mission 17:true identity ~救出~
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横に飛んで交わさなかったら黒焦げだったろう。
「ふう、間一髪……。まさかあのホネ悪魔なのか?」
『いや、悪魔ってほど大層な存在じゃないよ。冥界の竜』
「冥界ってことは地獄から来たってことだよね。骨だし一度は死んでるからかなあ……」
ただの骨格標本でもミトコンドリアに操られたクリーチャーでも冥界の竜でもなんでもいいが、飾られてる化石の分際で炎なんて吐いてくるなよな。
『一度死んでるのと似たようなものかな。
だからこそ普通の攻撃じゃ倒せない。冥界の生き物にはその世界の攻撃しか通らない』
「おいおい、オレは冥道なんちゃら破は放てないぞ」
「それ違うお話のだからお口チャック」
おっと。犬耳つけた戦国御伽草子ささすがにまずかったようで、ディーヴァに口をぺちっと叩かれてしまった。
しかし、今のオレにそんな攻撃法あっただろうか。
そう言っている間にも、オレ達を焼き尽くそうと火の玉が放たれている。
馬鹿の一つ覚えのように、同じ方向へと。ただ真っ直ぐに。
ぴーん!何か思いついた。
この部屋に存在する冥界式の攻撃は、相手が撃ってくるコレではないか?
「ディーヴァはここで待て」
「えっ!何するの危ないよっ!?」
冥界の炎なんて何が起こるか分からない。そう心配するディーヴァを残し、軽い足取りで通路に立つ。
クルクルと回したアラストルを構え、炎を受けるべく待つと、それはすぐさま放たれた。
熱風で顔が乾燥してチリチリ痛い。
「っしゃー!来いっ!!」
直撃する!その瞬間、オレは勢いよくアラストルを振るった。
「おらぁ!ホーーーームランッ!!」
カキィーーーーン!
打ち返された火の玉が、冥界の竜の体にぶち当たる。
骨のところどころにヒビが入り、全体が歪む音がここまで聞こえた。
「お前の体が砕け散るまでオレは打ち返すのをやめないッ!
セイッ!ハアッ!!」
計3回、オレがら打ち返し続けた結果、冥界の竜は見事に倒壊。いや、粉砕といった方が正しかろう。
空から入る風が粉々に砕けた残骸を攫っていき、どこか物悲しいほどそこには何も無くなった。
「わーお。なんてダンテらしい解決の仕方」
「でもホームランで打ち返す、で合ってただろ?」
「どっちかっていうとホームランじゃなくて三連続ピッチャー強襲じゃないかなぁ……?」
それは言わんでよろしい。
竜がいなくなったからだろうか、その時部屋の仕掛けが作動し、通路の床からひとつの鏡台が現れた。
「たまには自分の顔を鏡で見なさいってことかな」
「違うと思うが、気になるなら一応見とけよ。
かわいいお顔が映ってるぜ」
自分の姿を覗き込んだディーヴァが、がつくりと項垂れながら大きなため息を吐く。
今までに聞いたことないくらいでっかいため息だなあ。
ついでだからと、オレも横から覗き込み顔を確認する。
うむ、いつにも増してオレかっこいい。手櫛で髪をガッ!とかきあげる姿、最高だな。オレが女なら惚れてるぜ。
だが、オレと同じように髪を手櫛で直しながらも、ディーヴァはオレとは正反対の内容をつぶやいた。
「ぜんぜんかわいくない。
よごれてるしひどい顔、ひどい姿……。こんな状態をよくもまぁかわいいなんて言えるよね」
「オレはひどい顔になっててもディーヴァはディーヴァだと思ってるし、大好きだぞ。
あと普段からぐちゃぐちゃ寝癖まみれのお前の姿見て慣れてる」
「ありがとう嬉しい。でも寝顔は忘れて」
寝癖まみれのディーヴァもかわいい。
そう思っているので、忘れるのは難しいな。
「今すぐ顔洗ってスキンケアしたいよ〜。何この顔〜〜。ここでの汚れとか寒さとか乾燥でかさかさ!」
乙女の悩みだな。わかるが今はこれで我慢してくれ
悲壮な表情で顔をペタペタ触り手で伸ばすディーヴァ。
おーい。皮膚を下に引っ張ると将来垂れるからだめって自分で言ってなかったか。
あまり気にさせるのもよくないと、顔をこちらに向かせて唇を合わせる。ほらこれで潤うだろ。
「ダンテ、今ちゅーしたら余計唇乾燥するんですけど!?」
「そうかそれはすまん」
そういやお互いリップ塗ってるわけじゃないもんな。
「今更だけどこの鏡台で何すれば良いの」
「しらん。けど、鏡でできることといえば、だ」
「うーん。小さな鏡じゃ魔界と繋がる、とかもないだろうし……映すこと。それから反射させること。
あっ、空から降る月の光をこれで集める、とか?
