mission 17:true identity ~救出~
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吸い込まれてゆく、アラストルの刃。
「だめっ……だめーーー!
そんなことして悲しむのはダンテだってなんでわからないの………っ!」
結界なんてもう必要ない。
こんなところに閉じこもっていたら、守りたい人を、その人の心を守れない!
結界という安全な鳥籠から飛び出し、あたしは危険な外の世界へと躍り出た。
未だ戦いのさなかである、ダンテとネロアンジェロの間へと。
「なっ、ディーヴァお前……っ!」
あと少しでネロアンジェロのかわりに串刺しだ。
突きつけられたアラストルは、先端恐怖症になってしまいそうなほどの距離でぴたりと止まる。
「……どけ、ディーヴァ」
怒りに歪み、唇をふるわせるダンテ。
ダンテの怒りが、あたしへと向くのは当然だった。
ダンテから庇うようにして広げた両手を引っ込めたくなったけど、足を、そして気持ちを踏ん張らせてその低い声に耐えた。
「どかない。
テメンニグルの一件の後、ダンテは辛く悲しい日々を送ってた。後悔してた。なんでバージルを魔界に行かせちゃったんだろう。何が何でも手を掴めばよかったって。
あんなダンテもう見たくない」
ダンテの表情が少しだけ和らいだ。瞳も揺れている。
気持ちを伝えるそのうしろで、ネロアンジェロの口元が小さく動いたよう。小さく単語を発したのが聞こえた。
獲物。邪魔。と。
「え……、」
肩口がひどく熱くて。そして痛い。
痛みで心臓がうるさいくらい。
あれ?この感覚、つい最近も体験したよね。思い出したくもない、体に蔦が絡んでそして……。
着ているワンピースは白から黒くそして赤い色へと変わってゆき、どんどん重くなっていくの。
鉄錆のような匂いが鼻をついて、ぼたぼた、ぼた。熱いのに徐々に体が冷たく、寒くなっていくの。
ほら、氷のように冷たい。
「ディーヴァッ!!」
あ。あたし斬られたんだ。
目だけでその姿を捉える。
ダンテは、そしてネロアンジェロは、宙を舞う赤い血を前に動揺したのか目を見開きその動きを止めていた。
目の前に飛び出した私が悪いの。ダンテ、貴方のせいでもネロアンジェロのせいでもないから、そんな悲痛な顔で止まらないで。
でも、ということは、ネロアンジェロのほうはあたしの血の匂いと自分のしたことに、驚いちゃったのかな。
匂いについては天使の血だから仕方ない事だけど、自分のした事でそうなってるならちょっと嬉しいな。
もしかしたら、ネロアンジェロの中のバージルを刺激できたかも知れないもの……。
床に座り込み、肩口を押さえる。
ドクドクと流れる血と、心臓の音がうるさい。
痛みで気をやりそうな中、ダンテの行動を見守る。
纏う空気が、次々に変わっていってる。
怒りも、悲しみも、悔しさも憎しみもごちゃ混ぜ状態で。
ダンテは思い切り悲しい顔をしてから、感情がまったく読み取れない表情に変わった。
その心はひどく落ちついているのか、凪いでいるように見えた。
何を……考えているの……?
「バージル、…………許せ」
それは小さな声だった。
「ッ!ダンテ!!」
戸惑ってすべての行動をやめたネロアンジェロに、ダンテがアラストルを振りかぶった。
水が流れるような滑らかな動きで、今度こそネロアンジェロの胸へと深々突き立てられる。
斬った音はしなかった。
それどころか、武器を振りかぶる音も、自分の心臓の鼓動や呼吸音さえも。
その瞬間だけが完全に無音だった。
ドサリと倒れるネロアンジェロ。
あ、ああ……そんな。
あたしのせいだ。私が止めれば何とかなるなんて自意識過剰すぎた。逆効果だった。
そんな顔してほしくなかったのに。ネロアンジェロさんを助けたかったのに。
なのに、ダンテに悲しくてつらい思いをまたさせてしまった。
ごめんなさい、ダンテ、ネロアンジェロさん……ううん、バージル。
ダンテがあたしの隣で深い、ふか〜いため息を吐いたのは一瞬だった。
何かをこらえるようなその一瞬の後、カチリと気持ちを切り替えるスイッチの作動音がした気がした。例えるなら、ケルベロスの首かな。
彼の顔に浮かぶのは感情を爆発させたような、怒りの表情。
あっこれもしかしてあたしに怒ってる?
