mission 20:third showdown ~雷の参戦~
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完全に割れて飛び散る氷の破片。中から登場したフロストには真新しい腕が生え、負わせた傷も薄くなっていた。
「回復してやがるだと?」
新しい腕ぇ!?
そんな、餡子ぎっしり確かな満足!な日本の国民的ヒーローなパンじゃないんだから……!あ、違うあっちは顔だ。
「へぇー、自らを氷で閉じ込めて中で回復とはね。さすがはそんじょそこらの雑魚より骨のある悪魔だ。
って、こら逃げんな!」
ブォンと浮いたフロストが、手足や胴を違う場所へ移動させながら、次々に瞬間移動していく。
移動先までの経路にダンテがいた場合、遮蔽物としてぶつかるのだろう。おでこゴツン!してる。入れ替わりとかしちゃわないかな?心配。
そうやって安全な場所から、ダンテに向かって床から突き出した氷柱を向かわせ、せめてもの傷を負わせようとしている。
ダンテはミリオンカラットもどきと、言っていたっけ。
「ンなろ〜、ちょこまかと……」
あたしの目からも、ダンテの剣から、銃弾から逃げているようにみえる。
当たりはする。かすりもする。だが決定打が与えられない。
もしかしたら相方の悪魔が倒されていることで怖気ついている……?
悪魔にだって性格はあるだろうし、もしかしたらこの個体は『おくびょうな性格』なのかもしれない。つまり素早さが上がりやすい性格ね。
叱られちゃうの覚悟でひょこっと顔を出して、ダンテに聞こえるよう叫ぶ。
「ダンテ!また氷に包まれる前に倒しちゃわないと!」
「ディーヴァ!?
おま、ちゃんと下がってろよ!出てくんなっつったろ!」
ほ〜らやっぱり叱られた。そんな眉毛釣り上げなくても……。気にせずあたしは声を張り上げる。
「いいから!氷には炎!広範囲に効くイイ感じの炎技あるんでしょ?」
「だがそれはこの場所が暑くなる。室温が高くなったら余計臭くなるんだぞ」
何だそんなことで使わなかったのか。
スゥゥゥゥ……。あたしは静かに指を前に出し、笑顔と共にダンテへ向かってサムズアップした。
「あたし我慢できるからダンテも我慢ね」
大事なことなので二度目もいうがダンテは鼻が効く。日本の大正時代に悪魔みたいな生き物を狩っていたという、とある剣士のごとくそれはもう鼻が効く。
熱気ムンムンで臭気が酷くなるのが嫌だったのだろう、ダンテの眉間に見たことあるシワが寄った。
「……ったく、わかったよ!うおおおおおお!!」
背にしまいこんだアラストルスパーダの代わり、腕に装着したイフリートの拳を握りしめる。
突き出した手のひらで高めた魔力を今、解き放つ!
「くらえ、ファイアボーーール!」
『メテオといえメテオと』
渋いイフリートの声が小さく聞こえた気がするが、ダンテは気に留めずメテオ連発。
次々に食道内を爆破しようとする炎の玉に、室温がどんどん上昇していく。
たしかに、暑いというより臭さが気になってくる。
臭さも顕著だけど、この悪魔の胎内今ぜーったい激辛の何か食べて喉がぎゃーってなってる状態と同じでしょ。激辛=炎吹きそうに痛いってことで。あたしだったらなる、ぎゃーって。
熱くなっていく部屋で壁際に追い込まれるフロスト。
急な温度変化は蜃気楼のようにダンテの姿を、一瞬だがかき消した。
頭上だ。頭上から現れたダンテが、真下にいるフロストへインフェルノを繰り出す。
あれほど苦戦したフロストも地獄の業火には耐えきれず、焼き尽くされて消えた。いつものようにレッドオーブだけを残して。
「ディーヴァ終わったぞ……って、ほんとクッサ!!」
「うん、臭いね。お鼻どっか旅行行っちゃうよー」
悪魔との戦闘が終わってくれたのはいいが、臭さという悪魔との戦闘が始まる。そして負けた。
我慢できずに再び鼻をつまんだら、ダンテが鼻で小さく笑う。その鼻もつまんでやるぅ。
「だから言ったんだ。しっかし、こりゃ旅行どころか離縁だな、鼻がゴートゥーリノしちまう。
そのうえ狭いし戦いづらいったらなかったぜ」
「通路よか狭くないでしょーよ」
「悪い、あんな場所で待つには狭かったよな。怖かったろうとも。
で、も、」
あれっ部屋が暑いのに、ダンテの周りだけ温度が下がった。
血の気が引いていく感じって言えばわかるかな。暑いのに寒い。
発生源であるダンテを見たら、理解した。
「ちゃんと待ってろって言ったよな?」
「あばばばば……」
頭鷲掴みとか、好きな女の子にする所業じゃないと思う。みしみしいってない?ねえ!?
