mission 17:true identity ~救出~
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だが、この男と顔をつきあわせることの苦痛と言ったら!堪えきれずにディーヴァごと解放する。
今やディーヴァはダンテの腕の中だ。
勝ち誇ったようなダンテの顔が腹立たしいが、ディーヴァの体温は冷えていたがなのに暖かく感じ、名残惜しくも思った。
このあたたかさを守りたい。母のように慈しみをたたえた涙を流すこの人を俺は守りたい。
「ダンテ、バージルにあってから精神年齢下がってなぁい?テメンニグルにいた頃みたいだよ」
「オレはいつでもぴちぴちのティーンなんだからしかたないだろ」
「うわ、ぴちぴちのティーン……ティーンはともかく、ぴちぴちは死語だと思うよ」
「ぴちぴちいいだろが。ほら、いつまでも若いお前の肌もぴっちぴち」
ぴちぴちがゲシュタルト崩壊を起こしかけている。魚でも跳ねている気分になるからやめろダンテェイ。
「お肌乾燥してるから擦ってこないでよ〜」
「気にしすぎだ。でもすまん。
お、そうだバージル。オレの魔力も与えてやろうか?
ぴちぴち若いオレの魔力できっと今まで以上に強くなるぞ。ガッツわいてくるはずだ。
絶対魔帝に負けたりなんかしないぜ。感謝しろよ」
「お前の魔力?たとえ強くなれるとしても拒否する」
「おまっ……!」
まだ何かごちゃごちゃ言っているらしきダンテを無視してディーヴァに向き直る。
じっと見つめる俺を、ディーヴァが不思議そうな瞳で見つめ返していた。
色こそ違えど、懐のアミュレットと同じように宝石のような瞳だ。
『バージル、ダンテ、誕生日おめでとう』
かつての母の声が蘇る。
懐からアミュレットを取り出すと、その長いチェーンをディーヴァの首にかける。
少し太く、そして重いそれは、オレの目にはディーヴァの細い首にひどく不釣り合いに映った。
「え、これ、バージルのアミュレット……」
「これは魔界を開く鍵であり、力を求めるためにはなくてはならないものだ。
が、今はアミュレット本来の意味でディーヴァに貸してやる」
「どんなになっても手放さなかったアミュレットじゃねぇか。オレにすら触らせないほどに大事なモンだろうがよ」
「うん、……そんな大切なものを、なぜあたしに」
そっと壊れ物を扱うように、首にかけられたアミュレットを手のひらに包み込むディーヴァ。
そんなにおそるおそる触らなくていい。ディーヴァの力くらいでは簡単には壊れぬ代物だ。
あとダンテには触らせるわけがない。自分のアミュレットを弄っていろ!
「一瞬だが、俺はお前の中に母の影をみた」
アミュレットに触れる指がピタリと止まる。再び目があった。
「お前の全てを守りたい。
お前が元の状態に戻れるよう、祈りを込めた御守りだ。
言っておくが貸してやるだけだ。あとで返せ」
「あ、あたりまえだよ……!こんな大切なものちゃんと返すっ……!」
驚いて、喜んで、そして笑顔を浮かべて言うディーヴァ。その顔が見たかった。
「では俺は行く。ここから先は別行動だ」
踵を返そうとした瞬間、マントが思い切り引っ張られた。
首が……しまる……。
「まだ何かあるのか。離せディーヴァ」
「やだ。一緒がいい」
この握りしめかたは、てこでも離さない気だ。ディーヴァ相手では無理矢理振り払う気も起きんし、捨てる予定だからいいが。
……俺が着ていた青いコートはどこだ。
「あたし、一人はダメって言ったよね。
帰ったらいっぱいいっぱいお菓子作って作って作りまくるんだから。バージルにも食べてもらうんだから。
だから、一緒」
なぜ菓子がここで登場する。
疑問符を浮かべていると、ダンテが耳打ちしてきた。
「あー……ディーヴァはストレス溜まると大量に菓子を作るんだ。ここきてストレスマッハなんだろ。
こうなったディーヴァは頑固だぞ」
「しかたない、協力して進むとしよう」
ディーヴァには負けた。
そっとマントから手を離させ、その手を握ってしゃがみ、目線を合わせる。
「たしか、この城には複葉機があったはずだ。ここから帰るのに必要だろう。動くように整備してみよう。
少しの間は別行動になるが、あとで必ず合流する」
「必ず?ほんとだよね」
「ああ、必ず。俺はよほど信用がないようだな」
「だって、バージルは一人になったらまた無茶しそうで……」
「首輪でもつけておくか?」
貴様は余計なことを言うな。
逆に悪さができぬよう、貴様の首に鎖をかけてやろうか。
「ううん。ピンキースウェア!」
小指同士をからめて約束を誓い合う。まるで子どもの頃に戻ったようだな。
いや、ディーヴァが子供時代のピュアな気持ちを忘れぬ大人に成長しただけかもしれん。
「ああ、約束しよう。
癪だが、ダンテの魔力は追えるから確実に合流できるのだ」
「魔力を追うのは確かになんとかなる。双子って便利だぜ。
オレもネロアンジェロだと難しいが、バージルの魔力は追える。今のアンタはディーヴァの気配とも混じってるからな。
けどよ、整備なんて出来るのか?アンタ機械音痴だろ」
俺を誰だと思っている。双子だぞ。
「フン。銃器の扱いはよく知らんが、大抵のものの整備なら見ればできる」
お前にできるものを俺ができぬわけがない。そうだろう?
