mission 17:true identity ~救出~
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「今は魔帝を倒すのも、閻魔刀のこと考えるのもお預け。時には退くのも大事。
帰ろう?我慢してあたしと帰って?あたしの手をとって、バージル。
……お願い」
掴んでいただけの手を、バージルの手のひらに重ねる。
ううん、重ねるだけじゃない。あたしから強く握って捕まえる。
「たとえ俺の記憶が相手でも、俺は退くわけにはいかん。
離せディーヴァ」
「離さない。あたしは離さない。てこでも離さない」
連れて帰る、助けるって約束した。
あたしの強い瞳に負けたバージルは、大きく息を吐いてあたしの手を握り返した。
「手を取って、などと言いながらもお前は自ら俺の手を掴んだ。離してはくれない。
拒否権を与えてはくれないのだな」
「当たり前ですぅ〜」
ぺちん。
バージルの両頬を挟む。精神世界とは言えあったかい。このあたたかさを、あたしは失いたくない。
「あんなの一人で倒す必要ないよ。一人より二人。あたしと倒そう」
「ああ」
バージルと二人、宙に浮かぶ憎たらしい三つの目を睨みつける。戦闘開始ね!
「……ん?待て。
俺には無理だお預けだと言いながら、お前が一緒だというだけでアレを倒せるわけがない。戦う手段もないおまえは足手まといだろう。
それに相手は魔帝だぞ。ディーヴァは自分が奴に何をされたか忘れたのか」
あちゃー。気がつくよね。うん知ってた。あたしもいつものあたしなら、絶対戦わないもん。
「されたことは忘れてないよ。
でも大丈夫なの。ここはバージルの世界で、異物としてやってきたあたしは、バージルの意思に関係なく好きに動けるはずなの」
「チートだな」
「バージルの双子さんより頼りないけど、あんなハリボテの魔帝なんて一緒にお空の彼方までぶっ飛ばしちゃおう?」
えいおー!
バージルの手を握ったまま、腕を振り上げる。
となりでくつくつと笑う声が聞こえた。
「強気なセリフだが、震えている」
「そりゃ怖いもの!
でもあの先に、帰り道があるのはわかる。小さいけども光がある。帰るべき場所が見える」
そう。バージルの在るべき場所。
「ここから抜け出そう」
あたしがバージルに手渡したのは、一握りの剣。
「これは……」
バージルがバージルだと思い出すために、ダンテがバージルに突きつけた剣。
フォースエッジ。
なんでここにあるかは、あたしにもわからなかった。
いつのまにか握っていたのだ。精神世界はなんでもありなのか、あたしにも片手で持てる重さになっている。ほんとなんでもありだね!?
だが、これはフォースエッジやダンテ、スパーダさん。バージルを取り巻く人たちの意思なのではないかなって、そう思う。
だってその中からは、バージルを思いやるスパーダさんの、そしてダンテのあたたかい気持ちが読み取れた気がしたんだもの。
あたしが手を添えてバージルと共に突き出したフォースエッジ。
あれほど強かった魔帝も、その刃の前にあっけなく敗れ、消えていく。
「俺自身の記憶とは言えまさかこんなに簡単に魔帝を……」
「これぞ天使ぱわー」
「いや関係ない気がする」
まるでケーキ入刀だった。
バージルにも、ダンテにも絶対言わないでおこうっと。
本当の魔帝もこれくらいサックリ殺れたらいいんだけどね。
これはダンテの分、これはバージルの分、これはレディの分、これはダンテたちのお母さんの分、これはグリフォンさんの分、あと迷惑かけた人間の分、そしてあたしの分!!って、何回かに分けてサクサク刺すの。
バージルの幻影剣借りたいなぁ。そしたらいがぐり、ううん。ムンドゥス危機一髪の全部刺さっちゃうバージョンみたいにしちゃうのに。
魔帝が消えた先に一筋の光が見えた。
闇に差し込むようなそれを目指して走っていけば、まわりが真っ白い光に包まれて。
気がつけばダンテに支えられて座っていた。
「おかえりディーヴァ」
「う、うぅん……?
