mission 19:gate to demon world ~ヒトと魔の境界線~
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すでに複葉機の整備は終えた。
何?整備士バージルの姿が見たかっただと?それはすまなかった。
ダンテよりも見事な腕を発揮したとだけ、伝えておこう。
しかし俺が裏切った事は、悪魔共の間へ既に広まっていたらしい。
マリオネットの上位種である呪術使いの人形が、次々と俺の行く手を阻み得物を振りかざしてくる。
『裏切ッタ、裏切ッタ』
『スパーダノ血族、ヤハリ排除スベシ』
『殺ス、殺ス』
もともと貴様らの仲間になった覚えはない。
「フン」
鼻で笑い、大剣を構えた。
奴らが左右に持つ、炎を纏わせた奇妙な武具。
ヨーヨーのように見えて、側面部には殺傷能力の高そうな刃が取り付けられているそれを振り翳し、連続で斬りつけてくる悪魔、フェティッシュ。
それらを物ともせず、真正面から斬り伏せる。
「っは!」
奴らが操る魔界の炎は武具だけではなかったようだ。嘴状の口から空気をメラメラと舐めるような炎が吐き出された。
炎の壁で防御しようというわけか。
その炎ごと剣圧で弾き飛ばし、飛び上がって上から叩き斬る。
『ギャァッッ!』
断末魔をあげてレッドオーブへ変わる悪魔。
一匹いなくなっても、後から後からぞろぞろと湧き出してくる。
さすがにこの数相手だと少々手間取るかもしれん。
倒した悪魔の後ろから向かってきたフェティッシュが、一斉に武具を放つ。
そう、炎を纏わせたままヨーヨーのように。
「本当に投げてくるとはな」
だが一直線に投げられたものなど、避けてしまえばそれまで。一斉に向かってきているのなら、飛べば当たらん。
俺はエアトリックを使って天井近くへと移動した。
マリオネットとは違い、悪魔本体に魔力糸はない。だが、悪魔本体と武具の間にはある。
間に張った魔力の糸を断ち切れば、こんなものどうということはない。
剣を魔力糸に向けて振り下ろす。
ビィィン……!
しかし全ての糸は切れず、数本を残して攻撃が弾かれた。
空中でヨーヨーのスリープ技のように留まっていた悪魔の武具が、その手元へと戻っていく。
俺は戻っていく刃をバックステップで避けた。
なるほど、予想に反して意外と固いのか。この大剣で断ち切れぬとは……。
幻影剣を一本生成するのがやっとの今の魔力では、フェティッシュごときの魔力にも劣るということのようだ。忌々しい。
おまけに大剣を振るうには少々狭い。悪魔の数に対してこの回廊は狭すぎる!
回廊や窓ごと斬るのも一つの手ではある。だが速さや威力が確実に落ちるのがまた癪に触る。
剣圧は素晴らしい。叩き斬るというのも豪快でたまにはいいだろう。
しかし自我を取り戻してからというものの、剣は少々扱いづらく感じる。
もちろん昔はこのような形状の剣を持ち、スパーダに基本の型を教わった。懐かしいとも言えなくない。
が、その後に自己流で得た刀の扱い。今では剣よりも刀を握る方が手に馴染みが良い。落ち着く。
できることならばこの手に刀が欲しい。そう、閻魔刀だ。
無い物ねだりをしても無意味か。
歯向かってきた悪魔に強烈な回し蹴りを叩き込むと、そのままくるりと背後に足を向ける。
俺は何も逃げようというわけではない。
この先には大聖堂と図書室への扉に面する、少し広まった空間が存在している。
そこで迎え撃つのだ。
悪魔は俺を追ってきている。体をコマのように横回転させて武具を振り回しながら追ってくる。
ディーヴァが見たら震え上がりそうなそれも、俺から見ればただのコマ。失笑ものだ。
「え?あたしのこと呼んだ?」と、幻聴まで聞こえてきそうだ。
そんな俺は、ディーヴァがこの手の悪魔にコマ攻撃で追われ、実際にトラウマを植え付けられたことを知らない……。
さあもっとだ、もっと近くへ、こちらへ寄ってこい!
狭い回廊を抜け切り、振り向きざまに剣を放つ。第一陣はあっさりと、俺の剣の前に倒れた。
第一陣を乗り越え、悪魔が飛び出してくる。多いな。
『キシャアアア!』
嘴をカチカチ鳴らす奴らの一匹に抱きついてこられた。気味の悪い悪魔め!
