mission 16:named nightmare ~夕闇の城~
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そんな。
ダンテが負けた……?
部屋の中心でナイトメアが蠢く姿がかろうじて暗闇に浮かび上がる中、ダンテはディーヴァを遺し目の前の悪魔に取り込まれてしまった。
取り込まれたということは、すなわち食べられてしまったということ。
「う……う、そ……ダンテが食べられちゃっ………た」
スライムのような体液に溶かされ、消化され……そしてナイトメアの体の表面に浮かんでいた骨の様に、そのうちダンテの亡骸がぷかりぷかりと浮かんでくるのかも知れない。
いやだ。そんなの見たくない。
悲しみと絶望とで目からぽろぽろと涙が出てくる。
体が急激に冷えてきた。
そのまま冬眠にでも入ってしまいたい。ダンテがいないなら、それもありかもね。
腰も抜けてしまい、ダンテに突き飛ばされた時の体勢のままで立ち上がろうという考えも浮かばなかった。
しかし、絶望とともに視界の端に映り込む、ダンテが絡み付かれた蛭のような幼虫の姿。
そう、ディーヴァの大嫌いな虫。
ぶわっ。またも全身の毛が逆立つ感覚。
「虫は無視ィ!!」
その瞬間だけは、絶望や悲しみもどこかへと吹き飛び、虫への恐怖と嫌悪感が勝った。
あんなに固まっていた足も、抜けていた腰も羽根のように軽い。
天使だけに、羽根のようにね!なんて、冗談を考えている場合ではない。
「やだやだやだ来ないで!」
すたこらサッサと逃げるが勝ち。
しかしこの部屋には逃げ場がない。部屋の扉は開かないし、そもそも暗くてよく見えない。
どなたか、お客様の中で懐中電灯をお持ちの方はいらっしゃいませんか!
……って、お客様は蛭状の幼虫しかいないというね。
「よかった。ここまでは上がってこれないみたい……」
魔光石があるとはいえほとんど見えないこの中で、一度も捕まらずに逃げ回り大聖堂に据え置かれた長台に登れたのは奇跡だと思う。
かつてはこの上に崇める対象の像やら何やらが置かれていただろうけれども、今は何もないみたいだし、行儀悪く土足であがるのを神様には許して欲しいところ。
けれどいつまで持つやら。
台に飛び乗ろうと次から次に集まってくるので、そのうち攻略されてしまいそう。
ダンテのように取り込まれて食べられる……のも嫌だが、その前段階の虫のようなものに絡まれるのはもっと嫌。
悪魔への恐怖が薄れるほどの虫嫌いは今も健在だった。
そう思うと、そこまで明るくなくてよかったとも言える。
明るかったら、台の真下に群がる姿を見てしまうとこ……うええ〜〜想像だけでえずいちゃうんだけど?
***
そしてその頃のダンテはというと。
ディーヴァの想像とは違い、ナイトメアの胃袋におっことされるようなデロデロドロドロに溶ける展開には陥っていなかった。
溶かされるとしたら、かつて相手をしたリヴァイアサンの体内の方が可能性があったろう。
あれは火傷をした時のような痛さがあったっけ。耐え難い臭さが体に染み付いて、ディーヴァに嫌がられたのが何よりこたえたが。
「この状況を解決するのが先だな」
こちらの事はともかく、ディーヴァを置いてきているわけだし。
オレが落とされたナイトメアの体内には、謎の空間が広がっていた。
上には魔の空間を象徴するどろりとした空。
限られた場所でしか行動ができない、丸く切り取られた地面。
狭すぎるこの空間がこの世界の全て。
そこに存在するのは頭蓋骨の姿をした雑魚悪魔と、前に対峙した蜘蛛悪魔のみだ。
なお、蜘蛛悪魔そのものほどの強さの魔力はひとつも感じ取れない。
よくできたコピーか。
『キャッキャッ!ァハハハハーィ!』