ダンテ……、支えててくれたの」
「当たり前だろ」
支えつつ、あたしの肩を直視しないようにして押さえてくるダンテ。
肩口の血は止まっていない。
この至近距離だ。血の匂いに当てられたのか、悪魔の目の色をその瞳にたたえているのが見えた。
そうよね、ダンテだって疲れてるし怪我したんだもの。
なのに、あたしが意識を飛ばしてる中でも、しっかりと支えててくれたんだ。
「……お前の体がまた冷たくなってきてた。
オレの心臓は心配のしすぎで何回止まるんだろうな」
「ごめんなさい」
「もう、いいのか?」
「うん。もう大丈夫だと思いたい」
その言葉を聞き、ダンテはほっとしながらもあたしの傷口を押さえてきた。
ちょ、いたたたたた!えええ?いたい!?
「えっちょ、痛いんですけど!?」
「血が止まんないだろ我慢しろって」
強く抑えられていたい。
鼓動の動きに合わせてどくどくどく。強く、でも鈍い痛みが続く。
けれど、おかげで血の流れは落ち着いてきてる気がしないでもない。
それでもなにか憎しみに似たものがこもっているような、そんな痛み!
しばらくしてから、自分のワンピースの端をダンテに裂いてもらい、止血のためと肩口に巻きつけることで勘弁してもらえた。
「で。バージルは?どんな感じだ」
「あたしがやれることはした」
「……起きないな」
しかし、バージルが起きない。
あたしですら起きた。なのに、バージルが起きない。
「うん……。
なんで?さっきまで一緒にいて、抜け出す時まで手は繋いでた。すぐそこまで一緒だったのに。
なのに。なんで起きないの。
あたしの血、今少ないからかなぁ。足りなかったのかな」
「まあ待て。バージルの顔色はいい。だから少し落ち着け」
顔色、いいかなぁ。
この暗闇に近い夜の時間じゃ、顔色がいいか悪いかなんてあまりわからない。
不安がるあたしをダンテが宥めることで、ようやく気分が落ち着いた。
「……うん。
バージル、起きてよ。戻ってきて……お願い……」
バージルの耳元に囁き、その頭を抱えて膝の上に乗せた。
ダンテは膝枕することを止めず、あたしの行動をただじっと眺めていた。
帰ろう?我慢してあたしと帰って?あたしの手をとって、バージル。
……お願い」
掴んでいただけの手を、バージルの手のひらに重ねる。
ううん、重ねるだけじゃない。あたしから強く握って捕まえる。
「たとえ俺の記憶が相手でも、俺は退くわけにはいかん。
離せディーヴァ」
「離さない。あたしは離さない。てこでも離さない」
連れて帰る、助けるって約束した。
あたしの強い瞳に負けたバージルは、大きく息を吐いてあたしの手を握り返した。
「手を取って、などと言いながらもお前は自ら俺の手を掴んだ。離してはくれない。
拒否権を与えてはくれないのだな」
「当たり前ですぅ〜」
ぺちん。
バージルの両頬を挟む。精神世界とは言えあったかい。このあたたかさを、あたしは失いたくない。
「あんなの一人で倒す必要ないよ。一人より二人。あたしと倒そう」
「ああ」
バージルと二人、宙に浮かぶ憎たらしい三つの目を睨みつける。戦闘開始ね!
「……ん?待て。
俺には無理だお預けだと言いながら、お前が一緒だというだけでアレを倒せるわけがない。戦う手段もないおまえは足手まといだろう。
それに相手は魔帝だぞ。ディーヴァは自分が奴に何をされたか忘れたのか」
あちゃー。気がつくよね。うん知ってた。あたしもいつものあたしなら、絶対戦わないもん。
「されたことは忘れてないよ。
でも大丈夫なの。ここはバージルの世界で、異物としてやってきたあたしは、バージルの意思に関係なく好きに動けるはずなの」
「チートだな」
「バージルの双子さんより頼りないけど、あんなハリボテの魔帝なんて一緒にお空の彼方までぶっ飛ばしちゃおう?」
えいおー!
バージルの手を握ったまま、腕を振り上げる。
となりでくつくつと笑う声が聞こえた。
「強気なセリフだが、震えている」
「そりゃ怖いもの!