そのまま鋭い嘴で突いてくる。
人間相手ならば殺傷能力が高いものだろう。肉を抉り、骨まで砕く強さだ。だが俺には効かん。
「そんなものか。痛くも痒くもない」
鎧で遮られなくとも、かすり傷にもならん弱さ。撫でられたくらいにしか感じない。
同じ抱き付かれるならばこんな悪魔ではなく、ディーヴァに……。
ちっ!あの時サッサと抱きしめ返せば良かった。邪魔しおってあの愚弟めが!!
ヘラヘラと笑っている愚弟の顔を、つい頭いっぱいに思い浮かべてしまった。
その忌々しい顔に思い切り拳を入れる。連続でボコボコになるまでだ。
潰れたカンパーニュのような愚弟の顔の想像に、やっと溜飲がさがった。
「……ふう、これでいい」
気がついたら、目の前のフェティッシュ達の顔面が粉々に壊れていた。
俺は怒りに任せて、拳をめり込ませていたようだ。
完全に八つ当たりだが、どちらにせよ滅する存在。結果良ければ全て良しだろう。
ピヨっていた奴ら相手に剣を横薙ぎにすれば、思い切り吹っ飛んで後ろのフェティッシュにぶち当たった。
ドミノ倒しのように転ぶ後続の仲間達に、まだいたのかとうんざりし始める。
仲間の悪魔が屍を乗り越えて、反撃してきた。体をのけ反らせ、炎を吐いてくる。
「む」
一瞬だが、反応が遅れてしまった。
まあそうだろうな。
炎を吐けるのであれば、防御ではなく攻撃にも炎を使うに決まっている。
「その辺の灯火の方が熱いのではないか?アイツでさえ、もっと熱い炎を使っていた」
剣で防いだがマントの端に引火した。
チリチリと布が焼け焦げ、みっともなく穴が開いた。
気に入っているわけでもないが、腹が立つ。
機嫌が一気に下降した俺は、振りかぶった剣と渾身の蹴りで悪魔を粉砕し、倒れたところで思い切り踏みつけた。
ガシャンと、大きな音がその場に響いた。
きっとこれはすべてダンテの……愚弟のせいだ。愚弟のヘラヘラした顔がまたも脳内に蘇ってきたのだ!そういうことにしておこう。
塵となって消えたフェティッシュ共。
消えゆく悪魔の体から、ジャラジャラと宝石のように降り注ぐレッドオーブ。
それらをパキパキと踏み潰し進む。そのあまりの脆さに、顔をひそめた。
……やはり弱い。
今しがた相手をした悪魔も弱いが、この俺の弱さはいったい何だ。こんな悪魔に一瞬とはいえ遅れをとるとは何事だ。
一度は死にかけ、そして魔帝の手に落ちたからとでもいうのか?
ああ、そうだ。そうに違いない。体を多少なりとも改造されたことが、俺を余計に弱体化させた。
癪だが、弱くなったことを少しくらいは認めてやろう。
魔帝のせいにしてはならないし、したくなかったが、奴のせいにでもしなくてはやっていられん!
そして極め付けはアイツに敗北を……フン。
たまには勝ちを譲ってやっただけだ。俺は兄だから弟に勝ちを譲るくらい当然の措置だろう。
たった一本を取られただけだ。勝負の数では俺は負けてなどいない。
と、自分でアイツと兄弟であると認めたことに気が付いてしまった。
「ちっ……兄弟か。くだらん」
アイツ……強くなったようだな。俺のあとを追いかけてきていた頃とは違う。
魔帝なんぞに使われている間に、アイツはどのくらい腕を磨いてきたのか。悔しいがアイツとの力量には明らかな差があった。
アイツとの戦闘で俺の魔力が枯渇したことからもそれはわかる。
そもそも俺が魔帝の位置にあって然るべきだったのだ。ムンドゥスではなく!俺がだ!
