mission 16:named nightmare ~夕闇の城~
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一か八か。
試し撃ちしたきり仕舞われたナイトメアβをチラリと見やる。
こいつは魔力を撃ちだす兵器だしディーヴァに当たっても問題がない可能性が高い。
「なあこのナイトメアβってのは、天使に当たったらどうなる?」
『何かが当たるって感じでちょい痛い可能性はあるけど、怪我することは無いね。
それに、撃ち出すのはマスターの魔力でしょ?
マスターはディーヴァを傷つけたいって思ってるの?それが答え』
オレがディーヴァを傷つけたいか?そんなの言わなくてもわかってることだ。
そんなオレの魔力がディーヴァを傷つける働きをするはずなかった。
「それを聞いて安心したぜ」
近づいてきたプラズマをまとめて思い切り蹴り飛ばすと、奴らはあっさりと壁に激突して動きが鈍った。
やれやれ、オレの姿形とってるってのに受け身も取れないとは。
間抜けでみっともねぇったらありゃしない。
装備するとなかなかの大きさになるそれを腕に構える。
魔力を充填していき……。
「伏せてろディーヴァ」
「ええっ!?わ、わかった!」
ディーヴァが地面に体をつけるのを見届ける。
プラズマが再びオレの姿をとり、こちらに向かってくる。光が一点に集中したところで。
「食らえオレの魔力砲!」
大きく撃ち放ったナイトメアβの光線がプラズマを直撃する。
がしかし、それはプラズマの手によっていとも簡単に握りつぶされ、消滅してしまった。
「ハァ!?」
き え た !?
『言い忘れてたけどナイトメアβって一部の悪魔にはあまり効かないんだよねー』
おいこらそう言うことは早く言えよ。殺意が沸いた。
逆に電撃レーザーが一斉に放たれ、ディーヴァを庇ったオレに直撃する。
感電して脳髄がガツンと揺れた。
「チィ…………ッ!」
こうなればイフリートのインフェルノで一気に燃やし尽くしてやろうではないか。
装備した飛び道具を素早く愛銃の方へと変え、軽くいなして距離をとらせると畳み掛けるように魔力で構成した炎をぶつける。
「ったく、最初からこうしておけばよかったぜ」
炎により一掃され、プラズマ達は電撃の名残を空気中に流し、霧散した。
プラズマの分裂も出現もなくなり安全になった武器庫の中、ディーヴァが暗さで転けそうになりながら駆け寄ってくる。
「改めて見たけどさ、今の悪魔ってプラズマイオンの悪魔だったのかな」
「プラズマイオンだと除菌作用発生しちまうぞ……。ただの雷の化身、いや、せいぜい電撃の化身だろ」
いるだけで空気が綺麗になるならそれは悪魔とは呼ばない。
「感電してたのは大丈夫?治す?」
「もう治ったから平気だ」
「でも絶縁グローブとかがあるといいよねぇ」
「ンなもんないっての……」
ディーヴァが心配してそう言ってくるが、感電如きじゃなんともならない。とはいえ、回復にかこつけての唇補給はしたい、というのはわがままなんだろうな。
というか、今つけているグローブはディーヴァがプレゼントしてくれたものなんだから、感電対策にならないのはわかるだろうになぁ。
話を逸らそうとしてるのがよくわかる、わかるぞぉ。
「んで最悪ってどういうことだディーヴァチャン?」
「げ。だ〜か〜ら〜黙秘だってば〜!」
げ。で、やはりと思う。話を逸らしたって無駄だ。無駄無駄無駄無駄無駄ァ!
「最悪ってのはあれか?オレ自体を最悪って思ってるってことでFAだよな?」
「そそそそんなことあるわけないじゃん」
「どもってる。オレのどこが最悪なのかディーヴァのそのちぃせぇお口から聞かせてもらおうか。
言うまで離しませんー」
拘束するようにちょっと強く抱きしめる。
ディーヴァをいじめているような気分で、少しの罪悪感とまた少しの加虐心が湧いて仕方ない。
「ヤッ!嫌い!