一般人の頭はダンテの行動一つでパーン!だよ力弱めて……って、みしみしいってはいなかった。
でも痛い。
「今度言うこと聞かなかったら、通路から飛び出た顔に噛み付く刑にするからな」
口で噛み付いた時を連想させるジェスチャーを目の前に突きつけられる。
その勢いに、あっこの人相変わらず本気だと理解した。
「魔に引きずられちゃったダンテから噛み付かれるのも、冗談で噛み付かれるのもどっちも嫌」
「どっちも嫌とは、わがままな奴め」
「ぎゃっ!そこ顔じゃない」
「顔の一部だ」
耳に噛みつかれた。
ダンテの噛みつき攻撃から逃げ、改めて見回した食道内。
食堂というわりに、そこには空洞が広がっているのが見てとれる。
そしてその中央に埋もれるように設置された、お馴染みの時空神像さん。
「食道に時空神像あるんだね。食道にできたポリープの代わりかな」
「そんな大層なもんじゃないだろ」
ダンテが神像の前でポケットからレッドオーブをたくさん取り出している……と思ったら、下からにゅっと出てきたトレーに、レッドオーブを乗せていた。
色々と二度見した。このトレーってもしかしなくても、会計時によく見るやつ。
えっつまりここにレジトレーみたいなのがあったってこと?そんなの初めて見た……。
「ひぃふぅみぃ、よし」
引っ込んだ!?
ダンテがレッドオーブを乗せ終えるとともに、ト出てきた場所へとトレーが吸い込まれる。
すぐに同じトレーが出てきて、そこにはレッドオーブとは違うものが。それをサッと受け取り、ダンテがあたしの手の上へと乗せた。
「持っとけ」
丸いガラスの容れ物に入った液体が、ちゃぷと音を立てる。
水色に見えるのは、ただ単にガラス瓶の色のようだ。中は無色透明、でもただの水じゃない。水は水だけど、悪魔には毒となる水。
「ホーリーウォーター?」
「ここは魔界だからいつ悪魔が襲ってくるかわからない。念のため渡しておく」
「ありがと……」
「おっと。オレの目の前で割るなよ?オレにも効く」
「ダンテがオイタしてこない限りそんな真似しないよ」
だから余計なことはしてこないでね。そういう意味を込めてにっこぉ〜と笑顔を浮かべる。
「こわ……」
ダンテにその真意はしっかり伝わった。
続く部屋へと向かおうとすれば、その入り口にも弁膜。この先は胃袋だろうと考えると、あって当然か。
この弁がなければ、逆流性食道炎って病期になりやすいもんね。想像しただけで胃の上あたりがキリキリ痛む。
「また弁膜か」
「なーんだ。ダンテも弁膜って表現使ってるじゃない」
「当たり前だろ。主人公が18禁小説でもないとこで、のどちん……ウォッホン!なんて下ネタ連呼できないだろ。
ディーヴァにはわざと言わせたいけどな」
「ばか」
なんでそんなに下ネタぽい言葉を言わせたいのか。
ソウイウコトの時もそうだよね。すごく、すごーく恥ずかしくて困っちゃう。
『別に下ネタじゃなくない?小学生がシモワードに近い言葉連呼するのと変わらないよね』
「「だまらっしゃい」」
アラストルのツッコミをぶった斬る勢いのまま、ダンテが弁膜に一閃入れた。
通り抜けたそこは……。
「回復してやがるだと?」
新しい腕ぇ!?