そうなっていたら勝てていた。ムンドゥス如きの配下などになりさがり、鍛錬の手を抜いたのが大きい。
ぬるま湯に浸かりすぎた。ちなみに俺は熱い風呂の方が好きだ。
また一から仕切り直しだ。
強くならねばなるまい。アイツに勝つためにも。
しかしディーヴァがいてくれなかったら、こうして悪魔と戦うことはおろか、動くこともできなかっただろう。感謝している。
それにしても、未だ幻影剣を一本作り出すのが精一杯とは……情けないことだ。
何?整備士バージルの姿が見たかっただと?それはすまなかった。
ダンテよりも見事な腕を発揮したとだけ、伝えておこう。
しかし俺が裏切った事は、悪魔共の間へ既に広まっていたらしい。
マリオネットの上位種である呪術使いの人形が、次々と俺の行く手を阻み得物を振りかざしてくる。
『裏切ッタ、裏切ッタ』
『スパーダノ血族、ヤハリ排除スベシ』
『殺ス、殺ス』
もともと貴様らの仲間になった覚えはない。
「フン」
鼻で笑い、大剣を構えた。
奴らが左右に持つ、炎を纏わせた奇妙な武具。
ヨーヨーのように見えて、側面部には殺傷能力の高そうな刃が取り付けられているそれを振り翳し、連続で斬りつけてくる悪魔、フェティッシュ。
それらを物ともせず、真正面から斬り伏せる。
「っは!」
奴らが操る魔界の炎は武具だけではなかったようだ。嘴状の口から空気をメラメラと舐めるような炎が吐き出された。
炎の壁で防御しようというわけか。
その炎ごと剣圧で弾き飛ばし、飛び上がって上から叩き斬る。
『ギャァッッ!』
断末魔をあげてレッドオーブへ変わる悪魔。
一匹いなくなっても、後から後からぞろぞろと湧き出してくる。
さすがにこの数相手だと少々手間取るかもしれん。
倒した悪魔の後ろから向かってきたフェティッシュが、一斉に武具を放つ。
そう、炎を纏わせたままヨーヨーのように。
「本当に投げてくるとはな」
だが一直線に投げられたものなど、避けてしまえばそれまで。一斉に向かってきているのなら、飛べば当たらん。
俺はエアトリックを使って天井近くへと移動した。
マリオネットとは違い、悪魔本体に魔力糸はない。だが、悪魔本体と武具の間にはある。
間に張った魔力の糸を断ち切れば、こんなものどうということはない。
剣を魔力糸に向けて振り下ろす。
ビィィン……!
しかし全ての糸は切れず、数本を残して攻撃が弾かれた。
空中でヨーヨーのスリープ技のように留まっていた悪魔の武具が、その手元へと戻っていく。
俺は戻っていく刃をバックステップで避けた。
なるほど、予想に反して意外と固いのか。この大剣で断ち切れぬとは……。
幻影剣を一本生成するのがやっとの今の魔力では、フェティッシュごときの魔力にも劣るということのようだ。忌々しい。
おまけに大剣を振るうには少々狭い。悪魔の数に対してこの回廊は狭すぎる!
回廊や窓ごと斬るのも一つの手ではある。だが速さや威力が確実に落ちるのがまた癪に触る。
剣圧は素晴らしい。叩き斬るというのも豪快でたまにはいいだろう。
しかし自我を取り戻してからというものの、剣は少々扱いづらく感じる。
もちろん昔はこのような形状の剣を持ち、スパーダに基本の型を教わった。懐かしいとも言えなくない。
が、その後に自己流で得た刀の扱い。今では剣よりも刀を握る方が手に馴染みが良い。落ち着く。
できることならばこの手に刀が欲しい。そう、閻魔刀だ。
無い物ねだりをしても無意味か。
歯向かってきた悪魔に強烈な回し蹴りを叩き込むと、そのままくるりと背後に足を向ける。
俺は何も逃げようというわけではない。
この先には大聖堂と図書室への扉に面する、少し広まった空間が存在している。
そこで迎え撃つのだ。
悪魔は俺を追ってきている。体をコマのように横回転させて武具を振り回しながら追ってくる。
ディーヴァが見たら震え上がりそうなそれも、俺から見ればただのコマ。失笑ものだ。
「え?あたしのこと呼んだ?」と、幻聴まで聞こえてきそうだ。
そんな俺は、ディーヴァがこの手の悪魔にコマ攻撃で追われ、実際にトラウマを植え付けられたことを知らない……。
さあもっとだ、もっと近くへ、こちらへ寄ってこい!
狭い回廊を抜け切り、振り向きざまに剣を放つ。第一陣はあっさりと、俺の剣の前に倒れた。
第一陣を乗り越え、悪魔が飛び出してくる。多いな。
『キシャアアア!』
嘴をカチカチ鳴らす奴らの一匹に抱きついてこられた。気味の悪い悪魔め!