そこに、頭に直接響いてくるような、このナイトメアの笑い声だ。(ジャパンの国民的なベィビィキャラのセリフにも聞こえる)
遊び相手を欲しがる赤子のようなそれだが、ディーヴァの笑い声と錯覚してすごまれたのを思い出してしまった。
こいつらを倒せば戻れるのだろう。ディーヴァのためにも早く戻らねば。
骸骨悪魔と蜘蛛を軽く屠ると笑い声がどこか悲しそうな声に変わり、中央には元の場所へ飛ばしてくれるのであろう、ワープホールが現れた。
「で。この場所は一体なんだったんだ。
出てくる悪魔が弱すぎるがただの足止めか?」
『悪夢の空間っていわれるところなんだけど、マスターにとっては悪夢じゃなかったんだね』
「むしろ、あの蜘蛛野郎とまた戦えて楽しい夢の時間だった気がするぜ。
しいていえば、実際の蜘蛛野郎より弱すぎたってのが物足りなさすぎて悪夢みたいなもんだ」
『はあ……そんな考えできるのマスターだけだと思う』
遊び相手を欲しがる状態でなければ、ダンテにとっての『悪夢』の空間へと引きずりおとされていたろうに。
ワープホールに飛び込むと同時、やれやれとでも言いたげなアラストルのため息が聞こえた。
戻った先には暗闇の中で大聖堂の台の上に逃げているディーヴァと、そこへ群がり襲おうとする幼虫のような悪魔。部屋中にべっちょり広がるナイトメアのゲル状の身体というエグい空間が広がっていた。
ある意味こちらの方が悪夢じゃないか?
「あっ!!!?
ダンテ生きてた良かったぁぁぁぁあぁ!!
これなんとかしてーーー!!」
生きてたよかった、はこっちのセリフだ。
「よくこの暗闇で動けたな。
さすが勘が良くて逃げ足のはやいディーヴァだ」
「恐怖ゆえですぅー」
足に力を入れて跳び、ディーヴァの元へと着地する。
幼虫のような悪魔は上からイフリートの炎で消滅させて減らしていくことにした。見た目は虫でも氷の化物に近い性質だし、炎には弱かろう。
それに、蠢く様子を見てるだけで気持ち悪いもんな。
さて。
どうしたら奴を倒せるだろうか。
取り込まれる前もそうだったが、今のナイトメアにグレネードガンを撃とうが、アラストルの電撃を撃とうが傷一つつかない。
このままジリ貧になるのだけは避けたいところだ。
ダンテが負けた……?
部屋の中心でナイトメアが蠢く姿がかろうじて暗闇に浮かび上がる中、ダンテはディーヴァを遺し目の前の悪魔に取り込まれてしまった。
取り込まれたということは、すなわち食べられてしまったということ。
「う……う、そ……ダンテが食べられちゃっ………た」
スライムのような体液に溶かされ、消化され……そしてナイトメアの体の表面に浮かんでいた骨の様に、そのうちダンテの亡骸がぷかりぷかりと浮かんでくるのかも知れない。
いやだ。そんなの見たくない。
悲しみと絶望とで目からぽろぽろと涙が出てくる。
体が急激に冷えてきた。
そのまま冬眠にでも入ってしまいたい。ダンテがいないなら、それもありかもね。
腰も抜けてしまい、ダンテに突き飛ばされた時の体勢のままで立ち上がろうという考えも浮かばなかった。
しかし、絶望とともに視界の端に映り込む、ダンテが絡み付かれた蛭のような幼虫の姿。
そう、ディーヴァの大嫌いな虫。
ぶわっ。またも全身の毛が逆立つ感覚。
「虫は無視ィ!!」
その瞬間だけは、絶望や悲しみもどこかへと吹き飛び、虫への恐怖と嫌悪感が勝った。
あんなに固まっていた足も、抜けていた腰も羽根のように軽い。
天使だけに、羽根のようにね!なんて、冗談を考えている場合ではない。
「やだやだやだ来ないで!」
すたこらサッサと逃げるが勝ち。
しかしこの部屋には逃げ場がない。部屋の扉は開かないし、そもそも暗くてよく見えない。
どなたか、お客様の中で懐中電灯をお持ちの方はいらっしゃいませんか!
