mission 20:third showdown ~雷の参戦~
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「「あ」」
斬り払われた向こうに二体の氷の魔物の姿が見えた。うわ、ばっちり目が合った。
「グォォォォォ」
「ガァァァッ」
二匹同時に出現することがほとんどだという、フロスト。
部屋の中戯れていた彼らが、あたしたちに気がつき氷の刃をむき出しにして吠える。
そのまま戯れててもいいのに。フロストやブレイドなら、まだマリオネットやノーバディより見れたものだと思うの。
ダンテが戯れていたネコチャン!な悪魔だったらもっといい。
って、こっちに来た!狭い通路に入ってくるのはやめて。定員オーバーです。
「ぎゃー!向かってくるぅ!」
「ディーヴァは!ここにっ!いろよっ!」
入り口に足をかけたフロストに、ダンテが斬撃を加えて部屋内へと強制的に戻す。
そのままあたしには待機させ、戦いへと身を投じていった。
え?ええええこんな狭い肉壁通路に一人ぃ!
そんなのごめんだよダンテが斬った入り口閉じたらどうすんの!背後から悪魔きたらどうすんの!!
……って言いたい気持ちは飲み込んだ。
飲み込む瞬間、絶対シワシワの●カチュウみたいな顔しちゃったかも。
仕方なしに危険地帯ギリギリまで部屋に近づいて、顔だけ出して様子を見る。
ってわぁ!鼻先スレスレに何か鋭いものが通り過ぎてった!?
よく見たらダンテの剣だった……お鼻なくなったらいやだしダンテにバレても怖いし、もうちょい引っ込めとこう。
シュッと引っ込めたところで、絶対零度の冷気が鼻があったところをかすめていった。刃で鼻の切り落としも嫌だけど凍るのも嫌。冷たいし寒い。ずびんばーって鼻水出ちゃう。
危ない危ない。
安全地帯でダンテとフロストの戦闘を眺めていれば、部屋の中が意外と狭く、ダンテが珍しく押されているのがわかった。
だけどダンテは今更フロストくらいの悪魔に負けない。心配はするけどそれはわかってるから、こうして安心して見守っていられる。
あ、でも怪我をして帰ってくるのはやめて欲しい。
「フゥッーー!」
短く速く息を吐き出したダンテの剣技が決まる。
フロストが薙いだ爪が、ダンテのアラストルに弾かれ胴へと叩き込まれた。ペキ、氷でできたフロストの装甲の一部が割れる。
その勢いは止まらず、そのまま体勢も立て直さずに体に回転をかけて後ろに迫っていたもう一体のフロストにも剣を見舞った。
吹っ飛ぶフロスト。ほら、やっぱりダンテは強い!
「でもなんでアラストルやスパーダを使うんだろう……そこはイフリートじゃないの?」
フロストにはイフリートが有効だ。それは前の戦いでダンテもよく知っているはず。
イフリートの熱い炎で焼いてしまえば、フロストの氷は瞬く間に溶け、悪魔自体も消滅する。
対処は簡単なのに。
フロストが冷気を纏った。部屋の温度が一気に下がり、通路にいる自分の元へも冷たい冷気が流れ込んでくる。
この場所が生きてる悪魔の胎内なら、かき氷やアイスを食べたような気持ちになってるかもしれない。
「グルォウ!」
体に纏った冷気がダンテへと、前方へと放たれる。
冷気は地を這い、鋭い氷柱を発生させながらダンテに向かっていった。
「当たるか、よっ!