そんな、餡子ぎっしり確かな満足!な日本の国民的ヒーローなパンじゃないんだから……!あ、違うあっちは顔だ。
「へぇー、自らを氷で閉じ込めて中で回復とはね。さすがはそんじょそこらの雑魚より骨のある悪魔だ。
って、こら逃げんな!」
ブォンと浮いたフロストが、手足や胴を違う場所へ移動させながら、次々に瞬間移動していく。
移動先までの経路にダンテがいた場合、遮蔽物としてぶつかるのだろう。おでこゴツン!してる。入れ替わりとかしちゃわないかな?心配。
そうやって安全な場所から、ダンテに向かって床から突き出した氷柱を向かわせ、せめてもの傷を負わせようとしている。
ダンテはミリオンカラットもどきと、言っていたっけ。
「ンなろ〜、ちょこまかと……」
あたしの目からも、ダンテの剣から、銃弾から逃げているようにみえる。
当たりはする。かすりもする。だが決定打が与えられない。
もしかしたら相方の悪魔が倒されていることで怖気ついている……?
悪魔にだって性格はあるだろうし、もしかしたらこの個体は『おくびょうな性格』なのかもしれない。つまり素早さが上がりやすい性格ね。
叱られちゃうの覚悟でひょこっと顔を出して、ダンテに聞こえるよう叫ぶ。
「ダンテ!また氷に包まれる前に倒しちゃわないと!」
「ディーヴァ!?
おま、ちゃんと下がってろよ!出てくんなっつったろ!」
ほ〜らやっぱり叱られた。そんな眉毛釣り上げなくても……。気にせずあたしは声を張り上げる。
「いいから!氷には炎!広範囲に効くイイ感じの炎技あるんでしょ?」
「だがそれはこの場所が暑くなる。室温が高くなったら余計臭くなるんだぞ」
何だそんなことで使わなかったのか。
スゥゥゥゥ……。あたしは静かに指を前に出し、笑顔と共にダンテへ向かってサムズアップした。
「あたし我慢できるからダンテも我慢ね」
大事なことなので二度目もいうがダンテは鼻が効く。日本の大正時代に悪魔みたいな生き物を狩っていたという、とある剣士のごとくそれはもう鼻が効く。
熱気ムンムンで臭気が酷くなるのが嫌だったのだろう、ダンテの眉間に見たことあるシワが寄った。
「……ったく、わかったよ!うおおおおおお!!」
背にしまいこんだアラストルスパーダの代わり、腕に装着したイフリートの拳を握りしめる。
突き出した手のひらで高めた魔力を今、解き放つ!
「くらえ、ファイアボーーール!」
『メテオといえメテオと』
渋いイフリートの声が小さく聞こえた気がするが、ダンテは気に留めずメテオ連発。
次々に食道内を爆破しようとする炎の玉に、室温がどんどん上昇していく。
たしかに、暑いというより臭さが気になってくる。
臭さも顕著だけど、この悪魔の胎内今ぜーったい激辛の何か食べて喉がぎゃーってなってる状態と同じでしょ。激辛=炎吹きそうに痛いってことで。あたしだったらなる、ぎゃーって。
熱くなっていく部屋で壁際に追い込まれるフロスト。
急な温度変化は蜃気楼のようにダンテの姿を、一瞬だがかき消した。
頭上だ。頭上から現れたダンテが、真下にいるフロストへインフェルノを繰り出す。
あれほど苦戦したフロストも地獄の業火には耐えきれず、焼き尽くされて消えた。いつものようにレッドオーブだけを残して。
「ディーヴァ終わったぞ……って、ほんとクッサ!!」
「うん、臭いね。お鼻どっか旅行行っちゃうよー」
悪魔との戦闘が終わってくれたのはいいが、臭さという悪魔との戦闘が始まる。そして負けた。
我慢できずに再び鼻をつまんだら、ダンテが鼻で小さく笑う。その鼻もつまんでやるぅ。
「だから言ったんだ。しっかし、こりゃ旅行どころか離縁だな、鼻がゴートゥーリノしちまう。
そのうえ狭いし戦いづらいったらなかったぜ」
「通路よか狭くないでしょーよ」
「悪い、あんな場所で待つには狭かったよな。怖かったろうとも。
で、も、」
あれっ部屋が暑いのに、ダンテの周りだけ温度が下がった。
血の気が引いていく感じって言えばわかるかな。暑いのに寒い。
発生源であるダンテを見たら、理解した。
「ちゃんと待ってろって言ったよな?」
「あばばばば……」
頭鷲掴みとか、好きな女の子にする所業じゃないと思う。みしみしいってない?ねえ!?
