mission 16:named nightmare ~夕闇の城~
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扉を潜り抜けた先に広がっていたのは、真っ暗闇……ではなく、紋章によりほんのり青く光りもれる大聖堂の空間。
そこでは壁の紋章の他にも、床に円形の紋様が妖しく光を放っていた。
「この部屋あやしすぎてこれから何か来まーすって雰囲気ビシビシきてる」
「わかる。ディーヴァはどこか安全そうな部屋に隠れてたほうがいいかもしれないな……」
所謂ボス戦が来そうだ。
ディーヴァもそれに賛成なのか、ブンブンと首を縦に振っている。
武器庫から回廊に入ってすぐの執務室あたりがよかろう。そう思い、一度来た道を戻ろうと扉を開けるが……。
「あ?」
▼扉がびくともしない!
「扉が!びくとも!しない!!」
「いやメッセージウィンドウ出てるから言わんでもわかるぞ」
「そういうメタいのはいいですぅー。出られなくなってるどうしよう!?」
オレの怪力で押してもひいても開かないとはどういうことだ。悪魔の封印というには、白い怨霊が扉を覆っているわけでもない。
そうか向こう側から強い悪魔が押さえつけてるんだな。ちくせぅ。
橋へと続くもうひとつの扉もまた、同じように封印されていた。
この世の終わりのような顔をしているディーヴァには諦めてもらい、オレが全力で守るしかないわけだ。……まあ、ヨユーか。
「諦めてオレの後ろにいてくれ」
「あぅ〜……仕方ないから諦める〜。だからダンテ…………守ってね?」
ウッ……!見捨てられた子犬みたいなうるうる瞳で見つめないでくれよ。
オレはこの目に弱い。心臓鷲掴みだ。
「ああ、もちろんだとも」
はぁ〜。こんな風に好きな相手から言われちゃあ、どんな無理なお願いだって聞きたくなるってもんだろ。
そりゃ今回のお願い事なんて、オレからしたら当たり前のことでたいした願いじゃないけどな。
「一応先に発動しとくか」
どうせこの閉鎖空間の中では逃げられはしないのだ。
最終的には発動させなくちゃいけなくなるのならば、いつ発動させたって問題はないはずだ。
ディーヴァもそれには意義なしのようで、何も言わず頷いてくれた。
そうして先に紋章発動を発動させれば、部屋の中が青く光り多少明るくなった。
「部屋のまんなかに怪しい水溜りがあるね」
「今気がついたのか」
鏡のように透き通った水たまりからは、強い魔の波動が感じられる。
明らかに怪しいそれはあまり見ないようにしていたんだが、ほの明るくなったことでディーヴァにまで気がつかれた。
仕方なく前には出ないよう約束させ、そっと近づいていく。
「匂うな」
強い掃き溜めの匂いだ。
その中を覗き込んでいるとテレパシーのようなものが、戦うのに邪魔だからとディーヴァに持たせたヘルメスの杖から聞こえてきた。
『魔の門を開かんとする者よ
青き魔石の力を借りよ』と。
「青い魔石……?今度は青かよ。いったいなんのことだ」
ここまで錬金術に関わりそうな事象ばかりだ。定石通りにいけば、賢者の石あたりのことに繋がりそうだ。
考え込んでいるオレに、ディーヴァからの鋭い言葉が飛んでくる。
「ダンテ!水に何かいる!」
「っ!!」
部屋内にたゆたう水は、闇に近い藍色を映している。
その水が濁り始めうねりを帯びると同時、中から骨やガラクタが浮いてきた。
と同時、水が垂直に噴き上がる。
いや、水が噴き上がるのとは違う。正しくは粘着質のスライムのようなものが天井に向かって伸び上がり、そのまま飛んで着地したのだ。
べちゃり。独特の音が響く。
自ら床に叩きつけられにいったソレは、周りにゲル状の体を広げた。
ぬらぬらテラテラと光を反射し、蠢くごった煮のような体は見ている者の吐き気を呼び起こす。
「…………ちょっと気持ち悪いね」
ディーヴァに激しく同意する。
視界を遮るようにそっと抱き寄せていれば、スライムがその身に装甲を纏った。その姿は、まるでエイリアン。ナイトメアβと似た姿だった。
余計に気持ち悪い気がするのはオレだけか?
