mission 16:named nightmare ~夕闇の城~
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
困った時のブレーン、ディーヴァにお任せ!作戦だ。
「ディーヴァ、何か気がついたことはあるか」
「へっぴり腰状態のこのあたしに普通聞くかな!?」
確かに、台の上で怖気付いて固まっているディーヴァは、腰が変に後ろに下がっているへっぴり腰独特のポージング。
おまけに体は冷たく凍えているので、体の芯が温まって動けるまでに時間がかかりそうだ。
だが、そんなのは腰を抜かして動けないのと同じこと。
ならばオレが落ち着かせてやさ〜しく温めてやればいい。違うか?
ディーヴァのへっぴり腰を引き寄せて支えしっかりと立たせてから、抱きしめて温めてやる。
まあ、その顔はナイトメアの方を向かせて固定したままなのだが。
え?相手が嫌がるものを無理やり見せるのかって?
たまにはSな姿を見せてやろうと思ったオレからのサービスシーンだが??
「さっきまでは1人だったかもしれないが、今はオレが一緒にいるだろ。安心して考えるといい」
「考えろって……ダンテさぁ、たまには自分の脳みそ使って考えてくれてもいいんじゃない?」
「お前というブレーンがいるならオレは考えない考えたくない」
「めんどくさがりー」
どうとでもいえ。
オレはひとりで生きてるわけじゃない。
愛をくれる者や頼れる者がいるならば、オレは愛を返すし頼りもする。
「むう……あまりずっと見ていたくないんだけどね」
などとぶつぶつ呟いているが、ガン無視してディーヴァの頭を撫でる作業に入るオレ。
諦めたディーヴァは考察し始めた。
「えーと、装甲が剥がれてゲル状になったのは紋章の光が消えたと同時、だったよね。
紋章の光が灯っている間はあの装甲を纏うんだと思うの。
核相手じゃないとダメージ入らないし、あとは装甲を纏わせておいて核が出てきたところを攻撃……でいいとあたしは思ったよ」
「ほぉーー。たなみにゲル状の体にはなんで攻撃が通らない?
装甲のように固くもないぞ」
「それは……。
液状のあの体が攻撃時の衝撃を吸収して歯が立たないんじゃないかなって。
核自体もどこにあるかわからない状態だし」
「吸収ね……クッションみたいにか?」
「そそ!クッションみたいに」
クッションの言葉に、コートの奥に隠れたオレの腹筋に手を這わすディーヴァ。
インナーの上からでもその手のゆるゆるとした動きが伝わってきて、嗚呼!もどかしい!
変な気分になってくるじゃねえか。
「こら。それ以上触るのはやめてくれ」
「だって、ダンテのこの筋肉が触ってたらクッションみたいにふかふかになるかもって思って」
「そういうことかよ」
なるわけないだろが。
「あたしね。無事に帰れたら人をダメにするクッション買うんだあ……」
「しょーもない感じに死亡フラグ立てんなよ」
無事に帰れたらなんて、死亡フラグの典型だ。しかもクッションが理由なんて、ダサすぎてたまったもんじゃあない。
「やだなぁ死ぬ予定はないよ〜。
はいダンテ、あなたは紋章を発動、ひょっこり核が覗いたところで叩いてきましょう!」
「その間お前は?」
「怖いのでダンテの体にコアラごっこする」
がばちょ!オレの体に飛び付き、コアラのようにしがみつくディーヴァ。
しがみついたそばからずるずる落ちてんぞ。
「筋力ないディーヴァにゃ、ずっとは無理だろ」
かといって紋章発動後はナイトメアの攻撃も再開する。ディーヴァをここに残していくのは恐ろしいし、動きが制限されるのを承知で背負って飛び出す。
足に装備したイフリートで蹴りつければ、魔力の衝撃を受けた紋章が発動した。
「しっかし、紋章を発動させなくちゃなんも始まらない相手とは……。なんとも不思議な戦い方を強いられたもんだぜ」
「そういうギミックだと思えば良いのよ」
紋章から伸びた魔力の帯が、ナイトメアに吸い込まれていく。
拘束具のような装甲が再びナイトメアを覆い尽くすと同時、間髪入れずに太い冷凍ビームが放たれた。
「おっと。一度見切った攻撃がオレに通用するとでも?