でもあの先に、帰り道があるのはわかる。小さいけども光がある。帰るべき場所が見える」
そう。バージルの在るべき場所。
「ここから抜け出そう」
あたしがバージルに手渡したのは、一握りの剣。
「これは……」
バージルがバージルだと思い出すために、ダンテがバージルに突きつけた剣。
フォースエッジ。
なんでここにあるかは、あたしにもわからなかった。
いつのまにか握っていたのだ。精神世界はなんでもありなのか、あたしにも片手で持てる重さになっている。ほんとなんでもありだね!?
だが、これはフォースエッジやダンテ、スパーダさん。バージルを取り巻く人たちの意思なのではないかなって、そう思う。
だってその中からは、バージルを思いやるスパーダさんの、そしてダンテのあたたかい気持ちが読み取れた気がしたんだもの。
あたしが手を添えてバージルと共に突き出したフォースエッジ。
あれほど強かった魔帝も、その刃の前にあっけなく敗れ、消えていく。
「俺自身の記憶とは言えまさかこんなに簡単に魔帝を……」
「これぞ天使ぱわー」
「いや関係ない気がする」
まるでケーキ入刀だった。
バージルにも、ダンテにも絶対言わないでおこうっと。
本当の魔帝もこれくらいサックリ殺れたらいいんだけどね。
これはダンテの分、これはバージルの分、これはレディの分、これはダンテたちのお母さんの分、これはグリフォンさんの分、あと迷惑かけた人間の分、そしてあたしの分!!って、何回かに分けてサクサク刺すの。
バージルの幻影剣借りたいなぁ。そしたらいがぐり、ううん。ムンドゥス危機一髪の全部刺さっちゃうバージョンみたいにしちゃうのに。
魔帝が消えた先に一筋の光が見えた。
闇に差し込むようなそれを目指して走っていけば、まわりが真っ白い光に包まれて。
気がつけばダンテに支えられて座っていた。
「おかえりディーヴァ」
「う、うぅん……?
ダンテ……、支えててくれたの」
「当たり前だろ」
支えつつ、あたしの肩を直視しないようにして押さえてくるダンテ。
肩口の血は止まっていない。
この至近距離だ。血の匂いに当てられたのか、悪魔の目の色をその瞳にたたえているのが見えた。
そうよね、ダンテだって疲れてるし怪我したんだもの。
なのに、あたしが意識を飛ばしてる中でも、しっかりと支えててくれたんだ。
「……お前の体がまた冷たくなってきてた。
オレの心臓は心配のしすぎで何回止まるんだろうな」
「ごめんなさい」
「もう、いいのか?」
「うん。もう大丈夫だと思いたい」
その言葉を聞き、ダンテはほっとしながらもあたしの傷口を押さえてきた。
ちょ、いたたたたた!えええ?いたい!?
「えっちょ、痛いんですけど!?」
「血が止まんないだろ我慢しろって」
強く抑えられていたい。
鼓動の動きに合わせてどくどくどく。強く、でも鈍い痛みが続く。
けれど、おかげで血の流れは落ち着いてきてる気がしないでもない。
それでもなにか憎しみに似たものがこもっているような、そんな痛み!
しばらくしてから、自分のワンピースの端をダンテに裂いてもらい、止血のためと肩口に巻きつけることで勘弁してもらえた。
「で。バージルは?どんな感じだ」
「あたしがやれることはした」
「……起きないな」
しかし、バージルが起きない。
あたしですら起きた。なのに、バージルが起きない。
「うん……。
なんで?さっきまで一緒にいて、抜け出す時まで手は繋いでた。すぐそこまで一緒だったのに。
なのに。なんで起きないの。
あたしの血、今少ないからかなぁ。足りなかったのかな」
「まあ待て。バージルの顔色はいい。だから少し落ち着け」
顔色、いいかなぁ。
この暗闇に近い夜の時間じゃ、顔色がいいか悪いかなんてあまりわからない。
不安がるあたしをダンテが宥めることで、ようやく気分が落ち着いた。
「……うん。
バージル、起きてよ。戻ってきて……お願い……」
バージルの耳元に囁き、その頭を抱えて膝の上に乗せた。
ダンテは膝枕することを止めず、あたしの行動をただじっと眺めていた。
