mission 18:baby is cruel ~トラウマ~
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「ディーヴァを……返せ!」
核へとトドメの一撃を叩き込む。
ナイトメアが逃げるように消えると共に、そばに倒れ伏すディーヴァの姿が目に入った。
「ディーヴァ!ディーヴァ!おい!!」
抱き起こしたディーヴァに、新しい外傷はなさそうだ。
息が止まっているというわけでもないが、ただ、ひどく顔色が悪くて体が冷たい。
少しでも温めようと、胸に抱き寄せて火の近くに近寄る。
みれば卵の変成は後少しのようで、形が徐々に変わってきていた。
顔にかかる髪をそうっとどかす。火に照らされてなお、ディーヴァの顔色は蒼白で痛々しい。
いつだって傷つくのは戦う術を持たぬ弱き者。その痛みを変わってやれたらと、いつも思う。
「ディーヴァ……」
熱を移すには肌と肌を合わせるのが一番手っ取り早いか。
オレはコートの内側でディーヴァをしっかり抱きこみ、手袋を脱いだ熱い手のひらでディーヴァの頬を覆った。
冷えた頬がじんわりゆっくり温かくなっていく。
頬の赤みが少し戻ってきた頃、コートの内側でディーヴァがどこか苦しそうに小さくみじろぎをした。
髪と同じ色したまつ毛が、小刻みに震える。
開く双眸。よかった、目が覚めたようだ。
だが、緑の瞳にオレの姿が映った瞬間、その顔が絶望に歪んだ。
「や、やあああああ!!」
気が触れたかのように暴れ出したディーヴァ。
抱きしめていた腕を、コートを跳ね除けられる。ディーヴァとは思えないほど、すごい力だ。
「ッ……、ディーヴァ!?」
手足を振って思い切り暴れられ、抑えきれずに手を離した。
もう一度抑えようと触れれば、過呼吸を起こされる。
拒絶反応で震え跳ねるディーヴァの体を前に、オレも慌てて手を引っ込めるしかなかった。
「痛い痛い痛い痛い!痛いの!!いやぁ!!やめて!」
「痛い!?どこだ、どこが痛い!!」
どこに触れても嫌がられる。どうしたらいい。
過呼吸って、どうやって対処するんだ。たしか息をさせない、だった気がするが。
呼吸させない、吸わせない……逆に吐き出させる。
だが今のディーヴァに無理やりは……。
悪魔には容赦ないデビルハンターが、好いた女一人にこのザマとは、なんと情けない!
「ええい、ままよ!」
覆い被さるように、暴れるディーヴァを押さえつけ、唇をふさぐ。
大きく息を吸い込もうとした鼻も、つまんで呼吸をさせない。
当然ジタバタともがくが、オレの渾身の力の前にディーヴァは動けない。
もとから非力な上に、過呼吸を起こしているディーヴァには。
「んっ、んん……ん〜〜〜!」
ディーヴァの呼気を吸い取っていく。
吐き出しはせず、ただひたすら、ディーヴァに二酸化炭素を吐かせる。
痙攣が止まった。
過呼吸の症状がなくなっていく。
一過性の軽いものだったようだ、よかった。
それでも過呼吸には違いない。少し休ませなくては。
ダンテに何かあった時用に覚えておくの、なぁんて言っていたディーヴァ。
めんどくさそうな応急処置の番組、一緒に見ておいて助かった。人工呼吸や心肺蘇生法……あの日のディーヴァに感謝だ。
落ち着いた症状に反し、絶望の色を滲ませた目は、焦点が定まらずにオレをただただ恐れていた。
拒まれている。
キスを、抱擁を、こういう形で拒まれるなんて初めてのことだ。
この目は気に入らない。
恐怖の対象を見る目でこれ以上見てほしくなくて唇を離す。
その瞬間、思い切り突き飛ばされた。
「やめて、やめてよ!!いやぁ!!」
「ディーヴァしっかりしろ!ディーヴァ!」
せっかく過呼吸が治ったところなのに、これではまた繰り返す。
見ていられなくて、羽交い締めにして抱き潰す。
「いやぁ!!触らないで悪魔!!ダンテの姿で!!あたしのダンテはもういないの!!
離して!!」
「なっ……?」
『あ〜、悪夢の空間で何か嫌なもの見たんだな』
なんだと?オレが偽者に見えているってことか?
悪夢の中でいったい何があったんだ。問いただしたいが、いや、やめておこう。
ディーヴァのトラウマを抉るような内容に違いない。
確実に聞こえるようゆっくりと、オレが本物のダンテであると伝えてみれば「うそつき」となじられてしまった。
おまっ……ここにいるオレが偽者というなら、ディーヴァはどうなる。ディーヴァこそ魂だけの……!!