さっさと丸いブツを出しなッ!!」
小さなミサイルも放たれたが、ひらりとかわしきる。
うまい具合に避けていけば、その内念願の核が露出しだした。
「ダンテ!」
「ああ。お返しだ」
溜め込んだ魔力を炎の拳に変換し、思い切り叩きつける。
ナイトメアの核に初めてヒビが入った。
『ギャアアアゥアアアアン!!』
悲鳴が響き渡る。
割れたと思われた核は、ナイトメアの体ごとどろりと溶け、床に吸い込まれるようにして消えていった。
液体の体に内包されていた悪魔や人間の骨などの固形物も、何もかもだ。
核は二つだったし逃げられたのだろうが、核を一つでも消せたなら良いか。
「消えちゃった……今の悲鳴はなに?」
『ナイトメアの雄叫び〜』
「雄叫び?それにしては幼い子が泣きじゃくる感じだった。かわいそうだね……」
「悪魔にも優しいところはディーヴァの美点だけど、悪魔に心を砕くのはほどほどにしとけ」
「ん、わかってるよ」
再び暗くなってしまったこの場所だが、ディーヴァを一度おろして足元の水を再度調べる。ナイトメアは流石にもういないな。
「この水の下……魔の気配が蠢いてやがる。
が、まだどこにも繋がっていないな」
「ねえこの杖はどこで使うの?重い」
さてどこに行くべきかと思い悩んでいると、手に入れておいた杖をディーヴァが差し出してきた。
「そうだったヘルメスの杖があった。
……あー、橋の向こうだな」
この杖の波動と呼応する場所を魔力を研ぎ澄まして探せば、すぐ近くなことが判明する。
外に出てヘルメスの杖ごとディーヴァを横抱きにし、魔人化して空を駆ける。
足場くらいジャンプして渡れ?
万が一ディーヴァを落とす羽目になったらどうしてくれる!
オレは確実な方を選ぶぜ。
渡った先に杖が呼応するオブジェがある。
夕暮れ時にはうんともすんとも言わなかったそれだが、闇夜の波動を受けたことで魔力が満ちているようだった。
ヘルメスの杖を試しに掲げて見せればそれは光と共に吸い込まれ、左右の石額へと城の中を映し出した。
「これ知ってる!テメンニグルにもこういう仕掛けあったよね。鏡に映ってる向こうの世界に行けちゃうやつ!」
「あっこら勝手に触……」
「え?ひゃっ!!?」
「ディーヴァ!ったく、好奇心は天使を殺すんだぞ!!」
映り込んだ門番室に吸い込まれてしまったディーヴァを追い、オレも画面へと飛び込んだ。
●あとがき
ナイトメア相手はまだ初戦なのに長くなりました。
スライム遊びしたくなったなぁ……。
「ディーヴァ、何か気がついたことはあるか」
「へっぴり腰状態のこのあたしに普通聞くかな!?」
確かに、台の上で怖気付いて固まっているディーヴァは、腰が変に後ろに下がっているへっぴり腰独特のポージング。
おまけに体は冷たく凍えているので、体の芯が温まって動けるまでに時間がかかりそうだ。
だが、そんなのは腰を抜かして動けないのと同じこと。
ならばオレが落ち着かせてやさ〜しく温めてやればいい。違うか?
ディーヴァのへっぴり腰を引き寄せて支えしっかりと立たせてから、抱きしめて温めてやる。
まあ、その顔はナイトメアの方を向かせて固定したままなのだが。
え?相手が嫌がるものを無理やり見せるのかって?
たまにはSな姿を見せてやろうと思ったオレからのサービスシーンだが??
「さっきまでは1人だったかもしれないが、今はオレが一緒にいるだろ。安心して考えるといい」
「考えろって……ダンテさぁ、たまには自分の脳みそ使って考えてくれてもいいんじゃない?」
「お前というブレーンがいるならオレは考えない考えたくない」
「めんどくさがりー」
どうとでもいえ。
オレはひとりで生きてるわけじゃない。
愛をくれる者や頼れる者がいるならば、オレは愛を返すし頼りもする。
「むう……あまりずっと見ていたくないんだけどね」
などとぶつぶつ呟いているが、ガン無視してディーヴァの頭を撫でる作業に入るオレ。
諦めたディーヴァは考察し始めた。
「えーと、装甲が剥がれてゲル状になったのは紋章の光が消えたと同時、だったよね。
紋章の光が灯っている間はあの装甲を纏うんだと思うの。
核相手じゃないとダメージ入らないし、あとは装甲を纏わせておいて核が出てきたところを攻撃……でいいとあたしは思ったよ」
「ほぉーー。たなみにゲル状の体にはなんで攻撃が通らない?
装甲のように固くもないぞ」
「それは……。
液状のあの体が攻撃時の衝撃を吸収して歯が立たないんじゃないかなって。
核自体もどこにあるかわからない状態だし」
「吸収ね……クッションみたいにか?」
「そそ!クッションみたいに」
クッションの言葉に、コートの奥に隠れたオレの腹筋に手を這わすディーヴァ。
インナーの上からでもその手のゆるゆるとした動きが伝わってきて、嗚呼!もどかしい!