そうやってねちっこくてしつこい男の人は嫌われちゃうんだよ!?」
蒸し返してお説教モードで顔を上から覗き込めば、ディーヴァはオレのの圧力に負けず頬を膨らませて抗議してきた。こういうこと言えちまうあたり、ディーヴァが一番強い。
その一言で、オレの拘束はすぐ解かれてしまうのだから。
「んな!嫌いって……!だいたいオレのどこがねちっこいんだ!」
「しらなぁい。ほら次行くんでしょ」
「ディーヴァ〜〜〜!」
ディーヴァに嫌われたらたまったもんじゃないぞ!
オレはあわてて彼女のあとを追った。
続く回廊は暗さの他に、違和感を抱く箇所が増えている。
落ちてくる邪魔なマリオネット達を屠りながら、ディーヴァとともに次なる地を目指し歩いていく。
「なんだか部屋が少なくなってるような……?気のせいかな」
気のせいではない。夕刻の城と比べると部屋は少なくなり物の配置もおかしくなっている。
空間が歪んでいるといえばいいのだろうか。
これでは魔界への扉が、すでにどこかに開いていたとしてもおかしくない。
ディーヴァの体によくなさそうな、魔の空気がどこからともなく流れ込んでくる。
悪魔の血をひくオレでも気分が悪くなりそうな、掃き溜めの匂いだ。
親玉をぶっ潰してさっさと帰りたいもんだぜ……。
「とりあえず悪魔の気配はすっごいする。あたしにもわかるほどにね。雷もなってるし……。
ああ正に悪夢のような空間!気を抜いたら気絶しそう〜!」
「さっきみたいな気絶はやめてくれよ?」
「うう、気をつけます」
ピカッゴロッドーン!という雷嫌いには最悪なBGM三点セットをバックに、回廊のその奥、大聖堂への扉へとたどり着く。
ああ、この中からも酷い吐きだめの気配を感じる。
ディーヴァにもそれはわかるようで、こちらを不安そうに見つめ、オレの行動を目で追っていた。
大丈夫だ。ディーヴァの頭に手を置き、オレはその扉に手をかけた。
試し撃ちしたきり仕舞われたナイトメアβをチラリと見やる。
こいつは魔力を撃ちだす兵器だしディーヴァに当たっても問題がない可能性が高い。
「なあこのナイトメアβってのは、天使に当たったらどうなる?」
『何かが当たるって感じでちょい痛い可能性はあるけど、怪我することは無いね。
それに、撃ち出すのはマスターの魔力でしょ?
マスターはディーヴァを傷つけたいって思ってるの?それが答え』
オレがディーヴァを傷つけたいか?そんなの言わなくてもわかってることだ。
そんなオレの魔力がディーヴァを傷つける働きをするはずなかった。
「それを聞いて安心したぜ」
近づいてきたプラズマをまとめて思い切り蹴り飛ばすと、奴らはあっさりと壁に激突して動きが鈍った。
やれやれ、オレの姿形とってるってのに受け身も取れないとは。
間抜けでみっともねぇったらありゃしない。
装備するとなかなかの大きさになるそれを腕に構える。
魔力を充填していき……。
「伏せてろディーヴァ」
「ええっ!?わ、わかった!」
ディーヴァが地面に体をつけるのを見届ける。
プラズマが再びオレの姿をとり、こちらに向かってくる。光が一点に集中したところで。
「食らえオレの魔力砲!」
大きく撃ち放ったナイトメアβの光線がプラズマを直撃する。
がしかし、それはプラズマの手によっていとも簡単に握りつぶされ、消滅してしまった。
「ハァ!?」
き え た !?
