mission 18:baby is cruel ~トラウマ~
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鏡をくぐり抜ける時はベールが体を覆う感覚があるだけだった。
けど、通り抜けて到着した場所は絵の通り。水牢と言って差し支えない、朽ちた牢獄。
どこをどう見渡しても、鉄格子の檻。檻。檻。
そんな水の中に、あたしたちはいきなりドボンと落とされた。
なんて冷たい水だろう。
氷のように冷たい水が体温を否応なしに奪い、心臓が凍りそう。口の中では歯がカチカチと音を立てる。
決して口を開かないよう気をつけたけど、せっかく取り込んだ酸素をつい逃しそうになる。
あわてて鼻と口を覆い、ダンテにしがみついてやり過ごした。
ダンテはというと、あたしを背負ったまま壁に空いた穴や元から開いている鉄格子をくぐり抜けて次の場所を探し、泳いでいた。
あたしの呼吸のためと急いでくれているけど、でもどこか慎重で。
怪しいと思った箇所には水中専用のニードルガンを撃って進んでいるからそう見えるのかもしれない。
(またこのニードルガンを使う羽目になるとはな。
捨てなくてよかったぜ)
ドシュドシュドシュ!
邪魔な障害物を破壊して先へ進むダンテの手元を、見るほか何もできない。
先に広がる暗闇を見つめるなんてこわくてもってのほか!
でもこの銃もこわいなぁ。ダンテが撃つ衝撃がこっちにまで伝わってくる。
ダンテがいつも使っている大型拳銃もこわいけど、太い針がボウガンの要領で高速で発射されるんだよ?
こんなの当たったらと想像すると、恐ろしいよね。普通の銃弾より怖く感じる。
そして牢獄の中とは違う、少し広い空間に出た。でもまだ水没してるけどね。
息が少しずつ苦しくなってきて、ダンテがすかさず酸素を渡そうとあたしにキスしてきた。
(んっ………)
水の中でもダンテの唇は熱い。熱が伝わって全身に溶けていくかのよう。
ぎゅっと目を閉じて、ダンテにしがみつく。
酸素を渡されても、所詮は付け焼き刃。
結局のところ、ダンテがキスしたいからこんな方法を取っているにすぎない。酸素の譲渡は、そのおまけ。
だから苦しい。新鮮な空気が恋しいよぅ……。
その時ダンテが焦ったような動きを見せた。
その場から急いで離れるような、水流のような動き。
そっと目を開けてしまい、後悔したのはいうまでもなく。
シンシザーズが、前方、左、右からと鎌を持って泳いできていた。
(えっウソ!悪魔!?)
死神悪魔も泳げるの?嘘でしょ!?
びっくりして空気が漏れそうになったでしょうが!
3匹のシンシザーズを見ないように間を縫って退路を探せば、特徴的な鉄格子と悪魔の封印結界。その先に進むべき扉が見えた。
けれど、この水中に仕掛けはない。たぶん悪魔を倒せと、そういうことだろう。
同じタイミングで気がついたダンテとあたしは顔を見合わせ頷いた。
離れないように、でもダンテの攻撃を極力邪魔しないようにコアラのように全身でしがみつく。
なんだか、息がさらに苦しくなった気がする。
というか、なんでこんな時に悪魔が出るのよ。はやくいなくなって〜〜〜!
だが水中という動きが制限される中でも、ダンテはダンテだった。
死神悪魔が身に纏う黒が、水の中をたゆたうその動きだけで、悪魔たちの次の行動が手にとるようにわかる。
大振りのハサミをすれすれでかわしきり、その顔面を蹴り飛ばして離れる。
さすがダンテ。叩ける状況だったら、手を叩いていたと思う。
(!!やだもう、背後からこないでよね!)
嫌な気配に後ろを確認すれば、あらやだ後ろに悪魔が。
ダンテの首をグイッと回し、後ろを方向を向かせる。
迫ってくる悪魔の姿を目に写したダンテは、そのまま流れるような動きで殴りつけた。
水の中でもなんのその。ダンテの拳が悪魔の本体である仮面へしたたかにめり込んだ。
(ナイスアシストだぜディーヴァ!)
なんて言ってるかわからないけど、サムズアップしてみせたので、ダンテは多分そんな事を言ってたんじゃないかなと。
広い空間の中央へたゆたいながら移動したダンテが、ニードルガンを短く構えた。
そして彼は、回転して踊っているかのように、周囲に高速で撃ち放った!