そのまま鋭い嘴で突いてくる。
人間相手ならば殺傷能力が高いものだろう。肉を抉り、骨まで砕く強さだ。だが俺には効かん。
「そんなものか。痛くも痒くもない」
鎧で遮られなくとも、かすり傷にもならん弱さ。撫でられたくらいにしか感じない。
同じ抱き付かれるならばこんな悪魔ではなく、ディーヴァに……。
ちっ!あの時サッサと抱きしめ返せば良かった。邪魔しおってあの愚弟めが!!
ヘラヘラと笑っている愚弟の顔を、つい頭いっぱいに思い浮かべてしまった。
その忌々しい顔に思い切り拳を入れる。連続でボコボコになるまでだ。
潰れたカンパーニュのような愚弟の顔の想像に、やっと溜飲がさがった。
「……ふう、これでいい」
気がついたら、目の前のフェティッシュ達の顔面が粉々に壊れていた。
俺は怒りに任せて、拳をめり込ませていたようだ。
完全に八つ当たりだが、どちらにせよ滅する存在。結果良ければ全て良しだろう。
ピヨっていた奴ら相手に剣を横薙ぎにすれば、思い切り吹っ飛んで後ろのフェティッシュにぶち当たった。
ドミノ倒しのように転ぶ後続の仲間達に、まだいたのかとうんざりし始める。
仲間の悪魔が屍を乗り越えて、反撃してきた。体をのけ反らせ、炎を吐いてくる。
「む」
一瞬だが、反応が遅れてしまった。
まあそうだろうな。
炎を吐けるのであれば、防御ではなく攻撃にも炎を使うに決まっている。
「その辺の灯火の方が熱いのではないか?アイツでさえ、もっと熱い炎を使っていた」
剣で防いだがマントの端に引火した。
チリチリと布が焼け焦げ、みっともなく穴が開いた。
気に入っているわけでもないが、腹が立つ。
機嫌が一気に下降した俺は、振りかぶった剣と渾身の蹴りで悪魔を粉砕し、倒れたところで思い切り踏みつけた。
ガシャンと、大きな音がその場に響いた。
きっとこれはすべてダンテの……愚弟のせいだ。愚弟のヘラヘラした顔がまたも脳内に蘇ってきたのだ!そういうことにしておこう。
塵となって消えたフェティッシュ共。
消えゆく悪魔の体から、ジャラジャラと宝石のように降り注ぐレッドオーブ。
それらをパキパキと踏み潰し進む。そのあまりの脆さに、顔をひそめた。
……やはり弱い。
今しがた相手をした悪魔も弱いが、この俺の弱さはいったい何だ。こんな悪魔に一瞬とはいえ遅れをとるとは何事だ。
一度は死にかけ、そして魔帝の手に落ちたからとでもいうのか?
ああ、そうだ。そうに違いない。体を多少なりとも改造されたことが、俺を余計に弱体化させた。
癪だが、弱くなったことを少しくらいは認めてやろう。
魔帝のせいにしてはならないし、したくなかったが、奴のせいにでもしなくてはやっていられん!
そして極め付けはアイツに敗北を……フン。
たまには勝ちを譲ってやっただけだ。俺は兄だから弟に勝ちを譲るくらい当然の措置だろう。
たった一本を取られただけだ。勝負の数では俺は負けてなどいない。
と、自分でアイツと兄弟であると認めたことに気が付いてしまった。
「ちっ……兄弟か。くだらん」
アイツ……強くなったようだな。俺のあとを追いかけてきていた頃とは違う。
魔帝なんぞに使われている間に、アイツはどのくらい腕を磨いてきたのか。悔しいがアイツとの力量には明らかな差があった。
アイツとの戦闘で俺の魔力が枯渇したことからもそれはわかる。
そもそも俺が魔帝の位置にあって然るべきだったのだ。ムンドゥスではなく!俺がだ!
そうなっていたら勝てていた。ムンドゥス如きの配下などになりさがり、鍛錬の手を抜いたのが大きい。
ぬるま湯に浸かりすぎた。ちなみに俺は熱い風呂の方が好きだ。
また一から仕切り直しだ。
強くならねばなるまい。アイツに勝つためにも。
しかしディーヴァがいてくれなかったら、こうして悪魔と戦うことはおろか、動くこともできなかっただろう。感謝している。
それにしても、未だ幻影剣を一本作り出すのが精一杯とは……情けないことだ。