『俺さぁ、複葉機の整備とかは、大抵のものってレベルじゃないと思うんだけど』
「この双子の感覚、絶対におかしいよね」
そこな魔剣とディーヴァ。聞こえているぞ。
睨みを効かせれば、すぐ静かになった。
しかし、またダンテに一本取られるとはな。
悔しい気持ちはもちろんある。だが、不思議とそこまで荒れていない。
心は凪いでいる。
とはいえ、負けたとは思わん。思いたくない。
互角。そう、互角なのだ。
魔帝に操られていたことを互角の理由にしたくない。
閻魔刀も折れてしまい手元にはないが、それも理由にしたくない。
だが、ダンテから勝利をもぎ取るのは今でなくてもいい。
今はダメだ。魔力が底をついている。
ディーヴァのおかげで持ち直した魔力も、殆どが生命活動に回されている。
先程、幻影剣を一本生成した時に、それを理解した。
それにダンテの寝首をかくなどというみっともない真似を俺はしないし、背後から襲う気もない。
そんな武士の風上にもおけぬやり口は死んでもしない。堂々とやりあおう。
もちろん、ディーヴァが見ている前で奴とやりあう気はない。また泣かれるのが目に見えている。
こんな気持ちになるのは、ディーヴァの血が混じって丸くなったからだとでもいうのだろうか……。
だが、炎は力を求めて燃えている。マッチの火ほどととても小さいが、俺の底で消えることなく確かに燃え続けている。
「ねえバージル。完璧な子守唄の歌詞、あたしに教えてくれる?」
「わかった。あとで落ち着いた時に教えてやろう」
「やった!ありがとう!!」
だが今はもう少しこのままで。
●あとがき
長かった。
今やディーヴァはダンテの腕の中だ。
勝ち誇ったようなダンテの顔が腹立たしいが、ディーヴァの体温は冷えていたがなのに暖かく感じ、名残惜しくも思った。
このあたたかさを守りたい。母のように慈しみをたたえた涙を流すこの人を俺は守りたい。
「ダンテ、バージルにあってから精神年齢下がってなぁい?テメンニグルにいた頃みたいだよ」
「オレはいつでもぴちぴちのティーンなんだからしかたないだろ」
「うわ、ぴちぴちのティーン……ティーンはともかく、ぴちぴちは死語だと思うよ」
「ぴちぴちいいだろが。ほら、いつまでも若いお前の肌もぴっちぴち」
ぴちぴちがゲシュタルト崩壊を起こしかけている。魚でも跳ねている気分になるからやめろダンテェイ。
「お肌乾燥してるから擦ってこないでよ〜」
「気にしすぎだ。でもすまん。
お、そうだバージル。オレの魔力も与えてやろうか?
ぴちぴち若いオレの魔力できっと今まで以上に強くなるぞ。ガッツわいてくるはずだ。
絶対魔帝に負けたりなんかしないぜ。感謝しろよ」
「お前の魔力?たとえ強くなれるとしても拒否する」
「おまっ……!」
まだ何かごちゃごちゃ言っているらしきダンテを無視してディーヴァに向き直る。
じっと見つめる俺を、ディーヴァが不思議そうな瞳で見つめ返していた。
色こそ違えど、懐のアミュレットと同じように宝石のような瞳だ。
『バージル、ダンテ、誕生日おめでとう』
かつての母の声が蘇る。
懐からアミュレットを取り出すと、その長いチェーンをディーヴァの首にかける。
少し太く、そして重いそれは、オレの目にはディーヴァの細い首にひどく不釣り合いに映った。
「え、これ、バージルのアミュレット……」
「これは魔界を開く鍵であり、力を求めるためにはなくてはならないものだ。
が、今はアミュレット本来の意味でディーヴァに貸してやる」
「どんなになっても手放さなかったアミュレットじゃねぇか。オレにすら触らせないほどに大事なモンだろうがよ」
「うん、……そんな大切なものを、なぜあたしに」
そっと壊れ物を扱うように、首にかけられたアミュレットを手のひらに包み込むディーヴァ。
そんなにおそるおそる触らなくていい。ディーヴァの力くらいでは簡単には壊れぬ代物だ。
あとダンテには触らせるわけがない。自分のアミュレットを弄っていろ!
