mission 17:true identity ~救出~
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謁見の間ともいうべき構造の部屋の窓には、禍々しいステンドグラスが張られていた。
雷が暗闇を照らし、部屋に一人佇む悪魔の姿を浮かび上がらせる。
「ネロアンジェロさん……」
騎士のような鎧をまとうその人は、捕まっていた時に何度も見た姿。
ネロアンジェロの後ろ姿だった。
「またオレの前に立ち塞がるとは、マジにガッツあるな。気に入ったぜ。
掃き溜めには勿体ねぇ」
ダンテが楽しそうな声音で話しかける。
無言でゆっくりと振り向いたネロアンジェロは、手にした大きな剣を床に突き刺した。
空いた両手を広げだネロアンジェロが、魔力を放出する。
青くどこか澄んだ魔力の余波が辺り一帯を包み込み、部屋の中いっぱいに満ちていく。
吹き飛びそうなそれに声を漏らした。
眩しさに目をつぶったあたしが再び目を開けると、そこには顔を覆っていた鎧を脱ぎ捨てたネロアンジェロの姿があった。
「ひとの顔……?」
仮面の下の素顔は悪魔とは思えず人間と同じ構造で、よく見知っただれかに似ている気がした。
でも、その赤く光る目が顔の表情を覆い隠していて、それが誰だったのか思い出すのも困難。
ダンテからもそうだろう。逆光かなと思うほどに細部は見えていないよう。
それは、何か見えない力で視覚を、そして思い出そうとする記憶さえも歪められている……そう感じるくらいで。
「ふ……、無礼な悪魔どもが多い中、礼儀を重んじて戦おうとするその姿勢や良し。
ディーヴァのことは心配だし悪魔は滅ぼしたいが、オレはまたアンタと戦える時を楽しみにしてたんだ」
こちらの本気度を図り顔まで見せてきた相手に、ダンテは好感度が爆上がりしていた。
そうね。素顔を見せるなんて、手の内を明かすのと一緒。
そんな事、卑怯な手を使う魔帝が命令するわけない。ネロアンジェロの独断だと思う。
「わっ!?」
ウキウキしているダンテと、無言のネロアンジェロ。
その温度差を目の前にしていると、突然脇の下に手を差し込まれ持ち上げられた。
気がつけば、ダンテの手によって部屋の隅へと下ろされていた。
「ディーヴァはここにいろ。
あいつには世話になったらしいな。だからってどちらに何があっても勝手に飛び出してくるような真似、絶対にするんじゃないぞ」
「え……ぁ、……はい」
頭を撫でてから、てっぺんに小さくキスが降りてくる。
その瞬間、ダンテのあったかい魔力がふんわりとあたしを包み込んだ感覚があった。
重ねるようにして、今度はネロアンジェロから青いベールのような魔力の帯を周りに施される。
どちらも簡易的な結界だ。
ふたりともが、攻撃があたしに及ばないようにしてくれているのがよくわかる。
こんなの、嬉しいのと同時に落ち込んじゃうよ。
あたしも結界くらい自分で張れるとか、そういう感情じゃない。
戦いの邪魔だ。と言われているように思えて、なんだか少し寂しかった。
あたしはダンテの心配も、ネロアンジェロさんの心配もしちゃいけないのかな。
「さて。
……決着つけさせてもらうぜ」
あたしの安全を保障しおえるのを待っていてくれたネロアンジェロが大きく頷く。
床に刺してあった大剣をとると、ダンテも同じくアラストルを構える。
双方は床を蹴り、刃を交えた。
「セヤッ!はっ!」
「ーーッ!」
雷鳴しか聞こえない暗いこの部屋では、ダンテの声、ネロアンジェロが鋭く吐く呼吸、そして武器がぶつかり合う音がよく響く。
あたしは自分の服の端をきゅっと握り、火花散るその戦いをただ静かに見ていることしかできなかった。
キンッ!キィン……!