つい言い返したくなったが、今のディーヴァには効かないだろう。火に油を注ぐだけだし、オレも喧嘩したいわけじゃない。
ましてや、ディーヴァにその話はよくない。本人が気にしている。
喧嘩になったとしても相手に絶対言ってはいけない言葉ってあるだろ?それだ。
「……うそじゃない、オレはお前のダンテだ」
オレはディーヴァの恋人であると同時に年上だ。兄貴だ。……何か言われてもたえろ。
ぐっとこらえてディーヴァの目を静かに見つめる。
まだ恐怖が滲む、緑の瞳だ。
核へとトドメの一撃を叩き込む。
ナイトメアが逃げるように消えると共に、そばに倒れ伏すディーヴァの姿が目に入った。
「ディーヴァ!ディーヴァ!おい!!」
抱き起こしたディーヴァに、新しい外傷はなさそうだ。
息が止まっているというわけでもないが、ただ、ひどく顔色が悪くて体が冷たい。
少しでも温めようと、胸に抱き寄せて火の近くに近寄る。
みれば卵の変成は後少しのようで、形が徐々に変わってきていた。
顔にかかる髪をそうっとどかす。火に照らされてなお、ディーヴァの顔色は蒼白で痛々しい。
いつだって傷つくのは戦う術を持たぬ弱き者。その痛みを変わってやれたらと、いつも思う。
「ディーヴァ……」
熱を移すには肌と肌を合わせるのが一番手っ取り早いか。
オレはコートの内側でディーヴァをしっかり抱きこみ、手袋を脱いだ熱い手のひらでディーヴァの頬を覆った。
冷えた頬がじんわりゆっくり温かくなっていく。
頬の赤みが少し戻ってきた頃、コートの内側でディーヴァがどこか苦しそうに小さくみじろぎをした。
髪と同じ色したまつ毛が、小刻みに震える。
開く双眸。よかった、目が覚めたようだ。
だが、緑の瞳にオレの姿が映った瞬間、その顔が絶望に歪んだ。
「や、やあああああ!!」
気が触れたかのように暴れ出したディーヴァ。
抱きしめていた腕を、コートを跳ね除けられる。ディーヴァとは思えないほど、すごい力だ。
「ッ……、ディーヴァ!?」
手足を振って思い切り暴れられ、抑えきれずに手を離した。
もう一度抑えようと触れれば、過呼吸を起こされる。
拒絶反応で震え跳ねるディーヴァの体を前に、オレも慌てて手を引っ込めるしかなかった。
「痛い痛い痛い痛い!痛いの!!いやぁ!!やめて!」
「痛い!?どこだ、どこが痛い!!」
どこに触れても嫌がられる。どうしたらいい。
過呼吸って、どうやって対処するんだ。たしか息をさせない、だった気がするが。
呼吸させない、吸わせない……逆に吐き出させる。
だが今のディーヴァに無理やりは……。
悪魔には容赦ないデビルハンターが、好いた女一人にこのザマとは、なんと情けない!
「ええい、ままよ!」
覆い被さるように、暴れるディーヴァを押さえつけ、唇をふさぐ。
大きく息を吸い込もうとした鼻も、つまんで呼吸をさせない。
当然ジタバタともがくが、オレの渾身の力の前にディーヴァは動けない。
もとから非力な上に、過呼吸を起こしているディーヴァには。
「んっ、んん……ん〜〜〜!」
ディーヴァの呼気を吸い取っていく。
吐き出しはせず、ただひたすら、ディーヴァに二酸化炭素を吐かせる。
痙攣が止まった。
過呼吸の症状がなくなっていく。
一過性の軽いものだったようだ、よかった。
それでも過呼吸には違いない。少し休ませなくては。
ダンテに何かあった時用に覚えておくの、なぁんて言っていたディーヴァ。
めんどくさそうな応急処置の番組、一緒に見ておいて助かった。人工呼吸や心肺蘇生法……あの日のディーヴァに感謝だ。
落ち着いた症状に反し、絶望の色を滲ませた目は、焦点が定まらずにオレをただただ恐れていた。
拒まれている。
キスを、抱擁を、こういう形で拒まれるなんて初めてのことだ。
この目は気に入らない。
恐怖の対象を見る目でこれ以上見てほしくなくて唇を離す。
その瞬間、思い切り突き飛ばされた。
「やめて、やめてよ!!いやぁ!!」
「ディーヴァしっかりしろ!ディーヴァ!」
せっかく過呼吸が治ったところなのに、これではまた繰り返す。
見ていられなくて、羽交い締めにして抱き潰す。
「いやぁ!!触らないで悪魔!!ダンテの姿で!!あたしのダンテはもういないの!!
離して!!」
「なっ……?」
『あ〜、悪夢の空間で何か嫌なもの見たんだな』
なんだと?オレが偽者に見えているってことか?
悪夢の中でいったい何があったんだ。問いただしたいが、いや、やめておこう。
ディーヴァのトラウマを抉るような内容に違いない。
確実に聞こえるようゆっくりと、オレが本物のダンテであると伝えてみれば「うそつき」となじられてしまった。
おまっ……ここにいるオレが偽者というなら、ディーヴァはどうなる。ディーヴァこそ魂だけの……!!
つい言い返したくなったが、今のディーヴァには効かないだろう。火に油を注ぐだけだし、オレも喧嘩したいわけじゃない。
ましてや、ディーヴァにその話はよくない。本人が気にしている。
喧嘩になったとしても相手に絶対言ってはいけない言葉ってあるだろ?それだ。
「……うそじゃない、オレはお前のダンテだ」
オレはディーヴァの恋人であると同時に年上だ。兄貴だ。……何か言われてもたえろ。
ぐっとこらえてディーヴァの目を静かに見つめる。
まだ恐怖が滲む、緑の瞳だ。