「一瞬だが、俺はお前の中に母の影をみた」
アミュレットに触れる指がピタリと止まる。再び目があった。
「お前の全てを守りたい。
お前が元の状態に戻れるよう、祈りを込めた御守りだ。
言っておくが貸してやるだけだ。あとで返せ」
「あ、あたりまえだよ……!こんな大切なものちゃんと返すっ……!」
驚いて、喜んで、そして笑顔を浮かべて言うディーヴァ。その顔が見たかった。
「では俺は行く。ここから先は別行動だ」
踵を返そうとした瞬間、マントが思い切り引っ張られた。
首が……しまる……。
「まだ何かあるのか。離せディーヴァ」
「やだ。一緒がいい」
この握りしめかたは、てこでも離さない気だ。ディーヴァ相手では無理矢理振り払う気も起きんし、捨てる予定だからいいが。
……俺が着ていた青いコートはどこだ。
「あたし、一人はダメって言ったよね。
帰ったらいっぱいいっぱいお菓子作って作って作りまくるんだから。バージルにも食べてもらうんだから。
だから、一緒」
なぜ菓子がここで登場する。
疑問符を浮かべていると、ダンテが耳打ちしてきた。
「あー……ディーヴァはストレス溜まると大量に菓子を作るんだ。ここきてストレスマッハなんだろ。
こうなったディーヴァは頑固だぞ」
「しかたない、協力して進むとしよう」
ディーヴァには負けた。
そっとマントから手を離させ、その手を握ってしゃがみ、目線を合わせる。
「たしか、この城には複葉機があったはずだ。ここから帰るのに必要だろう。動くように整備してみよう。
少しの間は別行動になるが、あとで必ず合流する」
「必ず?ほんとだよね」
「ああ、必ず。俺はよほど信用がないようだな」
「だって、バージルは一人になったらまた無茶しそうで……」
「首輪でもつけておくか?」
貴様は余計なことを言うな。
逆に悪さができぬよう、貴様の首に鎖をかけてやろうか。
「ううん。ピンキースウェア!」
小指同士をからめて約束を誓い合う。まるで子どもの頃に戻ったようだな。
いや、ディーヴァが子供時代のピュアな気持ちを忘れぬ大人に成長しただけかもしれん。
「ああ、約束しよう。
癪だが、ダンテの魔力は追えるから確実に合流できるのだ」
「魔力を追うのは確かになんとかなる。双子って便利だぜ。
オレもネロアンジェロだと難しいが、バージルの魔力は追える。今のアンタはディーヴァの気配とも混じってるからな。
けどよ、整備なんて出来るのか?アンタ機械音痴だろ」
俺を誰だと思っている。双子だぞ。
「フン。銃器の扱いはよく知らんが、大抵のものの整備なら見ればできる」
お前にできるものを俺ができぬわけがない。そうだろう?
『俺さぁ、複葉機の整備とかは、大抵のものってレベルじゃないと思うんだけど』
「この双子の感覚、絶対におかしいよね」
そこな魔剣とディーヴァ。聞こえているぞ。
睨みを効かせれば、すぐ静かになった。
しかし、またダンテに一本取られるとはな。
悔しい気持ちはもちろんある。だが、不思議とそこまで荒れていない。
心は凪いでいる。
とはいえ、負けたとは思わん。思いたくない。
互角。そう、互角なのだ。
魔帝に操られていたことを互角の理由にしたくない。
閻魔刀も折れてしまい手元にはないが、それも理由にしたくない。
だが、ダンテから勝利をもぎ取るのは今でなくてもいい。
今はダメだ。魔力が底をついている。
ディーヴァのおかげで持ち直した魔力も、殆どが生命活動に回されている。
先程、幻影剣を一本生成した時に、それを理解した。
それにダンテの寝首をかくなどというみっともない真似を俺はしないし、背後から襲う気もない。
そんな武士の風上にもおけぬやり口は死んでもしない。堂々とやりあおう。
もちろん、ディーヴァが見ている前で奴とやりあう気はない。また泣かれるのが目に見えている。
こんな気持ちになるのは、ディーヴァの血が混じって丸くなったからだとでもいうのだろうか……。
だが、炎は力を求めて燃えている。マッチの火ほどととても小さいが、俺の底で消えることなく確かに燃え続けている。
「ねえバージル。完璧な子守唄の歌詞、あたしに教えてくれる?」
「わかった。あとで落ち着いた時に教えてやろう」
「やった!ありがとう!!」
だが今はもう少しこのままで。
●あとがき
長かった。