『言い忘れてたけどナイトメアβって一部の悪魔にはあまり効かないんだよねー』
おいこらそう言うことは早く言えよ。殺意が沸いた。
逆に電撃レーザーが一斉に放たれ、ディーヴァを庇ったオレに直撃する。
感電して脳髄がガツンと揺れた。
「チィ…………ッ!」
こうなればイフリートのインフェルノで一気に燃やし尽くしてやろうではないか。
装備した飛び道具を素早く愛銃の方へと変え、軽くいなして距離をとらせると畳み掛けるように魔力で構成した炎をぶつける。
「ったく、最初からこうしておけばよかったぜ」
炎により一掃され、プラズマ達は電撃の名残を空気中に流し、霧散した。
プラズマの分裂も出現もなくなり安全になった武器庫の中、ディーヴァが暗さで転けそうになりながら駆け寄ってくる。
「改めて見たけどさ、今の悪魔ってプラズマイオンの悪魔だったのかな」
「プラズマイオンだと除菌作用発生しちまうぞ……。ただの雷の化身、いや、せいぜい電撃の化身だろ」
いるだけで空気が綺麗になるならそれは悪魔とは呼ばない。
「感電してたのは大丈夫?治す?」
「もう治ったから平気だ」
「でも絶縁グローブとかがあるといいよねぇ」
「ンなもんないっての……」
ディーヴァが心配してそう言ってくるが、感電如きじゃなんともならない。とはいえ、回復にかこつけての唇補給はしたい、というのはわがままなんだろうな。
というか、今つけているグローブはディーヴァがプレゼントしてくれたものなんだから、感電対策にならないのはわかるだろうになぁ。
話を逸らそうとしてるのがよくわかる、わかるぞぉ。
「んで最悪ってどういうことだディーヴァチャン?」
「げ。だ〜か〜ら〜黙秘だってば〜!」
げ。で、やはりと思う。話を逸らしたって無駄だ。無駄無駄無駄無駄無駄ァ!
「最悪ってのはあれか?オレ自体を最悪って思ってるってことでFAだよな?」
「そそそそんなことあるわけないじゃん」
「どもってる。オレのどこが最悪なのかディーヴァのそのちぃせぇお口から聞かせてもらおうか。
言うまで離しませんー」
拘束するようにちょっと強く抱きしめる。
ディーヴァをいじめているような気分で、少しの罪悪感とまた少しの加虐心が湧いて仕方ない。
「ヤッ!嫌い!
そうやってねちっこくてしつこい男の人は嫌われちゃうんだよ!?」
蒸し返してお説教モードで顔を上から覗き込めば、ディーヴァはオレのの圧力に負けず頬を膨らませて抗議してきた。こういうこと言えちまうあたり、ディーヴァが一番強い。
その一言で、オレの拘束はすぐ解かれてしまうのだから。
「んな!嫌いって……!だいたいオレのどこがねちっこいんだ!」
「しらなぁい。ほら次行くんでしょ」
「ディーヴァ〜〜〜!」
ディーヴァに嫌われたらたまったもんじゃないぞ!
オレはあわてて彼女のあとを追った。
続く回廊は暗さの他に、違和感を抱く箇所が増えている。
落ちてくる邪魔なマリオネット達を屠りながら、ディーヴァとともに次なる地を目指し歩いていく。
「なんだか部屋が少なくなってるような……?気のせいかな」
気のせいではない。夕刻の城と比べると部屋は少なくなり物の配置もおかしくなっている。
空間が歪んでいるといえばいいのだろうか。
これでは魔界への扉が、すでにどこかに開いていたとしてもおかしくない。
ディーヴァの体によくなさそうな、魔の空気がどこからともなく流れ込んでくる。
悪魔の血をひくオレでも気分が悪くなりそうな、掃き溜めの匂いだ。
親玉をぶっ潰してさっさと帰りたいもんだぜ……。
「とりあえず悪魔の気配はすっごいする。あたしにもわかるほどにね。雷もなってるし……。
ああ正に悪夢のような空間!気を抜いたら気絶しそう〜!」
「さっきみたいな気絶はやめてくれよ?」
「うう、気をつけます」
ピカッゴロッドーン!という雷嫌いには最悪なBGM三点セットをバックに、回廊のその奥、大聖堂への扉へとたどり着く。
ああ、この中からも酷い吐きだめの気配を感じる。
ディーヴァにもそれはわかるようで、こちらを不安そうに見つめ、オレの行動を目で追っていた。
大丈夫だ。ディーヴァの頭に手を置き、オレはその扉に手をかけた。