でもこの鏡動かないよ〜!」
そりゃディーヴァのひ弱な腕じゃ動くわけが……って、かてぇ。
オレの力でも動かないとか、あり得ないだろ。
「……固いな」
「でしょー?」
腕が痺れたディーヴァが、壁に飛び出ていたレバーのようなものに捕まり、疲弊している。
ん?レバー??いや、ハンドルか。
「ディーヴァ、ちょっとどいてみ?」
試しにハンドルを回してみる。
ギギギギ……。
ビンゴ!ハンドルを回すと鏡の角度が変わった!
そのまま角度を調整していくと、天井から差し込む月光が鏡面に映り込み、反射した光を四方八方へと飛ばした。
「これ、どこかに当てなきゃいけないのかな?ダンテ頑張って!」
「わかってる。……このハンドル自体意外とかたいんだがな」
鏡がある一点でカチリと止まった。それ以上は動かない。
光の筋は博物館奥の台座に伸びており、夢幻のような珠が浮かび上がった。
月光から抽出された月の魔力が、珠の中へとコポコポと満たされていく。完全に球体が見えるようになって初めて、オレ達は言葉を発した。
「あれが月光水ってやつ……?」
「なんとも不思議な光景だが、そのようだ」
雷の光に照らされ、半透明の足場が浮き上がっているのに気がついたオレは、ディーヴァに一言声をかけてからそれを入手しに飛んだ。
手に入れたそれの中身は水銀のようで、魔力と合わさったその輝きはとても眩しく美しい。
「綺麗だね。おっきな真珠みたい」
「見てる分には綺麗だが、触るのはやめとけ。魔力がパねぇからディーヴァには悪影響だ」
部屋を出て閉じられていた扉の前までくる。
中央部分の穴に入れると、隙間なくぴったりとはまり扉の鍵が開く音がした。
「ふう、間一髪……。まさかあのホネ悪魔なのか?」
『いや、悪魔ってほど大層な存在じゃないよ。冥界の竜』
「冥界ってことは地獄から来たってことだよね。骨だし一度は死んでるからかなあ……」
ただの骨格標本でもミトコンドリアに操られたクリーチャーでも冥界の竜でもなんでもいいが、飾られてる化石の分際で炎なんて吐いてくるなよな。
『一度死んでるのと似たようなものかな。
だからこそ普通の攻撃じゃ倒せない。冥界の生き物にはその世界の攻撃しか通らない』
「おいおい、オレは冥道なんちゃら破は放てないぞ」
「それ違うお話のだからお口チャック」
おっと。犬耳つけた戦国御伽草子ささすがにまずかったようで、ディーヴァに口をぺちっと叩かれてしまった。
しかし、今のオレにそんな攻撃法あっただろうか。
そう言っている間にも、オレ達を焼き尽くそうと火の玉が放たれている。
馬鹿の一つ覚えのように、同じ方向へと。ただ真っ直ぐに。
ぴーん!何か思いついた。
この部屋に存在する冥界式の攻撃は、相手が撃ってくるコレではないか?
「ディーヴァはここで待て」
「えっ!何するの危ないよっ!?」
冥界の炎なんて何が起こるか分からない。そう心配するディーヴァを残し、軽い足取りで通路に立つ。
クルクルと回したアラストルを構え、炎を受けるべく待つと、それはすぐさま放たれた。
熱風で顔が乾燥してチリチリ痛い。
「っしゃー!来いっ!!」
直撃する!その瞬間、オレは勢いよくアラストルを振るった。
「おらぁ!ホーーーームランッ!!」
カキィーーーーン!
打ち返された火の玉が、冥界の竜の体にぶち当たる。
骨のところどころにヒビが入り、全体が歪む音がここまで聞こえた。
「お前の体が砕け散るまでオレは打ち返すのをやめないッ!