「ばっかやろう!出てくんなっていったろ!?
こちとら心臓止まるかと思ったわ!いや、一回止まったわ!!」
その声に耳がキンキン痛い。あと思い切り両手でバチィィンと挟まれたほっぺたも痛い。
ねえダンテ、今のやつ平手レベルに痛いこと、わかってる?
何度もバシバシやらないでほしい。
「いたいいたいやめていたい!
傷より痛い!」
「血が流れる傷より痛いわけあるかアホ!」
いや痛い。傷も痛いけど、貴方の力強いから一般人のあたしからするとかなり痛いのよ。
ジンジンしている頬を押さえながらひとり心の中で悪態をつく。
あー、これ絶対腫れるやつ。
『はーーー。
自己犠牲ってレベルじゃないわこの子〜。あんな場面に飛び込むとか、ただのアホの子だわ〜。
ディーヴァの作戦は「いのちだいじに」、でしょ』
はいごもっともです。アラストルの言葉の刃がサクッと心に刺さる。
「ごめんなさい……」
未だに怒れる獅子となっていたダンテも、あたしの様子に優しくなる。
「まあ、……その。痛かったよな。すまん」
「当然のことだから。ダンテが言うことはもっともだったから。
あたしがダンテなら、同じように心配するし……。気にしないで」
それより。と続ける。
「ネロアンジェロさ……ううん。バージルは?もちろん治る、よね?起きるよね?ダンテと同じで半分悪魔だもんね?」
「もう虫の息だ。さすがに助からない」
そばに倒れ伏す痛々しいバージルの姿。
ダンテは躊躇なく、その胸からアラストルを引き抜いた。
ウッとも言わない。呼吸音も聞こえない。
「そんな馬鹿なことってある!?
助かる、助かるはず。
だっていつもダンテは串刺しになっても治るじゃない!」
「ああ、でもバージルを見てみろ。治る気配ないだろ。
どんなに遅い治りでも、俺だったらすでに治り始めてる。治らない呪いでもかけられてるならまだしも、その気配はない」
剣を引き抜いたところからは血が溢れている。ダンテならすでに塞がりつつあるそれも、同じく半分悪魔なはずのバージルは治ることなくそのままの、見るのも恐ろしいぽっかり空いた穴状の傷となっていた。
「だめっ……だめーーー!
そんなことして悲しむのはダンテだってなんでわからないの………っ!」
結界なんてもう必要ない。
こんなところに閉じこもっていたら、守りたい人を、その人の心を守れない!
結界という安全な鳥籠から飛び出し、あたしは危険な外の世界へと躍り出た。
未だ戦いのさなかである、ダンテとネロアンジェロの間へと。
「なっ、ディーヴァお前……っ!」
あと少しでネロアンジェロのかわりに串刺しだ。
突きつけられたアラストルは、先端恐怖症になってしまいそうなほどの距離でぴたりと止まる。
「……どけ、ディーヴァ」
怒りに歪み、唇をふるわせるダンテ。
ダンテの怒りが、あたしへと向くのは当然だった。
ダンテから庇うようにして広げた両手を引っ込めたくなったけど、足を、そして気持ちを踏ん張らせてその低い声に耐えた。
「どかない。
テメンニグルの一件の後、ダンテは辛く悲しい日々を送ってた。後悔してた。なんでバージルを魔界に行かせちゃったんだろう。何が何でも手を掴めばよかったって。
あんなダンテもう見たくない」
ダンテの表情が少しだけ和らいだ。瞳も揺れている。
気持ちを伝えるそのうしろで、ネロアンジェロの口元が小さく動いたよう。小さく単語を発したのが聞こえた。
獲物。邪魔。と。
「え……、」
肩口がひどく熱くて。そして痛い。
痛みで心臓がうるさいくらい。
あれ?この感覚、つい最近も体験したよね。思い出したくもない、体に蔦が絡んでそして……。
着ているワンピースは白から黒くそして赤い色へと変わってゆき、どんどん重くなっていくの。
鉄錆のような匂いが鼻をついて、ぼたぼた、ぼた。熱いのに徐々に体が冷たく、寒くなっていくの。
ほら、氷のように冷たい。
「ディーヴァッ!!」
あ。あたし斬られたんだ。
目だけでその姿を捉える。
ダンテは、そしてネロアンジェロは、宙を舞う赤い血を前に動揺したのか目を見開きその動きを止めていた。
目の前に飛び出した私が悪いの。ダンテ、貴方のせいでもネロアンジェロのせいでもないから、そんな悲痛な顔で止まらないで。
でも、ということは、ネロアンジェロのほうはあたしの血の匂いと自分のしたことに、驚いちゃったのかな。
匂いについては天使の血だから仕方ない事だけど、自分のした事でそうなってるならちょっと嬉しいな。
もしかしたら、ネロアンジェロの中のバージルを刺激できたかも知れないもの……。
床に座り込み、肩口を押さえる。
ドクドクと流れる血と、心臓の音がうるさい。
痛みで気をやりそうな中、ダンテの行動を見守る。
纏う空気が、次々に変わっていってる。
怒りも、悲しみも、悔しさも憎しみもごちゃ混ぜ状態で。
ダンテは思い切り悲しい顔をしてから、感情がまったく読み取れない表情に変わった。
その心はひどく落ちついているのか、凪いでいるように見えた。
何を……考えているの……?