ダンテの方が若干速い。あたしからそう見えていた。
ダンテが放つ斬撃につぐ斬撃。弾いても弾き返しても放たれる追撃がネロアンジェロに迫る。
だが、ダンテが速さで勝っていたのはここまで。
前回戦った時とは違う。ネロアンジェロのスピードが、今までは力を温存していたのでは?と思うほどに素早くなる。
「う、お……っ!?」
ダンテの攻撃を大剣で防御。からの爆発的に速度を上げたことで瞬間移動に見えるその動きに回避された。
そのまま体勢を崩したダンテの首筋めがけ、連携攻撃による反撃がきた。
袈裟懸けに振り下ろされた刃。
続け様反対側に払われた刃。
そして二段構えで高速に振われる、その剣技。
「ふう、危ねぇ」
どちらも剣を振るうスピードは速く、その初撃以外を目視することはできなかった。
むしろ初撃を見切れただけ褒めて欲しいくらい!
ただ、全て見えないとはいえ、反撃で連続斬りされたらひとたまりもないのはよくわかる。
油断すれば命取りってこと。
ダンテが怪我しないかと、見てるこっちがヒヤヒヤするよ!
ねえダンテ。
知らないうちにうなじ削ぎ落とされてないよね?
気がついたら賽の目に切られてバラバラに〜なんてなってたりしないよね?
あっ賽の目はトラウマです。ごめんなさい許して。しっしっ!レーザーでバラバラになるイメージ映像は脳内に戻ってこないで。
でも、だからこそ楽しいんだろう。
刺激が大好きなダンテらしいといえばらしい。
だってほら、ダンテは凶悪な笑みを浮かべている。
相手も、なんとか攻撃をかわしきったダンテに対して、楽しそうな素振りで挑発行為をしている。
ネロアンジェロはもちろん、ダンテは自分でそんな恐ろしい顔してるって気が付いていない。
どこか鬼気迫るその顔。
好敵手を前にゾクゾクしてるんだろうけど、あたしからみるとそれはゾッとするほど綺麗で、なのに悪魔への恐怖心を煽るほどに恐ろしい。
まさに悪魔。
うう……ここから逃げたい。
雷が暗闇を照らし、部屋に一人佇む悪魔の姿を浮かび上がらせる。
「ネロアンジェロさん……」
騎士のような鎧をまとうその人は、捕まっていた時に何度も見た姿。
ネロアンジェロの後ろ姿だった。
「またオレの前に立ち塞がるとは、マジにガッツあるな。気に入ったぜ。
掃き溜めには勿体ねぇ」
ダンテが楽しそうな声音で話しかける。
無言でゆっくりと振り向いたネロアンジェロは、手にした大きな剣を床に突き刺した。
空いた両手を広げだネロアンジェロが、魔力を放出する。
青くどこか澄んだ魔力の余波が辺り一帯を包み込み、部屋の中いっぱいに満ちていく。
吹き飛びそうなそれに声を漏らした。
眩しさに目をつぶったあたしが再び目を開けると、そこには顔を覆っていた鎧を脱ぎ捨てたネロアンジェロの姿があった。
「ひとの顔……?」
仮面の下の素顔は悪魔とは思えず人間と同じ構造で、よく見知っただれかに似ている気がした。
でも、その赤く光る目が顔の表情を覆い隠していて、それが誰だったのか思い出すのも困難。
ダンテからもそうだろう。逆光かなと思うほどに細部は見えていないよう。
それは、何か見えない力で視覚を、そして思い出そうとする記憶さえも歪められている……そう感じるくらいで。
「ふ……、無礼な悪魔どもが多い中、礼儀を重んじて戦おうとするその姿勢や良し。
ディーヴァのことは心配だし悪魔は滅ぼしたいが、オレはまたアンタと戦える時を楽しみにしてたんだ」
こちらの本気度を図り顔まで見せてきた相手に、ダンテは好感度が爆上がりしていた。
そうね。素顔を見せるなんて、手の内を明かすのと一緒。
そんな事、卑怯な手を使う魔帝が命令するわけない。ネロアンジェロの独断だと思う。