ハハ、既視感あると思ったら、今度は『ミリオンカラット』か?」
飛び上がって避け、そのまま兜割で叩き斬るダンテ。
「ヘッ。コイツやっぱりケルベロスの劣化版だわ」
向かってきたもう一匹を今度はスパーダの鎌の一閃で薙ぎながらつぶやいた。
ケルベロスに、ミリオンカラット……たしかケルベロスの技だった気がする。どんなものか忘れてしまったけれど、ダンテの言葉から察するに酷似したものだろう。
ダンテから受けた攻撃にかはたまたダンテの言葉にか、怒ったフロストが咆哮をあげて氷の爪を撃ち込んできた。
ステップを踏むかのように軽やかに避け、逆に相手に近づいてスパーダを滑らせるダンテ。
赤く輝く斬撃が、氷の爪もろとも空を裂いた。
スパーダのその攻撃力に警戒の咆哮を上げて一度後退するフロスト。
毛皮があったなら、激しく逆立っていたと思う。彼らは代わりに、長い尾を真上に立てて喉を鳴らしていた。
そこへ再びの氷爪が放たれるべくして、広げられたフロストの腕。四方八方へ向けて生成され始める、冷気にまみれた爪状の鋭い飛び道具。
「おらぁっ!」
それは発射される前に、ダンテの振るったスパーダによって霧散した。
爪だけではない、フロストの腕ごと斬り落とされる。
その腕は氷と同じ。落下の衝撃で粉砕した。
『ギャオオゥ!』
悲痛な叫びが痛々しくて、悪魔相手に同情しそうだ。
戦闘能力が下がった個体など脅威ではない。
そう思ったか、ダンテは反対側の個体へと狙い定め、鬼気迫る鋭い目を向けた。
「ーシッッ!」
脚の腱を斬る勢いでアラストルを振るい、フロストの足を払って転倒させる。
倒れたところへ重い銃弾を喰らわせると、フロストの肌から剥がれ落ちた氷のかけらが宙を舞う。
「そろそろ魔界へお帰り願おうか」
『ここが魔界なんだけどね』
「じゃあ地獄だ」
なおも起きあがろうともがく相手へ、ダンテが連続の斬撃を送ると、ようやくフロストは物言わぬレッドオーブへと変わった。
「よし、まずは一匹……!」
ダンテが小さくガッツポーズした。
ダンテは次に、腕の千切れ飛んだ個体へ振り向いた。
だが、そのフロストは氷漬け状態だった。
いや、氷漬けというより自ら氷の中に入ったような体勢で中に入っている。いわば氷のベッドだ。さむそう。
「何っ!?」
今しがた倒したフロストへ攻撃を仕掛けている間、やけにおとなしいと思ったらこれだ。
あたしも気がつかなかった。ダンテの華麗な戦闘に目を奪われていたのもあるけれど、実はあたしから見える範囲にフロストがおらず、死角となっていたのが大きい。
気がついていればあたしとて、声を張ってダンテにそれを伝えていた。
「氷ン中に隠れて逃げようってか?こんなもん氷ごと壊しちまえば……ってうお!かてぇ」
アラストルで荒削り。なかなかの硬度のようだけど、少しずつ削れていた。
「くそ!一体なんなんだコレは……!
オレは!ただの!通りすがりの!氷像職人!……なんて事があるわけないだろ!」
ねえそれもしかして●っぽろ雪まつりに提出する気なの?なにそのリアルなテメンニグルの氷像。
ピシッ!あとひと削りか。
ダンテが大きく振りかぶって斬りつけた箇所に入る、大きなヒビ。それが氷全体に入り……。
「!?テメンニグルが出来あがっ、じゃなくてやったか!
……ッ!?」
あっこれやっぱり提出する気満々だったのね。
斬り払われた向こうに二体の氷の魔物の姿が見えた。うわ、ばっちり目が合った。
「グォォォォォ」
「ガァァァッ」
二匹同時に出現することがほとんどだという、フロスト。
部屋の中戯れていた彼らが、あたしたちに気がつき氷の刃をむき出しにして吠える。
そのまま戯れててもいいのに。フロストやブレイドなら、まだマリオネットやノーバディより見れたものだと思うの。
ダンテが戯れていたネコチャン!な悪魔だったらもっといい。
って、こっちに来た!狭い通路に入ってくるのはやめて。定員オーバーです。
「ぎゃー!向かってくるぅ!」
「ディーヴァは!ここにっ!いろよっ!」
入り口に足をかけたフロストに、ダンテが斬撃を加えて部屋内へと強制的に戻す。
そのままあたしには待機させ、戦いへと身を投じていった。
え?ええええこんな狭い肉壁通路に一人ぃ!
そんなのごめんだよダンテが斬った入り口閉じたらどうすんの!背後から悪魔きたらどうすんの!!
……って言いたい気持ちは飲み込んだ。
飲み込む瞬間、絶対シワシワの●カチュウみたいな顔しちゃったかも。
仕方なしに危険地帯ギリギリまで部屋に近づいて、顔だけ出して様子を見る。
ってわぁ!鼻先スレスレに何か鋭いものが通り過ぎてった!?
よく見たらダンテの剣だった……お鼻なくなったらいやだしダンテにバレても怖いし、もうちょい引っ込めとこう。
シュッと引っ込めたところで、絶対零度の冷気が鼻があったところをかすめていった。刃で鼻の切り落としも嫌だけど凍るのも嫌。冷たいし寒い。ずびんばーって鼻水出ちゃう。
危ない危ない。
安全地帯でダンテとフロストの戦闘を眺めていれば、部屋の中が意外と狭く、ダンテが珍しく押されているのがわかった。
だけどダンテは今更フロストくらいの悪魔に負けない。心配はするけどそれはわかってるから、こうして安心して見守っていられる。
あ、でも怪我をして帰ってくるのはやめて欲しい。
「フゥッーー!」
短く速く息を吐き出したダンテの剣技が決まる。
フロストが薙いだ爪が、ダンテのアラストルに弾かれ胴へと叩き込まれた。ペキ、氷でできたフロストの装甲の一部が割れる。
その勢いは止まらず、そのまま体勢も立て直さずに体に回転をかけて後ろに迫っていたもう一体のフロストにも剣を見舞った。
吹っ飛ぶフロスト。ほら、やっぱりダンテは強い!