一般人の頭はダンテの行動一つでパーン!だよ力弱めて……って、みしみしいってはいなかった。
でも痛い。
「今度言うこと聞かなかったら、通路から飛び出た顔に噛み付く刑にするからな」
口で噛み付いた時を連想させるジェスチャーを目の前に突きつけられる。
その勢いに、あっこの人相変わらず本気だと理解した。
「魔に引きずられちゃったダンテから噛み付かれるのも、冗談で噛み付かれるのもどっちも嫌」
「どっちも嫌とは、わがままな奴め」
「ぎゃっ!そこ顔じゃない」
「顔の一部だ」
耳に噛みつかれた。
ダンテの噛みつき攻撃から逃げ、改めて見回した食道内。
食堂というわりに、そこには空洞が広がっているのが見てとれる。
そしてその中央に埋もれるように設置された、お馴染みの時空神像さん。
「食道に時空神像あるんだね。食道にできたポリープの代わりかな」
「そんな大層なもんじゃないだろ」
ダンテが神像の前でポケットからレッドオーブをたくさん取り出している……と思ったら、下からにゅっと出てきたトレーに、レッドオーブを乗せていた。
色々と二度見した。このトレーってもしかしなくても、会計時によく見るやつ。
えっつまりここにレジトレーみたいなのがあったってこと?そんなの初めて見た……。
「ひぃふぅみぃ、よし」
引っ込んだ!?
ダンテがレッドオーブを乗せ終えるとともに、ト出てきた場所へとトレーが吸い込まれる。
すぐに同じトレーが出てきて、そこにはレッドオーブとは違うものが。それをサッと受け取り、ダンテがあたしの手の上へと乗せた。
「持っとけ」
丸いガラスの容れ物に入った液体が、ちゃぷと音を立てる。
水色に見えるのは、ただ単にガラス瓶の色のようだ。中は無色透明、でもただの水じゃない。水は水だけど、悪魔には毒となる水。
「ホーリーウォーター?」
「ここは魔界だからいつ悪魔が襲ってくるかわからない。念のため渡しておく」
「ありがと……」
「おっと。オレの目の前で割るなよ?オレにも効く」
「ダンテがオイタしてこない限りそんな真似しないよ」
だから余計なことはしてこないでね。そういう意味を込めてにっこぉ〜と笑顔を浮かべる。
「こわ……」
ダンテにその真意はしっかり伝わった。
続く部屋へと向かおうとすれば、その入り口にも弁膜。この先は胃袋だろうと考えると、あって当然か。
この弁がなければ、逆流性食道炎って病期になりやすいもんね。想像しただけで胃の上あたりがキリキリ痛む。
「また弁膜か」
「なーんだ。ダンテも弁膜って表現使ってるじゃない」
「当たり前だろ。主人公が18禁小説でもないとこで、のどちん……ウォッホン!なんて下ネタ連呼できないだろ。
ディーヴァにはわざと言わせたいけどな」
「ばか」
なんでそんなに下ネタぽい言葉を言わせたいのか。
ソウイウコトの時もそうだよね。すごく、すごーく恥ずかしくて困っちゃう。
『別に下ネタじゃなくない?小学生がシモワードに近い言葉連呼するのと変わらないよね』
「「だまらっしゃい」」
アラストルのツッコミをぶった斬る勢いのまま、ダンテが弁膜に一閃入れた。
通り抜けたそこは……。