「ッ!?ディーヴァ、おぶされ!」
「ふぇっ?」
見ていればスライムの周りに浮かんできた五つの球体。
そこがキラリと怪しく光ると、細いビームのようなものが大量に発射された!
ディーヴァが背中に乗るのを待てず、あわてて抱え避けながらそれが何なのかを確認する。
殺傷能力は限りなく低そうだが、機関銃の弾のソレに近く見えた。
「こりゃ地味に痛いやつだぜ」
半魔である自分にはたいしたダメージは入らないが、ディーヴァにはこの程度だとしても驚異になろう攻撃。
そりゃそうか。機関銃の弾が一発でも腕に当たったところを想像してみろ。痛いどころじゃないだろ?
たまーに自身に当たって痛いがディーヴァに当たらなければ問題はない、と適当に弾き防いで走る。
「ダンテ!あの悪魔から丸いのが出た!」
ディーヴァが視界の端で何かを捉え、知らせてくる。
銃撃音の軽い騒音にビビッてるってのに、よくやった。偉いぞディーヴァ。
見れば、悪魔の頭部と思わしき巨大な塊から心臓である核が光を放ちながら露出して光っていた。
まるで場違いなミラーボールだ。
ヴヴヴ…………!
核を中心に地を這い進むレーザーが数発放たれた。
「ッ!?」
嫌な予感がして飛んで避けた瞬間、この部屋の温度が急激に下がったような気がした。
ディーヴァの柔肌にも鳥肌が立っている。うん、やっぱり気温が下がったな……。
え?ディーヴァを基準にするなって?オレの世界はディーヴァが基準だ。言ったろ?文句あっか!
そこでは壁の紋章の他にも、床に円形の紋様が妖しく光を放っていた。
「この部屋あやしすぎてこれから何か来まーすって雰囲気ビシビシきてる」
「わかる。ディーヴァはどこか安全そうな部屋に隠れてたほうがいいかもしれないな……」
所謂ボス戦が来そうだ。
ディーヴァもそれに賛成なのか、ブンブンと首を縦に振っている。
武器庫から回廊に入ってすぐの執務室あたりがよかろう。そう思い、一度来た道を戻ろうと扉を開けるが……。
「あ?」
▼扉がびくともしない!
「扉が!びくとも!しない!!」
「いやメッセージウィンドウ出てるから言わんでもわかるぞ」
「そういうメタいのはいいですぅー。出られなくなってるどうしよう!?」
オレの怪力で押してもひいても開かないとはどういうことだ。悪魔の封印というには、白い怨霊が扉を覆っているわけでもない。
そうか向こう側から強い悪魔が押さえつけてるんだな。ちくせぅ。
橋へと続くもうひとつの扉もまた、同じように封印されていた。
この世の終わりのような顔をしているディーヴァには諦めてもらい、オレが全力で守るしかないわけだ。……まあ、ヨユーか。
「諦めてオレの後ろにいてくれ」
「あぅ〜……仕方ないから諦める〜。だからダンテ…………守ってね?」
ウッ……!見捨てられた子犬みたいなうるうる瞳で見つめないでくれよ。
オレはこの目に弱い。心臓鷲掴みだ。
「ああ、もちろんだとも」
はぁ〜。こんな風に好きな相手から言われちゃあ、どんな無理なお願いだって聞きたくなるってもんだろ。
そりゃ今回のお願い事なんて、オレからしたら当たり前のことでたいした願いじゃないけどな。
「一応先に発動しとくか」
どうせこの閉鎖空間の中では逃げられはしないのだ。
最終的には発動させなくちゃいけなくなるのならば、いつ発動させたって問題はないはずだ。