水中と回転のコンボ。
うえ、酔いそう……。じっと耐えること数秒、目を閉じていたあたしの耳に、鉄格子が上がる音が聞こえた。
ああ、悪魔を退治し終えたんだ。
その場所をくぐれば、そこには何故か空気。
構造上、水が入り込まないのはおかしいのだが、そこが水面と水中の境目かのように、水がたぷたぷ壁状に浮かんで見えていた。
何かの魔術だろう。悪魔の世界には不思議がたくさんだ。
難しく考えるのはやーめた!それより呼吸!!
「……っはあ!やっと空気吸えるースゥーハァースゥ……んむ!」
大きく息を吸ってー吐いてー。酸素を肺いっぱいに取り込む。血液に酸素を送り込むのにさらに吸ってー……吐けなかった。
呼吸のために大きく開けていた口にダンテが齧り付いた。
「ンン、……っは、」
「………は、………、ーディーヴァ、舌出せ……」
「っゃ、むり!……ダ、ンテ……待っ、」
唇を堪能したダンテが、さっそく次の行程へ進んだ。
無理と言っているのに、ダンテは空いたあたしの口をさらにこじ開け、舌をねじ込んでくる。
これでは舌出せ、じゃなくて舌入れる、じゃんか。
くちゅり。
水の中にいる時よりも鮮明な水音が耳元で響くのは、ダンテがあたしの頭を、そして耳を塞ぐように抱えているからか。
塞いだ耳では、体内の音が余計大きく反響する。
舌が吸われて痺れると同時に、耳まで犯されている気分。体の中心もじんと痺れてきてたまらない。
ああ、いけない、その先が欲しくなる。ぞくぞくする。
ここは敵地。こんなことしてる場合じゃないのに。
だめだめ、せっかくバージルとも合流できたのに……こんなことしてちゃだめ!
「んんんっぷ、はぁッ」
悪い子のあたしが起きる前に、ダンテの胸を突き飛ばす勢いで思い切り押した。
意外や意外、ダンテはあっさりと離れた。
見ているとゾクゾクするような、くちびるをぺろり、赤い舌で妖艶に舐めながら。
「ごっそーさん」
「あ、あああああもううううう!!息できてるのになんでそこでちゅーしちゃうかな!
しかもべろちゅーとか!?」
「なんとなく」
なんとなくでその気にさせられそうになったあたしの気持ちを、ダンテにはよーく考えて欲しい。
けど、通り抜けて到着した場所は絵の通り。水牢と言って差し支えない、朽ちた牢獄。
どこをどう見渡しても、鉄格子の檻。檻。檻。
そんな水の中に、あたしたちはいきなりドボンと落とされた。
なんて冷たい水だろう。
氷のように冷たい水が体温を否応なしに奪い、心臓が凍りそう。口の中では歯がカチカチと音を立てる。
決して口を開かないよう気をつけたけど、せっかく取り込んだ酸素をつい逃しそうになる。
あわてて鼻と口を覆い、ダンテにしがみついてやり過ごした。
ダンテはというと、あたしを背負ったまま壁に空いた穴や元から開いている鉄格子をくぐり抜けて次の場所を探し、泳いでいた。
あたしの呼吸のためと急いでくれているけど、でもどこか慎重で。
怪しいと思った箇所には水中専用のニードルガンを撃って進んでいるからそう見えるのかもしれない。
(またこのニードルガンを使う羽目になるとはな。
捨てなくてよかったぜ)
ドシュドシュドシュ!
邪魔な障害物を破壊して先へ進むダンテの手元を、見るほか何もできない。
先に広がる暗闇を見つめるなんてこわくてもってのほか!
でもこの銃もこわいなぁ。ダンテが撃つ衝撃がこっちにまで伝わってくる。
ダンテがいつも使っている大型拳銃もこわいけど、太い針がボウガンの要領で高速で発射されるんだよ?
こんなの当たったらと想像すると、恐ろしいよね。普通の銃弾より怖く感じる。
そして牢獄の中とは違う、少し広い空間に出た。でもまだ水没してるけどね。
息が少しずつ苦しくなってきて、ダンテがすかさず酸素を渡そうとあたしにキスしてきた。
(んっ………)
水の中でもダンテの唇は熱い。熱が伝わって全身に溶けていくかのよう。
ぎゅっと目を閉じて、ダンテにしがみつく。
酸素を渡されても、所詮は付け焼き刃。
結局のところ、ダンテがキスしたいからこんな方法を取っているにすぎない。酸素の譲渡は、そのおまけ。
だから苦しい。新鮮な空気が恋しいよぅ……。
その時ダンテが焦ったような動きを見せた。
その場から急いで離れるような、水流のような動き。
そっと目を開けてしまい、後悔したのはいうまでもなく。
シンシザーズが、前方、左、右からと鎌を持って泳いできていた。
(えっウソ!悪魔!?)