「でもなんでアラストルやスパーダを使うんだろう……そこはイフリートじゃないの?」
フロストにはイフリートが有効だ。それは前の戦いでダンテもよく知っているはず。
イフリートの熱い炎で焼いてしまえば、フロストの氷は瞬く間に溶け、悪魔自体も消滅する。
対処は簡単なのに。
フロストが冷気を纏った。部屋の温度が一気に下がり、通路にいる自分の元へも冷たい冷気が流れ込んでくる。
この場所が生きてる悪魔の胎内なら、かき氷やアイスを食べたような気持ちになってるかもしれない。
「グルォウ!」
体に纏った冷気がダンテへと、前方へと放たれる。
冷気は地を這い、鋭い氷柱を発生させながらダンテに向かっていった。
「当たるか、よっ!
ハハ、既視感あると思ったら、今度は『ミリオンカラット』か?」
飛び上がって避け、そのまま兜割で叩き斬るダンテ。
「ヘッ。コイツやっぱりケルベロスの劣化版だわ」
向かってきたもう一匹を今度はスパーダの鎌の一閃で薙ぎながらつぶやいた。
ケルベロスに、ミリオンカラット……たしかケルベロスの技だった気がする。どんなものか忘れてしまったけれど、ダンテの言葉から察するに酷似したものだろう。
ダンテから受けた攻撃にかはたまたダンテの言葉にか、怒ったフロストが咆哮をあげて氷の爪を撃ち込んできた。
ステップを踏むかのように軽やかに避け、逆に相手に近づいてスパーダを滑らせるダンテ。
赤く輝く斬撃が、氷の爪もろとも空を裂いた。
スパーダのその攻撃力に警戒の咆哮を上げて一度後退するフロスト。
毛皮があったなら、激しく逆立っていたと思う。彼らは代わりに、長い尾を真上に立てて喉を鳴らしていた。
そこへ再びの氷爪が放たれるべくして、広げられたフロストの腕。四方八方へ向けて生成され始める、冷気にまみれた爪状の鋭い飛び道具。
「おらぁっ!」
それは発射される前に、ダンテの振るったスパーダによって霧散した。
爪だけではない、フロストの腕ごと斬り落とされる。
その腕は氷と同じ。落下の衝撃で粉砕した。
『ギャオオゥ!』
悲痛な叫びが痛々しくて、悪魔相手に同情しそうだ。
戦闘能力が下がった個体など脅威ではない。
そう思ったか、ダンテは反対側の個体へと狙い定め、鬼気迫る鋭い目を向けた。
「ーシッッ!」
脚の腱を斬る勢いでアラストルを振るい、フロストの足を払って転倒させる。
倒れたところへ重い銃弾を喰らわせると、フロストの肌から剥がれ落ちた氷のかけらが宙を舞う。
「そろそろ魔界へお帰り願おうか」
『ここが魔界なんだけどね』
「じゃあ地獄だ」
なおも起きあがろうともがく相手へ、ダンテが連続の斬撃を送ると、ようやくフロストは物言わぬレッドオーブへと変わった。
「よし、まずは一匹……!」
ダンテが小さくガッツポーズした。
ダンテは次に、腕の千切れ飛んだ個体へ振り向いた。
だが、そのフロストは氷漬け状態だった。
いや、氷漬けというより自ら氷の中に入ったような体勢で中に入っている。いわば氷のベッドだ。さむそう。
「何っ!?」
今しがた倒したフロストへ攻撃を仕掛けている間、やけにおとなしいと思ったらこれだ。
あたしも気がつかなかった。ダンテの華麗な戦闘に目を奪われていたのもあるけれど、実はあたしから見える範囲にフロストがおらず、死角となっていたのが大きい。
気がついていればあたしとて、声を張ってダンテにそれを伝えていた。
「氷ン中に隠れて逃げようってか?こんなもん氷ごと壊しちまえば……ってうお!かてぇ」
アラストルで荒削り。なかなかの硬度のようだけど、少しずつ削れていた。
「くそ!一体なんなんだコレは……!
オレは!ただの!通りすがりの!氷像職人!……なんて事があるわけないだろ!」
ねえそれもしかして●っぽろ雪まつりに提出する気なの?なにそのリアルなテメンニグルの氷像。
ピシッ!あとひと削りか。
ダンテが大きく振りかぶって斬りつけた箇所に入る、大きなヒビ。それが氷全体に入り……。
「!?テメンニグルが出来あがっ、じゃなくてやったか!
……ッ!?」
あっこれやっぱり提出する気満々だったのね。