ディーヴァもそれには意義なしのようで、何も言わず頷いてくれた。
そうして先に紋章発動を発動させれば、部屋の中が青く光り多少明るくなった。
「部屋のまんなかに怪しい水溜りがあるね」
「今気がついたのか」
鏡のように透き通った水たまりからは、強い魔の波動が感じられる。
明らかに怪しいそれはあまり見ないようにしていたんだが、ほの明るくなったことでディーヴァにまで気がつかれた。
仕方なく前には出ないよう約束させ、そっと近づいていく。
「匂うな」
強い掃き溜めの匂いだ。
その中を覗き込んでいるとテレパシーのようなものが、戦うのに邪魔だからとディーヴァに持たせたヘルメスの杖から聞こえてきた。
『魔の門を開かんとする者よ
青き魔石の力を借りよ』と。
「青い魔石……?今度は青かよ。いったいなんのことだ」
ここまで錬金術に関わりそうな事象ばかりだ。定石通りにいけば、賢者の石あたりのことに繋がりそうだ。
考え込んでいるオレに、ディーヴァからの鋭い言葉が飛んでくる。
「ダンテ!水に何かいる!」
「っ!!」
部屋内にたゆたう水は、闇に近い藍色を映している。
その水が濁り始めうねりを帯びると同時、中から骨やガラクタが浮いてきた。
と同時、水が垂直に噴き上がる。
いや、水が噴き上がるのとは違う。正しくは粘着質のスライムのようなものが天井に向かって伸び上がり、そのまま飛んで着地したのだ。
べちゃり。独特の音が響く。
自ら床に叩きつけられにいったソレは、周りにゲル状の体を広げた。
ぬらぬらテラテラと光を反射し、蠢くごった煮のような体は見ている者の吐き気を呼び起こす。
「…………ちょっと気持ち悪いね」
ディーヴァに激しく同意する。
視界を遮るようにそっと抱き寄せていれば、スライムがその身に装甲を纏った。その姿は、まるでエイリアン。ナイトメアβと似た姿だった。
余計に気持ち悪い気がするのはオレだけか?
「ッ!?ディーヴァ、おぶされ!」
「ふぇっ?」
見ていればスライムの周りに浮かんできた五つの球体。
そこがキラリと怪しく光ると、細いビームのようなものが大量に発射された!
ディーヴァが背中に乗るのを待てず、あわてて抱え避けながらそれが何なのかを確認する。
殺傷能力は限りなく低そうだが、機関銃の弾のソレに近く見えた。
「こりゃ地味に痛いやつだぜ」
半魔である自分にはたいしたダメージは入らないが、ディーヴァにはこの程度だとしても驚異になろう攻撃。
そりゃそうか。機関銃の弾が一発でも腕に当たったところを想像してみろ。痛いどころじゃないだろ?
たまーに自身に当たって痛いがディーヴァに当たらなければ問題はない、と適当に弾き防いで走る。
「ダンテ!あの悪魔から丸いのが出た!」
ディーヴァが視界の端で何かを捉え、知らせてくる。
銃撃音の軽い騒音にビビッてるってのに、よくやった。偉いぞディーヴァ。
見れば、悪魔の頭部と思わしき巨大な塊から心臓である核が光を放ちながら露出して光っていた。
まるで場違いなミラーボールだ。
ヴヴヴ…………!
核を中心に地を這い進むレーザーが数発放たれた。
「ッ!?」
嫌な予感がして飛んで避けた瞬間、この部屋の温度が急激に下がったような気がした。
ディーヴァの柔肌にも鳥肌が立っている。うん、やっぱり気温が下がったな……。
え?ディーヴァを基準にするなって?オレの世界はディーヴァが基準だ。言ったろ?文句あっか!