セイッ!ハアッ!!」
計3回、オレがら打ち返し続けた結果、冥界の竜は見事に倒壊。いや、粉砕といった方が正しかろう。
空から入る風が粉々に砕けた残骸を攫っていき、どこか物悲しいほどそこには何も無くなった。
「わーお。なんてダンテらしい解決の仕方」
「でもホームランで打ち返す、で合ってただろ?」
「どっちかっていうとホームランじゃなくて三連続ピッチャー強襲じゃないかなぁ……?」
それは言わんでよろしい。
竜がいなくなったからだろうか、その時部屋の仕掛けが作動し、通路の床からひとつの鏡台が現れた。
「たまには自分の顔を鏡で見なさいってことかな」
「違うと思うが、気になるなら一応見とけよ。
かわいいお顔が映ってるぜ」
自分の姿を覗き込んだディーヴァが、がつくりと項垂れながら大きなため息を吐く。
今までに聞いたことないくらいでっかいため息だなあ。
ついでだからと、オレも横から覗き込み顔を確認する。
うむ、いつにも増してオレかっこいい。手櫛で髪をガッ!とかきあげる姿、最高だな。オレが女なら惚れてるぜ。
だが、オレと同じように髪を手櫛で直しながらも、ディーヴァはオレとは正反対の内容をつぶやいた。
「ぜんぜんかわいくない。
よごれてるしひどい顔、ひどい姿……。こんな状態をよくもまぁかわいいなんて言えるよね」
「オレはひどい顔になっててもディーヴァはディーヴァだと思ってるし、大好きだぞ。
あと普段からぐちゃぐちゃ寝癖まみれのお前の姿見て慣れてる」
「ありがとう嬉しい。でも寝顔は忘れて」
寝癖まみれのディーヴァもかわいい。
そう思っているので、忘れるのは難しいな。
「今すぐ顔洗ってスキンケアしたいよ〜。何この顔〜〜。ここでの汚れとか寒さとか乾燥でかさかさ!」
乙女の悩みだな。わかるが今はこれで我慢してくれ
悲壮な表情で顔をペタペタ触り手で伸ばすディーヴァ。
おーい。皮膚を下に引っ張ると将来垂れるからだめって自分で言ってなかったか。
あまり気にさせるのもよくないと、顔をこちらに向かせて唇を合わせる。ほらこれで潤うだろ。
「ダンテ、今ちゅーしたら余計唇乾燥するんですけど!?」
「そうかそれはすまん」
そういやお互いリップ塗ってるわけじゃないもんな。
「今更だけどこの鏡台で何すれば良いの」
「しらん。けど、鏡でできることといえば、だ」
「うーん。小さな鏡じゃ魔界と繋がる、とかもないだろうし……映すこと。それから反射させること。
あっ、空から降る月の光をこれで集める、とか?
でもこの鏡動かないよ〜!」
そりゃディーヴァのひ弱な腕じゃ動くわけが……って、かてぇ。
オレの力でも動かないとか、あり得ないだろ。
「……固いな」
「でしょー?」
腕が痺れたディーヴァが、壁に飛び出ていたレバーのようなものに捕まり、疲弊している。
ん?レバー??いや、ハンドルか。
「ディーヴァ、ちょっとどいてみ?」
試しにハンドルを回してみる。
ギギギギ……。
ビンゴ!ハンドルを回すと鏡の角度が変わった!
そのまま角度を調整していくと、天井から差し込む月光が鏡面に映り込み、反射した光を四方八方へと飛ばした。
「これ、どこかに当てなきゃいけないのかな?ダンテ頑張って!」
「わかってる。……このハンドル自体意外とかたいんだがな」
鏡がある一点でカチリと止まった。それ以上は動かない。
光の筋は博物館奥の台座に伸びており、夢幻のような珠が浮かび上がった。
月光から抽出された月の魔力が、珠の中へとコポコポと満たされていく。完全に球体が見えるようになって初めて、オレ達は言葉を発した。
「あれが月光水ってやつ……?」
「なんとも不思議な光景だが、そのようだ」
雷の光に照らされ、半透明の足場が浮き上がっているのに気がついたオレは、ディーヴァに一言声をかけてからそれを入手しに飛んだ。
手に入れたそれの中身は水銀のようで、魔力と合わさったその輝きはとても眩しく美しい。
「綺麗だね。おっきな真珠みたい」
「見てる分には綺麗だが、触るのはやめとけ。魔力がパねぇからディーヴァには悪影響だ」
部屋を出て閉じられていた扉の前までくる。
中央部分の穴に入れると、隙間なくぴったりとはまり扉の鍵が開く音がした。