変な気分になってくるじゃねえか。
「こら。それ以上触るのはやめてくれ」
「だって、ダンテのこの筋肉が触ってたらクッションみたいにふかふかになるかもって思って」
「そういうことかよ」
なるわけないだろが。
「あたしね。無事に帰れたら人をダメにするクッション買うんだあ……」
「しょーもない感じに死亡フラグ立てんなよ」
無事に帰れたらなんて、死亡フラグの典型だ。しかもクッションが理由なんて、ダサすぎてたまったもんじゃあない。
「やだなぁ死ぬ予定はないよ〜。
はいダンテ、あなたは紋章を発動、ひょっこり核が覗いたところで叩いてきましょう!」
「その間お前は?」
「怖いのでダンテの体にコアラごっこする」
がばちょ!オレの体に飛び付き、コアラのようにしがみつくディーヴァ。
しがみついたそばからずるずる落ちてんぞ。
「筋力ないディーヴァにゃ、ずっとは無理だろ」
かといって紋章発動後はナイトメアの攻撃も再開する。ディーヴァをここに残していくのは恐ろしいし、動きが制限されるのを承知で背負って飛び出す。
足に装備したイフリートで蹴りつければ、魔力の衝撃を受けた紋章が発動した。
「しっかし、紋章を発動させなくちゃなんも始まらない相手とは……。なんとも不思議な戦い方を強いられたもんだぜ」
「そういうギミックだと思えば良いのよ」
紋章から伸びた魔力の帯が、ナイトメアに吸い込まれていく。
拘束具のような装甲が再びナイトメアを覆い尽くすと同時、間髪入れずに太い冷凍ビームが放たれた。
「おっと。一度見切った攻撃がオレに通用するとでも?
さっさと丸いブツを出しなッ!!」
小さなミサイルも放たれたが、ひらりとかわしきる。
うまい具合に避けていけば、その内念願の核が露出しだした。
「ダンテ!」
「ああ。お返しだ」
溜め込んだ魔力を炎の拳に変換し、思い切り叩きつける。
ナイトメアの核に初めてヒビが入った。
『ギャアアアゥアアアアン!!』
悲鳴が響き渡る。
割れたと思われた核は、ナイトメアの体ごとどろりと溶け、床に吸い込まれるようにして消えていった。
液体の体に内包されていた悪魔や人間の骨などの固形物も、何もかもだ。
核は二つだったし逃げられたのだろうが、核を一つでも消せたなら良いか。
「消えちゃった……今の悲鳴はなに?」
『ナイトメアの雄叫び〜』
「雄叫び?それにしては幼い子が泣きじゃくる感じだった。かわいそうだね……」
「悪魔にも優しいところはディーヴァの美点だけど、悪魔に心を砕くのはほどほどにしとけ」
「ん、わかってるよ」
再び暗くなってしまったこの場所だが、ディーヴァを一度おろして足元の水を再度調べる。ナイトメアは流石にもういないな。
「この水の下……魔の気配が蠢いてやがる。
が、まだどこにも繋がっていないな」
「ねえこの杖はどこで使うの?重い」
さてどこに行くべきかと思い悩んでいると、手に入れておいた杖をディーヴァが差し出してきた。
「そうだったヘルメスの杖があった。
……あー、橋の向こうだな」
この杖の波動と呼応する場所を魔力を研ぎ澄まして探せば、すぐ近くなことが判明する。
外に出てヘルメスの杖ごとディーヴァを横抱きにし、魔人化して空を駆ける。
足場くらいジャンプして渡れ?
万が一ディーヴァを落とす羽目になったらどうしてくれる!
オレは確実な方を選ぶぜ。
渡った先に杖が呼応するオブジェがある。
夕暮れ時にはうんともすんとも言わなかったそれだが、闇夜の波動を受けたことで魔力が満ちているようだった。
ヘルメスの杖を試しに掲げて見せればそれは光と共に吸い込まれ、左右の石額へと城の中を映し出した。
「これ知ってる!テメンニグルにもこういう仕掛けあったよね。鏡に映ってる向こうの世界に行けちゃうやつ!」
「あっこら勝手に触……」
「え?ひゃっ!!?」
「ディーヴァ!ったく、好奇心は天使を殺すんだぞ!!」
映り込んだ門番室に吸い込まれてしまったディーヴァを追い、オレも画面へと飛び込んだ。
●あとがき
ナイトメア相手はまだ初戦なのに長くなりました。
スライム遊びしたくなったなぁ……。