「わっ!?」
ウキウキしているダンテと、無言のネロアンジェロ。
その温度差を目の前にしていると、突然脇の下に手を差し込まれ持ち上げられた。
気がつけば、ダンテの手によって部屋の隅へと下ろされていた。
「ディーヴァはここにいろ。
あいつには世話になったらしいな。だからってどちらに何があっても勝手に飛び出してくるような真似、絶対にするんじゃないぞ」
「え……ぁ、……はい」
頭を撫でてから、てっぺんに小さくキスが降りてくる。
その瞬間、ダンテのあったかい魔力がふんわりとあたしを包み込んだ感覚があった。
重ねるようにして、今度はネロアンジェロから青いベールのような魔力の帯を周りに施される。
どちらも簡易的な結界だ。
ふたりともが、攻撃があたしに及ばないようにしてくれているのがよくわかる。
こんなの、嬉しいのと同時に落ち込んじゃうよ。
あたしも結界くらい自分で張れるとか、そういう感情じゃない。
戦いの邪魔だ。と言われているように思えて、なんだか少し寂しかった。
あたしはダンテの心配も、ネロアンジェロさんの心配もしちゃいけないのかな。
「さて。
……決着つけさせてもらうぜ」
あたしの安全を保障しおえるのを待っていてくれたネロアンジェロが大きく頷く。
床に刺してあった大剣をとると、ダンテも同じくアラストルを構える。
双方は床を蹴り、刃を交えた。
「セヤッ!はっ!」
「ーーッ!」
雷鳴しか聞こえない暗いこの部屋では、ダンテの声、ネロアンジェロが鋭く吐く呼吸、そして武器がぶつかり合う音がよく響く。
あたしは自分の服の端をきゅっと握り、火花散るその戦いをただ静かに見ていることしかできなかった。
キンッ!キィン……!
ダンテの方が若干速い。あたしからそう見えていた。
ダンテが放つ斬撃につぐ斬撃。弾いても弾き返しても放たれる追撃がネロアンジェロに迫る。
だが、ダンテが速さで勝っていたのはここまで。
前回戦った時とは違う。ネロアンジェロのスピードが、今までは力を温存していたのでは?と思うほどに素早くなる。
「う、お……っ!?」
ダンテの攻撃を大剣で防御。からの爆発的に速度を上げたことで瞬間移動に見えるその動きに回避された。
そのまま体勢を崩したダンテの首筋めがけ、連携攻撃による反撃がきた。
袈裟懸けに振り下ろされた刃。
続け様反対側に払われた刃。
そして二段構えで高速に振われる、その剣技。
「ふう、危ねぇ」
どちらも剣を振るうスピードは速く、その初撃以外を目視することはできなかった。
むしろ初撃を見切れただけ褒めて欲しいくらい!
ただ、全て見えないとはいえ、反撃で連続斬りされたらひとたまりもないのはよくわかる。
油断すれば命取りってこと。
ダンテが怪我しないかと、見てるこっちがヒヤヒヤするよ!
ねえダンテ。
知らないうちにうなじ削ぎ落とされてないよね?
気がついたら賽の目に切られてバラバラに〜なんてなってたりしないよね?
あっ賽の目はトラウマです。ごめんなさい許して。しっしっ!レーザーでバラバラになるイメージ映像は脳内に戻ってこないで。
でも、だからこそ楽しいんだろう。
刺激が大好きなダンテらしいといえばらしい。
だってほら、ダンテは凶悪な笑みを浮かべている。
相手も、なんとか攻撃をかわしきったダンテに対して、楽しそうな素振りで挑発行為をしている。
ネロアンジェロはもちろん、ダンテは自分でそんな恐ろしい顔してるって気が付いていない。
どこか鬼気迫るその顔。
好敵手を前にゾクゾクしてるんだろうけど、あたしからみるとそれはゾッとするほど綺麗で、なのに悪魔への恐怖心を煽るほどに恐ろしい。
まさに悪魔。
うう……ここから逃げたい。
