
トリッシュさんは反対側だし、人のことまで構える余裕はない。自分のことは自分でなんとかしてもらうしかなさそう。ごめんなさい!
あたしはできるだけ結界に近づかないよう、ジリジリと後退した。
そして始まる戦闘。
しかし、その始まりはナイトメアに先手を取られてしまう。
ダンテを取り込む大量のゲル。
「あ!チクショッ、またかよ!」
ナイトメアの内に広がる悪夢の空間に連れていく気だ。
振り払おうともがけばもがくほどに絡みつき、ダンテを覆い隠す。
「ディーヴァ、トリッシュ。結界の外だからと安心すんじゃねぇぞ……!
ナイトメアの攻撃が来るかもしれ……ごぼっ」
「わ、わかったわ」
「ちょ、ダンテ待っ……」
とぷん。
ダンテはそう言い残し、ナイトメアの中へと消えた。
「嘘でしょ……!?」
ああああダンテったらまたあたしを置いていった!
いや、ダンテも好きで置いていったわけでも、好きで取り込まれたわけでもないだろうけどさ……。
そしてあたしも、ナイトメアの内部には二度と行きたくない。
そう、二度と。
ピピン!
嫌な予感がしてあたしは咄嗟にしがみついていた柱によじ登った。
コアラ顔負けの木登りスキル。え?木じゃないって?そこは突っ込まないでいただきたく!
でも人間やればできるもんだよね。
度重なる怪我や傷、ここまでの大冒険によってぼろぼろのあ露出気味となった太ももが、柱と擦れてとっても痛いけど。ワンピースだから余計擦れる。
はあ、擦り傷って切り傷より痛いよねぇ〜。少なくともあたしはそう感じるの。
こんな時すぐ治るダンテが羨ましいな。
そして嫌な予感は的中。真下にやってきた、あのヒルみたいな幼虫。
結界があるからと油断していた。というより、油断していたかった。
マジで来るんかーい。
「結界を通り抜けてくるなんておかしくない?それだとダンテも結界から出られるのが普通だよね?ねぇキミたちだけ出られるとかずるくないかな?」
疑問符が飛び交う中、幼虫とそしてあたしを内部に取り込まんと待ち構えるスライム。
あああずり落ちるうう。落ちたらまた悪夢の空間行きいいい。
コアラごっこするのは、ダンテにしがみつく時だけで良いと思うんだ。
かつてないほど、ももを締める力に尽力を注ぐ。太ももにストレッチパワーがたまってくる。
あたしこんなマッスルぱわーもりもりの子じゃないのにぃ。
ここは真っ暗で、かろうじて見えるのが真下と壁の文字類の光に照らされた場所だけ。
あちら側のトリッシュさんは無事なのだろうか?呪縛の術に縛られているなら、あの人こそとんでもない目にあっているのでは?
けれど、人の心配をする暇はない。
「せめて紋章発動してって欲しかった……。んもう!暗くて何も見えないじゃんかぁ〜!」
ディーヴァのためにと、いつもいつでも頑張ってくれている最愛のダンテへ向けていう言葉じゃないが、文句を言わずにいられない!
そもそも紋章が発動していれば、ダンテがナイトメアに取り込まれることなどそうなかった。