「バージル、…………許せ」
それは小さな声だった。
「ッ!ダンテ!!」
戸惑ってすべての行動をやめたネロアンジェロに、ダンテがアラストルを振りかぶった。
水が流れるような滑らかな動きで、今度こそネロアンジェロの胸へと深々突き立てられる。
斬った音はしなかった。
それどころか、武器を振りかぶる音も、自分の心臓の鼓動や呼吸音さえも。
その瞬間だけが完全に無音だった。
ドサリと倒れるネロアンジェロ。
あ、ああ……そんな。
あたしのせいだ。私が止めれば何とかなるなんて自意識過剰すぎた。逆効果だった。
そんな顔してほしくなかったのに。ネロアンジェロさんを助けたかったのに。
なのに、ダンテに悲しくてつらい思いをまたさせてしまった。
ごめんなさい、ダンテ、ネロアンジェロさん……ううん、バージル。
ダンテがあたしの隣で深い、ふか〜いため息を吐いたのは一瞬だった。
何かをこらえるようなその一瞬の後、カチリと気持ちを切り替えるスイッチの作動音がした気がした。例えるなら、ケルベロスの首かな。
彼の顔に浮かぶのは感情を爆発させたような、怒りの表情。
あっこれもしかしてあたしに怒ってる?
「ばっかやろう!出てくんなっていったろ!?
こちとら心臓止まるかと思ったわ!いや、一回止まったわ!!」
その声に耳がキンキン痛い。あと思い切り両手でバチィィンと挟まれたほっぺたも痛い。
ねえダンテ、今のやつ平手レベルに痛いこと、わかってる?
何度もバシバシやらないでほしい。
「いたいいたいやめていたい!
傷より痛い!」
「血が流れる傷より痛いわけあるかアホ!」
いや痛い。傷も痛いけど、貴方の力強いから一般人のあたしからするとかなり痛いのよ。
ジンジンしている頬を押さえながらひとり心の中で悪態をつく。
あー、これ絶対腫れるやつ。
『はーーー。
自己犠牲ってレベルじゃないわこの子〜。あんな場面に飛び込むとか、ただのアホの子だわ〜。
ディーヴァの作戦は「いのちだいじに」、でしょ』
はいごもっともです。アラストルの言葉の刃がサクッと心に刺さる。
「ごめんなさい……」
未だに怒れる獅子となっていたダンテも、あたしの様子に優しくなる。
「まあ、……その。痛かったよな。すまん」
「当然のことだから。ダンテが言うことはもっともだったから。
あたしがダンテなら、同じように心配するし……。気にしないで」
それより。と続ける。
「ネロアンジェロさ……ううん。バージルは?もちろん治る、よね?起きるよね?ダンテと同じで半分悪魔だもんね?」
「もう虫の息だ。さすがに助からない」
そばに倒れ伏す痛々しいバージルの姿。
ダンテは躊躇なく、その胸からアラストルを引き抜いた。
ウッとも言わない。呼吸音も聞こえない。
「そんな馬鹿なことってある!?
助かる、助かるはず。
だっていつもダンテは串刺しになっても治るじゃない!」
「ああ、でもバージルを見てみろ。治る気配ないだろ。
どんなに遅い治りでも、俺だったらすでに治り始めてる。治らない呪いでもかけられてるならまだしも、その気配はない」
剣を引き抜いたところからは血が溢れている。ダンテならすでに塞がりつつあるそれも、同じく半分悪魔なはずのバージルは治ることなくそのままの、見るのも恐ろしいぽっかり空いた穴状の傷となっていた。