死神悪魔も泳げるの?嘘でしょ!?
びっくりして空気が漏れそうになったでしょうが!
3匹のシンシザーズを見ないように間を縫って退路を探せば、特徴的な鉄格子と悪魔の封印結界。その先に進むべき扉が見えた。
けれど、この水中に仕掛けはない。たぶん悪魔を倒せと、そういうことだろう。
同じタイミングで気がついたダンテとあたしは顔を見合わせ頷いた。
離れないように、でもダンテの攻撃を極力邪魔しないようにコアラのように全身でしがみつく。
なんだか、息がさらに苦しくなった気がする。
というか、なんでこんな時に悪魔が出るのよ。はやくいなくなって〜〜〜!
だが水中という動きが制限される中でも、ダンテはダンテだった。
死神悪魔が身に纏う黒が、水の中をたゆたうその動きだけで、悪魔たちの次の行動が手にとるようにわかる。
大振りのハサミをすれすれでかわしきり、その顔面を蹴り飛ばして離れる。
さすがダンテ。叩ける状況だったら、手を叩いていたと思う。
(!!やだもう、背後からこないでよね!)
嫌な気配に後ろを確認すれば、あらやだ後ろに悪魔が。
ダンテの首をグイッと回し、後ろを方向を向かせる。
迫ってくる悪魔の姿を目に写したダンテは、そのまま流れるような動きで殴りつけた。
水の中でもなんのその。ダンテの拳が悪魔の本体である仮面へしたたかにめり込んだ。
(ナイスアシストだぜディーヴァ!)
なんて言ってるかわからないけど、サムズアップしてみせたので、ダンテは多分そんな事を言ってたんじゃないかなと。
広い空間の中央へたゆたいながら移動したダンテが、ニードルガンを短く構えた。
そして彼は、回転して踊っているかのように、周囲に高速で撃ち放った!
水中と回転のコンボ。
うえ、酔いそう……。じっと耐えること数秒、目を閉じていたあたしの耳に、鉄格子が上がる音が聞こえた。
ああ、悪魔を退治し終えたんだ。
その場所をくぐれば、そこには何故か空気。
構造上、水が入り込まないのはおかしいのだが、そこが水面と水中の境目かのように、水がたぷたぷ壁状に浮かんで見えていた。
何かの魔術だろう。悪魔の世界には不思議がたくさんだ。
難しく考えるのはやーめた!それより呼吸!!
「……っはあ!やっと空気吸えるースゥーハァースゥ……んむ!」
大きく息を吸ってー吐いてー。酸素を肺いっぱいに取り込む。血液に酸素を送り込むのにさらに吸ってー……吐けなかった。
呼吸のために大きく開けていた口にダンテが齧り付いた。
「ンン、……っは、」
「………は、………、ーディーヴァ、舌出せ……」
「っゃ、むり!……ダ、ンテ……待っ、」
唇を堪能したダンテが、さっそく次の行程へ進んだ。
無理と言っているのに、ダンテは空いたあたしの口をさらにこじ開け、舌をねじ込んでくる。
これでは舌出せ、じゃなくて舌入れる、じゃんか。
くちゅり。
水の中にいる時よりも鮮明な水音が耳元で響くのは、ダンテがあたしの頭を、そして耳を塞ぐように抱えているからか。
塞いだ耳では、体内の音が余計大きく反響する。
舌が吸われて痺れると同時に、耳まで犯されている気分。体の中心もじんと痺れてきてたまらない。
ああ、いけない、その先が欲しくなる。ぞくぞくする。
ここは敵地。こんなことしてる場合じゃないのに。
だめだめ、せっかくバージルとも合流できたのに……こんなことしてちゃだめ!
「んんんっぷ、はぁッ」
悪い子のあたしが起きる前に、ダンテの胸を突き飛ばす勢いで思い切り押した。
意外や意外、ダンテはあっさりと離れた。
見ているとゾクゾクするような、くちびるをぺろり、赤い舌で妖艶に舐めながら。
「ごっそーさん」
「あ、あああああもううううう!!息できてるのになんでそこでちゅーしちゃうかな!
しかもべろちゅーとか!?」
「なんとなく」
なんとなくでその気にさせられそうになったあたしの気持ちを、ダンテにはよーく考えて欲しい。