mission 16:named nightmare ~夕闇の城~
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「そろそろ行くか」
「行くって言っても、どこに行けばいいのかわかってるの?」
ディーヴァの質問に、手にした運命の輪を指だけでくるくると回してみせる。
「『アバロンの王、運命の輪を使い、物語を始まりの地に戻す』、なんだろ?
オレは王様じゃないがこれを使って始まりの地に行けるってことなら、行き先は悪魔蔓延るあの城しかない」
「ダンテは王様というより魔王様……」
「ほぉ〜?生意気言うのはどの口だ〜?」
「いひゃいいひゃい」
ぐにー。
ディーヴァの頬を引っ張る。オレが全力出したらちぎれ飛ぶこと必須なので、もちろん力は加減して。でも少しの間鈍痛が続くくらいに。
「オレみたいな優しい悪魔は他にいないぞ。なんてったって、愛する天使様を命を賭して助けにくるヒーローだ。
もっと大事にしてくれてもいいと思うが?」
もっとも、半分悪魔だからダークヒーローかもしれないがな。
「大事にして欲しいならほっぺた引っ張るのは良くないと思う!そういうとこが魔王なの!
だいたいなんでみんなして人のほっぺたつねるかな……」
ぶつぶつと文句を垂れながら、ディーヴァは自分の頬をさする。うん、頬が赤くなってしまっている。
というか魔王って。
少なくともあの三つ目ヤロウよりはましだろうが。
あ、アイツは魔王じゃなくて魔帝か。いや、どちらも変わらんか。
「はぁぁ〜……これから悪魔城に戻るって事か。やだなぁ」
「ディーヴァ、その城の呼び方はアウトだからやめとこうぜ」
そう。創造主サマが違うからな。
ディーヴァも気がついたのか、ハッとして口を手で押さえた。
運命の輪を小脇に抱えるとディーヴァの腰を引き寄せ、共に昇降機へ乗り込む。
天を目指し降り立ったコロシアムにはもう、グリフォンの魔力の気配ひとつ残っていない。
「………………なんにもない」
「ディーヴァ……」
グリフォンがここに存在した証は、ディーヴァが拾ったグリフォンの魔力のかけら。それが形を変えた一枚の羽根のみだ。
思うところはあろうが、オレたちは進むほなかない。
戻る道は断たれ、無理やり戻ろうとしたところでまっているのは死。地獄だ。
抱いていた腰から手を滑らせ落ち着かせるようにして、冷えるディーヴァの肩をさする。
「ありがとうダンテ。
よし!大丈夫、……行こう!」
懐からそっと出したグリフォンの羽根。赤く燃えるような色にも赤茶けた色にも、傾ければ青黒く光っても見える不思議な羽根。
それをひとしきり見つめたディーヴァは自分を奮立てる暗示をかけたかのように、深く頷き、目を開けた。
無理やり元気にみせそうとする姿が痛々しかった。
コロシアムから出たそこは、恐ろしい咆哮轟く暗闇。
暗がりの向こうから、またも現れる死神のような悪魔によって、一気に現実に引き戻された。
ほの明るい蒼炎のみちしるべが、心許なく足元を照らすくらいだ。
恐怖ゆえの震えが、ディーヴァの体に蘇ってきた。
「ディーヴァ、つかまってろ」
ディーヴァがしっかりとオレにしがみつくのを感じ、足に魔力を集中させる。
死神悪魔が得物を振りかぶった瞬間、オレは最大値まで込められた魔力を爆発させて走り出した。
魔力のおかげか、高い瞬発力をはじき出したオレの足。シンサイズ達はオレの足について来れず、その場に取り残された。
「死神さんたち倒さないの?」
「無視する」
悪魔狩りはオレの生きる理由のひとつだ。
一匹たりとも逃してやるものか、それを信条に生きてきた。ディーヴァに会うまでは。
いや、ディーヴァと出会ってからも、その信条は今もオレの中にある。
けれどディーヴァを連れている今、逃げる選択肢も時には必要だ。
どちらにせよ、ここの親玉をぶっ飛ばさなくては過給悪魔はいつまでも増え続ける。
モトを絶つぜ!
滑り込むようにして扉の向こうへ行けば、シンサイズ達にもそう簡単に見つからないだろう。あいつらは死神の姿をしてる割にあまり知能は高くない。
ディーヴァをおろし、螺旋階段を上がっていく。
「この螺旋階段、急勾配ってわけじゃないけどホント長いよねぇ」
十数段あがったところで、ディーヴァがもらす。
「疲れたか?」
「ちょっぴり。
足の負担的には下りより上りのほうが負担少ないらしいんだよ?でも、上りのほうが疲れる感じするよねー」
「この島で動き回った疲れがあるとはいえ、お前もともと運動不足だもんなァ」
「運動不足なわけないでしょ?だって普段ダンテと……」
「オレと?」
ほう?その続き言ってみ?
ニヤニヤしてディーヴァに続きを促した。
「なんでもない!」
真っ赤になって言えなくなったかわいいディーヴァのために、オレが代わりを務める。せっかく夜の話をディーヴァから振ってくれたんだもんな。
「運動も体力も不足してるのはホントだろ。たった一回のセ「わー!わー!!」で気をやるんだから」
「半分悪魔のダンテと一緒にしないで!あとお口チャック!!」
それ以上言わせない、と唇をつままれた。
かゆい抵抗だな……このままでも十分喋れるぞ?
「口にチャックって言ってもアラストルはノーカン」
『あっ俺マスター達の夜の営みの事もディーヴァがたった一回で気絶するとかしないとかまったく聞こえてなかったから大丈夫!うん!』
「わあああああ!しっかり聞こえてるんじゃない!」
アラストルも中身の性別は男寄りだから仕方がない。
「行くって言っても、どこに行けばいいのかわかってるの?」
ディーヴァの質問に、手にした運命の輪を指だけでくるくると回してみせる。
「『アバロンの王、運命の輪を使い、物語を始まりの地に戻す』、なんだろ?