……って、お客様は蛭状の幼虫しかいないというね。
「よかった。ここまでは上がってこれないみたい……」
魔光石があるとはいえほとんど見えないこの中で、一度も捕まらずに逃げ回り大聖堂に据え置かれた長台に登れたのは奇跡だと思う。
かつてはこの上に崇める対象の像やら何やらが置かれていただろうけれども、今は何もないみたいだし、行儀悪く土足であがるのを神様には許して欲しいところ。
けれどいつまで持つやら。
台に飛び乗ろうと次から次に集まってくるので、そのうち攻略されてしまいそう。
ダンテのように取り込まれて食べられる……のも嫌だが、その前段階の虫のようなものに絡まれるのはもっと嫌。
悪魔への恐怖が薄れるほどの虫嫌いは今も健在だった。
そう思うと、そこまで明るくなくてよかったとも言える。
明るかったら、台の真下に群がる姿を見てしまうとこ……うええ〜〜想像だけでえずいちゃうんだけど?
***
そしてその頃のダンテはというと。
ディーヴァの想像とは違い、ナイトメアの胃袋におっことされるようなデロデロドロドロに溶ける展開には陥っていなかった。
溶かされるとしたら、かつて相手をしたリヴァイアサンの体内の方が可能性があったろう。
あれは火傷をした時のような痛さがあったっけ。耐え難い臭さが体に染み付いて、ディーヴァに嫌がられたのが何よりこたえたが。
「この状況を解決するのが先だな」
こちらの事はともかく、ディーヴァを置いてきているわけだし。
オレが落とされたナイトメアの体内には、謎の空間が広がっていた。
上には魔の空間を象徴するどろりとした空。
限られた場所でしか行動ができない、丸く切り取られた地面。
狭すぎるこの空間がこの世界の全て。
そこに存在するのは頭蓋骨の姿をした雑魚悪魔と、前に対峙した蜘蛛悪魔のみだ。
なお、蜘蛛悪魔そのものほどの強さの魔力はひとつも感じ取れない。
よくできたコピーか。
『キャッキャッ!ァハハハハーィ!』
そこに、頭に直接響いてくるような、このナイトメアの笑い声だ。(ジャパンの国民的なベィビィキャラのセリフにも聞こえる)
遊び相手を欲しがる赤子のようなそれだが、ディーヴァの笑い声と錯覚してすごまれたのを思い出してしまった。
こいつらを倒せば戻れるのだろう。ディーヴァのためにも早く戻らねば。
骸骨悪魔と蜘蛛を軽く屠ると笑い声がどこか悲しそうな声に変わり、中央には元の場所へ飛ばしてくれるのであろう、ワープホールが現れた。
「で。この場所は一体なんだったんだ。
出てくる悪魔が弱すぎるがただの足止めか?」
『悪夢の空間っていわれるところなんだけど、マスターにとっては悪夢じゃなかったんだね』
「むしろ、あの蜘蛛野郎とまた戦えて楽しい夢の時間だった気がするぜ。
しいていえば、実際の蜘蛛野郎より弱すぎたってのが物足りなさすぎて悪夢みたいなもんだ」
『はあ……そんな考えできるのマスターだけだと思う』
遊び相手を欲しがる状態でなければ、ダンテにとっての『悪夢』の空間へと引きずりおとされていたろうに。
ワープホールに飛び込むと同時、やれやれとでも言いたげなアラストルのため息が聞こえた。
戻った先には暗闇の中で大聖堂の台の上に逃げているディーヴァと、そこへ群がり襲おうとする幼虫のような悪魔。部屋中にべっちょり広がるナイトメアのゲル状の身体というエグい空間が広がっていた。
ある意味こちらの方が悪夢じゃないか?
「あっ!!!?
ダンテ生きてた良かったぁぁぁぁあぁ!!
これなんとかしてーーー!!」
生きてたよかった、はこっちのセリフだ。
「よくこの暗闇で動けたな。
さすが勘が良くて逃げ足のはやいディーヴァだ」
「恐怖ゆえですぅー」
足に力を入れて跳び、ディーヴァの元へと着地する。
幼虫のような悪魔は上からイフリートの炎で消滅させて減らしていくことにした。見た目は虫でも氷の化物に近い性質だし、炎には弱かろう。
それに、蠢く様子を見てるだけで気持ち悪いもんな。
さて。
どうしたら奴を倒せるだろうか。
取り込まれる前もそうだったが、今のナイトメアにグレネードガンを撃とうが、アラストルの電撃を撃とうが傷一つつかない。
このままジリ貧になるのだけは避けたいところだ。