オレは王様じゃないがこれを使って始まりの地に行けるってことなら、行き先は悪魔蔓延るあの城しかない」
「ダンテは王様というより魔王様……」
「ほぉ〜?生意気言うのはどの口だ〜?」
「いひゃいいひゃい」
ぐにー。
ディーヴァの頬を引っ張る。オレが全力出したらちぎれ飛ぶこと必須なので、もちろん力は加減して。でも少しの間鈍痛が続くくらいに。
「オレみたいな優しい悪魔は他にいないぞ。なんてったって、愛する天使様を命を賭して助けにくるヒーローだ。
もっと大事にしてくれてもいいと思うが?」
もっとも、半分悪魔だからダークヒーローかもしれないがな。
「大事にして欲しいならほっぺた引っ張るのは良くないと思う!そういうとこが魔王なの!
だいたいなんでみんなして人のほっぺたつねるかな……」
ぶつぶつと文句を垂れながら、ディーヴァは自分の頬をさする。うん、頬が赤くなってしまっている。
というか魔王って。
少なくともあの三つ目ヤロウよりはましだろうが。
あ、アイツは魔王じゃなくて魔帝か。いや、どちらも変わらんか。
「はぁぁ〜……これから悪魔城に戻るって事か。やだなぁ」
「ディーヴァ、その城の呼び方はアウトだからやめとこうぜ」
そう。創造主サマが違うからな。
ディーヴァも気がついたのか、ハッとして口を手で押さえた。
運命の輪を小脇に抱えるとディーヴァの腰を引き寄せ、共に昇降機へ乗り込む。
天を目指し降り立ったコロシアムにはもう、グリフォンの魔力の気配ひとつ残っていない。
「………………なんにもない」
「ディーヴァ……」
グリフォンがここに存在した証は、ディーヴァが拾ったグリフォンの魔力のかけら。それが形を変えた一枚の羽根のみだ。
思うところはあろうが、オレたちは進むほなかない。
戻る道は断たれ、無理やり戻ろうとしたところでまっているのは死。地獄だ。
抱いていた腰から手を滑らせ落ち着かせるようにして、冷えるディーヴァの肩をさする。
「ありがとうダンテ。
よし!大丈夫、……行こう!」
懐からそっと出したグリフォンの羽根。赤く燃えるような色にも赤茶けた色にも、傾ければ青黒く光っても見える不思議な羽根。
それをひとしきり見つめたディーヴァは自分を奮立てる暗示をかけたかのように、深く頷き、目を開けた。
無理やり元気にみせそうとする姿が痛々しかった。
コロシアムから出たそこは、恐ろしい咆哮轟く暗闇。
暗がりの向こうから、またも現れる死神のような悪魔によって、一気に現実に引き戻された。
ほの明るい蒼炎のみちしるべが、心許なく足元を照らすくらいだ。
恐怖ゆえの震えが、ディーヴァの体に蘇ってきた。
「ディーヴァ、つかまってろ」
ディーヴァがしっかりとオレにしがみつくのを感じ、足に魔力を集中させる。
死神悪魔が得物を振りかぶった瞬間、オレは最大値まで込められた魔力を爆発させて走り出した。
魔力のおかげか、高い瞬発力をはじき出したオレの足。シンサイズ達はオレの足について来れず、その場に取り残された。
「死神さんたち倒さないの?」
「無視する」
悪魔狩りはオレの生きる理由のひとつだ。
一匹たりとも逃してやるものか、それを信条に生きてきた。ディーヴァに会うまでは。
いや、ディーヴァと出会ってからも、その信条は今もオレの中にある。
けれどディーヴァを連れている今、逃げる選択肢も時には必要だ。
どちらにせよ、ここの親玉をぶっ飛ばさなくては過給悪魔はいつまでも増え続ける。
モトを絶つぜ!
滑り込むようにして扉の向こうへ行けば、シンサイズ達にもそう簡単に見つからないだろう。あいつらは死神の姿をしてる割にあまり知能は高くない。
ディーヴァをおろし、螺旋階段を上がっていく。
「この螺旋階段、急勾配ってわけじゃないけどホント長いよねぇ」
十数段あがったところで、ディーヴァがもらす。
「疲れたか?」
「ちょっぴり。
足の負担的には下りより上りのほうが負担少ないらしいんだよ?でも、上りのほうが疲れる感じするよねー」
「この島で動き回った疲れがあるとはいえ、お前もともと運動不足だもんなァ」
「運動不足なわけないでしょ?だって普段ダンテと……」
「オレと?」
ほう?その続き言ってみ?
ニヤニヤしてディーヴァに続きを促した。
「なんでもない!」
真っ赤になって言えなくなったかわいいディーヴァのために、オレが代わりを務める。せっかく夜の話をディーヴァから振ってくれたんだもんな。
「運動も体力も不足してるのはホントだろ。たった一回のセ「わー!わー!!」で気をやるんだから」
「半分悪魔のダンテと一緒にしないで!あとお口チャック!!」
それ以上言わせない、と唇をつままれた。
かゆい抵抗だな……このままでも十分喋れるぞ?
「口にチャックって言ってもアラストルはノーカン」
『あっ俺マスター達の夜の営みの事もディーヴァがたった一回で気絶するとかしないとかまったく聞こえてなかったから大丈夫!うん!』
「わあああああ!しっかり聞こえてるんじゃない!」
アラストルも中身の性別は男寄りだから仕方がない。